2013年2月27日水曜日

青文字系句会・作者発表

お待たせしました。

青年が燃ゆるゴミ出す日の霞       天気      露四
文鳥堂書店に春の本いろいろ       天気      朝ら由
げじげじがのたうつやうなわたしの字   天気    
春の人どこかあやしい系の人       天気    
さめぎはの夢に出てくるブロッコリ    天気      朝直苑ら亜四独

青空に触れて割れたるしゃぼん玉     直子      露朝らあ亜
縄文人ばかり集まり栄螺焼く       直子      苑ら不四独
夫とすれ違ふ十字路街朧         直子      露
春寒の鼻に出てをり父系の血       直子    
すれ違ふ人は影絵の春の宵        直子      ら亜

鳥曇どぶ板通りの青き紙幣        あんこ     不
文字化けを起こしてゐたる春の夢     あんこ     露朝ら由独
十字架のかたちとなりて鳥帰る      あんこ     不
おネエ系デザイナー来る春夕       あんこ     朝
春寒のかほよ隘路を行くやうに      あんこ     直

青色申告白色申告梅ひらく        露結      天
蛇穴を出づるや文字を書くやうに     露結      直不
一村に大字小字椿咲く          露結      直
夏みかん太陽系に連ねけり        露結      苑
見なくてもわかる椿が咲いてゐる     露結      あ由天四

面差しの淡き青年紫木蓮         独楽    
懐に秘めし恋文春の星          独楽    
春愁に字数制限ありにけり        独楽      ら不由四
睦まじき女系家族や雛祭         独楽      露四
春灯し天津飯の照り照りと        独楽      直苑亜
末黒野にコンセントがひとつ足りぬ    独楽      露朝直苑ら亜四
頭痛薬二粒飲んで山笑ふ         独楽      あ

きさらぎの青き月夜を海といふ      苑を      朝不亜四独
朧夜の紀文蒲鉾ぷるぷるす        苑を      直亜
夕東風や江戸吉原に起誓文        苑を    
わらびもち漢字クイズを間違へる     苑を    
アネモネは文系ヒヤシンスは理系     苑を      露ら不由亜天四
春きざすなり嘘つきの系譜なり      苑を    

さえずりのどこかにきっと青い鳥     らくだ     直
重文のこれは国宝梅香る         らくだ     由天
京刃物菊一文字星朧           らくだ    
外資系とは名ばかりの亀鳴けり      らくだ     独
菜の花と海を見にゆく休みかな      らくだ     朝あ

踏青や体鍛ふることもなく        朝比古    
文学へ向かふごとくに鳥雲に       朝比古    
下手な字のお品書なり梅見茶屋      朝比古     由天
ジャイアントパンダの系譜あたたかし   朝比古     独
別々の箱より出でしひひなかな      朝比古     直苑あ由亜

青春のギター背負うてゆく日永      亜紀      独
原文に適ふ訳文鳥帰る          亜紀      ら不由天
黒文字の尖り優しき桜もち        亜紀      朝苑不由四
婦系図見て来し後の春の月        亜紀      あ
自転車の鍵の飛び出て春めきぬ      亜紀      露苑不由天四
折り鶴の色のとりどり風光る       亜紀      朝直独

青洟のさらさらになり卒業す       不孤      直
文京区坂また坂の遅日かな        不孤      露朝苑らあ亜四
答辞読む字数きつかり七五四       不孤      あ
直系の御先祖様へ桃の花         不孤      由
分厚き手のカードマジック春灯      不孤      あ独

踏青の小さき墓にたどり着く       由季      朝苑あ亜独
花馬酔木文字情報に置き換へる      由季      独
花の夜数字合ふまで残業す        由季      露ら亜天独
系統のわからぬままに梅ひらく      由季      露あ
信楽の狸に歯あり春の雪         由季      不天

しんがりに青大将の出でにけり      四童      苑天
鳥雲にゆつくりと解く文章題       四童      苑天
一の字に書き順のある二月尽       四童      露
温泉系歌手のたましひ山笑ふ       四童      不天
コルク抜き白木蓮を眺めけり       四童      直あ

以上。(集計:不孤)


応援学割句会・出題

先に出題しておきます。もう3月なのですね。
再開第48回目の出題です。

【応】
【援】
【学】
【割】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月2日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2013年2月24日日曜日

青文字系句会・投句一覧

 久々の盛況です。ありがとうございます。

【青】
きさらぎの青き月夜を海といふ
さえずりのどこかにきっと青い鳥
しんがりに青大将の出でにけり
青空に触れて割れたるしゃぼん玉
青春のギター背負うてゆく日永
青色申告白色申告梅ひらく
青年が燃ゆるゴミ出す日の霞
青洟のさらさらになり卒業す
鳥曇どぶ板通りの青き紙幣
踏青の小さき墓にたどり着く
踏青や体鍛ふることもなく
面差しの淡き青年紫木蓮

【文】
花馬酔木文字情報に置き換へる
懐に秘めし恋文春の星
原文に適ふ訳文鳥帰る
蛇穴を出づるや文字を書くやうに
重文のこれは国宝梅香る
鳥雲にゆつくりと解く文章題
縄文人ばかり集まり栄螺焼く
文学へ向かふごとくに鳥雲に
文京区坂また坂の遅日かな
文字化けを起こしてゐたる春の夢
文鳥堂書店に春の本いろいろ
夕東風や江戸吉原に起誓文
朧夜の紀文蒲鉾ぷるぷるす

【字】
げじげじがのたうつやうなわたしの字
わらびもち漢字クイズを間違へる
一の字に書き順のある二月尽
一村に大字小字椿咲く
下手な字のお品書なり梅見茶屋
花の夜数字合ふまで残業す
京刃物菊一文字星朧
黒文字の尖り優しき桜もち
十字架のかたちとなりて鳥帰る
春愁に字数制限ありにけり
答辞読む字数きつかり七五四
夫とすれ違ふ十字路街朧

【系】
アネモネは文系ヒヤシンスは理系
おネエ系デザイナー来る春夕
ジャイアントパンダの系譜あたたかし
温泉系歌手のたましひ山笑ふ
夏みかん太陽系に連ねけり
外資系とは名ばかりの亀鳴けり
系統のわからぬままに梅ひらく
春の人どこかあやしい系の人
春寒の鼻に出てをり父系の血
直系の御先祖様へ桃の花
婦系図見て来し後の春の月
睦まじき女系家族や雛祭

【当季雑詠】
コルク抜き白木蓮を眺めけり
さめぎはの夢に出てくるブロッコリ
すれ違ふ人は影絵の春の宵
見なくてもわかる椿が咲いてゐる
菜の花と海を見にゆく休みかな
自転車の鍵の飛び出て春めきぬ
春きざすなり嘘つきの系譜なり
春寒のかほよ隘路を行くやうに
春灯し天津飯の照り照りと
信楽の狸に歯あり春の雪
折り鶴の色のとりどり風光る
頭痛薬二粒飲んで山笑ふ
分厚き手のカードマジック春灯
別々の箱より出でしひひなかな
末黒野にコンセントがひとつ足りぬ

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:2月26日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年2月20日水曜日

青文字系句会・出題

再開第47回目の出題です。

【青】
【文】
【字】
【系】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:2月23日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

羽生結弦句会・作者発表

あんこさん、ようこそ。 発表です。

耳に羽根生えて雲雀になる途中      露結      独四
生活の中に鶯餅加へ           露結      独
卒業の結いて解くリボンかな       露結    
逃水の中の弦楽四重奏          露結      あ亜
トタン板が叫びながら来る春一番     露結      ら

青空へ羽化せし蝶の遠さかな       直子    
雅子妃の「生きるって何?」春浅し    直子    
デパ地下と駅ナカ結ぶ春の闇       直子      露独亜四
朧夜や中国製の弦切れて         直子    
新入生ひと月前は卒業生         直子      露

サイネリアそこは折られし羽の痕     独楽      あ亜ら
生協のトラックぶるるんと余寒      独楽    
梅が枝に母の御籤を結びけり       独楽    
少女らの集ひて春の正弦波        独楽      直四
春寒や腰痛堪へ六本木          独楽      朝
春寒し計算づくのテディベア       独楽      直
都合により凹んでゐます春の空      独楽      露朝ら

末黒野のうたごゑに羽ありにけり     あんこ     露朝
唇のかたち生き生き石鹸玉        あんこ     露朝亜
水の春幼き指の結ばるる         あんこ     直独四
弦の音消えて北窓開かるる        あんこ     ら
春の夜螺旋となりし物語         あんこ     露亜

音羽屋の嫁取りバレンタインデー     らくだ     独
学生でいられるうちは落第す       らくだ     朝
春風にピンクのリボン結びたし      らくだ    
冴返るギターの弦の切れたまま      らくだ    
この梅は雪を呼ぶ梅ほころびぬ      らくだ    

一羽のみ残る白鳥完結す         亜紀      直ら四
春北風や学生街に紛れ込み        亜紀      朝直あ
バレンタインデー結び目に手をかけて   亜紀      四
弦楽器後ろに控へ春の宵         亜紀      朝ら
春の夜の運ばれてゆく躯かな       亜紀      直あ独四
朧夜の往生際を考ふる          亜紀      あ
恋猫の故郷を聞く電話口         亜紀    

梅苑にひとひらの羽拾ひけり       朝比古    
生活のあはひを飛んでしやぼん玉     朝比古     直亜ら四
結線の混沌として春の塵         朝比古     直
朧夜に鳴る飴色の弦楽器         朝比古     露あ亜
卒業証書すぐに丸めてしまひけり     朝比古     独

暗闇をやさしく殺す春の羽        四童      朝
川生るるところ一層百千鳥        四童    
結成し再結成し鳥帰る          四童      露あ亜ら
弦触るるあたりの固き春灯        四童      独
終はりには涙は要らず鳥曇        四童      あ

以上。(集計:不孤)

2013年2月17日日曜日

羽生結弦句会・投句一覧

お待たせしました。

【羽】
サイネリアそこは折られし羽の痕
暗闇をやさしく殺す春の羽
一羽のみ残る白鳥完結す
音羽屋の嫁取りバレンタインデー
耳に羽根生えて雲雀になる途中
青空へ羽化せし蝶の遠さかな
梅苑にひとひらの羽拾ひけり
末黒野のうたごゑに羽ありにけり

【生】
雅子妃の「生きるって何?」春浅し
学生でいられるうちは落第す
春北風や学生街に紛れ込み
唇のかたち生き生き石鹸玉
生活のあはひを飛んでしやぼん玉
生活の中に鶯餅加へ
生協のトラックぶるるんと余寒
川生るるところ一層百千鳥
朧夜の往生際を考ふる

【結】
デパ地下と駅ナカ結ぶ春の闇
バレンタインデー結び目に手をかけて
結成し再結成し鳥帰る
結線の混沌として春の塵
春風にピンクのリボン結びたし
水の春幼き指の結ばるる
卒業の結いて解くリボンかな
梅が枝に母の御籤を結びけり

【弦】
弦の音消えて北窓開かるる
弦楽器後ろに控へ春の宵
弦触るるあたりの固き春灯
冴返るギターの弦の切れたまま
少女らの集ひて春の正弦波
逃水の中の弦楽四重奏
朧夜に鳴る飴色の弦楽器
朧夜や中国製の弦切れて

【当季雑詠】
この梅は雪を呼ぶ梅ほころびぬ
トタン板が叫びながら来る春一番
終はりには涙は要らず鳥曇
春の夜の運ばれてゆく躯かな
春の夜螺旋となりし物語
春寒し計算づくのテディベア
春寒や腰痛堪へ六本木
新入生ひと月前は卒業生
卒業証書すぐに丸めてしまひけり
都合により凹んでゐます春の空
恋猫の故郷を聞く電話口

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:2月19日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年2月12日火曜日

羽生結弦句会・出題

再開第46回目の出題です。

【羽】
【生】
【結】
【弦】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:2月16日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

電子書籍句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

静電気帯びて如月来たりけり        朝比古     ら四緋
細密な分子模型や地虫出づ         朝比古     露直亜
書を捨てて街に出て来し雪をんな      朝比古     露らた
戸籍から抹消されし返り花         朝比古     露緋
外套は千鳥格子の一張羅          朝比古    

立春や電線の鳩寄り添いて         らくだ    
サイズのみ子供用なり春コート       らくだ     朝た緋
観察の対象として春の司書         らくだ     直亜不独四緋
一家みな国籍ひとつ水仙花         らくだ     直た
探梅や散歩の犬に新顔が          らくだ     朝

電線にフォルティッシモの寒雀       直子      不独緋
七匹の子を抱く犬や冬北斗         直子      朝
古書店に夫見失ふ冬日和          直子      朝露独四緋
落籍し同棲五年雪女郎           直子    
松過ぎの四十八茶と百鼠          直子    

立春や電子レンジで十五分         露結      直
子と親とまたその親と木の芽和       露結      朝直四
鶯を鳴かせるための入門書         露結      朝ら不独
入籍を終えて目刺しと別れけり       露結      直ら独四
スギナスギナすくすく育ち権威めく     露結      直亜独

露地の恋猫はだか電球こうこう       たろう     独四
赤子のおっぱいうららうららのおっぺけぺん たろう    
淡雪の空にやわらか手紙書く        たろう     亜
春来る漢籍一巻梳る            たろう    
雪女郎どうもあやしいあの泪        たろう    
ハイどうもへんな外人風邪やろか      たろう    

きさらぎの海が見たくて江ノ電に      独楽      朝亜不四
ロケバスに眠る子役と仔猫かな       独楽      不
参考書閉ぢていよいよ大試験        独楽      ら
国境も国籍もなく鳥交る          独楽      朝直亜た
ぼろきれのやうに二月にたどり着く     独楽      露ら緋
大袈裟に日経めくる二月かな        独楽      直亜ら不
冴返る書庫には書庫の掟あり        独楽      亜ら

リモコンの電池切れなる冬の雲       亜紀      露た緋
かぴかぴの亀の子束子春の雪        亜紀    
春寒の書き損じたる葉書かな        亜紀      た緋
春めきて在来線でゆく灯台         亜紀      朝た四
糸巻の引いてとんとん日脚伸ぶ       亜紀      不
在籍の選手名鑑春立ちぬ          亜紀      四
杭打ちの動作ゆつくり寒の明        亜紀      独

朧夜のどこかで唸りだす家電        不孤      朝露亜独四
ファックスの親機も子機も春埃       不孤    
右寄りに書く短冊の余寒かな        不孤      らた緋
戸籍簿の硬き癖字や辛夷の芽        不孤      独た
立春の雲は汚れてゐたりけり        不孤    

平泳ぎ自由電子とカエルかな        緋茶    
電子音眼鏡の縁だけ光らせて        緋茶      た
書を捨てて行く当てもなく蜜柑食う     緋茶    
背を向ける書籍に指掛け誰何する      緋茶    
白く深くあくがれ出づるわたし哉      緋茶    
冬林檎こぼして土の運動場         緋茶    

電車から見るだけの道すこし春       四童      直亜不
はじめから歩く子のゐる春野かな      四童      露
春が来て文庫カバーの書店なし       四童      不
入籍の窓口灯る余寒かな          四童      露不
腹筋の次は背筋霾ぐもり          四童      露ら

以上。(集計:不孤)

2013年2月7日木曜日

電子書籍句会・投句一覧

 大変遅くなり申し訳ありません。

【電】
きさらぎの海が見たくて江ノ電に
リモコンの電池切れなる冬の雲
静電気帯びて如月来たりけり
電車から見るだけの道すこし春
電線にフォルティッシモの寒雀
平泳ぎ自由電子とカエルかな
立春や電子レンジで十五分
立春や電線の鳩寄り添いて
露地の恋猫はだか電球こうこう
朧夜のどこかで唸りだす家電

【子】
かぴかぴの亀の子束子春の雪
サイズのみ子供用なり春コート
はじめから歩く子のゐる春野かな
ファックスの親機も子機も春埃
ロケバスに眠る子役と仔猫かな
細密な分子模型や地虫出づ
子と親とまたその親と木の芽和
七匹の子を抱く犬や冬北斗
赤子のおっぱいうららうららのおっぺけぺん
電子音眼鏡の縁だけ光らせて

【書】
右寄りに書く短冊の余寒かな
観察の対象として春の司書
古書店に夫見失ふ冬日和
冴返る書庫には書庫の掟あり
参考書閉ぢていよいよ大試験
春が来て文庫カバーの書店なし
春寒の書き損じたる葉書かな
書を捨てて街に出て来し雪をんな
書を捨てて行く当てもなく蜜柑食う
淡雪の空にやわらか手紙書く
鶯を鳴かせるための入門書

【籍】
一家みな国籍ひとつ水仙花
戸籍から抹消されし返り花
戸籍簿の硬き癖字や辛夷の芽
国境も国籍もなく鳥交る
在籍の選手名鑑春立ちぬ
春来る漢籍一巻梳る
入籍の窓口灯る余寒かな
入籍を終えて目刺しと別れけり
背を向ける書籍に指掛け誰何する
落籍し同棲五年雪女郎

【当季雑詠】
スギナスギナすくすく育ち権威めく
ハイどうもへんな外人風邪やろか
ぼろきれのやうに二月にたどり着く
外套は千鳥格子の一張羅 
杭打ちの動作ゆつくり寒の明
糸巻の引いてとんとん日脚伸ぶ
春めきて在来線でゆく灯台
松過ぎの四十八茶と百鼠
雪女郎どうもあやしいあの泪
大袈裟に日経めくる二月かな
探梅や散歩の犬に新顔が
冬林檎こぼして土の運動場
白く深くあくがれ出づるわたし哉
腹筋の次は背筋霾ぐもり
立春の雲は汚れてゐたりけり

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:2月9日(土)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。