2013年5月30日木曜日

矢口真里句会・出題

再開第57回目の出題です。

【矢】
【口】
【真】
【里】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月3日(月)24:00(JST)…変則的に月曜です。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

脳内美人句会・作者発表

お待たせしました。ぽぽなさんは現在本土潜伏中でいつアクセスできるのか定かでないそうなので開けます。アクセスできるときに選句お願いしますね~。

左脳から右脳へ移る暑さかな       露結      朝直海あ由四
内側と外側のあるラムネ瓶        露結      海あ由四
美容師の指に摘ままれたる揚羽      露結      朝あ
テーブルに置く鍵束や若葉冷え      露結      朝海亜由
友去りし椅子に背もたれソーダ水     露結      由

脳天に夕陽を溜めて山椒魚        ぽぽな     亜
旅つづく梅干の肉崩しては        ぽぽな     朝直海亜由
炎昼の底に古美術商しずか        ぽぽな     あ
日盛の遠くの窓の人うごく        ぽぽな     露あ亜由四

目に見える脳の形を蟻地獄        海太      露四
守宮居なくば内内に済む話        海太      独
美も醜も一か所といふ目高かな      海太      独
蛍火の無人といふにはしやぎすぎ     海太   
掬はれてやるかと打算的金魚       海太      直由

脳天に音なく毛虫降る日かな       直子      露四
内股で歩く隣家の羽抜鳥         直子      朝
汗臭ふ美少女戦士セーラムーン      直子   
白南風に人語囁く梢かな         直子   
マッチ擦る手に火傷する修司の忌     直子      あ独
美しき人妻とゐて遠花火         直子   
月下美人夜に咲く花の寂しかり      直子      四
端居して語る昔の美少年         直子      朝あ独
美しき叔母の寝言や蚊遣香        直子   

脳内を馬駆けてゆく青葉風        あんこ     海亜
蚊帳の内覗けば少しあの世めき      あんこ     直独
美しき言葉飛び交ふ夏料理        あんこ   
名人の涼しく駒を動かしぬ        あんこ   
冷房の深くなりたる廊下かな       あんこ     朝露海亜由

黒南風や電子頭脳の蠢いて        朝比古     亜独四
まくなぎの内に届きし光かな       朝比古     露由
風入の端に美顔器などありぬ       朝比古     亜四
犬よりも人好きな犬ハナミヅキ      朝比古   
鉄路ゆく鉄の車輪や麦の秋        朝比古   

打ち水を終へて大脳辺縁系        独楽   
閣内で異論の出たる水着かな       独楽      朝露
美術的価値ある冷し中華かな       独楽      直
氷水人事部長の二枚舌          独楽      直海
豆御飯課長のカツラ疑惑など       独楽      朝露あ

切なくて脳裏に残るさくらんぼ      亜紀      直
手の内に手応へありぬ濃紫陽花      亜紀   
滝音の美音となりて落ちにけり      亜紀   
人形の館出づれば薔薇の雨        亜紀      直海独
ご褒美をいただく今朝の蓮の花      亜紀      海
歩くより遅く走りて夜の新樹       亜紀      あ由
ここはもう森の入り口蛇苺        亜紀      露

蝙蝠を見てゐて脳の休まらず       由季      直四
内側はふんばつてゐる燕の子       由季   
ふくふくと美人ぞろひの蚕豆よ      由季      あ亜
人工の海岸線に夜行虫          由季      朝四
いつ見ても寝てゐる犬や青田風      由季      独

さみだれも紫陽花もみな脳の中      四童       露海亜
内科ではどうにもならぬ水あたり     四童   
梅雨闇や順番に脱ぐ美大生        四童      露独
万緑や神様といふ人殺し         四童      直独
やはらかきもののすくなき夏料理     四童   

以上。(集計:不孤)

2013年5月26日日曜日

脳内美人句会・投句一覧

お待たせしました。

【脳】
さみだれも紫陽花もみな脳の中
黒南風や電子頭脳の蠢いて
左脳から右脳へ移る暑さかな
切なくて脳裏に残るさくらんぼ
打ち水を終へて大脳辺縁系
脳天に音なく毛虫降る日かな
脳天に夕陽を溜めて山椒魚
脳内を馬駆けてゆく青葉風
目に見える脳の形を蟻地獄
蝙蝠を見てゐて脳の休まらず

【内】
まくなぎの内に届きし光かな
蚊帳の内覗けば少しあの世めき
閣内で異論の出たる水着かな
守宮居なくば内内に済む話
手の内に手応へありぬ濃紫陽花
内科ではどうにもならぬ水あたり
内股で歩く隣家の羽抜鳥
内側と外側のあるラムネ瓶
内側はふんばつてゐる燕の子

【美】
ふくふくと美人ぞろひの蚕豆よ
炎昼の底に古美術商しずか
汗臭ふ美少女戦士セーラムーン
月下美人夜に咲く花の寂しかり
滝音の美音となりて落ちにけり
端居して語る昔の美少年
梅雨闇や順番に脱ぐ美大生
美しき言葉飛び交ふ夏料理
美しき叔母の寝言や蚊遣香
美しき人妻とゐて遠花火
美も醜も一か所といふ目高かな
美術的価値ある冷し中華かな
美容師の指に摘ままれたる揚羽
風入の端に美顔器などありぬ

【人】
蛍火の無人といふにはしやぎすぎ
犬よりも人好きな犬ハナミヅキ
人形の館出づれば薔薇の雨
人工の海岸線に夜行虫
日盛の遠くの窓の人うごく
白南風に人語囁く梢かな
氷水人事部長の二枚舌
万緑や神様といふ人殺し
名人の涼しく駒を動かしぬ

【当季雑詠】
いつ見ても寝てゐる犬や青田風
ここはもう森の入り口蛇苺
ご褒美をいただく今朝の蓮の花
テーブルに置く鍵束や若葉冷え
マッチ擦る手に火傷する修司の忌
やはらかきもののすくなき夏料理
掬はれてやるかと打算的金魚
鉄路ゆく鉄の車輪や麦の秋
豆御飯課長のカツラ疑惑など
歩くより遅く走りて夜の新樹
友去りし椅子に背もたれソーダ水
旅つづく梅干の肉崩しては
冷房の深くなりたる廊下かな

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月28日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年5月20日月曜日

脳内美人句会・出題

再開第56回目の出題です。

【脳】
【内】
【美】
【人】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月25日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2013年5月19日日曜日

牛丼市場句会・作者発表

たいへん遅くなり、申し訳ありません。

行く春の牛乳瓶の並べある       露結    朝由亜
鰻丼の蓋浮いて来る若葉かな      露結  
母の日や小学校も市役所も       露結    由亜
チューリップ渡船場行きのバスに乗る  露結    海
石段の空へ近づく山躑躅        露結    海朝

火取虫壁に掛かりし牛の顔       あんこ   露四
朝焼や場外市場の海鮮丼        あんこ  
片言でねぎる市場の青メロン      あんこ   直た独
花糸瓜運動場を横切りぬ        あんこ   た四
氷生まれる音夜の冷蔵庫        あんこ  

初夏の投げキッスする闘牛士      直子  
鉄火丼待つ間にあがる驟雨かな     直子    露不あ由亜
空蝉をひろふ廃市や夕映えて      直子    海た
役場の灯あかあかとして喜雨の中    直子    八
炎天や踏切といふ地獄門        直子    海四
来ておくれ風の五月が終はつたら    直子    朝

初夏になおも四角き牛脂かな      八志    露独四
丼を拭いたらまるく南風        八志    不直たあ
朝市に頭抜けてあおきバナナある    八志    海不直亜
場当たりに薔薇を植えたり母の庭    八志    由独四
蛹よりえらそうな小さな粽       八志    四

牛小屋の軒を鳴らせり夏燕       海太    不
鰻丼の過去あり蓋付金魚鉢       海太    露不
花は葉に八つ墓村は津山市に      海太  
竹皮を脱いで場面は暗転す       海太    露独
語るなら鯖火は遠くとほく見よ     海太    八あ四

隆々と艶々と牛冷しけり        朝比古   海不
万緑や丼飯をかきこみて        朝比古   八あ亜四
白南風やどつと人出て朝の市      朝比古   直八
麦の秋大場正夫は起ち上がる      朝比古   八
菖蒲湯の菖蒲ぬるぬるしてゐたり    朝比古   直あ

おっぱいのあかちゃんいねむり蝸牛   たろう  
牛丼の吉野家かるがもの子とことこ   たろう  
亀鳴いて亀の子たわし蚤の市      たろう   由
彼女の場末母の日の美容外科      たろう  
ざら紙のざら目ざらざらかき氷     たろう   亜独

緑陰に牛乳瓶の蓋集め         由季    露朝八亜
丼の底のうずまき五月来る       由季    露海亜独
朝曇見学不可の花き市場        由季    海独
はつなつや高田馬場の道捩れ      由季    海直八独
薄暑光ボールを追はぬ犬もゐて     由季    た八亜独

焦点の合はぬ牛の瞳熊ん蜂       不孤  
親子丼の仕舞スプーン修司の忌     不孤    由
のみの市に来てゐるほとけどぢやうかな 不孤    八
場あたりな句のばらけたる薄暑かな   不孤  
卜伝てふ地酒立夏の鹿島立ち      不孤  

思ひきり自分を生きて蝸牛       亜紀    朝直た独
行く春の天丼に海老ひとつ乗る     亜紀    あ
しやぼん玉吹いて巡れる姉妹都市    亜紀    露海八由四
踊場が居場所となりぬひきがへる    亜紀    露不朝直八由
したたかにただがむしやらになめくじり 亜紀    朝た八
女々しくて歌ひつつ春惜しみけり    亜紀    直た
化粧塩少し焦げたる岩魚かな      亜紀    朝直あ独四

牛乳を飲み干す喉に夏来る       独楽    海不朝直あ由亜四
丼の蓋をはみ出す穴子かな       独楽    朝直
卯の花腐し毎年上がる市民税      独楽    露不四
球場に企業の名前雲の峰        独楽    朝あ亜
生ビール尾てい骨まで沁み渡り     独楽    朝たあ由

牛乳の色になるまで精を出す      四童    露不
丼の違ふ大盛五月晴          四童    露不由独
はつなつの行き渡りたる陶器市     四童    たあ亜
つばくろを映して場面切替はる     四童    海不た
あたらしき蟻穴ふらここの下に     四童    たあ由

以上。(集計:不孤)

2013年5月12日日曜日

牛丼市場句会・投句一覧

 お待たせしました。

【牛】
おっぱいのあかちゃんいねむり蝸牛
火取虫壁に掛かりし牛の顔
牛小屋の軒を鳴らせり夏燕
牛乳の色になるまで精を出す
牛乳を飲み干す喉に夏来る
行く春の牛乳瓶の並べある
思ひきり自分を生きて蝸牛
初夏になおも四角き牛脂かな
初夏の投げキッスする闘牛士
焦点の合はぬ牛の瞳熊ん蜂
隆々と艶々と牛冷しけり
緑陰に牛乳瓶の蓋集め

【丼】
鰻丼の過去あり蓋付金魚鉢
鰻丼の蓋浮いて来る若葉かな
牛丼の吉野家かるがもの子とことこ
行く春の天丼に海老ひとつ乗る
親子丼の仕舞スプーン修司の忌
朝焼や場外市場の海鮮丼
鉄火丼待つ間にあがる驟雨かな
万緑や丼飯をかきこみて
丼の違ふ大盛五月晴
丼の蓋をはみ出す穴子かな
丼の底のうずまき五月来る
丼を拭いたらまるく南風

【市】
しやぼん玉吹いて巡れる姉妹都市
のみの市に来てゐるほとけどぢやうかな
はつなつの行き渡りたる陶器市
卯の花腐し毎年上がる市民税
花は葉に八つ墓村は津山市に
亀鳴いて亀の子たわし蚤の市
空蝉をひろふ廃市や夕映えて
朝市に頭抜けてあおきバナナある
朝曇見学不可の花き市場
白南風やどつと人出て朝の市
片言でねぎる市場の青メロン
母の日や小学校も市役所も

【場】
チューリップ渡船場行きのバスに乗る
つばくろを映して場面切替はる
はつなつや高田馬場の道捩れ
花糸瓜運動場を横切りぬ
球場に企業の名前雲の峰
場あたりな句のばらけたる薄暑かな
場当たりに薔薇を植えたり母の庭
竹皮を脱いで場面は暗転す
麦の秋大場正夫は起ち上がる
彼女の場末母の日の美容外科
役場の灯あかあかとして喜雨の中
踊場が居場所となりぬひきがへる

【当季雑詠】
あたらしき蟻穴ふらここの下に
ざら紙のざら目ざらざらかき氷
したたかにただがむしやらになめくじり
炎天や踏切といふ地獄門
化粧塩少し焦げたる岩魚かな
語るなら鯖火は遠くとほく見よ
女々しくて歌ひつつ春惜しみけり
菖蒲湯の菖蒲ぬるぬるしてゐたり
生ビール尾てい骨まで沁み渡り
石段の空へ近づく山躑躅
薄暑光ボールを追はぬ犬もゐて
氷生まれる音夜の冷蔵庫
卜伝てふ地酒立夏の鹿島立ち
来ておくれ風の五月が終はつたら
蛹よりえらそうな小さな粽

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月14日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年5月7日火曜日

牛丼市場句会・出題

再開第55回目の出題です。

【牛】
【丼】
【市】
【場】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月11日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

縮毛矯正句会・作者発表

多々のご参加・早々の選句、感謝です。

しめやかに蛞蝓の視野縮みゆく    露結    四海不朝由亜幹
父の日の育毛剤の説明書       露結  
葉桜が囲む矯正院跡地        露結    独直あ
夏帽の語る浮気の正当性       露結    海独
桜桃やキャバクラ嬢の名刺受く    露結  

流蛍の縮れラーメンとも違ふ     海太  
昼寝覚毛は口ほどに物を言ひ     海太    不
真つ直ぐに胡瓜を矯めて糠床に    海太    露独朝由亜幹た
正直に言へば良いのに雨乞と     海太    幹
調書には蛇の衣だと言ふことに    海太    露独由あ亜幹

蝉出でて縮まつてゆく蝉の殻     朝比古   不直
体内に毛細管や麦の秋        朝比古   幹た
陶枕に矯正されてゐたりけり     朝比古   四海不由亜
網戸から見ゆる正しき家族かな    朝比古   四海露直由亜幹
ズボン脱ぐまでに至らず磯遊び    朝比古   四海不幹

離陸して島の縮んで行く暮春     直子    四海不由あ幹
惜春の羽毛布団の匂ひかな      直子  
行く春の奇矯な教師号泣す      直子  
春送る正直者のうす笑ひ       直子    独
かの姫の振る手疲れし暮の春     直子    四

緑の夜インド音楽伸縮す       あんこ   四露独直由亜た
若葉風眉毛広げて笑ひをり      あんこ   不
守宮の夜箸の持ち方矯正す      あんこ   亜
麦の秋正しき道へ復帰せり      あんこ   四朝亜
新樹風ブラックホールのやうに泣く  あんこ  

噴水の水伸び縮みして薄暮      独楽    露朝あた
植毛を終へて我が世の夏来る     独楽    露幹
奇矯なる声あげてゐる鯉幟      独楽    幹
正確に二つに割りし柏餅       独楽  
はつなつのピアノ母より来る文    独楽    あ

縮緬の小切れ降るごと春暮るる    藤幹子  
君が背を覆ふ原初の毛にてふてふ   藤幹子   四不
矯めること膝閉じること黄のパンジー 藤幹子  
正確に言はねばならぬ種袋      藤幹子   露
壁は地に地は壁に生ゆ半仙戯     藤幹子   四海露直

口あけて伸びて縮んでつばめの子   たろう   独あ
毛虫焼く炎の山河鼻毛ぬく      たろう  
矯正の歯並び美人豆の花       たろう   露不直由亜
俎板の正目まっすぐこいのぼり    たろう   四あ亜
昭和の日伝言版はそのままに     たろう   朝

飛ぶ前に縮みしやうな天道虫     由季    直幹た
毛筆の叱り状来る暮春かな      由季    独不直亜
一枝を矯めつ眇めつ八重桜      由季  
正座して亀の鳴くのを聴いてをり   由季    海朝た
シミュレーション通りの会話別れ霜  由季    海独不直

新聞の縮刷版や昭和の日       亜紀    露朝た
たんぽぽの綿毛吹く人吹かぬ人    亜紀    露朝由た
永き日の猫背矯正ギブスかな     亜紀  
端正な富士の湖面や夏来る      亜紀    海不
スマートボールじぐざくに春惜しむ  亜紀    朝た
花は葉にドミノ倒して行きにけり   亜紀    海朝あ幹た
薫風や国旗掲げしレストラン     亜紀    独直あ

縮んでは伸びて蚕の大喰ひ      不孤    た
昭和の日千円で売る毛語録      不孤    独直た
登山靴より重たいぞ矯正靴      不孤    海
正門の八割閉ざし花は葉に      不孤    由あ
黒蜜のやうな露天湯あめんばう    不孤    四直由あ亜

旋回し伸び縮みする鉄線花      四童    由
体毛のぐんぐん伸びるみどりの夜   四童    朝亜
はつなつの矯正下着めり込めり    四童    露
正の字で数へて柏餅さばく      四童    朝あ
こんな日は暖かそうな葱坊主     四童    独

以上。(集計:不孤)

2013年5月5日日曜日

縮毛矯正句会・投句一覧

 お待たせしました。

【縮】
しめやかに蛞蝓の視野縮みゆく
口あけて伸びて縮んでつばめの子
縮んでは伸びて蚕の大喰ひ
縮緬の小切れ降るごと春暮るる
新聞の縮刷版や昭和の日
蝉出でて縮まつてゆく蝉の殻
旋回し伸び縮みする鉄線花
飛ぶ前に縮みしやうな天道虫
噴水の水伸び縮みして薄暮
離陸して島の縮んで行く暮春
流蛍の縮れラーメンとも違ふ
緑の夜インド音楽伸縮す

【毛】
たんぽぽの綿毛吹く人吹かぬ人
君が背を覆ふ原初の毛にてふてふ
若葉風眉毛広げて笑ひをり
昭和の日千円で売る毛語録
植毛を終へて我が世の夏来る
惜春の羽毛布団の匂ひかな
体内に毛細管や麦の秋
体毛のぐんぐん伸びるみどりの夜
昼寝覚毛は口ほどに物を言ひ
父の日の育毛剤の説明書
毛虫焼く炎の山河鼻毛ぬく
毛筆の叱り状来る暮春かな

【矯】
はつなつの矯正下着めり込めり
一枝を矯めつ眇めつ八重桜
永き日の猫背矯正ギブスかな
奇矯なる声あげてゐる鯉幟
矯めること膝閉じること黄のパンジー
矯正の歯並び美人豆の花
行く春の奇矯な教師号泣す
守宮の夜箸の持ち方矯正す
真つ直ぐに胡瓜を矯めて糠床に
登山靴より重たいぞ矯正靴
陶枕に矯正されてゐたりけり
葉桜が囲む矯正院跡地

【正】
夏帽の語る浮気の正当性
春送る正直者のうす笑ひ
正の字で数へて柏餅さばく
正確に言はねばならぬ種袋
正確に二つに割りし柏餅
正座して亀の鳴くのを聴いてをり
正直に言へば良いのに雨乞と
正門の八割閉ざし花は葉に
端正な富士の湖面や夏来る
麦の秋正しき道へ復帰せり
網戸から見ゆる正しき家族かな
俎板の正目まっすぐこいのぼり

【当季雑詠】
かの姫の振る手疲れし暮の春
こんな日は暖かそうな葱坊主
シミュレーション通りの会話別れ霜
ズボン脱ぐまでに至らず磯遊び
スマートボールじぐざくに春惜しむ
はつなつのピアノ母より来る文
花は葉にドミノ倒して行きにけり
薫風や国旗掲げしレストラン
黒蜜のやうな露天湯あめんばう
桜桃やキャバクラ嬢の名刺受く
昭和の日伝言版はそのままに
新樹風ブラックホールのやうに泣く
調書には蛇の衣だと言ふことに
壁は地に地は壁に生ゆ半仙戯

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月7日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年5月1日水曜日

縮毛矯正句会・出題

再開第54回目の出題です。

【縮】
【毛】
【矯】
【正】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月4日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

上球物語句会・作者発表

お待たせしました。

上からも下からもくる春愁      露結    朝海由独四亜
朧夜の市営球場灯りゐる       露結  
囀りや売物件のビラ剥がれ      露結    朝た
猫語にも日本語のあり猫の恋     露結    た
レシートの貯まる財布や鳥雲に    露結    海亜た

春風がスキップを踏む波の上     直子  
春風や地球の長き影揺れて      直子    独四た
物の怪の駆けづりまはる春の風    直子  
春風とともにアイヌ語圏に入る    直子    露
陳さんのいちもつ揺るる春の風    直子    露

春禽や上流の光つてゐたり      あんこ  
球状の化石に触れてあたたかし    あんこ   由
花大根裏で出し物準備する      あんこ   海由
メーデーに語られてゐる伝説よ    あんこ  
緋の躑躅S字カーブへ差しかかる   あんこ   直亜

上巻にエピローグなし月日貝     海太    露由四
小手毬の花を揺らすも球技かな    海太    露直
山笑ふ洗濯物の堆く         海太    あ
雁風呂や炊くよりまづは語るべし   海太    露
来賓の祝辞に代へて田螺鳴く     海太    直亜

メーデーの列のしんがり上の空    朝比古  
まくなぎがところどころに野球場   朝比古   露由た
物欲を捨つるごとくに鳥雲に     朝比古   海
ビール飲む父より和製英語かな    朝比古   四あた
鳶職のさつと足場を夏はじめ     朝比古   海由あ

空つぽの箱かぎろへる上野駅     独楽    露海亜た
苗札に地球と書いてありにけり    独楽    由四あ直亜た
物証が無くて桜餅の匂ひ       独楽    露朝海由四亜
カタコトの英語で話す遅日かな    独楽    朝由亜
ビターチョコレート寄居虫が見る夢  独楽  
牛乳で飲むみどりの日の胃薬     独楽  

猫の恋金のしゃちほこ屋根の上    たろう  
虹の中琉球グラスの泡うかぶ     たろう   あ
蚯蚓鳴くいいじゃないかな無一物   たろう  
大喜利の扇おおぶり江戸落語     たろう  
青大将ウェットスーツに見をかため  たろう  
泡盛の月もおぼろの竜宮城      たろう  

上履きに履き替へてより余花の雨   亜紀  
行く春や球審の声高々と       亜紀    朝
静物画に黒点ひとつ蝿うまる     亜紀    直
語尾上げて話す駅長山笑ふ      亜紀    海独直た
這ひ這ひを競ふ赤子や花は葉に    亜紀    独
五徳てふ呼び名ふくふくあたたかし  亜紀    直
頂きに雲の溶け行く暮春かな     亜紀    朝

上ばかり飾られてをり花御堂     由季    朝あ
球場にだらけてゐたる鯉のぼり    由季    朝独四あ亜た
混沌と物理の板書春深む       由季    朝独四あ直
ラテン語を掲げる校舎鳥曇      由季    独四あ亜
海女の顔思はぬ方に出てきたり    由季    朝海独四あ直

就中上海の水温みをり        四童  
円よりも球こそ夏の初めかな     四童    独
つばくらめ醸造技術にも物議     四童    露
決めうちの語彙決めうちの卯波かな  四童  
羊から躑躅に至る奇譚かな      四童    海由独直

以上。(集計:不孤)