2011年12月30日金曜日

正面突破句会・出題

こんにちは。再開第7回目の出題です。お正月なので正の字を含むものに
してみました。
【正】
【面】
【突】
【破】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)
投句締切:1月7日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com
★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
書かないで下さい。
また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。
それでは皆様、よいお年を。

文章読本句会・作者発表

文化鍋文化包丁雪催           朝比古 こぽ四由
背広から外す記章やクリスマス      朝比古 亜ぐ恵由
黙読の少女冬日に包まれて        朝比古 恵
でたらめに本堂の煤払ひけり       朝比古 ぐ恵空ぽ由
睦みつつふくら雀となりにけり      朝比古 亜こ
風花や錆の匂ひの船溜り         朝比古 こ
母の呪文風邪薬より利きさうで      ぐみ  こ空ぽ
章魚釣りの師匠に師匠おでん酒      ぐみ  由
くつくしやみ運勢占ひ立ち読みし     ぐみ
絵ばかりの大人の絵本暖炉燃ゆ      ぐみ  百
冬空を裂き羽ばたける黒きもの      ぐみ
絨毯のしみ泣きぼくろかも知れぬ     ぐみ  朝百恵四
文学のはじめの一歩ぼたん雪       こゆ
第一章にほひ桜の咲きにけり       こゆ
冬至かな読経とどろく海の底       こゆ  ぐ朝百空由
読みかけの本をならべて日向ぼこ     こゆ
銀杏舞うむだなプライド飛ばします    こゆ
飛び立つこともわたしの一部冬の虹    こゆ  ぐ恵空
文飾に手間取る句作狸罠         百花
歳末の終章の声一万人          百花
つん読に果てしを眺め年の夜       百花  ぐ
本当は旨い話の河豚の鍋         百花
まん丸の皮を撫でゐる柚子湯かな     百花  空
恋文と思えない文冬苺          ぽぽな こ恵四由
腕章のような恋人北風の中        ぽぽな こぐ朝百恵空四
熟読の白セーターの息しずか       ぽぽな 亜こぐ四由
息白く本日のオススメを言う       ぽぽな 亜百
動かせば聖樹の香り立ち上がる      ぽぽな ぐ朝百恵四
文学の森の入り口空つ風         空猫  こ
フィナーレの第四楽章聖夜劇       空猫
読み耽る雨ふり変はる雪の町       空猫
落葉焚本音を言つて淋しかる       空猫
熱燗のまことにあつく溢しけり      空猫
文明堂のカステラ提げて年の暮      亜紀  朝恵
往年の名古屋章や神渡          亜紀  朝
短日の読まずに閉づる文庫本       亜紀  ぽ
古本の漫画全集冬ぬくし         亜紀  空
何事もなかつたやうに年の暮       亜紀  朝百空ぽ由
着膨れて分厚き本を選りにけり      亜紀  朝四由
行く年や人といふ字の支へ合ふ      亜紀  ぽ
竜の玉摘む文学部哲学科         由季  百ぽ
校章の星のかたちの凍ててをり      由季  こぽ
クリスマスカードに読めぬ文字二つ    由季  亜空ぽ四
本番になだれこみたる聖夜劇       由季  亜こ朝恵
宇宙から還り葉牡丹の重さ        由季  亜ぐ
懸想文売にまなこを覗かれる       恵   四
日章旗立てる綿入引っ掛けて       恵   亜百
読みさしの本に挟まれお年玉       恵   亜百ぽ四
本番が近付いている寒昴         恵
外套の裾が地面についている       恵   亜ぐ朝空
ふくろふの文字なき知恵のまなこかな   四童
章を断つ記号のやうに石蕗の花      四童
雨の夜の海鼠は耳を読みにけり      四童
極月のパンのかたちに本厚し       四童
表1の集める冬の灯しかな        四童  由
(以上)集計:四童
自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。
俳句の作り方、忘れちゃったよ…

2011年12月26日月曜日

文章読本句会・投句一覧

大変お待たせしました。

【文】
ふくろふの文字なき知恵のまなこかな
懸想文売にまなこを覗かれる
文化鍋文化包丁雪催
文学のはじめの一歩ぼたん雪
文学の森の入り口空つ風
文飾に手間取る句作狸罠
文明堂のカステラ提げて年の暮
母の呪文風邪薬より利きさうで
竜の玉摘む文学部哲学科
恋文と思えない文冬苺

【章】
フィナーレの第四楽章聖夜劇
往年の名古屋章や神渡
校章の星のかたちの凍ててをり
歳末の終章の声一万人
章を断つ記号のやうに石蕗の花
章魚釣りの師匠に師匠おでん酒
第一章にほひ桜の咲きにけり
日章旗立てる綿入引っ掛けて
背広から外す記章やクリスマス
腕章のような恋人北風の中

【読】
くつくしやみ運勢占ひ立ち読みし
クリスマスカードに読めぬ文字二つ
つん読に果てしを眺め年の夜
雨の夜の海鼠は耳を読みにけり
熟読の白セーターの息しずか
短日の読まずに閉づる文庫本
冬至かな読経とどろく海の底
読みさしの本に挟まれお年玉
読み耽る雨ふり変はる雪の町
黙読の少女冬日に包まれて

【本】
でたらめに本堂の煤払ひけり
絵ばかりの大人の絵本暖炉燃ゆ
極月のパンのかたちに本厚し
古本の漫画全集冬ぬくし
息白く本日のオススメを言う
読みかけの本をならべて日向ぼこ
本当は旨い話の河豚の鍋
本番が近付いている寒昴
本番になだれこみたる聖夜劇
落葉焚本音を言つて淋しかる

【当季雑詠】
まん丸の皮を撫でゐる柚子湯かな
宇宙から還り葉牡丹の重さ
何事もなかつたやうに年の暮
外套の裾が地面についている
銀杏舞うむだなプライド飛ばします
行く年や人といふ字の支へ合ふ
着膨れて分厚き本を選りにけり
冬空を裂き羽ばたける黒きもの
動かせば聖樹の香り立ち上がる
熱燗のまことにあつく溢しけり
飛び立つこともわたしの一部冬の虹
表1の集める冬の灯しかな
風花や錆の匂ひの船溜り
睦みつつふくら雀となりにけり
絨毯のしみ泣きぼくろかも知れぬ

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月29日(木)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかる
ようです。

ではよろしくお願い致します。

2011年12月17日土曜日

文章読本句会・出題

こんにちは。再開第6回目の出題です。たまたま手許に谷崎の『文章讀本』があるので、それで行きます。

【文】
【章】
【読】
【本】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月24日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

 締切を月曜にできないのかというご意見もあるのですが、平日に世話人業務を執り行うのも結構きついものがあるので、平にご容赦。

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。
--
恒信風句会 <koshinfu9th@gmail.com>

象印魔法瓶句会・作者発表

大変遅くなり申し訳ありません。水木金と世話人・四童が伏せておりました。

武蔵野に象のはな子や銀杏散る      朝比古     四由ぐ空
印画紙を暗きに吊りて冬休        朝比古     四ぽ恵
邪魔なもの一切無くて山眠る       朝比古     恵
弔ひに法被の人や冬日和         朝比古     亜
空瓶をくぐつてきたる冬日かな      朝比古     ぽ恵
手袋の闇に十指を納めけり        朝比古     亜

冬ざれの象の視線に男の子        空猫      朝由ぽ
鯛焼の列に加はる印度人         空猫      四由
純愛の魔王と魔女や龍の玉        空猫
本名は神田法子や竃猫          空猫      四
短日の何も挿ざさる花瓶かな       空猫      ぐ
腹帯に眠る赤子や冬支度         空猫

凍天や有象無象のひとりなり       ぐみ
羽子板市印し半纏父と兄         ぐみ
小悪魔と言はれし人のちゃんちゃんこ   ぐみ      朝四由亜
冬の蠅寂聴法話の人の輪に        ぐみ
あつけらかん瓶と兜太や時雨来る     ぐみ      朝ぽ空
ひび割れる音降り注ぐ寒の月       ぐみ      ぽ

空つ風まづは駆け寄る象の柵       由季      ぐ
短日の廊下に模写の印象派        由季      亜恵
ふはふはと魔女の差し出す冬林檎     由季
しぐれがちなる法廷のスケッチ画     由季      朝亜
瓶詰めの開かぬままなりクリスマス    由季      ぽ恵
裏声で迎へてゐたる寒波かな       由季      朝ぽ亜恵

象の耳はたりはたりと雪来るか      亜紀      朝ぐ
印影のにじんでゐたる雪もよひ      亜紀      朝
クリスマス魔女の宅急便来たる      亜紀
長老の魔法の杖や天狼星         亜紀
冬籠る昔ながらの魔法瓶         亜紀      由ぽぐ
Uターン禁止のひろば黄落す       亜紀      朝空
雪来るか引き込み線の列車音       亜紀      ぐ
上質の皮手袋に招かるる         亜紀      朝四由

ねんいりに気象予報士くず湯溶く     ぽぽな     由亜
烙印のごとくにポインセチア置く     ぽぽな     亜ぐ
魔女狩りのための金属天地凍つ      ぽぽな     四空
発声法たしかめてから年忘        ぽぽな     空
水瓶座とだけ答えて毛糸編む       ぽぽな     四由亜恵空
指のなき手袋に指そして爪        ぽぽな     亜恵

小春日のゆっくり進む象の列       恵       四
矢印に沿って歩めば冬の海        恵       朝四ぽ空
枯野から逢魔が刻が迫り来る       恵       ぽ
冬の夜の六法全書から煙         恵       由ぐ空
ばらまいている瓶詰の冬の星       恵       ぐ
夜の匂い纏い夜廻終えにけり       恵

雨降れば破蓮めく象とゐる        四童      ぐ
印象派新印象派白ショール        四童
おほいなるグスタフの魔羅去年今年    四童
法の下に異邦人も未亡人も師走      四童
老酒のやうに瓶ごと熱きもの       四童
月蝕の終はるにつれて着膨れる      四童      恵

冬の象日記にいっぱいしっぽと川     ねここ     由恵
印鑑ごと家族へ兎のありにけり      ねここ
一月の私と夢みる黒魔術         ねここ
白鳥の私へ思う影法師          ねここ
牛乳瓶ひよこの足りない鶴に父      ねここ
狐火と帽子を夢みる寝入りばな      ねここ

父母の夜寒に食べる象の神        キヨヒロー
印刷の布団の濡らす男かな        キヨヒロー
やけくその魔球の告げる夜寒です     キヨヒロー   空
法律の最後に睨む顔の神         キヨヒロー
木枯の岬へ告げる火炎瓶         キヨヒロー
手のひらの社会を増える木の葉髪     キヨヒロー

(以上)集計:四童

 なお、ねここキヨヒローの参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 引き続き、自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2011年12月11日日曜日

象印魔法瓶句会・投句一覧

お待たせしました。

【象】
ねんいりに気象予報士くず湯溶く
雨降れば破蓮めく象とゐる
空つ風まづは駆け寄る象の柵
小春日のゆっくり進む象の列
象の耳はたりはたりと雪来るか
冬ざれの象の視線に男の子
冬の象日記にいっぱいしっぽと川
凍天や有象無象のひとりなり
父母の夜寒に食べる象の神
武蔵野に象のはな子や銀杏散る

【印】
印影のにじんでゐたる雪もよひ
印画紙を暗きに吊りて冬休
印鑑ごと家族へ兎のありにけり
印刷の布団の濡らす男かな
印象派新印象派白ショール
羽子板市印し半纏父と兄
鯛焼の列に加はる印度人
短日の廊下に模写の印象派
矢印に沿って歩めば冬の海
烙印のごとくにポインセチア置く

【魔】
おほいなるグスタフの魔羅去年今年
クリスマス魔女の宅急便来たる
ふはふはと魔女の差し出す冬林檎
やけくその魔球の告げる夜寒です
一月の私と夢みる黒魔術
枯野から逢魔が刻が迫り来る
邪魔なもの一切無くて山眠る
純愛の魔王と魔女や龍の玉
小悪魔と言はれし人のちゃんちゃんこ
魔女狩りのための金属天地凍つ

【法】
しぐれがちなる法廷のスケッチ画
弔ひに法被の人や冬日和
長老の魔法の杖や天狼星
冬の夜の六法全書から煙
冬の蠅寂聴法話の人の輪に
白鳥の私へ思う影法師
発声法たしかめてから年忘
法の下に異邦人も未亡人も師走
法律の最後に睨む顔の神
本名は神田法子や竃猫

【瓶】
あつけらかん瓶と兜太や時雨来る
ばらまいている瓶詰の冬の星
牛乳瓶ひよこの足りない鶴に父
空瓶をくぐつてきたる冬日かな
水瓶座とだけ答えて毛糸編む
短日の何も挿ざさる花瓶かな
冬籠る昔ながらの魔法瓶
瓶詰めの開かぬままなりクリスマス
木枯の岬へ告げる火炎瓶
老酒のやうに瓶ごと熱きもの

【当季雑詠】
Uターン禁止のひろば黄落す
ひび割れる音降り注ぐ寒の月
月蝕の終はるにつれて着膨れる
狐火と帽子を夢みる寝入りばな
指のなき手袋に指そして爪
手のひらの社会を増える木の葉髪
手袋の闇に十指を納めけり
上質の皮手袋に招かるる
雪来るか引き込み線の列車音
腹帯に眠る赤子や冬支度
夜の匂い纏い夜廻終えにけり
裏声で迎へてゐたる寒波かな

(以上)
10句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月14日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/
題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。
ではよろしくお願い致します。

2011年12月9日金曜日

井川意高句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

玉の井の一夜で舞って散る銀杏    こゆ    ぐ朝
海に抱かれに 霧・雪・川      こゆ    ぐ
ここにいる意味をさがして浮寝鳥   こゆ    朝
ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校   こゆ    四恵り
顔見世や忘れ難きは恋敵       こゆ

井戸に無く丼にある臍寒し      ぐみ    空
川上より桃色手袋川下へ       ぐみ    こ
さざえさん意地悪婆さんマスクして  ぐみ    由種
高砂や白き狐の尾も白く       ぐみ
もしかして寒卵に目鼻と歯も     ぐみ
寝不足の昼の月置き山眠る      ぐみ    空ぽ

蜜柑剥く「井戸の茶碗」を聴きながら 朝比古
風花やしづかに流れ神田川      朝比古   こ千
雪の夜の不随意筋の動きかな     朝比古   恵り種
冬の雨棒高跳の棒不遇        朝比古   由亜種空千
さまざまな咳開演を待つてをり    朝比古   ぐこ四恵由亜空
幾たびもあちあちと触れ焼藷よ    朝比古   ぽ

井の底に鯰かはづの来るを待つ    種茄子   こ
冬の川流れて冬の海に入る      種茄子
十二月すつかり疲れ意見言ふ     種茄子
狐の嫁入先頭の高提灯        種茄子   こ
魚屋が見えるところで鰤捌く     種茄子   四恵り亜
数へ日の古着の柄にきほひかな    種茄子   空ぽ
東京堂書店の隅に暦売る       種茄子   朝四恵亜

井戸覗く空は手のひらほどの冬    空猫    ぐぽ
冬ざれの真昼の川はまつすぐに    空猫    種ぽ
凍月や告白できぬ意気地なし     空猫    こ千
奥飛騨の見事な雪の高さかな     空猫    千
除湿器の泡のぶくぶく冬に入る    空猫

短日の井戸のまわりが濡れたまま   りえ    ぐ朝こ四恵由亜種空
こほらない川だから来る冬の鶴    りえ    朝種千
弔意かく告げて飛び去る鳰      りえ
円高く高く高く冬茜         りえ    ぐ
湯に入れる前に針刺す寒卵      りえ    ぽ
冬深む三和土に晴れの靴予報     りえ    空ぽ千
甘いもの欲しくて霜の夜を起きる   りえ    朝四恵

底冷えの井戸のかたちが五芒星    由季    り
川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊     由季    朝四恵り亜種空ぽ千
不意をつく一球からの雪合戦     由季    朝こ四亜空ぽ千
冬晴れに高所恐怖の募りをり     由季    こ
恋文に湯気立つやうな消印が     由季    ぐ四り種空

井の頭公園口のおでんかな      亜紀    朝四恵由種
川沿ひのホテルの傍の枯尾花     亜紀    こ由
蓮の実の飛んで遺憾の意を表す    亜紀    恵由種
手袋に指を沈めて居丈高       亜紀    ぽ千
余市ワインほのと嗜む初時雨     亜紀
奏でたる和音溶け合ふ聖夜かな    亜紀    ぽ
さぼうるに頼む珈琲暮早し      亜紀    朝種千

井戸重く水を吐き出す寒さかな    恵     ぐ亜
反射光鈍って冬の川になる      恵
意のままにならず炬燵の中の闇    恵     ぐ種千
じわじわと高野豆腐が吸っている   恵     ぐ朝四り由
狐火がこれっぽっちも熱くない    恵     朝四り由亜空千

井戸のぞくようにi phone 冬浅し   ぽぽな   り由亜
冬の空一番遠い川かしら       ぽぽな
凩の意にそうもの意にそわぬもの   ぽぽな
高音が抜けてるクリスマスツリー   ぽぽな   由
裸木の指の間に青空来        ぽぽな   り

円きまま井戸も冱つるや祖母の家   千代路
鴨川の亀笑ふ恋冬うらら       千代路   こ
人生の意味はさて措き冬籠り     千代路
蕎麦つるつる高座にもひとつ夜半の冬 千代路

古井戸に昔の冬の水ありて      四童    ぐ恵空ぽ
あやかしの流体力学冬の虹      四童
意のままに意中の人を冬日向     四童    こ恵由亜
残高を表示しきれぬ師走かな     四童    り亜
いふなれば濡落葉めく恋慕かな    四童    り

以上。(集計:四童)

自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2011年12月8日木曜日

象印魔法瓶句会・出題

おはようございます。再開第5回目の出題です。
前回の集計はしばしお待ち下さい。

【象】
【印】
【魔】
【法】
【瓶】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月10日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com
★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

2011年12月4日日曜日

井川意高句会・投句一覧

お待たせしました。

【井】
井の底に鯰かはづの来るを待つ
井の頭公園口のおでんかな
井戸に無く丼にある臍寒し
井戸のぞくようにi phone 冬浅し
井戸重く水を吐き出す寒さかな
井戸覗く空は手のひらほどの冬
円きまま井戸も冱つるや祖母の家
玉の井の一夜で舞って散る銀杏
古井戸に昔の冬の水ありて
短日の井戸のまわりが濡れたまま
底冷えの井戸のかたちが五芒星
蜜柑剥く「井戸の茶碗」を聴きながら

【川】
あやかしの流体力学冬の虹
こほらない川だから来る冬の鶴
海に抱かれに 霧・雪・川
鴨川の亀笑ふ恋冬うらら
川沿ひのホテルの傍の枯尾花
川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
川上より桃色手袋川下へ
冬ざれの真昼の川はまつすぐに
冬の空一番遠い川かしら
冬の川流れて冬の海に入る
反射光鈍って冬の川になる
風花やしづかに流れ神田川

【意】
ここにいる意味をさがして浮寝鳥
さざえさん意地悪婆さんマスクして
意のままにならず炬燵の中の闇
意のままに意中の人を冬日向
十二月すつかり疲れ意見言ふ
人生の意味はさて措き冬籠り
雪の夜の不随意筋の動きかな
弔意かく告げて飛び去る鳰
凍月や告白できぬ意気地なし
不意をつく一球からの雪合戦
蓮の実の飛んで遺憾の意を表す
凩の意にそうもの意にそわぬもの

【高】
じわじわと高野豆腐が吸っている
ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校
円高く高く高く冬茜
奥飛騨の見事な雪の高さかな
蕎麦つるつる高座にもひとつ夜半の冬
狐の嫁入先頭の高提灯
高音が抜けてるクリスマスツリー
高砂や白き狐の尾も白く
残高を表示しきれぬ師走かな
手袋に指を沈めて居丈高
冬の雨棒高跳の棒不遇 
冬晴れに高所恐怖の募りをり

【当季雑詠】
いふなれば濡落葉めく恋慕かな
さぼうるに頼む珈琲暮早し
さまざまな咳開演を待つてをり
もしかして寒卵に目鼻と歯も
甘いもの欲しくて霜の夜を起きる
顔見世や忘れ難きは恋敵
幾たびもあちあちと触れ焼藷よ
魚屋が見えるところで鰤捌く
狐火がこれっぽっちも熱くない
除湿器の泡のぶくぶく冬に入る
寝不足の昼の月置き山眠る
数へ日の古着の柄にきほひかな
奏でたる和音溶け合ふ聖夜かな
冬深む三和土に晴れの靴予報
東京堂書店の隅に暦売る
湯に入れる前に針刺す寒卵
余市ワインほのと嗜む初時雨
裸木の指の間に青空来
恋文に湯気立つやうな消印が

(以上)
12句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月7日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/
題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2011年11月26日土曜日

井川意高句会・出題

ごきげんよう。再開第4回目の出題です。

【井】
【川】
【意】
【高】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月3日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com
★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

篠田麻里子句会・作者発表

たいへんお待たせしました。今回は参加者僅少のため、急遽木枯二号も出動の事態となりました。篠さんという人にも参加してほしいですね。

雪おんな篠つく雨に傘さしぬ       ぐみ
冬籠り田の字のやうな窓ふさぎ      ぐみ      不恵
ヒマシ油の蓖麻にも無縁ビンとボー    ぐみ      四
お毛皮でお里が知れる学習院       ぐみ
ねんねこや寝ん寝が好きな子と猫と    ぐみ
寒夕焼成人映画の絵看板         ぐみ      り

丹波篠山綿虫になつかれて        由季      種りぽこ
冬の田のセンターに父置いてみる     由季      ぐ不
茶の花を咲かせ非番の麻薬犬       由季      種ぐ不四りぽこ
ハムスターの里親となる着ぶくれて    由季      亜
青木の実といへど紅くて子煩悩      由季      恵こ
秋惜しむ一番好きな掛け軸と       由季      ぽ
小春日の四十七士を点呼する       由季      種四り恵

篠笛の少年のいる月の夜         こゆ      四
はるか来て田毎の月にであひけり     こゆ
亜麻色の髪の少女の星さがす       こゆ
一里雨二里雪三里霙哉          こゆ      種四恵ぽ
霜夜かな鳴子こけしの首の鳴る      こゆ      ぐ
普段着でゆれていたって皇帝ダリア    こゆ
茶の花や今がどんどん古くなる      こゆ      亜ぽ

篠ノ井にゆっくりと風そして雪      ぽぽな     不由こ
雪催こんがり眠る秋田犬         ぽぽな     種不四由り恵
秋麗の胡麻油まわしてフライパン     ぽぽな
色里に色のなき刻小鳥くる        ぽぽな     不
まひるまの障子のようにセラピスト    ぽぽな     恵
寒暁やRh因子まで記す          ぽぽな     種四由
音かすか障子の中の核家族        ぽぽな     種亜
まだ恋をしらぬ子の頬小六月       ぽぽな
篠笛をのせる指先冬立ちぬ        ぽぽな     不亜こ

篠山の寺の生まれや玉霰         種茄子     こ
田に泥鰌野に兎追ふ半世紀        種茄子
凩や麻布十番温泉に           種茄子     り
足袋穿いて南総里見八犬伝        種茄子
子のたまはく天金の書を開くたび     種茄子     四
咳を響かせてゐる女かな         種茄子
鼻水を止める薬を三度飲む        種茄子     恵
電柱を頼る電線初時雨          種茄子     ぐ亜由こ

見返れば篠井英介狐罠          不孤      り
ひつぢ田のすずめ騒がしTPP      不孤      ぐ
しぐるるや麻布十番饅頭屋        不孤      ぐ亜四ぽ
黄落やホットスポットまで半里      不孤      種亜由ぽ
小春日や孟子は鬚をくしけづり      不孤
あの娘だれこの娘はだあれ枇杷の花    不孤

ポインセチア篠突く雨を帰りけり     亜紀
大田区の蒲田大森冬に入る        亜紀      ぐ四こ
馥郁と胡麻の香りや冬ぬくし       亜紀      四
犬の子の里親募る小春かな        亜紀      恵ぽ
本名は子の付く名前雪女         亜紀      ぐ不由り恵ぽ
初冬の変らぬ車窓見てをりぬ       亜紀
冬木立華やぐ声の通り過ぎ        亜紀      こ
要所要所繕うてをり落葉雨        亜紀      不

着膨れて篠さんという人を待つ      恵       ぐ由ぽこ
冬の田の真ん中にいて気付かれず     恵       種亜由
胡麻塩が足りない握り飯小春       恵       不亜ぽ
凍星に触れ里親になる資格        恵
鍋焼を吹いて子供の顔になる       恵       ぐぽ
マフラーが鼻を隠して古本屋       恵       ぐ由りぽ

息白き篠山紀信うごめきぬ        四童
大女ばかりで歩く冬田かな        四童      種亜由り
しぐるゝや重たきものを西麻布      四童      種
夜焚火や藷より旨い十七里        四童
賛成の反対分子冬に入る         四童      り
抱き合ふ近衛のオブジェ冬ざるゝ     四童

篠笛やひとりのやうな冬の夢       ゆかりり
島国の家族の濡らす冬田かな       ゆかりり    ぽ
おほぞらの大麻のやうな鴨の丈      ゆかりり
島国や我慢のやうな冬の里        ゆかりり
幸福のクレッシェンドの障子かな     ゆかりり    亜
おほかたの小春の影の眠りけり      ゆかりり    不由恵こ

篠笛のひかりに冬を熟るるかな      木枯二号
魂の冬田のやうな闇の濤         木枯二号
晩年の麻苧の鳰と洗ひけり        木枯二号
はらわたの手毬のやうなわれの里     木枯二号
をととひの障子と翅を濡らしけり     木枯二号
水洟や蛇屋のやうな母の恋        木枯二号    恵

以上。(集計:不孤)

なお、ゆかりり木枯二号の参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 引き続き、自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2011年11月20日日曜日

篠田麻里子句会・投句一覧

お待たせしました。
選句期間は一週間だと長すぎる感じなので、水曜までとします。

【篠】
ポインセチア篠突く雨を帰りけり
見返れば篠井英介狐罠
篠ノ井にゆっくりと風そして雪
篠山の寺の生まれや玉霰
篠笛のひかりに冬を熟るるかな
篠笛の少年のいる月の夜
篠笛やひとりのやうな冬の夢
篠笛をのせる指先冬立ちぬ
雪おんな篠つく雨に傘さしぬ
息白き篠山紀信うごめきぬ
丹波篠山綿虫になつかれて
着膨れて篠さんという人を待つ

【田】
はるか来て田毎の月にであひけり
ひつぢ田のすずめ騒がしTPP
魂の冬田のやうな闇の濤
雪催こんがり眠る秋田犬
大女ばかりで歩く冬田かな
大田区の蒲田大森冬に入る
田に泥鰌野に兎追ふ半世紀
冬の田のセンターに父置いてみる
冬の田の真ん中にいて気付かれず
冬籠り田の字のやうな窓ふさぎ
島国の家族の濡らす冬田かな

【麻】
おほぞらの大麻のやうな鴨の丈
しぐるゝや重たきものを西麻布
しぐるるや麻布十番饅頭屋
ヒマシ油の蓖麻にも無縁ビンとボー
亜麻色の髪の少女の星さがす
胡麻塩が足りない握り飯小春
秋麗の胡麻油まわしてフライパン
茶の花を咲かせ非番の麻薬犬
晩年の麻苧の鳰と洗ひけり
凩や麻布十番温泉に
馥郁と胡麻の香りや冬ぬくし

【里】
お毛皮でお里が知れる学習院
ハムスターの里親となる着ぶくれて
はらわたの手毬のやうなわれの里
一里雨二里雪三里霙哉
黄落やホットスポットまで半里
犬の子の里親募る小春かな
色里に色のなき刻小鳥くる
足袋穿いて南総里見八犬伝
凍星に触れ里親になる資格
島国や我慢のやうな冬の里
夜焚火や藷より旨い十七里

【子】
ねんねこや寝ん寝が好きな子と猫と
まだ恋をしらぬ子の頬小六月
まひるまの障子のようにセラピスト
をととひの障子と翅を濡らしけり
音かすか障子の中の核家族
寒暁やRh因子まで記す
幸福のクレッシェンドの障子かな
賛成の反対分子冬に入る
子のたまはく天金の書を開くたび
小春日や孟子は鬚をくしけづり
青木の実といへど紅くて子煩悩
霜夜かな鳴子こけしの首の鳴る
鍋焼を吹いて子供の顔になる
本名は子の付く名前雪女

【当季雑詠】
あの娘だれこの娘はだあれ枇杷の花
おほかたの小春の影の眠りけり
マフラーが鼻を隠して古本屋
咳を響かせてゐる女かな
寒夕焼成人映画の絵看板
秋惜しむ一番好きな掛け軸と
初冬の変らぬ車窓見てをりぬ
小春日の四十七士を点呼する
水洟や蛇屋のやうな母の恋
茶の花や今がどんどん古くなる
電柱を頼る電線初時雨
冬木立華やぐ声の通り過ぎ
鼻水を止める薬を三度飲む
普段着でゆれていたって皇帝ダリア
抱き合ふ近衛のオブジェ冬ざるゝ
要所要所繕うてをり落葉雨

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月23日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/
題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
 なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

 ではよろしくお願い致します。

2011年11月15日火曜日

篠田麻里子句会・出題

おはようございます。再開第3回目の出題です。

【篠】
【田】
【麻】
【里】
【子】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月19日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com
★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

我他彼此句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

我いつか梟的に膨らむや         藤実   四苑不
兔ゐてその他と共に抱上げる       藤実   種四ぐり由幹不
冬ぬくし彼のコッペパン黄金して     藤実
二千年狐火ねむる此岸とか        藤実
冬服のお江戸の顔に困りけり       藤実   ぐ幹不

我欲無くて何の人生蓮の実飛ぶ      不孤
わが魂に及ぶ他国の秋出水        不孤   四り幹
彼氏てふイントネーション枯芒      不孤   ぐ苑亜
此の句集背表紙がない秋のてふてふ    不孤   四由幹
ガタがきてビシッとせぬ首破れ蓮     不孤   ぐ亜

秋惜しむ竹脇無我と夢の中        ぐみ   四
冬近し高い他界の人は風         ぐみ
冬隣彼のヨンさまの産湯売る       ぐみ   四
肌恋し冬の近づくそこ此所に       ぐみ
月の海大波小波縄跳びす         ぐみ
飛行船やがて手が生え月に触れ      ぐみ   種四苑不

無我といふ冬野へ入りて帰らざる     苑を   四不
焼芋屋他人の空似だとしても       苑を   ぐ不
もう炬燵出して誰彼なく噂        苑を
此処からは入るべからず花八手      苑を
子規庵は淋しかりけり石蕗の花      苑を

我我は宇宙人なり茸狩          種茄子  四千り亜幹
年忘れ他人の靴を履いて出る       種茄子  千苑り亜由
ハロウィンの風に吹かるる彼女彼     種茄子
此辺りの者で候ふ秋の暮         種茄子  苑
当番に面倒見られなきうさぎ       種茄子  ぐ
暖かき冬来てだるまさんがころんだ    種茄子
すつぽんの冬眠したる池に鯉       種茄子

残菊や我儘ぶりや泣きぶりや       りえ
行く秋や他人同士の降りる駅       りえ   種ぐ亜由
彼方から円盤来たる文化の日       りえ   種四苑
露霜や此の世はよその家ばかり      りえ   種千
行く秋やトーテムポール寄り目がち    りえ   千苑亜
あたらしい団栗拾う墓地の内       りえ
密柑山一瞥連絡船帰る          りえ   亜由
住所録一行消して蔦紅葉         りえ   種千苑

蓑虫は蓑のまんなか我武者羅に      由季   亜
他校より借りきし選手黄落す       由季   種千不
誰彼となくほほゑみて菊人形       由季   千苑亜
此の地帯芒呆けてゐるばかり       由季   亜
LEDのひかりまつすぐ菊膾       由季   種り
深秋のダンスフロアー黒光り       由季   り亜

我々の選択権や神無月          亜紀
他意のなき海鼠を食んでをりにけり    亜紀   苑幹不
彼方より来たる冬蜂箱に入る       亜紀   由
此の家の先祖代々花八つ手        亜紀   苑り
ことごとくはづすPK鳥渡る        亜紀   千苑由幹不
十一月机の前に椅子があり        亜紀   種ぐり由
秋高し力士の小さき飯茶碗        亜紀
昭和通り平成通り文化の日        亜紀   り幹

干し柿の平たく言へば我慢して      藤幹子  千ぐ亜由不
萩抜けて猫は他人の眼なりけり      藤幹子  四千ぐ由
彼は白我はサフラン色の膝        藤幹子  ぐり
此の世ではつひに飛蝗を捕れずあり    藤幹子  千由
種茄子脳に二室のありにけり       藤幹子

やせ我慢して秋晴れをついに得よ     千代路
秋ふかくまじわり淡き他人丼       千代路
いつまでも月をほめてる彼の恋      千代路
此れはキーを叩く音なり稲雀       千代路  幹
母と寝る部屋いつぱいに虫の声      千代路  由

枯蓮やパジャマのやうな我の国      ゆかりり 種
立冬の他人を仰ぐ電気かな        ゆかりり り
立て看の寒暮のやうな彼の壜       ゆかりり
此の国の目方のやうな冬の皿       ゆかりり
横須賀の旋律といふ冬日向        ゆかりり 四
小春日のポルシェを影のゆるすかな    ゆかりり 千幹

小春日や我慢をすれば痩せられる     四童   ぐ幹
こひびとと他の一切の冬ざるる      四童
小春日や私の彼は左巻き         四童   り幹不
行く秋のむづかしさうな此処は何処    四童   種不
天高し表札のなき半蔵門         四童   種

以上。(集計:不孤)

なお、ゆかりりの参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 引き続き、自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2011年11月6日日曜日

我他彼此句会・投句一覧

 お待たせしました。

【我】
やせ我慢して秋晴れをついに得よ
我いつか梟的に膨らむや
我々の選択権や神無月
我我は宇宙人なり茸狩
我欲無くて何の人生蓮の実飛ぶ
干し柿の平たく言へば我慢して
枯蓮やパジャマのやうな我の国
残菊や我儘ぶりや泣きぶりや
秋惜しむ竹脇無我と夢の中
小春日や我慢をすれば痩せられる
蓑虫は蓑のまんなか我武者羅に
無我といふ冬野へ入りて帰らざる

【他】
こひびとと他の一切の冬ざるる
わが魂に及ぶ他国の秋出水
行く秋や他人同士の降りる駅
秋ふかくまじわり淡き他人丼
焼芋屋他人の空似だとしても
他意のなき海鼠を食んでをりにけり
他校より借りきし選手黄落す
冬近し高い他界の人は風
年忘れ他人の靴を履いて出る
萩抜けて猫は他人の眼なりけり
立冬の他人を仰ぐ電気かな
兔ゐてその他と共に抱上げる

【彼】
いつまでも月をほめてる彼の恋
ハロウィンの風に吹かるる彼女彼
もう炬燵出して誰彼なく噂
小春日や私の彼は左巻き
誰彼となくほほゑみて菊人形
冬ぬくし彼のコッペパン黄金して
冬隣彼のヨンさまの産湯売る
彼は白我はサフラン色の膝
彼氏てふイントネーション枯芒
彼方から円盤来たる文化の日
彼方より来たる冬蜂箱に入る
立て看の寒暮のやうな彼の壜

【此】
行く秋のむづかしさうな此処は何処
此の家の先祖代々花八つ手
此の句集背表紙がない秋のてふてふ
此の国の目方のやうな冬の皿
此の世ではつひに飛蝗を捕れずあり
此の地帯芒呆けてゐるばかり
此れはキーを叩く音なり稲雀
此処からは入るべからず花八手
此辺りの者で候ふ秋の暮
二千年狐火ねむる此岸とか
肌恋し冬の近づくそこ此所に
露霜や此の世はよその家ばかり

【当季雑詠】
LEDのひかりまつすぐ菊膾
あたらしい団栗拾う墓地の内
ガタがきてビシッとせぬ首破れ蓮
ことごとくはづすPK鳥渡る
すつぽんの冬眠したる池に鯉
横須賀の旋律といふ冬日向
月の海大波小波縄跳びす
行く秋やトーテムポール寄り目がち
子規庵は淋しかりけり石蕗の花
種茄子脳に二室のありにけり
秋高し力士の小さき飯茶碗
住所録一行消して蔦紅葉
十一月机の前に椅子があり
小春日のポルシェを影のゆるすかな
昭和通り平成通り文化の日
深秋のダンスフロアー黒光り
暖かき冬来てだるまさんがころんだ
天高し表札のなき半蔵門
冬服のお江戸の顔に困りけり
当番に面倒見られなきうさぎ
飛行船やがて手が生え月に触れ
母と寝る部屋いつぱいに虫の声
密柑山一瞥連絡船帰る

(以上)
12句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月12日(土)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/
題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。
URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。
ではよろしくお願い致します。

2011年11月1日火曜日

我他彼此句会・出題

おはようございます。再開第2回目の出題です。

【我】
【他】
【彼】
【此】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月5日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
    koshinfu9thアットマークgmail.com 

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
(俳号の人は俳句とは別の行に書き添えて下さい。)
 また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

最下位島須句会・作者発表

再開&再会、とてもうれしいです。またよろしくお願いします。
選句まだの方もいらっしゃいますが、締切から2日過ぎましたので発表させていただきます。
選者名は俳号または名の最初の一字とします。なお、藤幹子さんは「幹」、藤実さんは「実」とさせていただきます。あしからずご了承下さい。

最澄の年譜に蟋蟀ひからびて     ぐみ       油
全室に下貼りのありトキワ荘     ぐみ       量幹
スワヒリ語新体位論文化の日     ぐみ       露
月に脱ぐ大島つむぎに染めの帯    ぐみ
欠け急須干し柿に似た顔添へて    ぐみ       油直
ひだ追ひて鶏頭少し淫らなり     ぐみ       量千美

最敬礼手首直角夜学校        油饅頭      美
冷ややかな外野フライの落下点    油饅頭      実由直
判定で二位になるなり法師蝉     油饅頭      り種直
島民は十六夜なれば消ゑにける    油饅頭      由
病垂必須の美術展覧会        油饅頭      美
ホステスと麺啜りおり気持ちよか   油饅頭
わたくしの今シーズンの蔦は伸ぶ   油饅頭      り由
王室の林檎をもいだのはあの子    油饅頭      不
秋茄子を蔕から燃やす未亡人     油饅頭      四り美幹
渡り廊下の朝顔だけの相関図     油饅頭

夜の雨の最晩年のあかるさに     山田露結
詳細は下記のとおりに蚯蚓鳴く    山田露結     千
スケッチの林檎の位置の定まりぬ   山田露結     四信亜由油
島までは歩いてゆける秋の虹     山田露結     ぐ種振幹不亜由油直
須く投げ入れらるるべき菊よ     山田露結     りぐ
二階より低きあたりが蜻蛉の空    山田露結     四信振実不亜由

ゐのこづち最後尾よりこゑのきて   佐藤文香     四信露種亜
下り梁白きくちびるむきながら    佐藤文香     直
祭日や余命位の籾俵         佐藤文香     四
大倭豊秋津島すさまじく       佐藤文香
股座を金風ぬけてゆく須磨か     佐藤文香     り信振幹不
残菊の根に揉錐の置かれあり     佐藤文香

竹の春最終弁論は以上        藤幹子      不
からすうりより下船せし薬指     藤幹子
箸割りて大芋虫を仰臥位に      藤幹子      四り量ぐ振
エロマンガ島と帰燕に伝へけり    藤幹子      種実由
呉須青絵夜を待ちたる花野かな    藤幹子
トランプのごと鳩降れり秋の苑    藤幹子      四千信振実不亜由

花すすき最もひかり吹いて海     藤実       四量千信種振亜
床下に小鳥あつまる箱の家      藤実       四種幹
大花野気位高き靴が降る       藤実       直
豊年や鬼ヶ島らし島に丸       藤実       種
須く案山子に眉毛描くべし      藤実       千ぐ
秋の雨やさしき馬を遠ざける     藤実       千振

給水塔最下部にドア流れ星      上田信治     四り露種不
月の雲エスカレーター下に着く    上田信治     油
寄鍋の菜つぱの位置は決めておけ   上田信治     千美露実亜油
片目だけコスモスの咲く島にゐる   上田信治     千実油
紅葉山急須の蓋の裏ぬれて      上田信治     り露幹実不亜由
そのトタン屋根に秋日の差してゐる  上田信治     千
雨続く人の匂ひの零余子飯      上田信治     量直

赤とんぼ最初から嘘かもしれぬ    千代路      量露振不油直
林檎ぬくもりてあなた下世話ですね  千代路      不
位置について檸檬は爆弾(ボム)になるところ 千代路  量幹
しじまてふ島えてしがな星月夜    千代路
急須ぽぽと笑ひ合つて夜長かな    千代路      量実不油
秋雨聴くトーフ売りのかほでうたふ  千代路

ダイエット最早続かず秋刀魚焼く   直子
バス下りて釣瓶落しの造成地     直子       り信露油
位勲には縁なく古希や荻の風     直子       ぐ
島の児のゴールは独り運動会     直子       美露振
須磨寺に鬼哭のごとく荻の声     直子   
知らぬ児の手を振ってゐる草の市   直子

最高に折れ曲がりたるやれはちす   種茄子      り美幹由
蜻蛉飛ぶ下校の曲は新世界      種茄子      り量ぐ直
位取り間違へてをりきりぎりす    種茄子      直
湖に人の棲む島秋茜         種茄子      り美ぐ信振亜
高坏の須恵器に至る秋の虹      種茄子      量不
雀蛤になる東中野の次中野      種茄子      露
みみず鳴く望遠鏡に土星入れ     種茄子      四量千ぐ信露振実由直
錦秋や赤きレーダー回転す      種茄子

牛蛙胃カメラ触れる最深部      量子       幹由
空に散る核種を下水の蟇は知る(福島原発災害) 量子
鳴く鯨三位一体説く神父       量子       幹
島宇宙より着いたばかりのニュートリノ 量子      千種
サルノコシカケ急須で煎じ月見かな  量子       美種
アレルギー見え隠れする青蜥蜴    量子

最終回までにけりつく秋の空     亜紀
下書きの線残りけり野分あと     亜紀       り幹直
定位置に戻らぬおもちや夜長し    亜紀       油
島影の島てんてんと十三夜      亜紀
秋うらら須藤さんへの招待状     亜紀       種実
鼻つ柱ばかに強くて蓼の花      亜紀       直
雲ひとつ分けてそろりと後の月    亜紀       ぐ
確固たる覚悟などなし鶏頭花     亜紀       種油

鼠来て最寄の鍋の在處        美美
秋天の最も高き處かな        美美       種
階下から母叫びくる暮の秋      美美       四り信露振幹油
下野(しもつけ)と上野(かみつけ)のさかい野分立つ 美美
筋肉を上上下下伸ばす秋       美美       ぐ
下世話にも作法のありて菊膾     美美       信露不
菊の日や位牌持つ人喪主であり    美美
秋風に世界の島崎といふ男      美美       りぐ
急須より名残の滴や初時雨      美美
ぷらちなの舌に踊れる豹紋蝶     美美
淋しいや黄金の月のひやひやす    美美       実亜
鶏頭花奇妙な人を見送りぬ      美美       千
花魁が抱いて放さぬ菊枕       美美       不油
天高し大佐隠れる排水溝       美美       ぐ種幹
ランボーの全集買ふて冬眠す     美美
椋鳥の一群二群とありにけり     美美       ぐ由
裸婦写真いまだ検閲神の留守     美美       種

最高値更新さるる夜長かな      四童       美ぐ由
のばしたる鼻の下から末枯るる    四童       美ぐ亜
全地球測位システム秋深む      四童       信実直
島忠で買ふべし秋蒔きの種は     四童       美振不
横須賀の急な坂道冬近し       四童       信振亜
ワシコフがつぶやいてゐる秋深き   四童       量美露

長き夜の電波を帰る最上川      ゆかりり     千
はじまりの下腹部といふ秋の午後   ゆかりり     四幹不亜
伝線の位置の野分のありにけり    ゆかりり
島国や銀河を並ぶ雲の愛       ゆかりり     量
須田町の遺伝子となる野分かな    ゆかりり     四量
千代田区のおほぞらといふ菊日和   ゆかりり     露亜

蚯蚓鳴くビルの最終退出者      岡田由季     四千美ぐ露直
下山してしまえばただの茸山     岡田由季     量千ぐ種振実
銀漢の見える位置まで移動する    岡田由季     ぐ露種
島の秋土曜日ごとに雨が降り     岡田由季     信振実
冬近し須磨の関守よく眠る      岡田由季     幹
照柿のラジオ体操常連組       岡田由季     千亜

ポケットの最中狼藉文化の日     不孤       四振実亜由直
しら露の下へも置かぬ泪かな     不孤
一位の実の種は食べてはいけません  不孤       美信
鰯雲とりつく島はありますか     不孤       量千美信露幹由油直
須く疑ふべけんや茸山        不孤
再開は無いと思つた穴惑       不孤       四り量振由

薔薇の実やこの駅はわが最寄駅    振り子      り
ぎんなんぎんなん足の大きな下校の子 振り子      量千露幹実不亜油
秋刀魚焼く半島位淋しくて      振り子      美実不由
壱岐対馬秋の喇叭が鳴りひびく    振り子      信実
秋の日終るただただ急須傾けて    振り子      美油
マネキンの胴の輪切りや小鳥来る   振り子      四り信種幹亜油直


以上。(集計:不孤)

なお、ゆかりりの参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 さて、久しぶりの方も初参加の方もいらっしゃいますので、皆さんそれぞれ自己紹介というのはいかがでしょう。ここのコメント欄だとちょっとやりにくいので、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2011年10月23日日曜日

最下位島須句会・投句一覧

 世話人・四童です。投句ありがとうございます。お懐かしい方も初めての方も老若男女いらして嬉しい限りです。

【最】
ダイエット最早続かず秋刀魚焼く
ポケットの最中狼藉文化の日
ゐのこづち最後尾よりこゑのきて
花すすき最もひかり吹いて海
給水塔最下部にドア流れ星
牛蛙胃カメラ触れる最深部
最敬礼手首直角夜学校
最高に折れ曲がりたるやれはちす
最高値更新さるる夜長かな
最終回までにけりつく秋の空
最澄の年譜に蟋蟀ひからびて
秋天の最も高き處かな
赤とんぼ最初から嘘かもしれぬ
鼠来て最寄の鍋の在處
竹の春最終弁論は以上
長き夜の電波を帰る最上川
夜の雨の最晩年のあかるさに
薔薇の実やこの駅はわが最寄駅
蚯蚓鳴くビルの最終退出者

【下】
からすうりより下船せし薬指
ぎんなんぎんなん足の大きな下校の子
しら露の下へも置かぬ泪かな
のばしたる鼻の下から末枯るる
はじまりの下腹部といふ秋の午後
バス下りて釣瓶落しの造成地
下り梁白きくちびるむきながら
下山してしまえばただの茸山
下書きの線残りけり野分あと
下世話にも作法のありて菊膾
下野(しもつけ)と上野(かみつけ)のさかい野分立つ
階下から母叫びくる暮の秋
筋肉を上上下下伸ばす秋
空に散る核種を下水の蟇は知る(福島原発災害)
月の雲エスカレーター下に着く
床下に小鳥あつまる箱の家
詳細は下記のとおりに蚯蚓鳴く
全室に下貼りのありトキワ荘
林檎ぬくもりてあなた下世話ですね
冷ややかな外野フライの落下点
蜻蛉飛ぶ下校の曲は新世界

【位】
スケッチの林檎の位置の定まりぬ
スワヒリ語新体位論文化の日
位勲には縁なく古希や荻の風
位取り間違へてをりきりぎりす
位置について檸檬は爆弾(ボム)になるところ
一位の実の種は食べてはいけません
寄鍋の菜つぱの位置は決めておけ
菊の日や位牌持つ人喪主であり
銀漢の見える位置まで移動する
祭日や余命位の籾俵
秋刀魚焼く半島位淋しくて
全地球測位システム秋深む
大花野気位高き靴が降る
定位置に戻らぬおもちや夜長し
伝線の位置の野分のありにけり
箸割りて大芋虫を仰臥位に
判定で二位になるなり法師蝉
鳴く鯨三位一体説く神父

【島】
エロマンガ島と帰燕に伝へけり
しじまてふ島えてしがな星月夜
壱岐対馬秋の喇叭が鳴りひびく
鰯雲とりつく島はありますか
月に脱ぐ大島つむぎに染めの帯
湖に人の棲む島秋茜
秋風に世界の島崎といふ男
大倭豊秋津島すさまじく
島の児のゴールは独り運動会
島の秋土曜日ごとに雨が降り
島までは歩いてゆける秋の虹
島宇宙より着いたばかりのニュートリノ
島影の島てんてんと十三夜
島国や銀河を並ぶ雲の愛
島忠で買ふべし秋蒔きの種は
島民は十六夜なれば消ゑにける
片目だけコスモスの咲く島にゐる
豊年や鬼ヶ島らし島に丸

【須】
サルノコシカケ急須で煎じ月見かな
横須賀の急な坂道冬近し
急須ぽぽと笑ひ合つて夜長かな
急須より名残の滴や初時雨
欠け急須干し柿に似た顔添へて
股座を金風ぬけてゆく須磨か
呉須青絵夜を待ちたる花野かな
紅葉山急須の蓋の裏ぬれて
高坏の須恵器に至る秋の虹
秋うらら須藤さんへの招待状
秋の日終るただただ急須傾けて
須く案山子に眉毛描くべし
須く疑ふべけんや茸山
須く投げ入れらるるべき菊よ
須田町の遺伝子となる野分かな
須磨寺に鬼哭のごとく荻の声
冬近し須磨の関守よく眠る
病垂必須の美術展覧会

【当季雑詠】
アレルギー見え隠れする青蜥蜴
そのトタン屋根に秋日の差してゐる
トランプのごと鳩降れり秋の苑
ひだ追ひて鶏頭少し淫らなり
ぷらちなの舌に踊れる豹紋蝶
ホステスと麺啜りおり気持ちよか
マネキンの胴の輪切りや小鳥来る
みみず鳴く望遠鏡に土星入れ
ランボーの全集買ふて冬眠す
ワシコフがつぶやいてゐる秋深き
わたくしの今シーズンの蔦は伸ぶ
雨続く人の匂ひの零余子飯
雲ひとつ分けてそろりと後の月
王室の林檎をもいだのはあの子
花魁が抱いて放さぬ菊枕
確固たる覚悟などなし鶏頭花
錦秋や赤きレーダー回転す
鶏頭花奇妙な人を見送りぬ
再開は無いと思つた穴惑
残菊の根に揉錐の置かれあり
秋の雨やさしき馬を遠ざける
秋雨聴くトーフ売りのかほでうたふ
秋茄子を蔕から燃やす未亡人
照柿のラジオ体操常連組
雀蛤になる東中野の次中野
千代田区のおほぞらといふ菊日和
知らぬ児の手を振ってゐる草の市
天高し大佐隠れる排水溝
渡り廊下の朝顔だけの相関図
二階より低きあたりが蜻蛉の空
鼻つ柱ばかに強くて蓼の花
椋鳥の一群二群とありにけり
裸婦写真いまだ検閲神の留守
淋しいや黄金の月のひやひやす

(以上)
18句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月29日(土)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

 題に関わらず全体から18句選にてお願い致します。なお、よいと感じた句ほど先に触れたいとは重々思いますが、整理の都合上、句の順番はそのままにして頂けると助かります。
 投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は連動するのに時間がかかるようです。
ではよろしくお願い致します。

2011年10月14日金曜日

ネット句会を再開します。

皆さん、ご無沙汰しております。
しばらくネット句会を行っていないうちに、OTDの掲示板が運用停止となり、過去の皆さんの句も句評もネット上から消滅してしまいました。河岸を変えてこちらで再開致しますので、またよろしくお願いします。

さっそくですが、出題です。

【最】
【下】
【位】
【島】
【須】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月22日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9thアットマークgmail.com     

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。



秋の暮最最最最最最最
秋の暮下下下下下下下
秋の暮位位位位位位位位位位位位
秋の暮島島島島島島島
秋の暮須須須須須須須須須須須須
秋の暮当季雑詠当季雑詠

ではよろしくお願いします。

【10/22 14時 追記】
続々投句頂き、ありがとうございます。作者発表時に俳号で発表したい方は、俳句とは別の行に俳号をお書き添え下さい。特に記載がない場合は、メールの発信者とさせて頂きます。