2012年10月31日水曜日

無賃乗車句会・出題

再開第32回目の出題です。

【無】
【賃】
【乗】
【車】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月3日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

伸縮自在句会・作者発表

象亀の首伸び切りし秋の昼      朝比古   苑亜幹
啄木鳥の首の縮みし刹那かな     朝比古  
自打球の当たりしごとく黄落す    朝比古   ぽ不ぐ
駐在所机の上に柿ふたつ       朝比古   苑ぽ
少年の手くらがりより青木の実    朝比古   苑四

脚伸ばしきり銀漢にとどきそう    ぽぽな  
二人してゆっくり銀漢を濃縮     ぽぽな   苑朝由四
自分から自分を剥がす銀木犀     ぽぽな   不由
すすき原不在の人の声のある     ぽぽな  
流星を洋酒の瓶の底に飼う      ぽぽな   亜由

伸び伸びと飛行機雲に芒かな     ぐみ  
蛇穴に入る縮こまる真似をする    ぐみ    幹
自然薯をもて余したる三次会     ぐみ    不
主不在裂けてはならぬ柘榴の実    ぐみ  
中心の固き林檎や朝まだき      ぐみ  

黄落の方へ伸ばせる亀の首      由季    ぽ亜不朝ぐ
しづしづと蓑虫の糸縮みをり     由季    ぽ亜幹ぐ
紅葉づれる坂も自動車教習所     由季    苑朝
冷まじき現在地点赤くあり      由季    ぐ
ハロウィンの仮装のままの雨宿り   由季    ぽ亜朝ぐ四

吹き硝子ぷんと伸ばされ秋夕焼    藤幹子   四
縮れ麺箸にからむや後の月      藤幹子   朝
自惚れて蓑虫開く水盤に       藤幹子   不
芋虫に点在したる風の穴       藤幹子   苑由四
鶏頭のかたまり迂回して義妹     藤幹子  

かにかくに山中伸弥水澄めり     不孤    苑四
転倒にはじまる萎縮草の絮      不孤  
その自信どこから来るの枯尾花    不孤  
柿熟るる不在者財産管理して     不孤    ぽ亜
絵草子展出口へスズメと稲雀     不孤  

伸びしろのあると言はるる唐辛子   亜紀    不
縮尺を変へてつぎつぎ露の玉     亜紀    ぽ朝由ぐ
行く秋の鐘ひとつ鳴るのど自慢    亜紀    ぽ四
長き夜の自由自在を紐解きぬ     亜紀    四
点在のこんなところに曼珠沙華    亜紀    朝由
銀翼を空に放ちて神の留守      亜紀    幹ぐ四
稲妻に手足伸ばして眠りけり     亜紀    不由幹
咬む力咆ゆる力や十三夜       亜紀    苑ぐ

秋天へ爪先立ちに背伸びして     苑を  
さてと首縮め冬眠いたしけり     苑を    不由
自動ドアひらき黄落また黄落     苑を    亜朝幹
月光や不在証明とはならぬ      苑を  
時どきは目の合うきのこ合はぬきのこ 苑を    幹

小春日のやんなつてゐる牧伸二    四童    苑亜不朝幹
番長の縮尺ちがふ秋の暮       四童  
自他共に認めてゐたるねこじやらし  四童  
引力の始まる自在鉤や秋       四童    亜由幹ぐ
あめつちに長き夜よりも長き雨    四童    ぽ

以上。(集計:不孤)

2012年10月29日月曜日

伸縮自在句会・投句一覧

【伸】
かにかくに山中伸弥水澄めり
稲妻に手足伸ばして眠りけり
黄落の方へ伸ばせる亀の首
脚伸ばしきり銀漢にとどきそう
秋天へ爪先立ちに背伸びして
小春日のやんなつてゐる牧伸二
象亀の首伸び切りし秋の昼
伸びしろのあると言はるる唐辛子
伸び伸びと飛行機雲に芒かな
吹き硝子ぷんと伸ばされ秋夕焼

【縮】
さてと首縮め冬眠いたしけり
しづしづと蓑虫の糸縮みをり
蛇穴に入る縮こまる真似をする
縮れ麺箸にからむや後の月
縮尺を変へてつぎつぎ露の玉
啄木鳥の首の縮みし刹那かな
転倒にはじまる萎縮草の絮
二人してゆっくり銀漢を濃縮
番長の縮尺ちがふ秋の暮

【自】
その自信どこから来るの枯尾花
紅葉づれる坂も自動車教習所
行く秋の鐘ひとつ鳴るのど自慢
自惚れて蓑虫開く水盤に
自然薯をもて余したる三次会
自他共に認めてゐたるねこじやらし
自打球の当たりしごとく黄落す
自動ドアひらき黄落また黄落
自分から自分を剥がす銀木犀

【在】
すすき原不在の人の声のある
芋虫に点在したる風の穴
引力の始まる自在鉤や秋
柿熟るる不在者財産管理して
月光や不在証明とはならぬ
主不在裂けてはならぬ柘榴の実
駐在所机の上に柿ふたつ
長き夜の自由自在を紐解きぬ
点在のこんなところに曼珠沙華
冷まじき現在地点赤くあり

【当季雑詠】
あめつちに長き夜よりも長き雨
ハロウィンの仮装のままの雨宿り
絵草子展出口へスズメと稲雀
銀翼を空に放ちて神の留守
鶏頭のかたまり迂回して義妹
時どきは目の合うきのこ合はぬきのこ
少年の手くらがりより青木の実
中心の固き林檎や朝まだき
流星を洋酒の瓶の底に飼う
咬む力咆ゆる力や十三夜

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月31日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月24日水曜日

伸縮自在句会・出題

再開第31回目の出題です。

【伸】
【縮】
【自】
【在】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月28日(日)24:00(JST)…世話人都合により今回も日曜にします。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

世界征服句会・作者発表

世直しのごとくに二十三夜月     朝比古  
雨降れり金木犀の界隈に       朝比古   ぐ
ゐのこづち隣町まで遠征す      朝比古   ぽ不亜四
やや寒し頓服薬に臓腑の絵      朝比古   幹四
ロボットと影重なれる夜業かな    朝比古   ぽ幹亜四

古酒酌んで世界地図めく五臓かな   ぽぽな   四
秋気澄むまでを界面活性剤      ぽぽな   不
燈火親しむ鬼を征伐するところ    ぽぽな   ぐ
服脱いでくちびる赤し菊人形     ぽぽな   幹
六三制の三のあたりの秋思かな    ぽぽな   朝ぐ亜

世話好きで少し照れ屋で茸似で    ぐみ    朝
魔界へのハロウィン列車霧の中    ぐみ  
犬征きしおほき花野のありにけり   ぐみ  
親子して迷彩服の七五三       ぐみ    朝
月光を裏庭に張る蠱惑かな      ぐみ  

世話役の引つ張つてゐる烏瓜     亜紀    ぽ幹
角界のかつてプリンス薄紅葉     亜紀  
悪党のごとく征伐藪からし      亜紀  
制服の手を伸ばしたる葡萄かな    亜紀    ぽ幹朝
断捨離と向き合うてゐる秋思かな   亜紀    ぐ
鳩笛や風にも道があるといふ     亜紀  
生地を裁つ野分の海の音を聞き    亜紀    幹朝四
遠征の帰途に着きたる金木犀     亜紀    朝

身に入むや小日向文世の穏と兇    不孤    ぐ
行秋の界隈整骨院過密        不孤    亜
がん征圧月間のうへ文化祭      不孤  
頓服の効いて割けたる通草の実    不孤  
甘栗のくろぐろ抹茶モンブラン    不孤    ぽ亜

世之介の腎水散れば鶴来る      藤幹子   不四
三界は無花果仏には嘴        藤幹子  
征伐へ始めに草の絮を吹く      藤幹子   ぽ不亜四
服用後烏瓜から光ります       藤幹子   不ぐ亜
葛嵐たちまちオズへ続く道      藤幹子  

水おほき二十世紀の果実かな     四童    幹
界隈の酒癖わろき糸瓜かな      四童  
辻征夫読んで正しき秋の風邪     四童    不
洋服を着用のこと後夜祭       四童    ぽ不ぐ
木犀の取り憑いてゐる水の音     四童    朝

以上。(集計:不孤)

2012年10月23日火曜日

世界征服句会・投句一覧

 お待たせしました。

【世】
古酒酌んで世界地図めく五臓かな
身に入むや小日向文世の穏と兇
水おほき二十世紀の果実かな
世直しのごとくに二十三夜月
世之介の腎水散れば鶴来る
世話好きで少し照れ屋で茸似で
世話役の引つ張つてゐる烏瓜

【界】
雨降れり金木犀の界隈に
界隈の酒癖わろき糸瓜かな
角界のかつてプリンス薄紅葉
行秋の界隈整骨院過密
三界は無花果仏には嘴
秋気澄むまでを界面活性剤
魔界へのハロウィン列車霧の中 

【征】
がん征圧月間のうへ文化祭
ゐのこづち隣町まで遠征す
悪党のごとく征伐藪からし
犬征きしおほき花野のありにけり
征伐へ始めに草の絮を吹く
辻征夫読んで正しき秋の風邪
燈火親しむ鬼を征伐するところ

【服】
やや寒し頓服薬に臓腑の絵
親子して迷彩服の七五三 
制服の手を伸ばしたる葡萄かな
頓服の効いて割けたる通草の実
服脱いでくちびる赤し菊人形
服用後烏瓜から光ります
洋服を着用のこと後夜祭

【当季雑詠】
ロボットと影重なれる夜業かな
遠征の帰途に着きたる金木犀
葛嵐たちまちオズへ続く道
甘栗のくろぐろ抹茶モンブラン
月光を裏庭に張る蠱惑かな
生地を裁つ野分の海の音を聞き
断捨離と向き合うてゐる秋思かな
鳩笛や風にも道があるといふ
木犀の取り憑いてゐる水の音
六三制の三のあたりの秋思かな

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月24日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月16日火曜日

世界征服句会・出題

再開第30回目の出題です。

【世】
【界】
【征】
【服】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月21日(日)24:00(JST)…世話人都合により今回は日曜にします。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

調剤薬局句会・作者発表

虫の夜の見えない場所に空調機     天気    由
秋深まりぬ錠剤のうらおもて      天気    苑
それは桃それは真昼の薬学部      天気  
夜学子に電波を飛ばす地方局      天気    四朝亜不苑由
これなんの夢なんだらう桃一顆     天気    苑

秋の夜の調べ正しき万葉歌       朝比古  
秋暁の柔軟剤の匂ひかな        朝比古   ぐ
混沌として宵寒の薬箱         朝比古   苑
夕化粧郵便局に侵食す         朝比古  
虫籠の新しきまま仕舞はるる      朝比古   ぐ

調理士の免許一枚パリの月       ぐみ    不苑天
洗剤のCMのごと天高し        ぐみ  
流木と菊を薬缶に活けにけり      ぐみ    亜不天
鳥わたる局番に3袖看板        ぐみ  
風に文字書いても書いても芒の穂    ぐみ    四亜

順調に句会つづくよ豊の秋       不孤    四朝苑由
くわりん黄に筋肉弛緩剤効いて     不孤  
谷中なる薬膳カレー鵙日和       不孤    ぐ
局留の懸賞葉書文化の日        不孤  
ゴリラ舎の高きに登り抛る菜      不孤  

オーケストラの調音タイム秋深む    苑を    朝亜ぐ
秋日ちらちら錠剤の色いろいろ     苑を    朝天
月光や薬草は毒ひそませて       苑を    不ぐ
黄巻紙特許許可局もみぢ散る      苑を  
ひかりといふならたまねぎのうすごろも 苑を    四亜天由

秋の夜の格調高きユニフォーム     亜紀    四
ポケットに錠剤ひとつ捨案山子     亜紀    不
薬湯のばかに混み合ふ菊日和      亜紀    四天由
局面を打開してゆく芒原        亜紀    不ぐ
鵙鳴くや補充してゐる常備薬      亜紀    苑
熟柿吸ふテレビ画面に真向かひて    亜紀    天
店長の声に艶ある運動会        亜紀    朝苑由
逃れ来て月の明りに読む紙片      亜紀    ぐ

念入りに調整したる稲架の脚      由季    四
不明なる錠剤秋の抽斗に        由季    朝
秋麗の猫に薬を飲ます技        由季    四朝亜天
局所的豪雨を知らずぬかご飯      由季    亜
手触りを愛する本よ栗名月       由季    朝亜苑

調律の耳のかたちの石榴かな      四童    不天由ぐ
いろいろな忌避剤のある菊日和     四童  
人さらひから冬に入る薬研坂      四童  
美人局とは知りつつも雁渡し      四童    不由
養生を透かして露の玉あまた      四童  

以上。(集計:不孤)

2012年10月14日日曜日

調剤薬局句会・投句一覧

 お待たせしました。

【調】
オーケストラの調音タイム秋深む
秋の夜の格調高きユニフォーム
秋の夜の調べ正しき万葉歌
順調に句会つづくよ豊の秋
虫の夜の見えない場所に空調機
調理士の免許一枚パリの月
調律の耳のかたちの石榴かな
念入りに調整したる稲架の脚

【剤】
いろいろな忌避剤のある菊日和
くわりん黄に筋肉弛緩剤効いて
ポケットに錠剤ひとつ捨案山子
秋暁の柔軟剤の匂ひかな
秋深まりぬ錠剤のうらおもて
秋日ちらちら錠剤の色いろいろ
洗剤のCMのごと天高し
不明なる錠剤秋の抽斗に

【薬】
それは桃それは真昼の薬学部
月光や薬草は毒ひそませて
混沌として宵寒の薬箱
秋麗の猫に薬を飲ます技
人さらひから冬に入る薬研坂
谷中なる薬膳カレー鵙日和
薬湯のばかに混み合ふ菊日和
流木と菊を薬缶に活けにけり
鵙鳴くや補充してゐる常備薬

【局】
黄巻紙特許許可局もみぢ散る
局所的豪雨を知らずぬかご飯
局面を打開してゆく芒原
局留の懸賞葉書文化の日
鳥わたる局番に3袖看板
美人局とは知りつつも雁渡し
夜学子に電波を飛ばす地方局
夕化粧郵便局に侵食す

【当季雑詠】
ゴリラ舎の高きに登り抛る菜
これなんの夢なんだらう桃一顆
ひかりといふならたまねぎのうすごろも
手触りを愛する本よ栗名月
熟柿吸ふテレビ画面に真向かひて
虫籠の新しきまま仕舞はるる
店長の声に艶ある運動会
逃れ来て月の明りに読む紙片
風に文字書いても書いても芒の穂
養生を透かして露の玉あまた

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月17日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月9日火曜日

調剤薬局句会・出題

再開第29回目の出題です。

【調】
【剤】
【薬】
【局】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月13日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

佐川急便句会・作者発表

颱風裡佐々木と代々木見間違ふ    朝比古   苑不天由ぐ
青蜜柑提げて川崎球場へ       朝比古   不
天高しびゆわんびゆわんと超特急   朝比古   ぐ
旅にゐて釣瓶落しに便乗す      朝比古   ぐ
雨音を吸ひ込んでゆく鶏頭花     朝比古   不四天亜

佐山哲郎句集のところどころ雲    天気  
香川県うどん以外もがんばれよ    天気  
蟋蟀のひたひが急にねむくなる    天気    苑朝不四由
白鳥の来たり便座のあたたかし    天気    苑四亜
朝刊に落ちて転がる巨峰かな     天気    苑朝不ぽ四

そぞろ寒死して中佐に昇級す     ぽぽな   ぐ
臨月がはじまる昼の天の川      ぽぽな  
急用の人が過ぎゆく秋の蝿      ぽぽな  
満月の帰りの便の予約をす      ぽぽな   朝不亜
夜なべして隣の曲調が変わる     ぽぽな   四

猿飛佐助像秋の雲に乗り       由季  
前奏はピアノでありし秋の川     由季  
阪急も阪神もなく秋黴雨       由季    四
月の夜は帽子目深に郵便夫      由季    苑
鰯雲犬が開けたる自動ドア      由季    苑朝ぽ四天亜ぐ

蟷螂の斧佐幕派の裔として      不孤  
赤とんぼ川の向うは川崎市      不孤    苑天
野分中急な用事と言はれても     不孤    ぐ
ある朝の便座のぬくみ神無月     不孤    苑天由
腹見せて喉元見せて秋のライオン   不孤    ぽ天亜由ぐ

秋の灯にゆれて伊勢佐木あたりかな  ぐみ    朝不ぽ四亜
汝の指の我がおとがひに天の川    ぐみ    ぽ
一本の月の光の急階段        ぐみ    ぽ天亜
文字化けの電脳便や虫の夜      ぐみ  
缶詰の白桃の身に大き穴       ぐみ  

土佐産の柚子の実ばかり運ばるる   亜紀    朝不ぽ由
月の夜の蛇行してゆく川面かな    亜紀    朝
秋の夜の救急箱の匂ひかな      亜紀    ぽ天由ぐ
妖精と便乗したる霧の夜       亜紀    ぽ
近づいて空気ひんやり曼珠沙華    亜紀    朝
行く先はナルニア国や草のわた    亜紀    苑由

伊賀上野「佐助」の暖簾野分立つ   苑を  
枕から川の音する萩の宿       苑を    四天亜
秋雨止まずやゝ急いてゐるピアノ   苑を    不亜由
ちちろ鳴く郵便局に灯のともる    苑を    朝
秋風やジャズの流れる運河の面    苑を  

百体の龍馬を並べ土佐の秋      四童  
翠川敬基飛び交ふ夜半の秋      四童  
急行に抜かされてゐる竈馬かな    四童    由
赤文字の便から済ます鰯雲      四童  
途中から秋の黴雨となりにけり    四童    ぐ

以上。(集計:不孤)

2012年10月7日日曜日

佐川急便句会・投句一覧

 お待たせしました。

【佐】
そぞろ寒死して中佐に昇級す
伊賀上野「佐助」の暖簾野分立つ
猿飛佐助像秋の雲に乗り
佐山哲郎句集のところどころ雲
秋の灯にゆれて伊勢佐木あたりかな
土佐産の柚子の実ばかり運ばるる
百体の龍馬を並べ土佐の秋
蟷螂の斧佐幕派の裔として
颱風裡佐々木と代々木見間違ふ

【川】
月の夜の蛇行してゆく川面かな
香川県うどん以外もがんばれよ
翠川敬基飛び交ふ夜半の秋
青蜜柑提げて川崎球場へ
赤とんぼ川の向うは川崎市
前奏はピアノでありし秋の川
汝の指の我がおとがひに天の川
枕から川の音する萩の宿
臨月がはじまる昼の天の川

【急】
一本の月の光の急階段
急行に抜かされてゐる竈馬かな
急用の人が過ぎゆく秋の蝿
阪急も阪神もなく秋黴雨
秋の夜の救急箱の匂ひかな
秋雨止まずやゝ急いてゐるピアノ
天高しびゆわんびゆわんと超特急
野分中急な用事と言はれても
蟋蟀のひたひが急にねむくなる

【便】
ある朝の便座のぬくみ神無月
ちちろ鳴く郵便局に灯のともる
月の夜は帽子目深に郵便夫
赤文字の便から済ます鰯雲
白鳥の来たり便座のあたたかし
文字化けの電脳便や虫の夜
満月の帰りの便の予約をす
妖精と便乗したる霧の夜
旅にゐて釣瓶落しに便乗す

【当季雑詠】
鰯雲犬が開けたる自動ドア
雨音を吸ひ込んでゆく鶏頭花
缶詰の白桃の身に大き穴
近づいて空気ひんやり曼珠沙華
行く先はナルニア国や草のわた
秋風やジャズの流れる運河の面
朝刊に落ちて転がる巨峰かな
途中から秋の黴雨となりにけり
腹見せて喉元見せて秋のライオン
夜なべして隣の曲調が変わる

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月10日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さいURLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月3日水曜日

佐川急便句会・出題

再開第28回目の出題です。

【佐】
【川】
【急】
【便】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月6日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

電池売場句会・作者発表

冬じたく模様の家電量販店      朝比古   天
黄のカンナコンガを叩くダン池田   朝比古   四不亜
売店の巣箱のごとき秋の暮      朝比古   ぐ不亜
ジャイアント馬場の赤あり葉鶏頭   朝比古  
暗幕にこもりし熱や休暇明け     朝比古   由天

電線は電気漏らさず秋の暮      天気    ぐ
池袋五叉路のまうへ眉の月      天気    ぐ不
桃売や元横綱にそつくりの      天気  
秋の夜のポッキー齧りつつ場末    天気    朝
われわれはひよつこりへうたん島世代 天気  

襟足に夜露終電見送りて       ぐみ  
最初はグー池田澄子の灯る秋     ぐみ  
本売つて本買ひにけり秋夕焼     ぐみ    朝由天
新蕎麦のややみどり帯び砂場かな   ぐみ  
白孔雀秋の扇を閉ぢにけり      ぐみ  

リモコンの電池入れ替ふ夜の寒し   亜紀  
乗換の溜池山王駅九月        亜紀    朝
秋めきて焼売を売る赤き服      亜紀    四天
入り口は資材置き場といふ花野    亜紀    朝四苑不由
穴惑はじめからなき境界線      亜紀    苑
林檎剥くペティナイフに星集め    亜紀    ぐ

人間は電気を通す秋の暮       由季    朝四亜天
池ぽちやの後うすうすと鰯雲     由季    ぐ亜
売り物をいつとき借りて秋扇     由季    不
場所前は新松子めく心持ち      由季  
球場の端のめくれて草雲雀      由季    朝四苑亜天

天高しウルトラマンの背に電池    不孤    苑
秋夕焼池上線の九十年        不孤    苑
吾亦紅売約済の漆盆         不孤  
場違ひな哄笑ひびく秋出水      不孤  
傘寿古稀白寿の母校秋高し      不孤    四苑由亜

電脳のもの言ひたげな夜長かな    苑を    四
池上線各駅紅葉かつ散りぬ      苑を    不
ランジェリー売場の床の秋湿り    苑を    天
秋灯の波うち大井競馬場       苑を  
引退の空いつぱいの鰯雲       苑を    朝四不由

色鳥や美味しく炊ける電気釜     四童    朝苑不由亜
放生の鰐ひそみをる池しづか     四童    ぐ
風呂敷のごと商売を畳み秋      四童    苑由亜
場慣れした男あらはれ鰯雲      四童    ぐ
颱風の睫の先の速さかな       四童    ぐ由天

以上。(集計:不孤)