虫の夜の見えない場所に空調機 天気 由
秋深まりぬ錠剤のうらおもて 天気 苑
それは桃それは真昼の薬学部 天気
夜学子に電波を飛ばす地方局 天気 四朝亜不苑由
これなんの夢なんだらう桃一顆 天気 苑
秋の夜の調べ正しき万葉歌 朝比古
秋暁の柔軟剤の匂ひかな 朝比古 ぐ
混沌として宵寒の薬箱 朝比古 苑
夕化粧郵便局に侵食す 朝比古
虫籠の新しきまま仕舞はるる 朝比古 ぐ
調理士の免許一枚パリの月 ぐみ 不苑天
洗剤のCMのごと天高し ぐみ
流木と菊を薬缶に活けにけり ぐみ 亜不天
鳥わたる局番に3袖看板 ぐみ
風に文字書いても書いても芒の穂 ぐみ 四亜
順調に句会つづくよ豊の秋 不孤 四朝苑由
くわりん黄に筋肉弛緩剤効いて 不孤
谷中なる薬膳カレー鵙日和 不孤 ぐ
局留の懸賞葉書文化の日 不孤
ゴリラ舎の高きに登り抛る菜 不孤
オーケストラの調音タイム秋深む 苑を 朝亜ぐ
秋日ちらちら錠剤の色いろいろ 苑を 朝天
月光や薬草は毒ひそませて 苑を 不ぐ
黄巻紙特許許可局もみぢ散る 苑を
ひかりといふならたまねぎのうすごろも 苑を 四亜天由
秋の夜の格調高きユニフォーム 亜紀 四
ポケットに錠剤ひとつ捨案山子 亜紀 不
薬湯のばかに混み合ふ菊日和 亜紀 四天由
局面を打開してゆく芒原 亜紀 不ぐ
鵙鳴くや補充してゐる常備薬 亜紀 苑
熟柿吸ふテレビ画面に真向かひて 亜紀 天
店長の声に艶ある運動会 亜紀 朝苑由
逃れ来て月の明りに読む紙片 亜紀 ぐ
念入りに調整したる稲架の脚 由季 四
不明なる錠剤秋の抽斗に 由季 朝
秋麗の猫に薬を飲ます技 由季 四朝亜天
局所的豪雨を知らずぬかご飯 由季 亜
手触りを愛する本よ栗名月 由季 朝亜苑
調律の耳のかたちの石榴かな 四童 不天由ぐ
いろいろな忌避剤のある菊日和 四童
人さらひから冬に入る薬研坂 四童
美人局とは知りつつも雁渡し 四童 不由
養生を透かして露の玉あまた 四童
以上。(集計:不孤)
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