2011年11月1日火曜日

最下位島須句会・作者発表

再開&再会、とてもうれしいです。またよろしくお願いします。
選句まだの方もいらっしゃいますが、締切から2日過ぎましたので発表させていただきます。
選者名は俳号または名の最初の一字とします。なお、藤幹子さんは「幹」、藤実さんは「実」とさせていただきます。あしからずご了承下さい。

最澄の年譜に蟋蟀ひからびて     ぐみ       油
全室に下貼りのありトキワ荘     ぐみ       量幹
スワヒリ語新体位論文化の日     ぐみ       露
月に脱ぐ大島つむぎに染めの帯    ぐみ
欠け急須干し柿に似た顔添へて    ぐみ       油直
ひだ追ひて鶏頭少し淫らなり     ぐみ       量千美

最敬礼手首直角夜学校        油饅頭      美
冷ややかな外野フライの落下点    油饅頭      実由直
判定で二位になるなり法師蝉     油饅頭      り種直
島民は十六夜なれば消ゑにける    油饅頭      由
病垂必須の美術展覧会        油饅頭      美
ホステスと麺啜りおり気持ちよか   油饅頭
わたくしの今シーズンの蔦は伸ぶ   油饅頭      り由
王室の林檎をもいだのはあの子    油饅頭      不
秋茄子を蔕から燃やす未亡人     油饅頭      四り美幹
渡り廊下の朝顔だけの相関図     油饅頭

夜の雨の最晩年のあかるさに     山田露結
詳細は下記のとおりに蚯蚓鳴く    山田露結     千
スケッチの林檎の位置の定まりぬ   山田露結     四信亜由油
島までは歩いてゆける秋の虹     山田露結     ぐ種振幹不亜由油直
須く投げ入れらるるべき菊よ     山田露結     りぐ
二階より低きあたりが蜻蛉の空    山田露結     四信振実不亜由

ゐのこづち最後尾よりこゑのきて   佐藤文香     四信露種亜
下り梁白きくちびるむきながら    佐藤文香     直
祭日や余命位の籾俵         佐藤文香     四
大倭豊秋津島すさまじく       佐藤文香
股座を金風ぬけてゆく須磨か     佐藤文香     り信振幹不
残菊の根に揉錐の置かれあり     佐藤文香

竹の春最終弁論は以上        藤幹子      不
からすうりより下船せし薬指     藤幹子
箸割りて大芋虫を仰臥位に      藤幹子      四り量ぐ振
エロマンガ島と帰燕に伝へけり    藤幹子      種実由
呉須青絵夜を待ちたる花野かな    藤幹子
トランプのごと鳩降れり秋の苑    藤幹子      四千信振実不亜由

花すすき最もひかり吹いて海     藤実       四量千信種振亜
床下に小鳥あつまる箱の家      藤実       四種幹
大花野気位高き靴が降る       藤実       直
豊年や鬼ヶ島らし島に丸       藤実       種
須く案山子に眉毛描くべし      藤実       千ぐ
秋の雨やさしき馬を遠ざける     藤実       千振

給水塔最下部にドア流れ星      上田信治     四り露種不
月の雲エスカレーター下に着く    上田信治     油
寄鍋の菜つぱの位置は決めておけ   上田信治     千美露実亜油
片目だけコスモスの咲く島にゐる   上田信治     千実油
紅葉山急須の蓋の裏ぬれて      上田信治     り露幹実不亜由
そのトタン屋根に秋日の差してゐる  上田信治     千
雨続く人の匂ひの零余子飯      上田信治     量直

赤とんぼ最初から嘘かもしれぬ    千代路      量露振不油直
林檎ぬくもりてあなた下世話ですね  千代路      不
位置について檸檬は爆弾(ボム)になるところ 千代路  量幹
しじまてふ島えてしがな星月夜    千代路
急須ぽぽと笑ひ合つて夜長かな    千代路      量実不油
秋雨聴くトーフ売りのかほでうたふ  千代路

ダイエット最早続かず秋刀魚焼く   直子
バス下りて釣瓶落しの造成地     直子       り信露油
位勲には縁なく古希や荻の風     直子       ぐ
島の児のゴールは独り運動会     直子       美露振
須磨寺に鬼哭のごとく荻の声     直子   
知らぬ児の手を振ってゐる草の市   直子

最高に折れ曲がりたるやれはちす   種茄子      り美幹由
蜻蛉飛ぶ下校の曲は新世界      種茄子      り量ぐ直
位取り間違へてをりきりぎりす    種茄子      直
湖に人の棲む島秋茜         種茄子      り美ぐ信振亜
高坏の須恵器に至る秋の虹      種茄子      量不
雀蛤になる東中野の次中野      種茄子      露
みみず鳴く望遠鏡に土星入れ     種茄子      四量千ぐ信露振実由直
錦秋や赤きレーダー回転す      種茄子

牛蛙胃カメラ触れる最深部      量子       幹由
空に散る核種を下水の蟇は知る(福島原発災害) 量子
鳴く鯨三位一体説く神父       量子       幹
島宇宙より着いたばかりのニュートリノ 量子      千種
サルノコシカケ急須で煎じ月見かな  量子       美種
アレルギー見え隠れする青蜥蜴    量子

最終回までにけりつく秋の空     亜紀
下書きの線残りけり野分あと     亜紀       り幹直
定位置に戻らぬおもちや夜長し    亜紀       油
島影の島てんてんと十三夜      亜紀
秋うらら須藤さんへの招待状     亜紀       種実
鼻つ柱ばかに強くて蓼の花      亜紀       直
雲ひとつ分けてそろりと後の月    亜紀       ぐ
確固たる覚悟などなし鶏頭花     亜紀       種油

鼠来て最寄の鍋の在處        美美
秋天の最も高き處かな        美美       種
階下から母叫びくる暮の秋      美美       四り信露振幹油
下野(しもつけ)と上野(かみつけ)のさかい野分立つ 美美
筋肉を上上下下伸ばす秋       美美       ぐ
下世話にも作法のありて菊膾     美美       信露不
菊の日や位牌持つ人喪主であり    美美
秋風に世界の島崎といふ男      美美       りぐ
急須より名残の滴や初時雨      美美
ぷらちなの舌に踊れる豹紋蝶     美美
淋しいや黄金の月のひやひやす    美美       実亜
鶏頭花奇妙な人を見送りぬ      美美       千
花魁が抱いて放さぬ菊枕       美美       不油
天高し大佐隠れる排水溝       美美       ぐ種幹
ランボーの全集買ふて冬眠す     美美
椋鳥の一群二群とありにけり     美美       ぐ由
裸婦写真いまだ検閲神の留守     美美       種

最高値更新さるる夜長かな      四童       美ぐ由
のばしたる鼻の下から末枯るる    四童       美ぐ亜
全地球測位システム秋深む      四童       信実直
島忠で買ふべし秋蒔きの種は     四童       美振不
横須賀の急な坂道冬近し       四童       信振亜
ワシコフがつぶやいてゐる秋深き   四童       量美露

長き夜の電波を帰る最上川      ゆかりり     千
はじまりの下腹部といふ秋の午後   ゆかりり     四幹不亜
伝線の位置の野分のありにけり    ゆかりり
島国や銀河を並ぶ雲の愛       ゆかりり     量
須田町の遺伝子となる野分かな    ゆかりり     四量
千代田区のおほぞらといふ菊日和   ゆかりり     露亜

蚯蚓鳴くビルの最終退出者      岡田由季     四千美ぐ露直
下山してしまえばただの茸山     岡田由季     量千ぐ種振実
銀漢の見える位置まで移動する    岡田由季     ぐ露種
島の秋土曜日ごとに雨が降り     岡田由季     信振実
冬近し須磨の関守よく眠る      岡田由季     幹
照柿のラジオ体操常連組       岡田由季     千亜

ポケットの最中狼藉文化の日     不孤       四振実亜由直
しら露の下へも置かぬ泪かな     不孤
一位の実の種は食べてはいけません  不孤       美信
鰯雲とりつく島はありますか     不孤       量千美信露幹由油直
須く疑ふべけんや茸山        不孤
再開は無いと思つた穴惑       不孤       四り量振由

薔薇の実やこの駅はわが最寄駅    振り子      り
ぎんなんぎんなん足の大きな下校の子 振り子      量千露幹実不亜油
秋刀魚焼く半島位淋しくて      振り子      美実不由
壱岐対馬秋の喇叭が鳴りひびく    振り子      信実
秋の日終るただただ急須傾けて    振り子      美油
マネキンの胴の輪切りや小鳥来る   振り子      四り信種幹亜油直


以上。(集計:不孤)

なお、ゆかりりの参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 さて、久しぶりの方も初参加の方もいらっしゃいますので、皆さんそれぞれ自己紹介というのはいかがでしょう。ここのコメント欄だとちょっとやりにくいので、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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