2011年12月4日日曜日

井川意高句会・投句一覧

お待たせしました。

【井】
井の底に鯰かはづの来るを待つ
井の頭公園口のおでんかな
井戸に無く丼にある臍寒し
井戸のぞくようにi phone 冬浅し
井戸重く水を吐き出す寒さかな
井戸覗く空は手のひらほどの冬
円きまま井戸も冱つるや祖母の家
玉の井の一夜で舞って散る銀杏
古井戸に昔の冬の水ありて
短日の井戸のまわりが濡れたまま
底冷えの井戸のかたちが五芒星
蜜柑剥く「井戸の茶碗」を聴きながら

【川】
あやかしの流体力学冬の虹
こほらない川だから来る冬の鶴
海に抱かれに 霧・雪・川
鴨川の亀笑ふ恋冬うらら
川沿ひのホテルの傍の枯尾花
川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
川上より桃色手袋川下へ
冬ざれの真昼の川はまつすぐに
冬の空一番遠い川かしら
冬の川流れて冬の海に入る
反射光鈍って冬の川になる
風花やしづかに流れ神田川

【意】
ここにいる意味をさがして浮寝鳥
さざえさん意地悪婆さんマスクして
意のままにならず炬燵の中の闇
意のままに意中の人を冬日向
十二月すつかり疲れ意見言ふ
人生の意味はさて措き冬籠り
雪の夜の不随意筋の動きかな
弔意かく告げて飛び去る鳰
凍月や告白できぬ意気地なし
不意をつく一球からの雪合戦
蓮の実の飛んで遺憾の意を表す
凩の意にそうもの意にそわぬもの

【高】
じわじわと高野豆腐が吸っている
ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校
円高く高く高く冬茜
奥飛騨の見事な雪の高さかな
蕎麦つるつる高座にもひとつ夜半の冬
狐の嫁入先頭の高提灯
高音が抜けてるクリスマスツリー
高砂や白き狐の尾も白く
残高を表示しきれぬ師走かな
手袋に指を沈めて居丈高
冬の雨棒高跳の棒不遇 
冬晴れに高所恐怖の募りをり

【当季雑詠】
いふなれば濡落葉めく恋慕かな
さぼうるに頼む珈琲暮早し
さまざまな咳開演を待つてをり
もしかして寒卵に目鼻と歯も
甘いもの欲しくて霜の夜を起きる
顔見世や忘れ難きは恋敵
幾たびもあちあちと触れ焼藷よ
魚屋が見えるところで鰤捌く
狐火がこれっぽっちも熱くない
除湿器の泡のぶくぶく冬に入る
寝不足の昼の月置き山眠る
数へ日の古着の柄にきほひかな
奏でたる和音溶け合ふ聖夜かな
冬深む三和土に晴れの靴予報
東京堂書店の隅に暦売る
湯に入れる前に針刺す寒卵
余市ワインほのと嗜む初時雨
裸木の指の間に青空来
恋文に湯気立つやうな消印が

(以上)
12句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月7日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/
題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

13 件のコメント:

  1. ●井戸重く水を吐き出す寒さかな
    汚れを濾過する為、水の吐き出し口に布袋が付けられ、それが赤錆色になり、と昔の井戸の風景やら、手で押す時の力の要る具合が思い出されました。外の寒さほど井戸水は冷たくなかったことも。

    ●井戸覗く空は手のひらほどの冬
    井戸は深くて底の方に空が映って居り、何か不気味で。

    ●玉の井の一夜で舞って散る銀杏
    残念ながら玉の井の全盛は知りませんが、なんともレトロ。銀杏の校章をつけた東大生の筆おろし懐古談かしら。

    ●古井戸に昔の冬の水ありて
    中七が断然いいですね。

    ●短日の井戸のまわりが濡れたまま
    日暮れが早くて寒々しくお茶碗欠いたの誰でしょう。

    ●海に抱かれに 霧・雪・川
    いつもお上手なあの方のお作かと。あたっているかどうかが
    楽しみ。季重なりでもこの場合はいいのでは。

    ●意のままにならず炬燵の中の闇
    たいへん色っぽいです。

    ●じわじわと高野豆腐が吸っている
    ほんと。煮汁が沁み込んで行く様子そのまんまです。

    ●円高く高く高く冬茜
    その昔、1ドル360円、観光なんてまだ許されず、やっと渡航
    許可が下りても、500ドルしか持ち出せなかったなんて今では
    嘘みたいですよね。冬あかねは、冬おかねということね。

    ●冬の雨棒高跳びの棒不遇
    鳥渡る棒高跳びの棒残り の句を受けて氷雨の中の「棒」への同情句でしょう。

    ●さまざまな咳開演を待つてをり
    華やかなざわめきと開演の瞬間の静寂との対比、さまざまな咳に色彩まで感じます。

    ●恋文に湯気立つやうな消印が
    不粋なスタンプも熱いラブレターではあてられるのも無理からぬこと。中七の措辞が見事です。

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  2. ●冬の雨棒高跳の棒不遇 この句のコメントで跳びと「び」を
    入れてしまい、申し訳ございませんでした。引用句も「び」は不要でした。平にご容赦を。

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  3. 〇井の頭公園口のおでんかな
    焼鳥もありますなぁ。

    〇玉の井の一夜で舞って散る銀杏
    玉の井、座布団一枚。

    〇短日の井戸のまわりが濡れたまま
    東京下町の路地の風合い。短日の感じひしひし。

    〇こほらない川だから来る冬の鶴
    そりゃそうだ。このいけしゃぁしゃぁ感が素敵。

    〇川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
    これもなんとも言えぬ風合い。聖歌隊って歌ってないときって、単なる変な恰好の一団って感じだものね。

    〇ここにいる意味をさがして浮寝鳥
    哲学する浮寝鳥がいたっていいじゃないか。

    〇不意をつく一球からの雪合戦
    そうそう。「やったなぁ~」とか言っちゃって。

    〇じわじわと高野豆腐が吸っている
    高野豆腐の本質をついた佳句。勿論お出汁を吸っているんだけど、なにやらもっと違うものも吸い込んでゆくようで。

    〇さぼうるに頼む珈琲暮早し
    神保町に縁のある人は取っちゃう句。ナポリタンライスも名物です。

    〇甘いもの欲しくて霜の夜を起きる
    嗜好品とはこういうもの。

    〇狐火がこれっぽっちも熱くない
    熱いとインチキっぽいな。

    〇東京堂書店の隅に暦売る
    パターンと言えばパターンだけれど、こういう句があると落ち着く私。

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  4. 楽しく選句しました。

    ☆井の底に鯰かはずの来るを待つ
     永田耕衣を思いほのぼの幸せになりました。

    ☆短日の井戸のまわりが濡れたまま
     日差しも弱くなり乾かないのです。寒々しさもひとしお。

    ☆鴨川の亀笑ふ恋冬うらら
     どんな恋なのかしら。でも楽しい恋のようです。

    ☆川沿ひのホテルの傍の枯尾花
     そのホテル意味ありげ。枯尾花で終わってしまった恋を感じてしまいますが・・・

    ☆川上より桃色手袋川下へ
     物語の始まり?それとも終わり?

    ☆風花やしずかに流れ神田川
     シンとした清潔な冬の光景。

    ☆意のままに意中の人を冬日向
     うらやましいなあ。でも冬日向で相手もそれで良い、それで幸せって言ってるんですね。見えてきます。

    ☆凍月や告白できぬ意気地なし
     そうそう普通はこちら。大丈夫ですよ。そのうちいつか。

    ☆不意をつく一球からの雪合戦
     仕掛けられたら仕方ない。いざいざ真剣勝負。

    ☆狐の嫁入先頭の高提灯
     美しく幻想的です。

    ☆冬晴れに高所恐怖の募りけり
     くらくらするような真っ青な空。理解できますこれ。

    ☆さまざまな咳開演を待ってをり
     咳はマナーに反するとて開演前に喉の異物を払いのけるためあちこちで咳が。

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  5. ○井の頭公園口のおでんかな
     とんでもなく長い固有名詞と季語だけでできた句なのですが、三文字の季語ならなんでもいいわけではなくて、「おでん」が絶妙なのでしょう。

    ○短日の井戸のまわりが濡れたまま
     今朝、実際に濡れているところをたまたま目撃して、この句や長谷川櫂の「春の水とは濡れてゐるみづのこと」のことを思い出していたのです。で、この句ですが、切れ字を入れたり助詞にこったりすることなく、ぶっきらぼうにあるがま
    まに投げ出されていて、よいです。

    ○川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
     ひと気のあるところだけ歌って行くのでしょうか。現金な聖歌隊です。

    ○不意をつく一球からの雪合戦
     「不意をつく一球からの」という措辞が文字通り不意をついていて、句として成功していると思います。

    ○じわじわと高野豆腐が吸っている
     なんだかSFのような高野豆腐です。すごく不吉です。

    ○ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校
     これも人間がいるんだかいないんだか、こわい高校です。異臭が漂うのだろうなあ。

    ○さまざまな咳開演を待つてをり
     なんだかざわざわ感が伝わってきます。「さまざまな」というごく普通の措辞がオノマトペとしての効果を上げている不思議な作例のひとつと言えましょう。

    ○甘いもの欲しくて霜の夜を起きる
     これは病的です。牙が生え、光を怖がったりするのではないでしょうか。

    ○魚屋が見えるところで鰤捌く
     今ではこんな景も当たり前ではなくなってしまったのでしょうか。「当たり前俳句」とか「馬鹿俳句」とか呼んでいたものが別の意味を帯び始めているような気がします。

    ○狐火がこれっぽっちも熱くない
     寒さのあまり、狐火に暖をとろうとしたのですね。

    ○東京堂書店の隅に暦売る
     う~ん。これも当たり前俳句のようなふりをしているんだけど、「東京堂書店」という固有名詞の勝利なんだろうなあ。「三省堂書店の隅に暦売る」だったら取らないだろうなあ…。

    ○恋文に湯気立つやうな消印が
    恋文が湯気を立てている訳ではないところがいいのでしょうねえ、これは…。

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  6. 【井】
    ○井の頭公園口のおでんかな
    おでんがいい。うまく嵌っている。そのおでんは屋台で売られているのです。その屋台は桜の時期になると石神井公園の前にいっておでんを売るのです。そのおでんを私は食べたのです。

    ○古井戸に昔の冬の水ありて
    なにか曰くありげです。なにか出てきそうです。

    ○短日の井戸のまわりが濡れたまま
    寒そうです。少しじっとりとしているのです。井戸の周りとはそういうものなのです。

    【川】
    ○川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
    無言でひたひたと川沿いを進む聖歌隊。不気味でもあります。

    【意】
    ○意のままに意中の人を冬日向
    なにかこっそりと悪いことをしていそうでもあります。

    ○雪の夜の不随意筋の動きかな
    何故か勝手に動いてしまうのです。特に雪の夜は、寒かったり寂しかったりして。

    ○蓮の実の飛んで遺憾の意を表す
    この遺憾の意を表し方は強い意思を感じます。それにしても、どうして蓮の実の飛ぶ頃の蓮はあんなに気持ち悪いのでしょう。あの穴穴穴穴穴…がどうしても好きになれないのです。

    【高】
    ○ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校
    この高校は銀杏に囲まれているのですね。その季節ともなれば近寄りがたい匂いを発する高校…ということになりましょうか。

    【当季雑詠】
    ○さまざまな咳開演を待つてをり
    今は無き歌舞伎座でのマツケンの公演とか、そんな感じなのでしょう。期待感が溢れています。

    ○甘いもの欲しくて霜の夜を起きる
    夢遊病者のごとくプリンやチョコを目指してコンビ二まで彷徨って行きそうです。

    ○魚屋が見えるところで鰤捌く
    魚屋さんと腕を競う如く。鰤を一本買いするということは料理屋さんかなんかでしょうかね。この時期の鰤は脂が乗っていて美味しい。ああ、食べたい。

    ○東京堂書店の隅に暦売る
    東京堂書店がいいなあ。高島暦なんか売っていそう。

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  7. ○井戸のぞくようにi phone 冬浅し
     まるでそこに何かが入っているようにのぞき込む感じ。スマホって「のぞき込む」感が強いです。

    ○底冷えの井戸のかたちが五芒星
     なんかえらいもんを見てしまっているような。

    ○川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
     体力温存か、と思うと知らず涙がこみあげてしまひます。布教活動の一環として、列をなして子供たちがそぞろ歩いているみたいな。

    ○雪の夜の不随意筋の動きかな
     不随意筋って心筋なんかのことなんですね。ドキドキしていることを言ってたらおかしいですね。

    ○じわじわと高野豆腐が吸っている
     高野豆腐の眼目は吸うことである。彼らは黙って今日も吸い上げています。

    ○ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校
     いい景色、がだんだんただならぬ光景になっていく幻を見ました。

    ○残高を表示しきれぬ師走かな
     ありすぎて桁が入りきらないのか、1円未満だから表示できないのか。嗚呼。

    ○いふなれば濡落葉めく恋慕かな
     なんだかナイスミドルが自嘲的につぶやいているみたいに(勝手に)見えました。言いつつ全然あきらめてなそうな。

    ○魚屋が見えるところで鰤捌く
     スーパーの鮮魚売り場では頼むとバックヤードで魚をおろしてくれますが、居酒屋のランチなんかでは「鮪解体ショー」なんかやってたりします。変な時代です。

    ○狐火がこれっぽっちも熱くない
     強がりつつ腰がひけている感じがします。

    ○裸木の指の間に青空来
     ちょっと突っ込みたいところもままあるのですが、素直な感じに惹かれました。

    ○恋文に湯気立つやうな消印が
     開ける前から物騒な手紙です。

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  8. ○井の頭公園口のおでんかな
    地名もいいですがおでんがいいですね。

    ○井戸のぞくようにi phone 冬浅し
    みんな覗いていますね。

    ○短日の井戸のまわりが濡れたまま
    なんとも寒々しいです。

    ○川沿ひのホテルの傍の枯尾花
    川沿いのホテル自体うらぶれた感じですね。

    ○さざえさん意地悪婆さんマスクして
    立体マスクじゃない昭和のマスクです。

    ○意のままに意中の人を冬日向
    うらやましいような不気味なような。

    ○蓮の実の飛んで遺憾の意を表す
    遺憾といわれればなるほどと思います。

    ○じわじわと高野豆腐が吸っている
    吸っているところに着目したのが可笑しいです。

    ○高音が抜けてるクリスマスツリー
    わかるようなわからないような、でも抜けている感じはします。

    ○冬の雨棒高跳の棒不遇
    雨の中不遇というよりも何回も落とされて不遇なのかなと思って読みました。

    ○さまざまな咳開演を待つてをり
    さまざまをここにもってきたのは上手いです。

    ○狐火がこれっぽっちも熱くない
    確かに、火としての実体はなさそう。

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  9. ○井戸のぞくようにi phone 冬浅し
    なるほど納得。

    ○井戸重く水を吐き出す寒さかな
    重くが効いていますね。

    ○短日の井戸のまわりが濡れたまま
    日暮れ時の寒々しい感じが伝わります。

    ○川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
    川風は声によくないのかな。。

    ○意のままに意中の人を冬日向
    うらやましい限りです。w

    ○不意をつく一球からの雪合戦
    そうでした、そうでした。なつかしい~

    ○残高を表示しきれぬ師走かな
    師走ってどうしてこんなにあわただしいのでしょうね。

    ○冬の雨棒高跳の棒不遇
    棒に焦点を合わせたところがうまいです。

    ○さまざまな咳開演を待つてをり
    この状況、よくわかります。

    ○魚屋が見えるところで鰤捌く
    新鮮でおいしそうですね。

    ○狐火がこれっぽっちも熱くない
    そう言われてみれば。。

    ○東京堂書店の隅に暦売る
    固有名詞が効いていますね。

    返信削除
  10. 選句です。

     ◯井の頭公園口のおでんかな
     焼き鳥でなくおでんも良いですね。

     ◯短日の井戸のまわりが濡れたまま
     使っている井戸の感じが上手くでています。短日が淋しいなあ。

     ◯こほらない川だから来る冬の鶴
     季語が多いけどさほど気になりません。
     この当たり前感が好きです。  

     ◯川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
     家もないので、歌わないのでしょう。
     一休みです。

     ◯冬ざれの真昼の川はまつすぐに
     真昼の川を言い当てています。

     ◯さざえさん意地悪婆さんマスクして
     二人は同じ作者が生み出したキャラクターですが、
     マスクして二人が出会ったような感じがします。

     ◯意のままにならず炬燵の中の闇
     意のままにならないのは、闇ではなくて闇のなかに
     あるものだろう。

     ◯雪の夜の不随意筋の動きかな
     例えば心臓の動きだが、うごいている事は普段わからない。
     でも動いていると考える。

     ◯蓮の実の飛んで遺憾の意を表す
     この遺憾の意は心からではないと感じさせる。
     原発の後始末のような。

     ◯冬の雨棒高跳の棒不遇
     跳べても跳べなくてもあの棒には不遇感があります。

     ◯さぼうるに頼む珈琲暮早し
     さぼうるのまえは良く通りますが、
     最近入っていません。
     フランスワールドカップの予選をさぼうるで
     見たのが懐かしいです。

     ◯恋文に湯気立つやうな消印が
     自分で消印をおして自分で持って行ったような。
     そんなことできないけど。
     
     種茄子

    返信削除
  11. はじめまして空猫と申します。
    勢いよく参加させて頂きますが、投句はぼろぼろですね。
    それででめげずに楽しみたいと思いますので、お付き合いのほどよろしくお願い致します。

    ○井戸に無く丼にある臍寒し
    丼の点を臍と捉えたところがおもしろいです。

    ○古井戸に昔の冬の水ありて
    言われれば確かに。。。

    ○短日の井戸のまわりが濡れたまま
    乾かぬうちに日が暮れて、いつまでも濡れたまま

    ○川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
    川沿いは寒くて、聞いている人もおりません。

    ○不意をつく一球からの雪合戦
    その一球は、渾身の一撃!

    ○冬の雨棒高跳の棒不遇
    冬の棒高跳びは見ているだけでもつらいです。

    ○さまざまな咳開演を待つてをり
    何の舞台でしょうか?わくわくします。

    ○狐火がこれっぽっちも熱くない
    これっぽっちが良い表現。

    ○寝不足の昼の月置き山眠る
    ぽっかりと月だけが浮かぶ、静かな一日。

    ○数へ日の古着の柄にきほひかな
    古着にも愛着があります。

    ○冬深む三和土に晴れの靴予報
    子供の靴ですね。

    ○恋文に湯気立つやうな消印が
    こんな恋文を貰いたいものです。

    返信削除
  12. 遅くなりました。
    ○井戸覗く空は手のひらほどの冬
    深みの水に空が映ったのでしょうか。気持ちの良いひとりごち。

    ○古井戸に昔の冬の水ありて
    「古」「昔」はちょいと気になりましたが良い発見。

    ○川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
    歌いっぱなしじゃつかれます。良いリーダーを持ちました。

    ○冬ざれの真昼の川はまつすぐに
    そんな気がしてくるから不思議です。

    ○不意をつく一球からの雪合戦
    遊びとは思えぬほど本気ですね。

    ○手袋に指を沈めて居丈高
    「居丈高」という言葉を教えてもらいました。上五中七の措辞好きです。

    ○幾たびもあちあちと触れ焼藷よ
    そうそう。ああ食べたし。

    ○寝不足の昼の月置き山眠る
    月曰く「こっちは夜からずっと眠れないんだよ。いいなお前さんは。」なんか昔話みたいで楽しいです。

    ○数へ日の古着の柄にきほひかな
    「きほひ」が面白いです。

    ○奏でたる和音溶け合ふ聖夜かな
    ピースフルなひととき。

    ○冬深む三和土に晴れの靴予報
    「三和土」(たたき)という言葉を教えてもらいました。勉強になるな〜。てわたしが知らなすぎ。

    ○湯に入れる前に針刺す寒卵
    こうすると割れないのかな。

    返信削除
  13. 時間オーバーしてしまいました。すみません。

    ○こほらない川だから来る冬の鶴
    だから、の繋ぎの強引さが面白いです
    ○川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
    リアルです。
    ○風花やしづかに流れ神田川
    全体に綺麗だったので。
    ○意のままにならず炬燵の中の闇
    たしかに…。
    ○凍月や告白できぬ意気地なし
    冬の身に迫る焦りが季語で雅文的にやわらぐような。
    ○不意をつく一球からの雪合戦
    動的でわくわくします。
    ○奥飛騨の見事な雪の高さかな
    高さと捉えるのが面白いです。
    ○手袋に指を沈めて居丈高
    これも対象へアプローチする動詞が面白いです。
    ○冬の雨棒高跳の棒不遇
    片付けてほしい…。
    ○さぼうるに頼む珈琲暮早し
    かなでぼかされた情景が優しいです。
    ○狐火がこれっぽっちも熱くない
    人を喰ったこの感じ…。
    ○冬深む三和土に晴れの靴予報
    これも明朗できれい。

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