2014年1月27日月曜日

五輪返上句会・投句一覧

大変遅くなりまして、申し訳ありません。

【五】
きさらぎの五線紙に音符生まれをり
厳寒の将棋待つたは五回まで
五色塚古墳に立つて春を待つ
五線紙に鶴唳採譜するところ
五拍子のジャズ響きをる屏風かな
五番目の男忘れし冬帽子
午後五時のサイレン濡るる寒の雨
春近し五分間揉むふくらはぎ
春風ふっくら五線紙の青インク
人間の五欲ふつふつ根深汁
雪晴や海がぶつかる五能線
待春のナルトを乗せて五目そば
冬の星五感つかわずわかること
二人に余り五人に足らぬ炬燵かな

【輪】
からっぽの埴輪のまなこ春隣
横綱輪島チャンプ輪島の懐手
銀輪も心地よきかな山眠る
春近し手つなぎて行く一輪車
大寒の夜や知恵の輪をはなれぬ輪
大輪になれずにゐたり冬桜
知恵の輪の解かれて冬の光かな
凍土の轍を車輪までたどる
片隅でくしゃみや夜の駐輪場
輪となりて猫の眠りし四温かな
輪の中に入る子入らぬ子日脚伸ぶ
輪郭のいまだぼんやり雪女郎
輪飾のもひとつ足されどんど焼き

【返】
幾度も枯野の果てを振り返る
繰返し見たる悪夢や寒牡丹
霜柱踏みて返却窓口へ
大寒のたちまち返つてくるメール
大白鳥天へひかりを返しをり
日脚伸ぶ台所より生返事
風花の風にゆるゆる宙返り
片恋の指トランプを裏返す
返り花きみがふるはせたるピアノ
返信のあまりに早き日向ぼこ
返答のでんぐり返り雪まろげ
侘助や返事はいつもあやふやに
榾明り生肉生唾生返事

【上】
いぬふぐり男岳女岳の二上山
むささびの渡つてゆきし夜の上
一月の上生菓子のうすみどり
下書を上書きしたる寒夜かな
歌がるたゆつくり引き上げられし腕
寒梅や暴れる上田馬之介
鏡中に四温の髪を結い上げる
春を待つ一身上の理由かな
上首尾のおでん掲げて運びけり
上州屋とふ木賃宿草城忌
上品に焼藷かじる老母かな
上野発冬怒濤行自転車よ
双六の上がるルートの見つからぬ
着膨れて上書き保存してゐたり
湯気立ちてG線上のアリア鳴る

【当季雑詠】
さびしさを飲む心地して冬の水
ティーバッグ沈めて街に雪はじまる
ポケットにサイコロひとつ冬の虹
海鼠喰うなまこの秘密ひとつくう
軒醒や防犯灯の明る過ぎ
枯芝の渦なしてゐるひとところ
枯野から枯野へ歩く稽古かな
順々に紙を重ねて日脚伸ぶ
寝返れば翼となりし布団かな
先生の後ろをひたと枯むぐら
大脳を置き忘れたる霜夜かな
暖房がその限界に挑戦す
冬の波男の髪の短くて
冬鵙の声は水色ムンクの忌
凍滝の黙りこくるといふことを
凍蝶の触れて魂交換す

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月31日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年1月20日月曜日

五輪返上句会・出題

再開第76回目の出題です。

【五】
【輪】
【返】
【上】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:1月25日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

大瀧詠一句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

大学の門の立派な淑気かな        朝比古   
凍瀧の空へ向かつてゐるかたち      朝比古     ダぽ海け不独亜廣四
初山河ふつと詠み人知らずめく      朝比古     ダぽあ海
看板に一条さゆり寒の雨         朝比古     独
人日の当て布すこしずらしけり      朝比古     不由

兎より大きくつくり雪兎         ダイスケ    朝ぽあ海由四
冬休み父親役のピエール瀧        ダイスケ    あ
鮟鱇吊られ讃歌詠唱聴こゑくる      ダイスケ    独
一人称「私」に変へて初日記       ダイスケ    朝あ由独四
冬薔薇はつぴいえんど聴く一日      ダイスケ    不独亜四

爺様の棺に大根入れにけり        独楽      朝海不由廣
冬の日のピエール瀧の隠し芸       独楽   
賛美歌の詠唱骸に降る雪         独楽   
煩悩や一輪残る寒椿           独楽      朝海
外套の内のシュレディンガーの猫     独楽      あ廣
革手袋付けて猟犬へと戻る        独楽      ダぽ亜

初御空何をいふても大袈裟な       廣島屋     あけ不由
養老乃瀧に書初したりけり        廣島屋   
ありえない題詠ばかり小正月       廣島屋     あけ由
人日の一番打者の気合かな        廣島屋   
「仁義なき戦い」に似た初夢を      廣島屋     あ由

大動脈解離悲しき冬林檎         不孤      あ
凍瀧解く廉太郎から詠一へ        不孤      け
詠草の兆すところぞ大枯野        不孤   
十二月の旅人逝けり一刹那        不孤   
あかるくて切なき冬の唄ばかり      不孤      ダ四

大学の杜に立ちたる淑気かな       海太      廣
双六や総理大臣より都知事        海太      亜
瀧の白糸の映画ポスター初弘法      海太      廣
読初や詠み人知らずとふ著名       海太   
一を聞いて何も残らぬ新年会       海太      け不由
絵里夏菜お京ハコVera賀状来る      海太   

冬の猫瞳大きくなつてをり        けんじ   
大寒や瀧壺の音凝固せし         けんじ     四
詠む声の裏返りをり歌かるた       けんじ     ぽ独
一月やいちいち位置を直さるる      けんじ     ダぽ不由亜四
鳴き声の一任されし寒鴉         けんじ     海廣
冬籠スパイだらけの喫茶店        けんじ     あ海由亜

落葉焚大きな声で来る子ども       あんこ     ダ朝ぽ
階段の瀧となりをり初詣         あんこ     ぽ由四
朗詠の声のふとぶと寒夕焼        あんこ     ぽ廣
てのひらの一冊雪の降りにけり      あんこ     ダ朝海け亜
垂直に先生のゐる霜柱          あんこ     ダ朝独亜廣四

初買や大安に選る長財布         亜紀      ダ独
ピエール瀧の微笑み返し春近し      亜紀      け不
詠み人の終に分からず毛糸編む      亜紀   
一巡の回覧板や日脚伸ぶ         亜紀      ぽ海
一日の軽さ明るさ寒卵          亜紀      ダ
真くれなゐなれば落ちるよ寒椿      亜紀   

双六の大きなマスに休みをり       由季      朝け不独亜廣
三寒の瀧廉太郎生真面目顔        由季      不
北窓を塞ぎついでに欠詠す        由季      朝け不
一月はトイプードルや新暦        由季      朝廣
初夢の中の鏡を見てしまふ        由季      あ海け独亜四

大火事のニュースの火事の小さかり    ぽぽな   
瀧をでて初松籟になるものも       ぽぽな   
詠嘆のかなかな寒のさかなかな      ぽぽな   
人間に一本ずつの去年今年        ぽぽな     廣四
午後からを空っぽにしてセロリ食む    ぽぽな     由四

床暖房といへども大の字に寝ない     四童      ダけ不
白糸の瀧白糸のまま凍る         四童      ダぽ海独亜
鎌鼬いいえスカボロフェア/詠唱     四童      廣
大寒や給料日まで幾日も         四童   
ほんたうに着膨れてゐるだけなのか    四童      朝あ海け独亜

以上。(集計:不孤)

2014年1月14日火曜日

大瀧詠一句会・投句一覧

 大変遅くなりまして、申し訳ありません。
今年もよろしくお願いします。

【大】
初御空何をいふても大袈裟な
初買や大安に選る長財布
床暖房といへども大の字に寝ない
双六の大きなマスに休みをり
双六や総理大臣より都知事
大火事のニュースの火事の小さかり
大学の杜に立ちたる淑気かな
大学の門の立派な淑気かな
大動脈解離悲しき冬林檎
兎より大きくつくり雪兎
冬の猫瞳大きくなつてをり
爺様の棺に大根入れにけり
落葉焚大きな声で来る子ども

【瀧】
ピエール瀧の微笑み返し春近し
階段の瀧となりをり初詣
三寒の瀧廉太郎生真面目顔
大寒や瀧壺の音凝固せし
瀧の白糸の映画ポスター初弘法
瀧をでて初松籟になるものも
冬の日のピエール瀧の隠し芸
冬休み父親役のピエール瀧
凍瀧の空へ向かつてゐるかたち
凍瀧解く廉太郎から詠一へ
白糸の瀧白糸のまま凍る
養老乃瀧に書初したりけり

【詠】
ありえない題詠ばかり小正月
詠み人の終に分からず毛糸編む
詠む声の裏返りをり歌かるた
詠草の兆すところぞ大枯野
詠嘆のかなかな寒のさかなかな
鎌鼬いいえスカボロフェア/詠唱
賛美歌の詠唱骸に降る雪
初山河ふつと詠み人知らずめく
読初や詠み人知らずとふ著名
北窓を塞ぎついでに欠詠す
朗詠の声のふとぶと寒夕焼
鮟鱇吊られ讃歌詠唱聴こゑくる

【一】
てのひらの一冊雪の降りにけり
一を聞いて何も残らぬ新年会
一月はトイプードルや新暦
一月やいちいち位置を直さるる
一巡の回覧板や日脚伸ぶ
一人称「私」に変へて初日記
一日の軽さ明るさ寒卵
看板に一条さゆり寒の雨
十二月の旅人逝けり一刹那
人間に一本ずつの去年今年
人日の一番打者の気合かな
大寒や給料日まで幾日も
煩悩や一輪残る寒椿
鳴き声の一任されし寒鴉

【当季雑詠】
「仁義なき戦い」に似た初夢を
あかるくて切なき冬の唄ばかり
ほんたうに着膨れてゐるだけなのか
絵里夏菜お京ハコVera賀状来る
外套の内のシュレディンガーの猫
革手袋付けて猟犬へと戻る
午後からを空っぽにしてセロリ食む
初夢の中の鏡を見てしまふ
真くれなゐなれば落ちるよ寒椿
人日の当て布すこしずらしけり
垂直に先生のゐる霜柱
冬籠スパイだらけの喫茶店
冬薔薇はつぴいえんど聴く一日

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月17日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年1月6日月曜日

大瀧詠一句会・出題

再開第75回目の出題です。大瀧詠一さんを偲び謹んで出題させて頂きます。

【大】
【瀧】
【詠】
【一】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:1月11日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

一陽来復句会・作者発表

お待たせしました。今年もよろしくです。

数へ日といふ一日の暮れにけり     朝比古   ダ露不ぽ由亜四
綿虫に陽動されてゐたりけり      朝比古   ダ海不独由
声悪しきオオハクチョウの来たりけり  朝比古   独
火の番の復路の声となりにけり     朝比古   ダ海四
もこもこのもののはみ出すブーツかな  朝比古   あ

一瞬の景色の中に湯豆腐も       露結    海由と
冬ざれやガラスケースに陽の差して   露結    独
来る人の一人は葱を脇に抱へ      露結    朝海不
新幹線の往復切符クリスマス      露結  
クリスマスケーキ匙ですくひて無学なり 露結    けと

一よりも零戦が好きクリスマス     とうふ  
階段を陽はまた昇る大晦日       とうふ   ダ朝ぽ亜
我らみな来客なりし除夜の燭      とうふ   朝海露廣ぽ由亜
復興と似て非なる我が雑煮哉      とうふ  
瓦礫には瓦礫の意地が初凪や      とうふ   け

火の番の知つたる声の一つあり     ダイスケ  朝あと四
しぐるるや陽成院に長き生       ダイスケ  
トナカイにまた来週と言はれたり    ダイスケ  と
拝復の遅れ遅れの年の暮        ダイスケ  不ぽけ
トイプードル跳ねに跳ねたるクリスマス ダイスケ  独と亜

初雪の一筆書きのやうに舞ふ      けんじ   朝廣独あ亜
陽光の消えないうちに日記買ふ     けんじ  
冬霞裂いて来客現るる         けんじ  
復活の合図忘れし冬野かな       けんじ   露独
冬帝の足音低くありにけり       けんじ   朝

雪の夜次元の一つ増えてをり      あんこ   と
短日や陽水流れる喫茶店        あんこ   海廣亜
未来より雪の循環してきたり      あんこ   由けと
ランナーの復路へ散つて冬の山     あんこ   と
恐竜の復元されし霜夜かな       あんこ   朝露独ぽ由と亜

一気一気一気一気去年今年       海太  
初夢の小島陽菜でありにけり      海太    ダ露廣四
忙しくても来てね土竜打つから     海太    ダ独四
妻子一去兮不復還而新年        海太    不
包丁始埒が明かない鍵がない      海太    け

一流の馬鹿でありたし寒桜       独楽    朝海露廣不ぽ亜
数え日や太川陽介のルイルイ♪     独楽  
未来という古き言葉や小晦日      独楽    露ぽと
冬蜂に回復の呪文をかける       独楽    廣由
煤逃げてソースの二度付けは禁止    独楽    朝廣不ぽあ亜
たった今終わりし時計夜半の冬     独楽  

煤逃げや最後の一人とならうとも    廣島屋   不由け
陽子にもこいよといひて年の暮     廣島屋   由あ四
年の市来た道がわからなくなり     廣島屋   ぽけあ
数へ日や予習復習片付かず       廣島屋   海
山茶花や野良猫の人懐こくて      廣島屋   朝

一抜けたと言へぬ未練や去年今年    不孤    廣独と
先輩に澁谷陽一ピラカンサ       不孤    露ぽと亜
来年はよろしくと鼻たたきやる     不孤    露
冬の水洩れて復興特別税        不孤    独
聖樹灯し犯罪といふ朗読劇       不孤    海け

首一度振りて投げ込む冬夕焼      亜紀  
お持たせの一六タルト花八つ手     亜紀    朝廣不
春を待つ厩舎に夕陽あふれたる     亜紀    ダ独由四
往来に人の途絶えて雪しんしん     亜紀    ダ
冬ざれてなかなか来ない在来線     亜紀    ダ廣独ぽ由け四
復誦の後の暗誦ちやんちやんこ     亜紀    ダ朝海廣不
華やぎを添ふる鳥声枯木立       亜紀    海
決断の一瞬はやし寒卵         亜紀    露

寒鴉一方的に怒りをり         由季    け
煤払ふ陽当たりのよき物件の      由季    露不ぽ亜四
来場者みな肩の雪払ひつつ       由季    ダ朝露不あ亜四
眠る山復路もケーブルカーとする    由季    けと四
湯たんぽを小動物のやうに抱く     由季    朝海露廣不ぽけあ亜四

年はゆく光を一縷にぎり締め      ぽぽな   け
枯野道ぼろぼろの陽と人のゆく     ぽぽな   けあ
すこしして柚子湯の柚子のもどり来る  ぽぽな   ダ海露廣独由あ亜四
エチュードに反復記号雪ふりつむ    ぽぽな   ダ独四
終電を逃してしまう冬銀河       ぽぽな   海あ

一月の1を数へるカレンダー      四童    あ
太陽に透かしてみたる手套かな     四童    あ
来年がこの歳時記に載つてゐない    四童  
歳晩の寄り道をする復路かな      四童    由
淑気まだ立たないやうに掃いてゐる   四童    ダ廣不ぽ由あと

以上。(集計:不孤)