2012年10月16日火曜日

調剤薬局句会・作者発表

虫の夜の見えない場所に空調機     天気    由
秋深まりぬ錠剤のうらおもて      天気    苑
それは桃それは真昼の薬学部      天気  
夜学子に電波を飛ばす地方局      天気    四朝亜不苑由
これなんの夢なんだらう桃一顆     天気    苑

秋の夜の調べ正しき万葉歌       朝比古  
秋暁の柔軟剤の匂ひかな        朝比古   ぐ
混沌として宵寒の薬箱         朝比古   苑
夕化粧郵便局に侵食す         朝比古  
虫籠の新しきまま仕舞はるる      朝比古   ぐ

調理士の免許一枚パリの月       ぐみ    不苑天
洗剤のCMのごと天高し        ぐみ  
流木と菊を薬缶に活けにけり      ぐみ    亜不天
鳥わたる局番に3袖看板        ぐみ  
風に文字書いても書いても芒の穂    ぐみ    四亜

順調に句会つづくよ豊の秋       不孤    四朝苑由
くわりん黄に筋肉弛緩剤効いて     不孤  
谷中なる薬膳カレー鵙日和       不孤    ぐ
局留の懸賞葉書文化の日        不孤  
ゴリラ舎の高きに登り抛る菜      不孤  

オーケストラの調音タイム秋深む    苑を    朝亜ぐ
秋日ちらちら錠剤の色いろいろ     苑を    朝天
月光や薬草は毒ひそませて       苑を    不ぐ
黄巻紙特許許可局もみぢ散る      苑を  
ひかりといふならたまねぎのうすごろも 苑を    四亜天由

秋の夜の格調高きユニフォーム     亜紀    四
ポケットに錠剤ひとつ捨案山子     亜紀    不
薬湯のばかに混み合ふ菊日和      亜紀    四天由
局面を打開してゆく芒原        亜紀    不ぐ
鵙鳴くや補充してゐる常備薬      亜紀    苑
熟柿吸ふテレビ画面に真向かひて    亜紀    天
店長の声に艶ある運動会        亜紀    朝苑由
逃れ来て月の明りに読む紙片      亜紀    ぐ

念入りに調整したる稲架の脚      由季    四
不明なる錠剤秋の抽斗に        由季    朝
秋麗の猫に薬を飲ます技        由季    四朝亜天
局所的豪雨を知らずぬかご飯      由季    亜
手触りを愛する本よ栗名月       由季    朝亜苑

調律の耳のかたちの石榴かな      四童    不天由ぐ
いろいろな忌避剤のある菊日和     四童  
人さらひから冬に入る薬研坂      四童  
美人局とは知りつつも雁渡し      四童    不由
養生を透かして露の玉あまた      四童  

以上。(集計:不孤)

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