2013年12月31日火曜日

一陽来復句会・投句一覧

 遅くなりましてすみません。年をまたいでの選句締切となりますが、
よろしくお願いします。本年はありがとうございました。

【一】
お持たせの一六タルト花八つ手
一よりも零戦が好きクリスマス
一気一気一気一気去年今年
一月の1を数へるカレンダー
一瞬の景色の中に湯豆腐も
一抜けたと言へぬ未練や去年今年
一流の馬鹿でありたし寒桜
火の番の知つたる声の一つあり
寒鴉一方的に怒りをり
決断の一瞬はやし寒卵
首一度振りて投げ込む冬夕焼
初雪の一筆書きのやうに舞ふ
数へ日といふ一日の暮れにけり
雪の夜次元の一つ増えてをり
年はゆく光を一縷にぎり締め
煤逃げや最後の一人とならうとも

【陽】
しぐるるや陽成院に長き生
階段を陽はまた昇る大晦日
枯野道ぼろぼろの陽と人のゆく
春を待つ厩舎に夕陽あふれたる
初夢の小島陽菜でありにけり
数え日や太川陽介のルイルイ♪
先輩に澁谷陽一ピラカンサ
太陽に透かしてみたる手套かな
短日や陽水流れる喫茶店
冬ざれやガラスケースに陽の差して
煤払ふ陽当たりのよき物件の
綿虫に陽動されてゐたりけり
陽光の消えないうちに日記買ふ
陽子にもこいよといひて年の暮

【来】
すこしして柚子湯の柚子のもどり来る
トナカイにまた来週と言はれたり
往来に人の途絶えて雪しんしん
我らみな来客なりし除夜の燭
声悪しきオオハクチョウの来たりけり
冬ざれてなかなか来ない在来線
冬霞裂いて来客現るる
年の市来た道がわからなくなり
忙しくても来てね土竜打つから
未来という古き言葉や小晦日
未来より雪の循環してきたり
来る人の一人は葱を脇に抱へ
来場者みな肩の雪払ひつつ
来年がこの歳時記に載つてゐない
来年はよろしくと鼻たたきやる

【復】
エチュードに反復記号雪ふりつむ
ランナーの復路へ散つて冬の山
火の番の復路の声となりにけり
妻子一去兮不復還而新年
歳晩の寄り道をする復路かな
新幹線の往復切符クリスマス
数へ日や予習復習片付かず
冬の水洩れて復興特別税
冬蜂に回復の呪文をかける
拝復の遅れ遅れの年の暮
復活の合図忘れし冬野かな
復興と似て非なる我が雑煮哉
復誦の後の暗誦ちやんちやんこ
眠る山復路もケーブルカーとする

【当季雑詠】
クリスマスケーキ匙ですくひて無学なり
たった今終わりし時計夜半の冬
トイプードル跳ねに跳ねたるクリスマス
もこもこのもののはみ出すブーツかな
華やぎを添ふる鳥声枯木立
瓦礫には瓦礫の意地が初凪や
恐竜の復元されし霜夜かな
山茶花や野良猫の人懐こくて
終電を逃してしまう冬銀河
淑気まだ立たないやうに掃いてゐる
聖樹灯し犯罪といふ朗読劇
冬帝の足音低くありにけり
湯たんぽを小動物のやうに抱く
煤逃げてソースの二度付けは禁止
包丁始埒が明かない鍵がない

(以上)

14句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月5日(日)20時(JST)…日曜にしました。
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から14句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年12月22日日曜日

一陽来復句会・出題

そういえば出題するの忘れてました。すみません。
再開第74回目の出題です。

【一】
【陽】
【来】
【復】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月28日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2013年12月15日日曜日

駐日大使句会・作者発表

お待たせしました。

駐妻に大きコートの男寄る          露結    四
極月も大日如来静止して           露結    独
漱石にも英世にも髭大三十日         露結    苑
即席の天使降りくる年の暮          露結    け
マスクしてこの人も目が死んでゐる      露結    亜あ苑け

駐車場から駐輪場へマフラーを        とうふ   あ
日記買うという季語があるので買う      とうふ   朝露苑由
たい焼きも大なり小なり人生に        とうふ   海
冬館詩人がひとりの使用人          とうふ   独
この便器では冬の泉と命名す         とうふ  

白菜も迷子もとどく駐在所          海太    亜独ダと四
心眼や春日若宮おん祭            海太  
人大天夫失(みばうじん)喪服に雪を忍ばせて 海太  
冬眠や筑波山麓使用中            海太    由
鍋釜と女系家族と隙間風           海太  

駐在所日向ぼこりに相応しき         朝比古  
短日やカラーコーンに囲まれて        朝比古  
神の留守大きな人は荷を運び         朝比古   海ぽ四
日当を使ひ切つたるおでん酒         朝比古   ダ
地下足袋の小鉤きちりと冬椿         朝比古   亜苑ダぽ

駐車場の白き枠から凍て始む         独楽    ダぽ
プチプチをプチプチつぶす日短し       独楽    苑ぽ
大袈裟な演技も交え社会鍋          独楽    海あぽ
風花を見上げてはじめてのお使い       独楽    朝苑ダ
着ぶくれて故郷の象を思うかな        独楽    海あダと由四
ぴかぴかの自転車小春日の崩壊        独楽    ぽ

駐車場からすこし歩いて白鳥に        ぽぽな   朝露海亜苑由け四
風によく混ざるロシア語冬めく日       ぽぽな   露海亜あ独と由け
大根のひかり崩さぬように煮る        ぽぽな   朝露海亜独とけ
梟は夜空をゆるやかに使う          ぽぽな   朝露亜あ独苑ダ由け四
白息の総量一夫多妻制            ぽぽな   露四

駐在所ストーブ引き継がれてをり       ダイスケ  朝海あ由け
冬の日を跳ね返したる学舎かな        ダイスケ  海由
ポインセチア大学の棟ガラス張り       ダイスケ  亜
魔法使い魔法でマント翻す          ダイスケ  朝亜あ苑と四
ほほゑんでマフラー少しほどけたる      ダイスケ  独苑由

狐火に囲まれてゐる駐車場          けんじ   朝露ダ由ぽ四
自堕落な日々も愛せよ冬薔薇         けんじ   朝と
冬の蝶大腿骨に同化せし           けんじ  
張りぼての天使の集ひ十二月         けんじ  
片翼を探し続けてゐる聖夜          けんじ   独とぽ

タラップをロングコートの駐在員       あんこ  
古日記海の話で終はりをり          あんこ   露亜独と四
蜜柑山父の大きな眠りかな          あんこ   露ダ
冬の雲玄関遠き大使館            あんこ   由ぽ
竜の玉天使の羽をしまふ音          あんこ   亜

霜の夜の駐輪場をハイヒール         亜紀    朝苑と
雑巾をちくちく縫うて花八手         亜紀    朝海あ独ダとけ
着ぶくれて大型店をうろうろす        亜紀    あ苑四
召使めきて鯛焼買ふ家人           亜紀    四
昨日より道幅広くなり小春          亜紀    あ苑由
白鳥の声の暮れゆく日本海          亜紀    海け

短日のディズニーランド駐車場        由季    露あ
浮寝鳥日時計の針うすうすと         由季    朝海独ダけ
年詰まる大漁旗の波がしら          由季    独ぽ
よく使ふ文字の減りたり枇杷の花       由季    海あと四
腹見せてハイエナの寝る冬日和        由季    ダ

クリスマスツリーを点す駐屯地        苑を    露亜とぽ
短日やしつぽくるりと秋田いぬ        苑を    ダ
おほいなる父のうがひや山眠る        苑を    朝露独と由けぽ
忘れつぽい天使の肩に十二月         苑を  
ぽりぽりと沢庵噛んでゐてひとり       苑を    け

監視する常駐タスク冬銀河          四童  
日暮から明け方にかけ山眠る         四童  
南無三千世界一大社会鍋           四童    露
使はない十能のある厨かな          四童    ぽ
着ぐるみのことはいいから冬の星       四童    亜け

以上。(集計:不孤)

ぽぽなさん強し。

2013年12月8日日曜日

駐日大使句会・投句一覧

 お待たせしました。

【駐】
クリスマスツリーを点す駐屯地
タラップをロングコートの駐在員
監視する常駐タスク冬銀河
狐火に囲まれてゐる駐車場
霜の夜の駐輪場をハイヒール
短日のディズニーランド駐車場
駐妻に大きコートの男寄る
駐在所ストーブ引き継がれてをり
駐在所日向ぼこりに相応しき
駐車場からすこし歩いて白鳥に
駐車場から駐輪場へマフラーを
駐車場の白き枠から凍て始む
白菜も迷子もとどく駐在所

【日】
プチプチをプチプチつぶす日短し
極月も大日如来静止して
古日記海の話で終はりをり
昨日より道幅広くなり小春
自堕落な日々も愛せよ冬薔薇
心眼や春日若宮おん祭
短日やカラーコーンに囲まれて
短日やしつぽくるりと秋田いぬ
冬の日を跳ね返したる学舎かな
日記買うという季語があるので買う
日暮から明け方にかけ山眠る
白鳥の声の暮れゆく日本海
浮寝鳥日時計の針うすうすと
風によく混ざるロシア語冬めく日

【大】
おほいなる父のうがひや山眠る
たい焼きも大なり小なり人生に
ポインセチア大学の棟ガラス張り
神の留守大きな人は荷を運び
人大天夫失(みばうじん)喪服に雪を忍ばせて
大袈裟な演技も交え社会鍋
大根のひかり崩さぬように煮る
着ぶくれて大型店をうろうろす
冬の蝶大腿骨に同化せし
南無三千世界一大社会鍋
年詰まる大漁旗の波がしら
蜜柑山父の大きな眠りかな
漱石にも英世にも髭大三十日

【使】
よく使ふ文字の減りたり枇杷の花
使はない十能のある厨かな
召使めきて鯛焼買ふ家人
即席の天使降りくる年の暮
張りぼての天使の集ひ十二月
冬の雲玄関遠き大使館
冬館詩人がひとりの使用人
冬眠や筑波山麓使用中
日当を使ひ切つたるおでん酒
風花を見上げてはじめてのお使い
忘れつぽい天使の肩に十二月
魔法使い魔法でマント翻す
梟は夜空をゆるやかに使う

【当季雑詠】
この便器では冬の泉と命名す
ぴかぴかの自転車小春日の崩壊
ほほゑんでマフラー少しほどけたる
ぽりぽりと沢庵噛んでゐてひとり
マスクしてこの人も目が死んでゐる
雑巾をちくちく縫うて花八手
地下足袋の小鉤きちりと冬椿
着ぐるみのことはいいから冬の星
着ぶくれて故郷の象を思うかな
鍋釜と女系家族と隙間風
白息の総量一夫多妻制
腹見せてハイエナの寝る冬日和
片翼を探し続けてゐる聖夜
竜の玉天使の羽をしまふ音

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月13日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。