2013年7月30日火曜日

三者凡退句会・投句一覧

 たいへんお待たせしました。

【三】
羽蟻摘む三つ目なれば逃がしたり
夏の夜の三面鏡に我われ吾
夏雲や三人ゐれば二人つく
夏夕べ三段登るチャペルあり
掬はれし金魚三匹死はまちまち
午前三時放送休止夜の秋
三界の炎に灼かれ御徒町
三振のあと膨大な草いきれ
三人で来て順番に裸になる
三人の真中に置かれ西瓜かな
熱狂の三軒茶屋を出て涼し
弁当ののちの車中の三尺寝
夜濯の夫よ三番から歌ふ
夕焼にほどよきサイズ三ノ宮
裸の子三人くらゐみつくろひ

【者】
お見合いパーティ司会者の汗まみれ
悪者に憧れてゐる夏休み
易者には解らぬ道や南風吹く
影武者の集まつてゐる独活の花
夏風邪の患者がひとり宙に舞ふ
歌舞伎者のごとくに潰すトマトかな
兄者と呼ばれ飲む酒辛し船遊
行水の水を惜しむも小者かな
水槽に静かな患者たちの夏  
南風忍者屋敷の破損箇所
日焼して忍者見えなくなりにけり
編集者登山小屋から催促す
満月に忍者が軽くうなづいた
論者みな広間に集ふ西瓜かな
萍や者共じっと控えおり

【凡】
九回の凡打で終る夏の果
神輿行く凡そ半分担がずに
世志凡太東京ぼん太夏さみし
早野凡平の帽子や夏料理
非凡なる泳ぎを教へたのは誰
平凡な夫婦の夜の蚊遣り香
凡人としてナイターを観戦す
凡人へ踏切ひらく立葵
凡庸な面子の揃ふ夏祭り
凡庸に風を漕ぎをりハンモック
凡例にある色全て使ふ虹
凡例に書かれてをらぬ夏の果
凡例のごとくに冷し中華かな
凡例は詠読まれぬものよ雨安居
凡例を読んだことなき木槿かな

【退】
蚊柱と痴漢撃退グッズかな
鬼退治されたる鬼が島の夏
後退るやうに進みし蟇蛙
衰退の街昼顔にふちどられ
船虫は退却したり笑むごとく
早退の者ら集へる泉かな
退き際に日も風もあり尺蠖の
退けば広くなる海青岬
退学の少年の指かきごほり
退屈な短編小説まくはうり
退場の赤あざやかなかき氷
中退の人とたのしむ冷素麺
入退室管理システム指の汗
白靴に履き替え今朝は退院す
油虫退路断たれて撃沈す

【当季雑詠】
夏帽子くりかへしくりかへしはめなほし
干し草のなかに隠れてねむる莫迦
客船と五色のテープ雲の峰
蛇の衣わつとつまむは女子ばかり
常駐の管理人室メロンの香
生命線二つ開きし暑さかな
西瓜はなぜ永世中立国なのか
大夕焼死ぬまで踊るボレロかな
日替はりのロケット鉛筆月涼し
彼の人に彼氏がゐるといふ大暑
閉店の告知貼りつつ生ビール
片蔭にある牢獄のやうな窓
母親の見てゐる前で雲の峰
明後日になればわかるよバナナの斑
恋人でなかつた頃の冷し酒
籐椅子に謝る時を待つてゐる
驟雨みな大慌てなる大通り

(以上)

15句選(特選、逆選なし)
選句締切:8月2日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から15句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年7月20日土曜日

三者凡退句会・出題

再開第64回目の出題です。

【三】
【者】
【凡】
【退】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月27日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

赤方偏移句会・作者発表

お待たせしました。
廣島屋さん、いらっしゃいませ。よろしければ初参加のご感想を。

清流に馴染める赤の水着かな    海太   四露亜ダ由
方言の少年H龍之介忌       海太  
ページ進む偏に夏の風邪の所為   海太  
夏大根女満別より移動中      海太   露独
天地を異にしてシャワーヘッドかな 海太   ダあ

赤チンの乾きし光夾竹桃      朝比古  露亜あ
野方から沼袋まで夕立かな     朝比古  四露亜あ由廣
偏食のまま果てにけり兜虫     朝比古  露亜け
移り気な飛び方見せて瑠璃揚羽   朝比古  あ
凸凹に揮毫されたる団扇かな    朝比古  四亜由

昭和とふ言葉美し赤楝蛇      露結  
風鈴を吊るに吉方あるらしき    露結   朝独
峰雲や峰の偏るひとところ     露結   朝ダ
妻の手に移す蛍火妻を離れ     露結   ダ
自転車に乗れぬ母あり吊忍     露結   朝海あ独由

赤ゑいに乗りたる心地して溽暑   廣島屋  海
炎昼や方違へして逢ひにゆく    廣島屋  海独
端居して金偏の文字書きたがり   廣島屋  独
移植ごてゆつくり洗ふ夏の果    廣島屋  由
蛇衣を脱ぎ終へてから晩御飯    廣島屋  四海

夕焼にテールランプの赤溢る    ダイスケ 朝海亜け
はだけ方様々ありて熱帯夜     ダイスケ 四朝露海亜け独
偏食の祖母やバナナを愛したる   ダイスケ 由
夜釣人移動せぬまま夜は明けぬ   ダイスケ け
標識の地の青に触る炎暑かな    ダイスケ  

コインロッカー赤く点れる夜の涼し 亜紀  
言ひ分は双方向に浮いて来い    亜紀   海あ廣
うたた寝の右に偏るアロハシャツ  亜紀   四朝露あ由
一斉に移動してゐるかたつむり   亜紀   四ダけ由
青蔦の伸びて途方もなき館     亜紀   四朝ダけ独由廣
ちらし寿司真白き皿の数幾つ    亜紀   ダ
泉湧く翼あるものやすらへば    亜紀  

赤外線避けて飛びたり夏の蝶    けんじ  四由廣
方眼紙緩み青田となりにけり    けんじ  
大花火弾け生まるる偏頭痛     けんじ  
夏の雨嗅覚移植されてゐる     けんじ  廣
環七の砕けち散りたる西瓜かな   けんじ  廣

赤き夏南部英語の低き声      あんこ  廣
方舟のひとりとなりぬ夕焼空    あんこ  ダ独
ひまはりの偏屈なかほしてゐたり  あんこ  ダ独
サーカスの移動してゐる夏の月   あんこ  朝亜独廣
夏夕ブルーノートの紛れをり    あんこ  

アスファルト灼け赤坂のチンドン屋 独楽  
方法は幾多もあれど薔薇の花    独楽   四あけ
偏屈と言はれやうとも水を打つ   独楽   四あけ由
移植ごて洗ふ今夜も熱帯夜     独楽  
礼服の灼かれて野外結婚式     独楽   朝露海亜け廣

赤門の灼けてくぐるをためらへり  由季   独
方舟をやりすごしたる優曇華よ   由季   あ
夏の雲斯くも偏るアンケート    由季   海亜け
白南風が連れ来し移動動物園    由季   露け
落し文旅の多難の始まりは     由季   朝露海

赤ちやうちん赤色エレジー金魚玉  四童   露
片方を流してしまふ雲の峰     四童  
偏頭痛ゆつくり回る走馬燈     四童   露ダ廣
風鈴がたくさん移動販売車     四童   朝亜ダ
金魚屋の水の如くに太りけり    四童   海あ廣

(以上)

集計:四童

2013年7月15日月曜日

赤方偏移句会・投句一覧

 お待たせしました。

【赤】
アスファルト灼け赤坂のチンドン屋
コインロッカー赤く点れる夜の涼し
昭和とふ言葉美し赤楝蛇
清流に馴染める赤の水着かな
赤き夏南部英語の低き声
赤ちやうちん赤色エレジー金魚玉
赤チンの乾きし光夾竹桃
赤ゑいに乗りたる心地して溽暑
赤外線避けて飛びたり夏の蝶
赤門の灼けてくぐるをためらへり
夕焼にテールランプの赤溢る

【方】
はだけ方様々ありて熱帯夜
炎昼や方違へして逢ひにゆく
言ひ分は双方向に浮いて来い
青蔦の伸びて途方もなき館
風鈴を吊るに吉方あるらしき
片方を流してしまふ雲の峰
方眼紙緩み青田となりにけり
方言の少年H龍之介忌
方舟のひとりとなりぬ夕焼空
方舟をやりすごしたる優曇華よ
方法は幾多もあれど薔薇の花
野方から沼袋まで夕立かな

【偏】
うたた寝の右に偏るアロハシャツ
ひまはりの偏屈なかほしてゐたり
ページ進む偏に夏の風邪の所為
夏の雲斯くも偏るアンケート
大花火弾け生まるる偏頭痛
端居して金偏の文字書きたがり
偏屈と言はれやうとも水を打つ
偏食のまま果てにけり兜虫
偏食の祖母やバナナを愛したる
偏頭痛ゆつくり回る走馬燈
峰雲や峰の偏るひとところ

【移】
サーカスの移動してゐる夏の月
移り気な飛び方見せて瑠璃揚羽
移植ごてゆつくり洗ふ夏の果
移植ごて洗ふ今夜も熱帯夜
一斉に移動してゐるかたつむり
夏の雨嗅覚移植されてゐる
夏大根女満別より移動中
妻の手に移す蛍火妻を離れ
白南風が連れ来し移動動物園
風鈴がたくさん移動販売車
夜釣人移動せぬまま夜は明けぬ

【当季雑詠】
ちらし寿司真白き皿の数幾つ
夏夕ブルーノートの紛れをり
環七の砕けち散りたる西瓜かな
金魚屋の水の如くに太りけり
自転車に乗れぬ母あり吊忍
蛇衣を脱ぎ終へてから晩御飯
泉湧く翼あるものやすらへば
天地を異にしてシャワーヘッドかな
凸凹に揮毫されたる団扇かな
標識の地の青に触る炎暑かな
落し文旅の多難の始まりは
礼服の灼かれて野外結婚式

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:7月17日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年7月11日木曜日

赤方偏移句会・出題

再開第63回目の出題です。

【赤】
【方】
【偏】
【移】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月14日(日)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

散房花序句会・作者発表

薄暑なり戸のふはふはと散髪屋     天気    海不四由
ちよつとのま茶房ブラジルにて涼む   天気    朝あ不苑由亜
音まみれ光まみれに大花火       天気    亜
空のいろ縁台将棋まだ序盤       天気    朝
終バスの煌々とあり夏は来ぬ      天気    朝海独

白南風や床に髪散る理髪店       露結    ダけ亜
房総は遠きところや浜万年青      露結    独
窓閉ぢし妻のうしろや花柘榴      露結    四
序文のみ読みて書を伏す雲の峰     露結    海け
心太いま胃袋を通過せり        露結    朝四け

釣堀に人散らばつてゐたりけり     朝比古   あ不四苑由天独
人間の房となりけりハンモック     朝比古   あ海露不由ダ独
サングラス真紅の薔薇を買つてをり   朝比古   あ
いろいろの序で出てくる帰省かな    朝比古   海不
赤んぼへ顔を作りてサングラス     朝比古   ダ亜

龍角散ビルきらめくや露涼し      ダイスケ  
瓜番の官房長官といふ渾名       ダイスケ  四独
あんみつや大助・花子しやべる昼    ダイスケ  露苑天独
夏座蒲団子らの手習ひ仮名序かな    ダイスケ  
スワンボートゆたゆたと競り合つてをり ダイスケ  け

散骨や我も孤島の黒揚羽        海太    不独
涼風や海豚の匂ふ安房の国       海太    朝露ダ亜
花街の蟻花街を出たがらず       海太    朝露不四由ダ天
雲を釣る序でに鮎を釣りにけり     海太  
一山を檻のごとくに目白鳴く      海太    露け

合歓の花散るや混沌の始まり      独楽    天
独房の壁に描かれし花菖蒲       独楽    露け
花アカシアマヨネーズ持ち歩く人    独楽    露不苑ダけ
短夜のエヴァンゲリオン序説かな    独楽    あ
月涼し欽ちゃん走りダイエット     独楽  

夏の雷散り散りになる雀かな      けんじ  
一房の葡萄からから鳴りにけり     けんじ   露
波立てぬやうに開きし水中花      けんじ   海露ダ
蟻の巣の秩序そのまま水没す      けんじ   海露不四由ダ天独
スマートフォン床に転がし夏寝覚    けんじ  

退場のダンサー闇へ汗の散り      あんこ  
白日傘房のかたちの開かるる      あんこ  
空つぽの家凌霄花湧き上がる      あんこ   海由
序盤より飛ばす演奏生ビール      あんこ   不苑由ダ天亜独
夕立後大気傷つけぬやう歩く      あんこ   四苑由亜独

ほろほろと花火の散つてあかい空    苑を    ダけ亜
独房のやうなホテルと海酸漿      苑を    由天
遠花火母の流れる九十九川       苑を  
選挙カー序盤戦から暑苦し       苑を  
波音の遠のいてゆく枇杷の種      苑を    あ海亜

七夕や往古の恋の散らし書き      不孤  
閨房のさらに清しき蚊帳の内      不孤    朝け
花合歓の蕊こそばゆき夕べかな     不孤    あけ
明易の母の雁塔聖教序         不孤  
泰山木近づけば花消えてゆく      不孤    あ

夏蝶の当たり散らしてゆく白昼     亜紀    露不四苑由け
工房の窓を満たせる雲の峰       亜紀    あ天
花柄の水着伸びるよ試着室       亜紀    朝あ露四苑独
ところてん話す序でに聞く話      亜紀    海苑由ダ
サングラス準備体操念入りに      亜紀    朝由天
片蔭に治まる猫の仕草なる       亜紀  

カンナ咲く温泉通り閑散と       由季    朝あ海四苑亜
西日差す知りつくしたる厨房に     由季    朝海四苑亜
金魚玉越し花柄のワンピース      由季    朝不四苑天亜
香水は順序最後と決めてゐる      由季    海独
合歓の花大勢でする雨宿り       由季    朝あ露苑ダけ天亜

散歩即ハイビスカスとなりにけり    四童    天
みどりごで乳房を隠す端居かな     四童    ダ
団地あゝ悪だくみする凌霄花      四童    あ独
耳打ちの序でに噛めり盆踊       四童    不
炎昼の終はるところが夜の国      四童    け天

以上。(集計:不孤)

2013年7月7日日曜日

散房花序句会・投句一覧

お待たせしました。
【散】
カンナ咲く温泉通り閑散と
ほろほろと花火の散つてあかい空
夏の雷散り散りになる雀かな
夏蝶の当たり散らしてゆく白昼
合歓の花散るや混沌の始まり
散骨や我も孤島の黒揚羽
散歩即ハイビスカスとなりにけり
七夕や往古の恋の散らし書き
退場のダンサー闇へ汗の散り
釣堀に人散らばつてゐたりけり
白南風や床に髪散る理髪店
薄暑なり戸のふはふはと散髪屋
龍角散ビルきらめくや露涼し

【房】
ちよつとのま茶房ブラジルにて涼む
みどりごで乳房を隠す端居かな
一房の葡萄からから鳴りにけり
瓜番の官房長官といふ渾名
工房の窓を満たせる雲の峰
人間の房となりけりハンモック
西日差す知りつくしたる厨房に
独房のやうなホテルと海酸漿
独房の壁に描かれし花菖蒲
白日傘房のかたちの開かるる
房総は遠きところや浜万年青
涼風や海豚の匂ふ安房の国
閨房のさらに清しき蚊帳の内

【花】
あんみつや大助・花子しやべる昼
サングラス真紅の薔薇を買つてをり
遠花火母の流れる九十九川
音まみれ光まみれに大花火
花アカシアマヨネーズ持ち歩く人
花街の蟻花街を出たがらず
花合歓の蕊こそばゆき夕べかな
花柄の水着伸びるよ試着室
金魚玉越し花柄のワンピース
空つぽの家凌霄花湧き上がる
窓閉ぢし妻のうしろや花柘榴
団地あゝ悪だくみする凌霄花
波立てぬやうに開きし水中花

【序】
いろいろの序で出てくる帰省かな
ところてん話す序でに聞く話
雲を釣る序でに鮎を釣りにけり
夏座蒲団子らの手習ひ仮名序かな
蟻の巣の秩序そのまま水没す
空のいろ縁台将棋まだ序盤
香水は順序最後と決めてゐる
耳打ちの序でに噛めり盆踊
序盤より飛ばす演奏生ビール
序文のみ読みて書を伏す雲の峰
選挙カー序盤戦から暑苦し
短夜のエヴァンゲリオン序説かな
明易の母の雁塔聖教序

【当季雑詠】
サングラス準備体操念入りに
スマートフォン床に転がし夏寝覚
スワンボートゆたゆたと競り合つてをり
一山を檻のごとくに目白鳴く
炎昼の終はるところが夜の国
月涼し欽ちゃん走りダイエット
合歓の花大勢でする雨宿り
終バスの煌々とあり夏は来ぬ
心太いま胃袋を通過せり
赤んぼへ顔を作りてサングラス
泰山木近づけば花消えてゆく
波音の遠のいてゆく枇杷の種
片蔭に治まる猫の仕草なる
夕立後大気傷つけぬやう歩く

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:7月9日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年7月3日水曜日

散房花序句会・出題

再開第62回目の出題です。

【散】
【房】
【花】
【序】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月6日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

世界遺産句会・作者発表

発表です。

ひまはりや彼の世はことのほか白き   露結    直独四
界隈に居酒屋多し夏の月        露結    朝あ由
遺体しばらくほうつておけば蠅がくる  露結    直不由四
産道を出てしばらくの梅雨湿り     露結    四
スマートフォン時々汗を気にしつつ   露結    直亜

走馬灯あの世この世を往き来せり    直子  
蛍の夜結界超えて夫を訪ふ       直子    海不
遺精なほ老年にあり昼寝覚       直子  
Z旗のごとく産着の南風に乗る     直子  
被災者に夏帽を脱ぐ陛下かな      直子  
白南風の飛行機雲に「生きよかし」   直子  

片蔭の世田谷通り恋始まる       ダイスケ  朝あ不四
さみだれて界隈淡く青帯びぬ      ダイスケ  直け
遺言のはじめにサングラスのこと    ダイスケ  海不由独
夏暁や産業道路未だ静か        ダイスケ  あ直不
シャーベット爽やかに濃し伯爵邸    ダイスケ  朝あ露不由亜

軽鳧の子の出世頭のゐるごとく     朝比古   不
夏の夜の世界の歪む世界地図      朝比古  
三伏の遺書の書き方講座かな      朝比古   海独
万緑に水の産まるる処かな       朝比古   ダあ海
白南風やアラブの国の続き文字     朝比古   あ

蟻地獄理知が勝ちたる世の底に     海太  
界隈とは実梅の落ちてゐるところ    海太    ダ由
遺してはくれぬか蟻の塔図面      海太    独
老鶯の声の生産まだかまだか      海太  
紫陽花の褪せ加減でも見に行くか    海太    不由け亜四

夕焼のよく浸みてゐる世田谷区     独楽    ダ直露不由け亜
限界を超えて泰山木の花        独楽    あ海亜四
遺言のごとく佇む夏館         独楽    朝ダ海露由
産声の響く廊下や明易し        独楽    け亜
夏痩せといふものに憧れてゐる     独楽  

幼子の世界まるごと夕焼くる      亜紀    ダあ直け
あぢさゐの視界に消ゆる野球帽     亜紀    朝あ露由け
靴下あと残る素足の遺憾なり      亜紀    不け独
産土に風の生まるる晩夏かな      亜紀    海け
さざれ石真白きままに夏終る      亜紀    ダけ
サングラス外して越ゆる境界線     亜紀    露
一見の店に鮨食ふカウンター      亜紀  

仏法僧世渡りの下手の遺伝せし     けんじ   露
熱帯夜緩む界面活性剤         けんじ  
遺言の一つとなりし揚羽蝶       けんじ  
サイダーの泡の産まれしファンファーレ けんじ   朝直露
白壁を真つ直ぐつたふ蝸牛       けんじ  

逆光の神輿この世へ戻りたる      あんこ   朝直海露独亜四
炎昼や世界の果てを行く列車      あんこ   独
遺言書諾ふやうな扇風機        あんこ   不
産道の深し緑陰抜けてくる       あんこ   海不四
こあぢさゐトンネルの闇濡れてゐる   あんこ   朝ダ海由独亜

世に鎌を掛け蟷螂の生まれたり     由季    四
界隈の猫に新顔月見草         由季    ダけ
白靴のひとと遺跡を巡りをり      由季    朝ダあ海亜四
日本産アリ類画像データベース     由季  
猫の来るスペース残し籐椅子に     由季    独四

世知辛く押し出されたる心太      不孤    朝直露け独亜
鴉は山に三千世界の大昼寝       不孤    直
水着干されあり遺失物センター     不孤    あ露け亜四
浅草やサンバ繰り出す産婆連      不孤  
蛍狩蕎麦打プラスサプライズ      不孤  

隣から尾崎紀世彦グラジオラス     四童    ダ由独
梅雨闇の鏡世界にをんな立つ      四童    あ海露
遺失物引取に行く梅雨の闇       四童    直
産院の廊下のやうな梅雨晴間      四童    朝ダ露由亜
ざりがにを釣る刻々も双子かな     四童    朝ダ独

以上。(集計:不孤)