2011年10月23日日曜日

最下位島須句会・投句一覧

 世話人・四童です。投句ありがとうございます。お懐かしい方も初めての方も老若男女いらして嬉しい限りです。

【最】
ダイエット最早続かず秋刀魚焼く
ポケットの最中狼藉文化の日
ゐのこづち最後尾よりこゑのきて
花すすき最もひかり吹いて海
給水塔最下部にドア流れ星
牛蛙胃カメラ触れる最深部
最敬礼手首直角夜学校
最高に折れ曲がりたるやれはちす
最高値更新さるる夜長かな
最終回までにけりつく秋の空
最澄の年譜に蟋蟀ひからびて
秋天の最も高き處かな
赤とんぼ最初から嘘かもしれぬ
鼠来て最寄の鍋の在處
竹の春最終弁論は以上
長き夜の電波を帰る最上川
夜の雨の最晩年のあかるさに
薔薇の実やこの駅はわが最寄駅
蚯蚓鳴くビルの最終退出者

【下】
からすうりより下船せし薬指
ぎんなんぎんなん足の大きな下校の子
しら露の下へも置かぬ泪かな
のばしたる鼻の下から末枯るる
はじまりの下腹部といふ秋の午後
バス下りて釣瓶落しの造成地
下り梁白きくちびるむきながら
下山してしまえばただの茸山
下書きの線残りけり野分あと
下世話にも作法のありて菊膾
下野(しもつけ)と上野(かみつけ)のさかい野分立つ
階下から母叫びくる暮の秋
筋肉を上上下下伸ばす秋
空に散る核種を下水の蟇は知る(福島原発災害)
月の雲エスカレーター下に着く
床下に小鳥あつまる箱の家
詳細は下記のとおりに蚯蚓鳴く
全室に下貼りのありトキワ荘
林檎ぬくもりてあなた下世話ですね
冷ややかな外野フライの落下点
蜻蛉飛ぶ下校の曲は新世界

【位】
スケッチの林檎の位置の定まりぬ
スワヒリ語新体位論文化の日
位勲には縁なく古希や荻の風
位取り間違へてをりきりぎりす
位置について檸檬は爆弾(ボム)になるところ
一位の実の種は食べてはいけません
寄鍋の菜つぱの位置は決めておけ
菊の日や位牌持つ人喪主であり
銀漢の見える位置まで移動する
祭日や余命位の籾俵
秋刀魚焼く半島位淋しくて
全地球測位システム秋深む
大花野気位高き靴が降る
定位置に戻らぬおもちや夜長し
伝線の位置の野分のありにけり
箸割りて大芋虫を仰臥位に
判定で二位になるなり法師蝉
鳴く鯨三位一体説く神父

【島】
エロマンガ島と帰燕に伝へけり
しじまてふ島えてしがな星月夜
壱岐対馬秋の喇叭が鳴りひびく
鰯雲とりつく島はありますか
月に脱ぐ大島つむぎに染めの帯
湖に人の棲む島秋茜
秋風に世界の島崎といふ男
大倭豊秋津島すさまじく
島の児のゴールは独り運動会
島の秋土曜日ごとに雨が降り
島までは歩いてゆける秋の虹
島宇宙より着いたばかりのニュートリノ
島影の島てんてんと十三夜
島国や銀河を並ぶ雲の愛
島忠で買ふべし秋蒔きの種は
島民は十六夜なれば消ゑにける
片目だけコスモスの咲く島にゐる
豊年や鬼ヶ島らし島に丸

【須】
サルノコシカケ急須で煎じ月見かな
横須賀の急な坂道冬近し
急須ぽぽと笑ひ合つて夜長かな
急須より名残の滴や初時雨
欠け急須干し柿に似た顔添へて
股座を金風ぬけてゆく須磨か
呉須青絵夜を待ちたる花野かな
紅葉山急須の蓋の裏ぬれて
高坏の須恵器に至る秋の虹
秋うらら須藤さんへの招待状
秋の日終るただただ急須傾けて
須く案山子に眉毛描くべし
須く疑ふべけんや茸山
須く投げ入れらるるべき菊よ
須田町の遺伝子となる野分かな
須磨寺に鬼哭のごとく荻の声
冬近し須磨の関守よく眠る
病垂必須の美術展覧会

【当季雑詠】
アレルギー見え隠れする青蜥蜴
そのトタン屋根に秋日の差してゐる
トランプのごと鳩降れり秋の苑
ひだ追ひて鶏頭少し淫らなり
ぷらちなの舌に踊れる豹紋蝶
ホステスと麺啜りおり気持ちよか
マネキンの胴の輪切りや小鳥来る
みみず鳴く望遠鏡に土星入れ
ランボーの全集買ふて冬眠す
ワシコフがつぶやいてゐる秋深き
わたくしの今シーズンの蔦は伸ぶ
雨続く人の匂ひの零余子飯
雲ひとつ分けてそろりと後の月
王室の林檎をもいだのはあの子
花魁が抱いて放さぬ菊枕
確固たる覚悟などなし鶏頭花
錦秋や赤きレーダー回転す
鶏頭花奇妙な人を見送りぬ
再開は無いと思つた穴惑
残菊の根に揉錐の置かれあり
秋の雨やさしき馬を遠ざける
秋雨聴くトーフ売りのかほでうたふ
秋茄子を蔕から燃やす未亡人
照柿のラジオ体操常連組
雀蛤になる東中野の次中野
千代田区のおほぞらといふ菊日和
知らぬ児の手を振ってゐる草の市
天高し大佐隠れる排水溝
渡り廊下の朝顔だけの相関図
二階より低きあたりが蜻蛉の空
鼻つ柱ばかに強くて蓼の花
椋鳥の一群二群とありにけり
裸婦写真いまだ検閲神の留守
淋しいや黄金の月のひやひやす

(以上)
18句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月29日(土)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

 題に関わらず全体から18句選にてお願い致します。なお、よいと感じた句ほど先に触れたいとは重々思いますが、整理の都合上、句の順番はそのままにして頂けると助かります。
 投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は連動するのに時間がかかるようです。
ではよろしくお願い致します。

2011年10月14日金曜日

ネット句会を再開します。

皆さん、ご無沙汰しております。
しばらくネット句会を行っていないうちに、OTDの掲示板が運用停止となり、過去の皆さんの句も句評もネット上から消滅してしまいました。河岸を変えてこちらで再開致しますので、またよろしくお願いします。

さっそくですが、出題です。

【最】
【下】
【位】
【島】
【須】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月22日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9thアットマークgmail.com     

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。



秋の暮最最最最最最最
秋の暮下下下下下下下
秋の暮位位位位位位位位位位位位
秋の暮島島島島島島島
秋の暮須須須須須須須須須須須須
秋の暮当季雑詠当季雑詠

ではよろしくお願いします。

【10/22 14時 追記】
続々投句頂き、ありがとうございます。作者発表時に俳号で発表したい方は、俳句とは別の行に俳号をお書き添え下さい。特に記載がない場合は、メールの発信者とさせて頂きます。