2014年3月26日水曜日

開花宣言句会・ご案内

再開第80回目の出題です。

【開】
【花】
【宣】
【言】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月31日(月)20:00(JST)…月曜締切にて試行します。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

浮気調査句会・作者発表

お待たせしました。

脳味噌のすこし浮腫みて朧月     露結    四
気象庁にとらへられたる春一番    露結    海
調味料加へて春の愁とす       露結  
春泥や東京からの査察団       露結    六亜四
落椿勝手にすればいいと思ふ     露結    ダ海六け亜

浮かぶもの漂うものよ春歌う     六番町  
蛇穴を出る低気圧の停滞       六番町  
風光る校歌だいたいハ長調      六番町   露朝あ亜
春風の巡査と白い自転車と      六番町   ダ朝亜ぽ
鳥曇フランスパンの穴はげし     六番町   朝幹け亜ぽ

やはらかく芥浮かせて花筏      朝比古   ダ百海亜ぽ
陽炎や応援団の空気椅子       朝比古   露けぽ
うすらひの流るる調べありにけり   朝比古   あぽ
春灯を消して査定の人帰る      朝比古   あ亜ぽ
当事者になつてしまひし雛の間    朝比古   露海あ亜四

雛あられふふんでなんとなく浮力   ぽぽな   露百六幹亜
陽炎を払いきれない合気道      ぽぽな   百海
春昼や調子外れの鳩時計       ぽぽな   ダけ亜
検査後の水を飲みほす遅日かな    ぽぽな   六幹あけ四
一駅をあるくのも旅春の雲      ぽぽな   ダ海六幹け

春の風邪この世を一寸浮くここち   百花    朝海幹あぽ
月々に二度の節気や下萌ゆる     百花  
調印のあとの攻防雲に鳥       百花    海幹け
山査子の雄蕊ゆたかに付けまつげ   百花    六
紅梅のとりみだしたるごとき数    百花    ダ朝幹

浮雲となるまで引鶴を送る      海太    朝百け亜
春の蚊と呼ばぬそんなに浮ついちや  海太  
しやぼんだま液体個体気体空     海太    露六
若布にも調べ一株二千株       海太    露
藍植うるツベルクリン検査まだか   海太  
鶯菜鳴くほど茹でて上機嫌      海太  
前に豊後水道後ろ蜷の道       海太  

啓蟄の飛行機浮かぶとき力む     ダイスケ  百あ
春ショール強気の恋を守りをり    ダイスケ  百
前触れなきサビの転調花薊      ダイスケ  露けぽ
恋猫の巡査ひとりとすれ違ふ     ダイスケ  朝幹四
削られて啓蟄の軟膏の丘       ダイスケ  海

春の夢浮遊してゐる句読点      けんじ   六亜四
鵜馴らしや生気を無くす呪文かけ   けんじ   ダあ
不調和の極まつてゐて地虫出づ    けんじ  
御開帳四隅に検査済の印       けんじ   朝百幹あ四
春の闇グラスの底のデスマスク    けんじ   百あ

逆光に浮島のある遅日かな      あんこ   ダ百海け
マリンタワー気泡のやうな風船よ   あんこ   ぽ
膝合はせ仕舞ふひひなの調度品    あんこ   ぽ
審査員控室出て花の冷え       あんこ   朝
菜種梅雨秒針刻む保健室       あんこ   海六幹け四

春宵や浮かれ歩きの先斗町      亜紀    ダ海
気配消すやうに息して春の昼     亜紀    露朝六四ぽ
やはらかき空気ふはりと春ショール  亜紀    四
調息のだんだん眠き養花天      亜紀    ダ幹
すぐ終る聴力検査ヒヤシンス     亜紀    百六幹四
ガナッシュに添ふるクリーム蝶の昼  亜紀    ダ

首無くて代はりに薊浮かす人     藤幹子  
土筆野へ気炎をあげぬそれつきり   藤幹子   露
家具調の乳房なりけり斑雪      藤幹子   露朝六四
鶯餅は査定には響かぬよ       藤幹子   ダ
ルリユール裁つ春宵の色見本     藤幹子   百

浮くものは光にまみれ春の鴨     四童    露あけ
春が来て肺のかたちの空気かな    四童    露朝百あぽ
空調の一定にして春の昼       四童  
学年末考査を終えて少女たり     四童  
春愁のぷるぷるとして彼女かな    四童  

以上。(集計:不孤)

2014年3月15日土曜日

浮気調査句会・投句一覧

大変遅くなりました。すみません。

【浮】
やはらかく芥浮かせて花筏
逆光に浮島のある遅日かな
啓蟄の飛行機浮かぶとき力む
首無くて代はりに薊浮かす人
春の蚊と呼ばぬそんなに浮ついちや
春の風邪この世を一寸浮くここち
春の夢浮遊してゐる句読点
春宵や浮かれ歩きの先斗町
雛あられふふんでなんとなく浮力
脳味噌のすこし浮腫みて朧月
浮かぶもの漂うものよ春歌う
浮くものは光にまみれ春の鴨
浮雲となるまで引鶴を送る

【気】
しやぼんだま液体個体気体空
マリンタワー気泡のやうな風船よ
やはらかき空気ふはりと春ショール
鵜馴らしや生気を無くす呪文かけ
気象庁にとらへられたる春一番
気配消すやうに息して春の昼
月々に二度の節気や下萌ゆる
蛇穴を出る低気圧の停滞
春が来て肺のかたちの空気かな
春ショール強気の恋を守りをり
土筆野へ気炎をあげぬそれつきり
陽炎や応援団の空気椅子
陽炎を払いきれない合気道

【調】
うすらひの流るる調べありにけり
家具調の乳房なりけり斑雪
空調の一定にして春の昼
若布にも調べ一株二千株
春昼や調子外れの鳩時計
前触れなきサビの転調花薊
調印のあとの攻防雲に鳥
調息のだんだん眠き養花天
調味料加へて春の愁とす
膝合はせ仕舞ふひひなの調度品
不調和の極まつてゐて地虫出づ
風光る校歌だいたいハ長調

【査】
すぐ終る聴力検査ヒヤシンス
学年末考査を終えて少女たり
検査後の水を飲みほす遅日かな
御開帳四隅に検査済の印
山査子の雄蕊ゆたかに付けまつげ
春泥や東京からの査察団
春灯を消して査定の人帰る
春風の巡査と白い自転車と
審査員控室出て花の冷え
藍植うるツベルクリン検査まだか
恋猫の巡査ひとりとすれ違ふ
鶯餅は査定には響かぬよ

【当季雑詠】
ガナッシュに添ふるクリーム蝶の昼
ルリユール裁つ春宵の色見本
一駅をあるくのも旅春の雲
紅梅のとりみだしたるごとき数
菜種梅雨秒針刻む保健室
削られて啓蟄の軟膏の丘
春の闇グラスの底のデスマスク
春愁のぷるぷるとして彼女かな
前に豊後水道後ろ蜷の道
鳥曇フランスパンの穴はげし
当事者になつてしまひし雛の間
落椿勝手にすればいいと思ふ
鶯菜鳴くほど茹でて上機嫌

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月24日(月)20時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年3月4日火曜日

浮気調査句会・ご案内

再開第79回目の出題です。

【浮】
【気】
【調】
【査】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月10日(月)20:00(JST)…月曜締切にて試行します。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

葛西紀明句会・作者発表

にぎやかに発表です。

葛飾にゐて蓬餅日和かな        朝比古   ダ露不六四
西葛西駅に春菊そば喰へり       朝比古   不
三畳紀ジュラ紀白亜紀地虫出づ     朝比古   ダ幹
啓蟄の明るき地べたすこし鬱      朝比古   ダ海不由亜
魚は氷に上り地のものふらふらす    朝比古   不幹六

部室にまじる女の声や葛若葉      露結    朝あ
関西も関東もなしよなぐもり      露結    亜六
一世紀前にはこんな春愁も       露結    海幹由
空白のやけに明るき大試験       露結    朝百不あ由た四
月曜が締切梅の咲き揃ふ        露結    ダ朝由四

蛙合戦葛城山の麓にて         海太    不由た
葛切に持て成されたる遍路かな     海太    朝け
ウィッグは割引除外西行忌       海太    露百由六四
北方領土西方浄土鳥雲に        海太    露百六四
壺焼で締め括りたる紀勢線       海太    露百不あた六
慶應明治大正昭和大学桜散る      海太    亜
鞦韆が来るぞとちくわ大明神      海太  
雲梯の余白を点す初蝶よ        海太    不あ亜た

喝采を浴びて葛西の雪解風       けんじ   海
西窓に嘯いてゐて春兆す        けんじ   六
再生の春半世紀を無きものに      けんじ  
薄明り消へて微かな初音かな      けんじ   ダあ
早春を平らげて待つ便りかな      けんじ   ダ

春霖に葛城山の包まるる        あんこ  
西口へ早足となり春ショール      あんこ   ダ朝幹由亜
春の雪白亜紀の展示室へ入る      あんこ   露朝幹亜六
春風や明るき顔の招き猫        あんこ   ダけ由
春の雪無人のリフト回りをり      あんこ   ダ朝幹けた

校正の果の原稿諸葛菜         由季  
西側の隣家はげしく豆を撒く      由季    朝幹け亜四
初蝶の階降りて来る紀三井寺      由季    ダ海不あた六四
マッサージチェアの三方雪明り     由季    ダ露不幹六四
春の月うすつぺらなる鬼の面      由季    朝百幹あけ亜た

葛西橋越え母を訪ふ水の春       ダイスケ  
春灯下西京焼の白き照り        ダイスケ  海百
紀行文主に朝寝と酒の話        ダイスケ  海百不あけ由た四
春灯明るき昏さもたらせり       ダイスケ  あた
春の宵給油所店主ギター弾き      ダイスケ  

春まだき葛飾北斎名乗るころ      六番町   海
地虫出づ東西線の西の方        六番町   朝四
うららかや日本紀行の日本は      六番町   朝百あ
山笑う新明解を繰り笑う        六番町   幹亜た
春宵の母の三面鏡怖し         六番町  
雛あられ上手く謙遜していたり     六番町   け由亜

葛藤を箱詰めにして水温む       亜紀    海不四
冴返る早め早めの葛根湯        亜紀    海
川に沿ふ海までの道涅槃西風      亜紀    四
二十世紀に生まれて生きて春灯し    亜紀    朝け
朧夜のビルの四隅の明滅す       亜紀    ダ百た
雪解けてジャズセッションの微熱かな  亜紀  
守りきる個人情報猫の恋        亜紀    露百け

葛藤のほぐれぬままに木瓜の花     不孤    け
西向くのにのあたりなる余寒かな    不孤    四
ハッピーマンデー紀元節こそ動かさめ  不孤  
坊主バーの明朗会計春満月       不孤    海露朝百けた四
春愁や岸部シローのイエスタデイ    不孤    ダ露六

葛城の里は行者の干鰈         たろう   露百幹
苔りんどう苔の小道の西芳寺      たろう  
毬をつく紀州のとのさまうらうらら   たろう   幹あ亜
春の夜明けふたりのブラックコーヒー  たろう   海
オカリナのゆりかごなつかし岡すみれ  たろう  
すみれ野のオカリナすっぽりわらべっ子 たろう   海

葛根湯溶けきれずあり春の闇      藤幹子   朝由亜
欠けありぬ西の字牌や卒業す      藤幹子   ダ海不け由
シルル紀を知るいそぎんちやく硬きまま 藤幹子   六
春の風邪われよりほかはみな明るし   藤幹子   露六
宇宙塵ダイオウイカの眼に霞      藤幹子   百不六

葛城の山ふところの蕨萌ゆ       百花   
春眠や輪廻の中の西遊記        百花     露幹あけた
神前の私人いろいろ紀元節       百花   
腐女子てふ明治身近に春の服      百花   
白椿老人の紅いくちびる        百花     あ

葛飾の団子屋を出て日永かな      四童    海露
西班牙も香港もない春の風邪      四童  
精神に東風吹く二十一世紀       四童    露百由亜
明らかと答案に書き卒業す       四童    幹あけ由亜た
煙突を下る二月のけむの影       四童  

以上。(集計:不孤)

2014年2月27日木曜日

葛西紀明句会・投句一覧

大変遅くなりました。すみません。

【葛】
蛙合戦葛城山の麓にて
喝采を浴びて葛西の雪解風
葛根湯溶けきれずあり春の闇
葛城の山ふところの蕨萌ゆ
葛城の里は行者の干鰈
葛飾にゐて蓬餅日和かな
葛飾の団子屋を出て日永かな
葛西橋越え母を訪ふ水の春
葛切に持て成されたる遍路かな
葛藤のほぐれぬままに木瓜の花
葛藤を箱詰めにして水温む
校正の果の原稿諸葛菜
冴返る早め早めの葛根湯
春まだき葛飾北斎名乗るころ
春霖に葛城山の包まるる
部室にまじる女の声や葛若葉

【西】
ウィッグは割引除外西行忌
関西も関東もなしよなぐもり
欠けありぬ西の字牌や卒業す
春灯下西京焼の白き照り
春眠や輪廻の中の西遊記
西葛西駅に春菊そば喰へり
西口へ早足となり春ショール
西向くのにのあたりなる余寒かな
西窓に嘯いてゐて春兆す
西側の隣家はげしく豆を撒く
西班牙も香港もない春の風邪
川に沿ふ海までの道涅槃西風
苔りんどう苔の小道の西芳寺
地虫出づ東西線の西の方
北方領土西方浄土鳥雲に

【紀】
うららかや日本紀行の日本は
シルル紀を知るいそぎんちやく硬きまま
ハッピーマンデー紀元節こそ動かさめ
一世紀前にはこんな春愁も
紀行文主に朝寝と酒の話
再生の春半世紀を無きものに
三畳紀ジュラ紀白亜紀地虫出づ
春の雪白亜紀の展示室へ入る
初蝶の階降りて来る紀三井寺
神前の私人いろいろ紀元節
精神に東風吹く二十一世紀
二十世紀に生まれて生きて春灯し
壺焼で締め括りたる紀勢線
毬をつく紀州のとのさまうらうらら

【明】
マッサージチェアの三方雪明り
空白のやけに明るき大試験
啓蟄の明るき地べたすこし鬱
慶應明治大正昭和大学桜散る
山笑う新明解を繰り笑う
春の風邪われよりほかはみな明るし
春の夜明けふたりのブラックコーヒー
春灯明るき昏さもたらせり
春風や明るき顔の招き猫
薄明り消へて微かな初音かな
腐女子てふ明治身近に春の服
坊主バーの明朗会計春満月
明らかと答案に書き卒業す
朧夜のビルの四隅の明滅す

【当季雑詠】
オカリナのゆりかごなつかし岡すみれ
すみれ野のオカリナすっぽりわらべっ子
宇宙塵ダイオウイカの眼に霞
雲梯の余白を点す初蝶よ
煙突を下る二月のけむの影
魚は氷に上り地のものふらふらす
月曜が締切梅の咲き揃ふ
守りきる個人情報猫の恋
春の月うすつぺらなる鬼の面
春の宵給油所店主ギター弾き
春の雪無人のリフト回りをり
春愁や岸部シローのイエスタデイ
春宵の母の三面鏡怖し
雛あられ上手く謙遜していたり
雪解けてジャズセッションの微熱かな
早春を平らげて待つ便りかな
白椿老人の紅いくちびる
鞦韆が来るぞとちくわ大明神

(以上)

14句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月3日(月)20時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から14句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年2月17日月曜日

葛西紀明句会・出題

再開第78回目の出題です。
ちなみに羽生結弦選手は昨年2/12に出題しちゃったのです。

【葛】
【西】
【紀】
【明】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:2月24日(月)20:00(JST)…月曜締切にて試行します。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

万能細胞句会・作者発表

万屋の軒にかかりし巣箱かな     朝比古   独ぽ
春炬燵母に万能薬ひとつ       朝比古   ダあた亜四
浅春の細き管より細き水       朝比古  
細胞の一部透きゐる春障子      朝比古   ダぽ四
千代紙に和の色多し春の月      朝比古  

万田ちがふ萬田ですから春日傘    海太  
能く進め舞台へ続く蜷の道      海太  
細君淀君どつちもどつち家朧     海太  
家康の胞衣塚蜥蜴穴を出づ      海太    あ
天功の種も仕掛も黄沙来る      海太    あ

如月の棚に伊万里の青ならぶ     ぽぽな   ダ朝た亜
効能の文字の小さき余寒かな     ぽぽな   ダ朝け亜独四
春光を入れ飴細工できあがる     ぽぽな   朝た四
細胞の種類いろいろ春兆す      ぽぽな   朝苑
春光の紅白帽を裏返す        ぽぽな   ダ朝苑

万年筆と手と睦み合ふ春隣      ダイスケ  けぽ
能楽堂舞はれ謡はれ春満ちゆく    ダイスケ  
スイートピー細き花瓶に細き指    ダイスケ  け独
春立つや胞子のぴつと飛びゆける   ダイスケ  苑
雪の校庭真ん真ん中の雪だるま    ダイスケ  あけ

万能と云えど無自覚クロッカス    けんじ   あ
無能なることの美し春の月      けんじ  
細分化されし似顔絵春時雨      けんじ   海あ独ぽ
同胞の散り散りとなり迎春花     けんじ   亜独
如月や相性のよき裁鋏        けんじ   苑独ぽ四

万葉の空ひろがりし二月かな     あんこ   苑た亜
きさらぎの空気の満ちし能舞台    あんこ   ダ苑た
源泉の細く滲み出す春の山      あんこ   朝け
ぼたん雪細胞夢を見てゐたる     あんこ  
さつきより星増えてゐる受験生    あんこ   朝苑たけ亜ぽ四

寒の明け万歳をして眠る猫      独楽    ダ朝苑海亜
嫌なこと忘れる機能春の雪      独楽    あたけぽ四
猫の子のか細き声を見守りぬ     独楽    あぽ
同胞と呼ぶを寂しき余寒かな     独楽    け
早春の杖つく人の杖の影       独楽    朝四
薄氷を天の戒めとぞ思う       独楽  

早春のソチに揺るるよ万国旗     亜紀    朝
紅梅の咲いて能弁なるをとこ     亜紀    苑海独
朧夜の伝達事項細々と        亜紀  
つぎつぎと細胞分裂水温む      亜紀    苑海け
窓拭きの腕を大きく二月来る     亜紀    独ぽ
東京タワー五色に灯し春立ちぬ    亜紀    朝海
春隣椅子上げて待つルンバかな    亜紀    海独四

万葉の里は畦道つくしんぼ      たろう  
よりもどす細君ぽっちゃり細魚喰う  たろう  
能天気ひねって昇るや龍天に     たろう  
百歳の同胞ほがらにちゃんちゃんこ  たろう   海亜
ふっくらは卑弥呼のひみつ日脚伸ぶ  たろう   海四

春浅し父の愛した万年筆       苑を    独
能面の壁に並びて春の雪       苑を    ダ海た四
裏木戸の閂を引く細雪        苑を    亜ぽ
ふつふつと胞子増殖して立春     苑を    た
牡丹雪ビニール傘を明るうす     苑を    あ亜

万力のやうな人生日脚伸ぶ      四童    ダけ
十能を撫でまはしては炭をつぐ    四童    海け
細胞のひとつひとつが春を待つ    四童    ダ苑あた亜独ぽ
同胞に叱られてゐる春隣       四童  
涙ほど春を含みて寒の雨       四童    ダ海あた

以上。(集計:不孤)

2014年2月11日火曜日

万能細胞句会・投句一覧

大変遅くなりまして、申し訳ありません。

【万】
寒の明け万歳をして眠る猫
春浅し父の愛した万年筆
早春のソチに揺るるよ万国旗
如月の棚に伊万里の青ならぶ
万屋の軒にかかりし巣箱かな
万田ちがふ萬田ですから春日傘
万年筆と手と睦み合ふ春隣
万能と云えど無自覚クロッカス
万葉の空ひろがりし二月かな
万葉の里は畦道つくしんぼ
万力のやうな人生日脚伸ぶ

【能】
きさらぎの空気の満ちし能舞台
よりもどす細君ぽっちゃり細魚喰う
嫌なこと忘れる機能春の雪
効能の文字の小さき余寒かな
紅梅の咲いて能弁なるをとこ
十能を撫でまはしては炭をつぐ
春炬燵母に万能薬ひとつ
能く進め舞台へ続く蜷の道
能楽堂舞はれ謡はれ春満ちゆく
能面の壁に並びて春の雪
無能なることの美し春の月

【細】
スイートピー細き花瓶に細き指
源泉の細く滲み出す春の山
細君淀君どつちもどつち家朧
細分化されし似顔絵春時雨
細胞のひとつひとつが春を待つ
春光を入れ飴細工できあがる
浅春の細き管より細き水
猫の子のか細き声を見守りぬ
能天気ひねって昇るや龍天に
裏木戸の閂を引く細雪
朧夜の伝達事項細々と

【胞】
つぎつぎと細胞分裂水温む
ふつふつと胞子増殖して立春
ぼたん雪細胞夢を見てゐたる
家康の胞衣塚蜥蜴穴を出づ
細胞の一部透きゐる春障子
細胞の種類いろいろ春兆す
春立つや胞子のぴつと飛びゆける
同胞と呼ぶを寂しき余寒かな
同胞に叱られてゐる春隣
同胞の散り散りとなり迎春花
百歳の同胞ほがらにちゃんちゃんこ

【当季雑詠】
さつきより星増えてゐる受験生
ふっくらは卑弥呼のひみつ日脚伸ぶ
牡丹雪ビニール傘を明るうす
春光の紅白帽を裏返す
春隣椅子上げて待つルンバかな
雪の校庭真ん真ん中の雪だるま
千代紙に和の色多し春の月
早春の杖つく人の杖の影
窓拭きの腕を大きく二月来る
天功の種も仕掛も黄沙来る
東京タワー五色に灯し春立ちぬ
如月や相性のよき裁鋏
薄氷を天の戒めとぞ思う
涙ほど春を含みて寒の雨

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:2月14日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年2月2日日曜日

万能細胞句会・出題

再開第77回目の出題です。

【万】
【能】
【細】
【胞】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:2月10日(月)20:00(JST)…月曜締切にて試行します。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

五輪返上句会・作者発表

お待たせしました。

五拍子のジャズ響きをる屏風かな     ダイスケ    不亜独
知恵の輪の解かれて冬の光かな      ダイスケ    海独
返り花きみがふるはせたるピアノ     ダイスケ   
湯気立ちてG線上のアリア鳴る      ダイスケ    廣朝亜
さびしさを飲む心地して冬の水      ダイスケ    海廣朝あ独

五番目の男忘れし冬帽子         廣島屋     朝
銀輪も心地よきかな山眠る        廣島屋   
大寒のたちまち返つてくるメール     廣島屋     海由ぽ
上首尾のおでん掲げて運びけり      廣島屋   
枯野から枯野へ歩く稽古かな       廣島屋     海朝由

冬の星五感つかわずわかること      ぽぽな     四
大寒の夜や知恵の輪をはなれぬ輪     ぽぽな     あけ
片恋の指トランプを裏返す        ぽぽな     廣不四たけ独
鏡中に四温の髪を結い上げる       ぽぽな     海
ティーバッグ沈めて街に雪はじまる    ぽぽな     ダ朝不た亜独

厳寒の将棋待つたは五回まで       けんじ     朝
大輪になれずにゐたり冬桜        けんじ     海朝
繰返し見たる悪夢や寒牡丹        けんじ     ダ廣由ぽ独
歌がるたゆつくり引き上げられし腕    けんじ   
双六の上がるルートの見つからぬ     けんじ     廣
凍蝶の触れて魂交換す          けんじ     ダ廣あ四由た亜

きさらぎの五線紙に音符生まれをり    あんこ     海廣け
輪となりて猫の眠りし四温かな      あんこ     海廣不亜独
大白鳥天へひかりを返しをり       あんこ     ダ不
むささびの渡つてゆきし夜の上      あんこ     朝
寝返れば翼となりし布団かな       あんこ     ぽ亜

春風ふっくら五線紙の青インク      たろう     け
からっぽの埴輪のまなこ春隣       たろう     海ダ四ぽけ
風花の風にゆるゆる宙返り        たろう     ダ
いぬふぐり男岳女岳の二上山       たろう   
海鼠喰うなまこの秘密ひとつくう     たろう     由

春近し五分間揉むふくらはぎ       由季      廣不四たぽけ亜
輪飾のもひとつ足されどんど焼き     由季      ダ
日脚伸ぶ台所より生返事         由季      朝不あ四たぽ
一月の上生菓子のうすみどり       由季      海ぽ亜独
枯芝の渦なしてゐるひとところ      由季      ぽ

雪晴や海がぶつかる五能線        海太      不た
五線紙に鶴唳採譜するところ       海太      ダ不た
横綱輪島チャンプ輪島の懐手       海太      朝
榾明り生肉生唾生返事          海太      廣
上野発冬怒濤行自転車よ         海太      不独
上州屋とふ木賃宿草城忌         海太   
冬鵙の声は水色ムンクの忌        海太      廣四た独

二人に余り五人に足らぬ炬燵かな     不孤      由け
輪の中に入る子入らぬ子日脚伸ぶ     不孤      海ダ廣由たけ亜
侘助や返事はいつもあやふやに      不孤   
下書を上書きしたる寒夜かな       不孤      海ダ四由たぽけ亜
軒醒や防犯灯の明る過ぎ         不孤   

人間の五欲ふつふつ根深汁        亜紀      四独
輪郭のいまだぼんやり雪女郎       亜紀      朝由たぽ
返答のでんぐり返り雪まろげ       亜紀   
着膨れて上書き保存してゐたり      亜紀      あ
順々に紙を重ねて日脚伸ぶ        亜紀   
凍滝の黙りこくるといふことを      亜紀   
先生の後ろをひたと枯むぐら       亜紀   

午後五時のサイレン濡るる寒の雨     独楽      ダあ四た
片隅でくしゃみや夜の駐輪場       独楽      あ由
幾度も枯野の果てを振り返る       独楽      ぽ亜
上品に焼藷かじる老母かな        独楽      ダあ
ポケットにサイコロひとつ冬の虹     独楽      朝あたぽけ
大脳を置き忘れたる霜夜かな       独楽      四

待春のナルトを乗せて五目そば      朝比古     海ダあ由
春近し手つなぎて行く一輪車       朝比古     四由ぽ独
霜柱踏みて返却窓口へ          朝比古     不あけ
寒梅や暴れる上田馬之介         朝比古     廣四独
冬の波男の髪の短くて          朝比古   

五色塚古墳に立つて春を待つ       四童      あ由
凍土の轍を車輪までたどる        四童      不
返信のあまりに早き日向ぼこ       四童      け
春を待つ一身上の理由かな        四童      あ亜
暖房がその限界に挑戦す         四童      朝不け亜

以上。(集計:不孤)

2014年1月27日月曜日

五輪返上句会・投句一覧

大変遅くなりまして、申し訳ありません。

【五】
きさらぎの五線紙に音符生まれをり
厳寒の将棋待つたは五回まで
五色塚古墳に立つて春を待つ
五線紙に鶴唳採譜するところ
五拍子のジャズ響きをる屏風かな
五番目の男忘れし冬帽子
午後五時のサイレン濡るる寒の雨
春近し五分間揉むふくらはぎ
春風ふっくら五線紙の青インク
人間の五欲ふつふつ根深汁
雪晴や海がぶつかる五能線
待春のナルトを乗せて五目そば
冬の星五感つかわずわかること
二人に余り五人に足らぬ炬燵かな

【輪】
からっぽの埴輪のまなこ春隣
横綱輪島チャンプ輪島の懐手
銀輪も心地よきかな山眠る
春近し手つなぎて行く一輪車
大寒の夜や知恵の輪をはなれぬ輪
大輪になれずにゐたり冬桜
知恵の輪の解かれて冬の光かな
凍土の轍を車輪までたどる
片隅でくしゃみや夜の駐輪場
輪となりて猫の眠りし四温かな
輪の中に入る子入らぬ子日脚伸ぶ
輪郭のいまだぼんやり雪女郎
輪飾のもひとつ足されどんど焼き

【返】
幾度も枯野の果てを振り返る
繰返し見たる悪夢や寒牡丹
霜柱踏みて返却窓口へ
大寒のたちまち返つてくるメール
大白鳥天へひかりを返しをり
日脚伸ぶ台所より生返事
風花の風にゆるゆる宙返り
片恋の指トランプを裏返す
返り花きみがふるはせたるピアノ
返信のあまりに早き日向ぼこ
返答のでんぐり返り雪まろげ
侘助や返事はいつもあやふやに
榾明り生肉生唾生返事

【上】
いぬふぐり男岳女岳の二上山
むささびの渡つてゆきし夜の上
一月の上生菓子のうすみどり
下書を上書きしたる寒夜かな
歌がるたゆつくり引き上げられし腕
寒梅や暴れる上田馬之介
鏡中に四温の髪を結い上げる
春を待つ一身上の理由かな
上首尾のおでん掲げて運びけり
上州屋とふ木賃宿草城忌
上品に焼藷かじる老母かな
上野発冬怒濤行自転車よ
双六の上がるルートの見つからぬ
着膨れて上書き保存してゐたり
湯気立ちてG線上のアリア鳴る

【当季雑詠】
さびしさを飲む心地して冬の水
ティーバッグ沈めて街に雪はじまる
ポケットにサイコロひとつ冬の虹
海鼠喰うなまこの秘密ひとつくう
軒醒や防犯灯の明る過ぎ
枯芝の渦なしてゐるひとところ
枯野から枯野へ歩く稽古かな
順々に紙を重ねて日脚伸ぶ
寝返れば翼となりし布団かな
先生の後ろをひたと枯むぐら
大脳を置き忘れたる霜夜かな
暖房がその限界に挑戦す
冬の波男の髪の短くて
冬鵙の声は水色ムンクの忌
凍滝の黙りこくるといふことを
凍蝶の触れて魂交換す

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月31日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年1月20日月曜日

五輪返上句会・出題

再開第76回目の出題です。

【五】
【輪】
【返】
【上】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:1月25日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

大瀧詠一句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

大学の門の立派な淑気かな        朝比古   
凍瀧の空へ向かつてゐるかたち      朝比古     ダぽ海け不独亜廣四
初山河ふつと詠み人知らずめく      朝比古     ダぽあ海
看板に一条さゆり寒の雨         朝比古     独
人日の当て布すこしずらしけり      朝比古     不由

兎より大きくつくり雪兎         ダイスケ    朝ぽあ海由四
冬休み父親役のピエール瀧        ダイスケ    あ
鮟鱇吊られ讃歌詠唱聴こゑくる      ダイスケ    独
一人称「私」に変へて初日記       ダイスケ    朝あ由独四
冬薔薇はつぴいえんど聴く一日      ダイスケ    不独亜四

爺様の棺に大根入れにけり        独楽      朝海不由廣
冬の日のピエール瀧の隠し芸       独楽   
賛美歌の詠唱骸に降る雪         独楽   
煩悩や一輪残る寒椿           独楽      朝海
外套の内のシュレディンガーの猫     独楽      あ廣
革手袋付けて猟犬へと戻る        独楽      ダぽ亜

初御空何をいふても大袈裟な       廣島屋     あけ不由
養老乃瀧に書初したりけり        廣島屋   
ありえない題詠ばかり小正月       廣島屋     あけ由
人日の一番打者の気合かな        廣島屋   
「仁義なき戦い」に似た初夢を      廣島屋     あ由

大動脈解離悲しき冬林檎         不孤      あ
凍瀧解く廉太郎から詠一へ        不孤      け
詠草の兆すところぞ大枯野        不孤   
十二月の旅人逝けり一刹那        不孤   
あかるくて切なき冬の唄ばかり      不孤      ダ四

大学の杜に立ちたる淑気かな       海太      廣
双六や総理大臣より都知事        海太      亜
瀧の白糸の映画ポスター初弘法      海太      廣
読初や詠み人知らずとふ著名       海太   
一を聞いて何も残らぬ新年会       海太      け不由
絵里夏菜お京ハコVera賀状来る      海太   

冬の猫瞳大きくなつてをり        けんじ   
大寒や瀧壺の音凝固せし         けんじ     四
詠む声の裏返りをり歌かるた       けんじ     ぽ独
一月やいちいち位置を直さるる      けんじ     ダぽ不由亜四
鳴き声の一任されし寒鴉         けんじ     海廣
冬籠スパイだらけの喫茶店        けんじ     あ海由亜

落葉焚大きな声で来る子ども       あんこ     ダ朝ぽ
階段の瀧となりをり初詣         あんこ     ぽ由四
朗詠の声のふとぶと寒夕焼        あんこ     ぽ廣
てのひらの一冊雪の降りにけり      あんこ     ダ朝海け亜
垂直に先生のゐる霜柱          あんこ     ダ朝独亜廣四

初買や大安に選る長財布         亜紀      ダ独
ピエール瀧の微笑み返し春近し      亜紀      け不
詠み人の終に分からず毛糸編む      亜紀   
一巡の回覧板や日脚伸ぶ         亜紀      ぽ海
一日の軽さ明るさ寒卵          亜紀      ダ
真くれなゐなれば落ちるよ寒椿      亜紀   

双六の大きなマスに休みをり       由季      朝け不独亜廣
三寒の瀧廉太郎生真面目顔        由季      不
北窓を塞ぎついでに欠詠す        由季      朝け不
一月はトイプードルや新暦        由季      朝廣
初夢の中の鏡を見てしまふ        由季      あ海け独亜四

大火事のニュースの火事の小さかり    ぽぽな   
瀧をでて初松籟になるものも       ぽぽな   
詠嘆のかなかな寒のさかなかな      ぽぽな   
人間に一本ずつの去年今年        ぽぽな     廣四
午後からを空っぽにしてセロリ食む    ぽぽな     由四

床暖房といへども大の字に寝ない     四童      ダけ不
白糸の瀧白糸のまま凍る         四童      ダぽ海独亜
鎌鼬いいえスカボロフェア/詠唱     四童      廣
大寒や給料日まで幾日も         四童   
ほんたうに着膨れてゐるだけなのか    四童      朝あ海け独亜

以上。(集計:不孤)

2014年1月14日火曜日

大瀧詠一句会・投句一覧

 大変遅くなりまして、申し訳ありません。
今年もよろしくお願いします。

【大】
初御空何をいふても大袈裟な
初買や大安に選る長財布
床暖房といへども大の字に寝ない
双六の大きなマスに休みをり
双六や総理大臣より都知事
大火事のニュースの火事の小さかり
大学の杜に立ちたる淑気かな
大学の門の立派な淑気かな
大動脈解離悲しき冬林檎
兎より大きくつくり雪兎
冬の猫瞳大きくなつてをり
爺様の棺に大根入れにけり
落葉焚大きな声で来る子ども

【瀧】
ピエール瀧の微笑み返し春近し
階段の瀧となりをり初詣
三寒の瀧廉太郎生真面目顔
大寒や瀧壺の音凝固せし
瀧の白糸の映画ポスター初弘法
瀧をでて初松籟になるものも
冬の日のピエール瀧の隠し芸
冬休み父親役のピエール瀧
凍瀧の空へ向かつてゐるかたち
凍瀧解く廉太郎から詠一へ
白糸の瀧白糸のまま凍る
養老乃瀧に書初したりけり

【詠】
ありえない題詠ばかり小正月
詠み人の終に分からず毛糸編む
詠む声の裏返りをり歌かるた
詠草の兆すところぞ大枯野
詠嘆のかなかな寒のさかなかな
鎌鼬いいえスカボロフェア/詠唱
賛美歌の詠唱骸に降る雪
初山河ふつと詠み人知らずめく
読初や詠み人知らずとふ著名
北窓を塞ぎついでに欠詠す
朗詠の声のふとぶと寒夕焼
鮟鱇吊られ讃歌詠唱聴こゑくる

【一】
てのひらの一冊雪の降りにけり
一を聞いて何も残らぬ新年会
一月はトイプードルや新暦
一月やいちいち位置を直さるる
一巡の回覧板や日脚伸ぶ
一人称「私」に変へて初日記
一日の軽さ明るさ寒卵
看板に一条さゆり寒の雨
十二月の旅人逝けり一刹那
人間に一本ずつの去年今年
人日の一番打者の気合かな
大寒や給料日まで幾日も
煩悩や一輪残る寒椿
鳴き声の一任されし寒鴉

【当季雑詠】
「仁義なき戦い」に似た初夢を
あかるくて切なき冬の唄ばかり
ほんたうに着膨れてゐるだけなのか
絵里夏菜お京ハコVera賀状来る
外套の内のシュレディンガーの猫
革手袋付けて猟犬へと戻る
午後からを空っぽにしてセロリ食む
初夢の中の鏡を見てしまふ
真くれなゐなれば落ちるよ寒椿
人日の当て布すこしずらしけり
垂直に先生のゐる霜柱
冬籠スパイだらけの喫茶店
冬薔薇はつぴいえんど聴く一日

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月17日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年1月6日月曜日

大瀧詠一句会・出題

再開第75回目の出題です。大瀧詠一さんを偲び謹んで出題させて頂きます。

【大】
【瀧】
【詠】
【一】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:1月11日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

一陽来復句会・作者発表

お待たせしました。今年もよろしくです。

数へ日といふ一日の暮れにけり     朝比古   ダ露不ぽ由亜四
綿虫に陽動されてゐたりけり      朝比古   ダ海不独由
声悪しきオオハクチョウの来たりけり  朝比古   独
火の番の復路の声となりにけり     朝比古   ダ海四
もこもこのもののはみ出すブーツかな  朝比古   あ

一瞬の景色の中に湯豆腐も       露結    海由と
冬ざれやガラスケースに陽の差して   露結    独
来る人の一人は葱を脇に抱へ      露結    朝海不
新幹線の往復切符クリスマス      露結  
クリスマスケーキ匙ですくひて無学なり 露結    けと

一よりも零戦が好きクリスマス     とうふ  
階段を陽はまた昇る大晦日       とうふ   ダ朝ぽ亜
我らみな来客なりし除夜の燭      とうふ   朝海露廣ぽ由亜
復興と似て非なる我が雑煮哉      とうふ  
瓦礫には瓦礫の意地が初凪や      とうふ   け

火の番の知つたる声の一つあり     ダイスケ  朝あと四
しぐるるや陽成院に長き生       ダイスケ  
トナカイにまた来週と言はれたり    ダイスケ  と
拝復の遅れ遅れの年の暮        ダイスケ  不ぽけ
トイプードル跳ねに跳ねたるクリスマス ダイスケ  独と亜

初雪の一筆書きのやうに舞ふ      けんじ   朝廣独あ亜
陽光の消えないうちに日記買ふ     けんじ  
冬霞裂いて来客現るる         けんじ  
復活の合図忘れし冬野かな       けんじ   露独
冬帝の足音低くありにけり       けんじ   朝

雪の夜次元の一つ増えてをり      あんこ   と
短日や陽水流れる喫茶店        あんこ   海廣亜
未来より雪の循環してきたり      あんこ   由けと
ランナーの復路へ散つて冬の山     あんこ   と
恐竜の復元されし霜夜かな       あんこ   朝露独ぽ由と亜

一気一気一気一気去年今年       海太  
初夢の小島陽菜でありにけり      海太    ダ露廣四
忙しくても来てね土竜打つから     海太    ダ独四
妻子一去兮不復還而新年        海太    不
包丁始埒が明かない鍵がない      海太    け

一流の馬鹿でありたし寒桜       独楽    朝海露廣不ぽ亜
数え日や太川陽介のルイルイ♪     独楽  
未来という古き言葉や小晦日      独楽    露ぽと
冬蜂に回復の呪文をかける       独楽    廣由
煤逃げてソースの二度付けは禁止    独楽    朝廣不ぽあ亜
たった今終わりし時計夜半の冬     独楽  

煤逃げや最後の一人とならうとも    廣島屋   不由け
陽子にもこいよといひて年の暮     廣島屋   由あ四
年の市来た道がわからなくなり     廣島屋   ぽけあ
数へ日や予習復習片付かず       廣島屋   海
山茶花や野良猫の人懐こくて      廣島屋   朝

一抜けたと言へぬ未練や去年今年    不孤    廣独と
先輩に澁谷陽一ピラカンサ       不孤    露ぽと亜
来年はよろしくと鼻たたきやる     不孤    露
冬の水洩れて復興特別税        不孤    独
聖樹灯し犯罪といふ朗読劇       不孤    海け

首一度振りて投げ込む冬夕焼      亜紀  
お持たせの一六タルト花八つ手     亜紀    朝廣不
春を待つ厩舎に夕陽あふれたる     亜紀    ダ独由四
往来に人の途絶えて雪しんしん     亜紀    ダ
冬ざれてなかなか来ない在来線     亜紀    ダ廣独ぽ由け四
復誦の後の暗誦ちやんちやんこ     亜紀    ダ朝海廣不
華やぎを添ふる鳥声枯木立       亜紀    海
決断の一瞬はやし寒卵         亜紀    露

寒鴉一方的に怒りをり         由季    け
煤払ふ陽当たりのよき物件の      由季    露不ぽ亜四
来場者みな肩の雪払ひつつ       由季    ダ朝露不あ亜四
眠る山復路もケーブルカーとする    由季    けと四
湯たんぽを小動物のやうに抱く     由季    朝海露廣不ぽけあ亜四

年はゆく光を一縷にぎり締め      ぽぽな   け
枯野道ぼろぼろの陽と人のゆく     ぽぽな   けあ
すこしして柚子湯の柚子のもどり来る  ぽぽな   ダ海露廣独由あ亜四
エチュードに反復記号雪ふりつむ    ぽぽな   ダ独四
終電を逃してしまう冬銀河       ぽぽな   海あ

一月の1を数へるカレンダー      四童    あ
太陽に透かしてみたる手套かな     四童    あ
来年がこの歳時記に載つてゐない    四童  
歳晩の寄り道をする復路かな      四童    由
淑気まだ立たないやうに掃いてゐる   四童    ダ廣不ぽ由あと

以上。(集計:不孤)