2012年10月3日水曜日

電池売場句会・作者発表

冬じたく模様の家電量販店      朝比古   天
黄のカンナコンガを叩くダン池田   朝比古   四不亜
売店の巣箱のごとき秋の暮      朝比古   ぐ不亜
ジャイアント馬場の赤あり葉鶏頭   朝比古  
暗幕にこもりし熱や休暇明け     朝比古   由天

電線は電気漏らさず秋の暮      天気    ぐ
池袋五叉路のまうへ眉の月      天気    ぐ不
桃売や元横綱にそつくりの      天気  
秋の夜のポッキー齧りつつ場末    天気    朝
われわれはひよつこりへうたん島世代 天気  

襟足に夜露終電見送りて       ぐみ  
最初はグー池田澄子の灯る秋     ぐみ  
本売つて本買ひにけり秋夕焼     ぐみ    朝由天
新蕎麦のややみどり帯び砂場かな   ぐみ  
白孔雀秋の扇を閉ぢにけり      ぐみ  

リモコンの電池入れ替ふ夜の寒し   亜紀  
乗換の溜池山王駅九月        亜紀    朝
秋めきて焼売を売る赤き服      亜紀    四天
入り口は資材置き場といふ花野    亜紀    朝四苑不由
穴惑はじめからなき境界線      亜紀    苑
林檎剥くペティナイフに星集め    亜紀    ぐ

人間は電気を通す秋の暮       由季    朝四亜天
池ぽちやの後うすうすと鰯雲     由季    ぐ亜
売り物をいつとき借りて秋扇     由季    不
場所前は新松子めく心持ち      由季  
球場の端のめくれて草雲雀      由季    朝四苑亜天

天高しウルトラマンの背に電池    不孤    苑
秋夕焼池上線の九十年        不孤    苑
吾亦紅売約済の漆盆         不孤  
場違ひな哄笑ひびく秋出水      不孤  
傘寿古稀白寿の母校秋高し      不孤    四苑由亜

電脳のもの言ひたげな夜長かな    苑を    四
池上線各駅紅葉かつ散りぬ      苑を    不
ランジェリー売場の床の秋湿り    苑を    天
秋灯の波うち大井競馬場       苑を  
引退の空いつぱいの鰯雲       苑を    朝四不由

色鳥や美味しく炊ける電気釜     四童    朝苑不由亜
放生の鰐ひそみをる池しづか     四童    ぐ
風呂敷のごと商売を畳み秋      四童    苑由亜
場慣れした男あらはれ鰯雲      四童    ぐ
颱風の睫の先の速さかな       四童    ぐ由天

以上。(集計:不孤)

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