2013年12月31日火曜日

一陽来復句会・投句一覧

 遅くなりましてすみません。年をまたいでの選句締切となりますが、
よろしくお願いします。本年はありがとうございました。

【一】
お持たせの一六タルト花八つ手
一よりも零戦が好きクリスマス
一気一気一気一気去年今年
一月の1を数へるカレンダー
一瞬の景色の中に湯豆腐も
一抜けたと言へぬ未練や去年今年
一流の馬鹿でありたし寒桜
火の番の知つたる声の一つあり
寒鴉一方的に怒りをり
決断の一瞬はやし寒卵
首一度振りて投げ込む冬夕焼
初雪の一筆書きのやうに舞ふ
数へ日といふ一日の暮れにけり
雪の夜次元の一つ増えてをり
年はゆく光を一縷にぎり締め
煤逃げや最後の一人とならうとも

【陽】
しぐるるや陽成院に長き生
階段を陽はまた昇る大晦日
枯野道ぼろぼろの陽と人のゆく
春を待つ厩舎に夕陽あふれたる
初夢の小島陽菜でありにけり
数え日や太川陽介のルイルイ♪
先輩に澁谷陽一ピラカンサ
太陽に透かしてみたる手套かな
短日や陽水流れる喫茶店
冬ざれやガラスケースに陽の差して
煤払ふ陽当たりのよき物件の
綿虫に陽動されてゐたりけり
陽光の消えないうちに日記買ふ
陽子にもこいよといひて年の暮

【来】
すこしして柚子湯の柚子のもどり来る
トナカイにまた来週と言はれたり
往来に人の途絶えて雪しんしん
我らみな来客なりし除夜の燭
声悪しきオオハクチョウの来たりけり
冬ざれてなかなか来ない在来線
冬霞裂いて来客現るる
年の市来た道がわからなくなり
忙しくても来てね土竜打つから
未来という古き言葉や小晦日
未来より雪の循環してきたり
来る人の一人は葱を脇に抱へ
来場者みな肩の雪払ひつつ
来年がこの歳時記に載つてゐない
来年はよろしくと鼻たたきやる

【復】
エチュードに反復記号雪ふりつむ
ランナーの復路へ散つて冬の山
火の番の復路の声となりにけり
妻子一去兮不復還而新年
歳晩の寄り道をする復路かな
新幹線の往復切符クリスマス
数へ日や予習復習片付かず
冬の水洩れて復興特別税
冬蜂に回復の呪文をかける
拝復の遅れ遅れの年の暮
復活の合図忘れし冬野かな
復興と似て非なる我が雑煮哉
復誦の後の暗誦ちやんちやんこ
眠る山復路もケーブルカーとする

【当季雑詠】
クリスマスケーキ匙ですくひて無学なり
たった今終わりし時計夜半の冬
トイプードル跳ねに跳ねたるクリスマス
もこもこのもののはみ出すブーツかな
華やぎを添ふる鳥声枯木立
瓦礫には瓦礫の意地が初凪や
恐竜の復元されし霜夜かな
山茶花や野良猫の人懐こくて
終電を逃してしまう冬銀河
淑気まだ立たないやうに掃いてゐる
聖樹灯し犯罪といふ朗読劇
冬帝の足音低くありにけり
湯たんぽを小動物のやうに抱く
煤逃げてソースの二度付けは禁止
包丁始埒が明かない鍵がない

(以上)

14句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月5日(日)20時(JST)…日曜にしました。
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から14句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年12月22日日曜日

一陽来復句会・出題

そういえば出題するの忘れてました。すみません。
再開第74回目の出題です。

【一】
【陽】
【来】
【復】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月28日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2013年12月15日日曜日

駐日大使句会・作者発表

お待たせしました。

駐妻に大きコートの男寄る          露結    四
極月も大日如来静止して           露結    独
漱石にも英世にも髭大三十日         露結    苑
即席の天使降りくる年の暮          露結    け
マスクしてこの人も目が死んでゐる      露結    亜あ苑け

駐車場から駐輪場へマフラーを        とうふ   あ
日記買うという季語があるので買う      とうふ   朝露苑由
たい焼きも大なり小なり人生に        とうふ   海
冬館詩人がひとりの使用人          とうふ   独
この便器では冬の泉と命名す         とうふ  

白菜も迷子もとどく駐在所          海太    亜独ダと四
心眼や春日若宮おん祭            海太  
人大天夫失(みばうじん)喪服に雪を忍ばせて 海太  
冬眠や筑波山麓使用中            海太    由
鍋釜と女系家族と隙間風           海太  

駐在所日向ぼこりに相応しき         朝比古  
短日やカラーコーンに囲まれて        朝比古  
神の留守大きな人は荷を運び         朝比古   海ぽ四
日当を使ひ切つたるおでん酒         朝比古   ダ
地下足袋の小鉤きちりと冬椿         朝比古   亜苑ダぽ

駐車場の白き枠から凍て始む         独楽    ダぽ
プチプチをプチプチつぶす日短し       独楽    苑ぽ
大袈裟な演技も交え社会鍋          独楽    海あぽ
風花を見上げてはじめてのお使い       独楽    朝苑ダ
着ぶくれて故郷の象を思うかな        独楽    海あダと由四
ぴかぴかの自転車小春日の崩壊        独楽    ぽ

駐車場からすこし歩いて白鳥に        ぽぽな   朝露海亜苑由け四
風によく混ざるロシア語冬めく日       ぽぽな   露海亜あ独と由け
大根のひかり崩さぬように煮る        ぽぽな   朝露海亜独とけ
梟は夜空をゆるやかに使う          ぽぽな   朝露亜あ独苑ダ由け四
白息の総量一夫多妻制            ぽぽな   露四

駐在所ストーブ引き継がれてをり       ダイスケ  朝海あ由け
冬の日を跳ね返したる学舎かな        ダイスケ  海由
ポインセチア大学の棟ガラス張り       ダイスケ  亜
魔法使い魔法でマント翻す          ダイスケ  朝亜あ苑と四
ほほゑんでマフラー少しほどけたる      ダイスケ  独苑由

狐火に囲まれてゐる駐車場          けんじ   朝露ダ由ぽ四
自堕落な日々も愛せよ冬薔薇         けんじ   朝と
冬の蝶大腿骨に同化せし           けんじ  
張りぼての天使の集ひ十二月         けんじ  
片翼を探し続けてゐる聖夜          けんじ   独とぽ

タラップをロングコートの駐在員       あんこ  
古日記海の話で終はりをり          あんこ   露亜独と四
蜜柑山父の大きな眠りかな          あんこ   露ダ
冬の雲玄関遠き大使館            あんこ   由ぽ
竜の玉天使の羽をしまふ音          あんこ   亜

霜の夜の駐輪場をハイヒール         亜紀    朝苑と
雑巾をちくちく縫うて花八手         亜紀    朝海あ独ダとけ
着ぶくれて大型店をうろうろす        亜紀    あ苑四
召使めきて鯛焼買ふ家人           亜紀    四
昨日より道幅広くなり小春          亜紀    あ苑由
白鳥の声の暮れゆく日本海          亜紀    海け

短日のディズニーランド駐車場        由季    露あ
浮寝鳥日時計の針うすうすと         由季    朝海独ダけ
年詰まる大漁旗の波がしら          由季    独ぽ
よく使ふ文字の減りたり枇杷の花       由季    海あと四
腹見せてハイエナの寝る冬日和        由季    ダ

クリスマスツリーを点す駐屯地        苑を    露亜とぽ
短日やしつぽくるりと秋田いぬ        苑を    ダ
おほいなる父のうがひや山眠る        苑を    朝露独と由けぽ
忘れつぽい天使の肩に十二月         苑を  
ぽりぽりと沢庵噛んでゐてひとり       苑を    け

監視する常駐タスク冬銀河          四童  
日暮から明け方にかけ山眠る         四童  
南無三千世界一大社会鍋           四童    露
使はない十能のある厨かな          四童    ぽ
着ぐるみのことはいいから冬の星       四童    亜け

以上。(集計:不孤)

ぽぽなさん強し。

2013年12月8日日曜日

駐日大使句会・投句一覧

 お待たせしました。

【駐】
クリスマスツリーを点す駐屯地
タラップをロングコートの駐在員
監視する常駐タスク冬銀河
狐火に囲まれてゐる駐車場
霜の夜の駐輪場をハイヒール
短日のディズニーランド駐車場
駐妻に大きコートの男寄る
駐在所ストーブ引き継がれてをり
駐在所日向ぼこりに相応しき
駐車場からすこし歩いて白鳥に
駐車場から駐輪場へマフラーを
駐車場の白き枠から凍て始む
白菜も迷子もとどく駐在所

【日】
プチプチをプチプチつぶす日短し
極月も大日如来静止して
古日記海の話で終はりをり
昨日より道幅広くなり小春
自堕落な日々も愛せよ冬薔薇
心眼や春日若宮おん祭
短日やカラーコーンに囲まれて
短日やしつぽくるりと秋田いぬ
冬の日を跳ね返したる学舎かな
日記買うという季語があるので買う
日暮から明け方にかけ山眠る
白鳥の声の暮れゆく日本海
浮寝鳥日時計の針うすうすと
風によく混ざるロシア語冬めく日

【大】
おほいなる父のうがひや山眠る
たい焼きも大なり小なり人生に
ポインセチア大学の棟ガラス張り
神の留守大きな人は荷を運び
人大天夫失(みばうじん)喪服に雪を忍ばせて
大袈裟な演技も交え社会鍋
大根のひかり崩さぬように煮る
着ぶくれて大型店をうろうろす
冬の蝶大腿骨に同化せし
南無三千世界一大社会鍋
年詰まる大漁旗の波がしら
蜜柑山父の大きな眠りかな
漱石にも英世にも髭大三十日

【使】
よく使ふ文字の減りたり枇杷の花
使はない十能のある厨かな
召使めきて鯛焼買ふ家人
即席の天使降りくる年の暮
張りぼての天使の集ひ十二月
冬の雲玄関遠き大使館
冬館詩人がひとりの使用人
冬眠や筑波山麓使用中
日当を使ひ切つたるおでん酒
風花を見上げてはじめてのお使い
忘れつぽい天使の肩に十二月
魔法使い魔法でマント翻す
梟は夜空をゆるやかに使う

【当季雑詠】
この便器では冬の泉と命名す
ぴかぴかの自転車小春日の崩壊
ほほゑんでマフラー少しほどけたる
ぽりぽりと沢庵噛んでゐてひとり
マスクしてこの人も目が死んでゐる
雑巾をちくちく縫うて花八手
地下足袋の小鉤きちりと冬椿
着ぐるみのことはいいから冬の星
着ぶくれて故郷の象を思うかな
鍋釜と女系家族と隙間風
白息の総量一夫多妻制
腹見せてハイエナの寝る冬日和
片翼を探し続けてゐる聖夜
竜の玉天使の羽をしまふ音

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月13日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年11月28日木曜日

駐日大使句会・出題

再開第73回目の出題です。

【駐】
【日】
【大】
【使】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月7日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

牛脂注入句会・作者発表

お待たせしてすみません。

冬暮のことに雄牛のうしろ姿     露結  
すき焼のまづは脂を見つめけり    露結    ダ由
注射器の先から冬となりにけり    露結    あ苑海ぽ
入口の出口に同じ十二月       露結  
果てしなきパンツの中の枯野かな   露結    朝独

冬の夜の牛乳パック底白し      ダイスケ  
寒暁の舌にしみ入る乳脂肪      ダイスケ  
湯たんぽに熱湯注ぐ水も少し     ダイスケ  露ぽけ
風邪に臥して見る太陽の入射角    ダイスケ  と
冬日向みな青信号待つ顔す      ダイスケ  あ独

牛舌のスライスされてゆく枯野    苑を    独
冬の虹パン工場の油脂匂ふ      苑を    ダ露由ぽ亜
紅茶注ぐときの傾き神の留守     苑を    朝露四由ぽけ
ちくわぶを入れて関東平民党     苑を  
にんげんや鯨食ふとき口ひらく    苑を    と亜

牛丼にキムチを乗せて日短し     独楽    露苑
冬青空体脂肪計壊れている      独楽    由け
外注に出して狸の顔をする      独楽    あと海四亜
霰降る罪の香りの入浴剤       独楽    ダと四け
林檎パイエラーメッセージ止まらず  独楽    と海
安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで   独楽    あ苑と海け亜

牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ    朝比古   ダ苑四由ぽ亜
すき焼のまづは脂を焼いてをり    朝比古  
注射器の尖より液や冬日差      朝比古  
入口の裏は出口よ神の旅       朝比古  
プレハブをぱたぱた建てて冬に入る  朝比古   露あ由

牛久沼へら鮒センター冬めける    海太    朝露あ独四由
脂ぎる思考勤労感謝の日       海太    朝独
鼻の穴膨らむ注射小六月       海太    ダ露あ独四け亜
狐火を語る補聴器聴く入歯      海太    四
憂国忌なほ徒党組む冬の蟻      海太  

牛乳を半分のこす七五三       ぽぽな   ダと海四
大鍋に牛脂めぐらす霜の夜      ぽぽな   ダあ亜
注がれて冬三日月になるところ    ぽぽな   露独
冬帽子モニターに青空入れる     ぽぽな  
少年が持ってきた棒冬日向      ぽぽな   露苑と四由亜

寒月の見上げて屋根の上に牛     けんじ   ダ独海
脂身を絞り獲られて冬紅葉      けんじ  
注文を繰り返す声おでん酒      けんじ   と
侵入を企ててゐる冬霞        けんじ   苑由
冬の日のもう閉まらない玉手箱    けんじ   朝と亜

牛乳も頼まれてをり革ジャンパー   あんこ   苑と海由ぽ亜
剥がされて脂身の冷たき重さ     あんこ   露ぽ
綿虫に注意の隙をつかれをり     あんこ   け
初雪やここより進入禁止とす     あんこ   朝苑
狐火を棲まはせてゐし左胸      あんこ  

牛乳やことばひとつに湯ざめして   とうふ   露あ由け
マーガリン塗ってあげるよ漱石忌   とうふ   朝海四
注目をあつめぬ人や冬景色      とうふ   ぽけ
妹の入れ歯のような寒北斗      とうふ   朝独四
恋の句にくしゃみ恒貞親王伝     とうふ  

聖夜劇牛のやうなる馬の出て     由季    ダ朝あ苑独四亜
冬の夜のサイコロ型の牛脂かな    由季  
注ぎ方を叱られてゐる忘年会     由季    朝海ぽけ
雪吊も入れて全員写真撮る      由季    朝あと独四ぽ亜
参加賞もらひ勤労感謝の日      由季    海

着膨れて籠に牛脂の二三片      亜紀    ダけ
脂身を殖やしていたる霜夜かな    亜紀    苑海
パレードの冬木の道を注視せり    亜紀  
外苑の銀杏黄葉に入り浸る      亜紀    朝
お手拭きで顔を一周小六月      亜紀    露あ苑海由ぽけ
冬の鵙ボタンに穴の四つある     亜紀  

牛肉や闇鍋よりも怖き鍋       四童  
松脂を弓にすべらせ冬の指      四童    ダあ苑と独海由ぽけ亜
寒星や注釈おほきポストモダン    四童    独ぽ
入荷待ち五千億年冬銀河       四童    ダ
寒夕焼おそろしき棒ばかりなり    四童    ダ朝露苑

以上。(集計:不孤)

2013年11月24日日曜日

牛脂注入句会・投句一覧

【牛】
寒月の見上げて屋根の上に牛
牛久沼へら鮒センター冬めける
牛舌のスライスされてゆく枯野
牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ
牛肉や闇鍋よりも怖き鍋
牛乳も頼まれてをり革ジャンパー
牛乳やことばひとつに湯ざめして
牛乳を半分のこす七五三
牛丼にキムチを乗せて日短し
聖夜劇牛のやうなる馬の出て
着膨れて籠に牛脂の二三片
冬の夜の牛乳パック底白し
冬暮のことに雄牛のうしろ姿

【脂】
すき焼のまづは脂を見つめけり
すき焼のまづは脂を焼いてをり
マーガリン塗ってあげるよ漱石忌
寒暁の舌にしみ入る乳脂肪
脂ぎる思考勤労感謝の日
脂身を絞り獲られて冬紅葉
脂身を殖やしていたる霜夜かな
松脂を弓にすべらせ冬の指
大鍋に牛脂めぐらす霜の夜
冬の虹パン工場の油脂匂ふ
冬の夜のサイコロ型の牛脂かな
冬青空体脂肪計壊れている
剥がされて脂身の冷たき重さ

【注】
パレードの冬木の道を注視せり
外注に出して狸の顔をする
寒星や注釈おほきポストモダン
紅茶注ぐときの傾き神の留守
注がれて冬三日月になるところ
注ぎ方を叱られてゐる忘年会
注射器の先から冬となりにけり
注射器の尖より液や冬日差
注文を繰り返す声おでん酒
注目をあつめぬ人や冬景色
湯たんぽに熱湯注ぐ水も少し
鼻の穴膨らむ注射小六月
綿虫に注意の隙をつかれをり

【入】
ちくわぶを入れて関東平民党
外苑の銀杏黄葉に入り浸る
狐火を語る補聴器聴く入歯
初雪やここより進入禁止とす
侵入を企ててゐる冬霞
雪吊も入れて全員写真撮る
冬帽子モニターに青空入れる
入荷待ち五千億年冬銀河
入口の出口に同じ十二月
入口の裏は出口よ神の旅
風邪に臥して見る太陽の入射角
妹の入れ歯のような寒北斗
霰降る罪の香りの入浴剤

【当季雑詠】
お手拭きで顔を一周小六月
にんげんや鯨食ふとき口ひらく
プレハブをぱたぱた建てて冬に入る
安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで
果てしなきパンツの中の枯野かな
寒夕焼おそろしき棒ばかりなり
狐火を棲まはせてゐし左胸
参加賞もらひ勤労感謝の日
少年が持ってきた棒冬日向
冬の日のもう閉まらない玉手箱
冬の鵙ボタンに穴の四つある
冬日向みな青信号待つ顔す
憂国忌なほ徒党組む冬の蟻
林檎パイエラーメッセージ止まらず
恋の句にくしゃみ恒貞親王伝

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月29日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年11月16日土曜日

牛脂注入句会・出題

再開第72回目の出題です。

【牛】
【脂】
【注】
【入】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月23日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

薄利多売句会・作者発表

発表です。

薄原といふほどもなく薄立つ     露結  
由もなく利尻思へば火恋し      露結    ダ
恋多き祖母の形見の秋袷       露結    廣朝不独四
虫売や虫のほかにもいろいろと    露結    ダ独幹
いろいろを流して秋の雨はげし    露結  

冬立つやしゆるしゆる薄き鉋屑    朝比古   廣ダ不露亜
冬麗のシーツに糊を利かせけり    朝比古   ダ苑露
冬眠に備へて多面体となる      朝比古   廣あダ独幹苑露由四
うつくしき水の売らるる冬はじめ   朝比古   廣幹苑亜四
しばらくは松を見てをり松手入    朝比古   独幹苑露由亜け四

薄命に憧れる子や火恋し       ダイスケ  独
利き腕のややたくましき茸狩     ダイスケ  廣あ海四
多項式の各項にあるきのこかな    ダイスケ  廣独幹苑
売物も私物もありて秋灯下      ダイスケ  不露由四
洗ひ上げたる里芋の心細し      ダイスケ  

薄紙に鳥の図案や寒苺        藤幹子   独
利根川を眠る山まで遡る       藤幹子   朝あ不由
海鼠腸のやうな多弁を弄しけり    藤幹子   廣不四
革ジャンの売人湿りある硬貨     藤幹子   あ不苑け
教室はアガアの中へそぞろ寒     藤幹子  
ちやんと上手に汁出せる猪や     藤幹子  

薄力粉VS牛すじ&葱          海太    廣不四
寄鍋や利ザヤも灰汁にして泡     海太    け
御多分に漏れず無愛想日向ぼこ    海太    廣朝
雪女郎ン百歳売防法はン十年     海太  
吾に余生手紙に余白冬に入る     海太    あ

薄墨の世界を駆け回る兎       独楽    朝あダ海幹苑由け
冬茜再び夢を見る権利        独楽    海露け
熱戦が終わり多摩川雪催       独楽  
売店のおばちゃんたちの酉の市    独楽    露由
白息やはじめて出来た逆上がり    独楽    海
木枯に挑むごとく祈るごとく     独楽    あ

薄情な猫の目配せ神無月       廣島屋  
文化の日利鞘を稼ぐ子がひとり    廣島屋   不独
ハロウィンに多羅尾伴内が十人    廣島屋   朝独苑
泣き売の声あそこから後の月     廣島屋   あ
小春日やあまりに早く着きすぎて   廣島屋   あ由亜け

薄紙にくるむ焼菓子ふゆはじめ    苑を    海幹露亜四
私利私欲にも冬蠅のあはれかな    苑を  
鍋料理多士済々と囃しつつ      苑を  
売地とあり初雪の舞つてをり     苑を    朝け四
鶏にパン粉をまぶす小春日よ     苑を  

薄紙に綴られしごと秋の声      けんじ  
徳利の深き上げ底冬の夜       けんじ  
闇汁の闇の部分が多過ぎる      けんじ  
暖冬の予感色なき薬売り       けんじ   独
冬の空猫の見上げし角度かな     けんじ  

望遠鏡薄き毛布を引き上ぐる     あんこ   露由
ロボットの利口な言葉小六月     あんこ   不幹露由亜
茶の花やほほゑみ多きPTA       あんこ   ダ亜
冬帽子売値の三度直されて      あんこ   廣ダ苑露亜四
身の内にメトロノームよ冬銀河    あんこ   朝

饅頭の皮の薄さよ冬に入る      亜紀    廣海幹由
事務室の利休色なるカーディガン   亜紀    廣朝あダ不幹苑露由
英文の多読再読黄落期        亜紀  
直売所までの看板稲雀        亜紀    不け
ハッカ飴ばかりなくなる文化の日   亜紀    独幹け
茎あまた倒れしままに露むすぶ    亜紀    け
白露のひかり集めてたなごころ    亜紀  
そぞろ寒ちり紙引き出す音かすか   亜紀    朝

薄幸の気配をまとふ海鼠かな     由季    朝ダ不海独苑亜け四
利用者無きバス茸山巡回す      由季    ダ海露
黄落の増す多国籍料理店       由季    あ幹苑露亜四
豆腐売顔は思ひ出せず冬       由季    廣あ幹け
立冬を等身大のポスターと      由季    海亜

酷薄に生きて蟷螂枯れにけり     不孤    朝
便利屋のチラシは小さし冬隣     不孤    ダ海苑由亜
多弁ならねど唇薄しそぞろ寒     不孤  
焼売のおしくらまんぢゆう引き剥す  不孤    あダ亜
割石榴五針縫うてもまだ足りぬ    不孤    四

ほんたうにうすき薄謝や初時雨    四童    不海
わたくしを利用してゐる狸かな    四童    朝独
多面体めいて敗荷なやましき     四童    海
崎陽軒焼売ぜんぶ闇鍋に       四童    朝海由け
時雨より速き自転車にて帰る     四童    廣朝あダ不海独幹苑由亜け

以上。(集計:不孤)

2013年11月11日月曜日

薄利多売句会・投句一覧

 たいへんお待たせしました。

【薄】
ほんたうにうすき薄謝や初時雨
酷薄に生きて蟷螂枯れにけり
冬立つやしゆるしゆる薄き鉋屑
薄原といふほどもなく薄立つ
薄幸の気配をまとふ海鼠かな
薄紙にくるむ焼菓子ふゆはじめ
薄紙に鳥の図案や寒苺
薄紙に綴られしごと秋の声
薄情な猫の目配せ神無月
薄墨の世界を駆け回る兎
薄命に憧れる子や火恋し
薄力粉VS牛すじ&葱
望遠鏡薄き毛布を引き上ぐる
饅頭の皮の薄さよ冬に入る

【利】
ロボットの利口な言葉小六月
わたくしを利用してゐる狸かな
寄鍋や利ザヤも灰汁にして泡
私利私欲にも冬蠅のあはれかな
事務室の利休色なるカーディガン
冬茜再び夢を見る権利
冬麗のシーツに糊を利かせけり
徳利の深き上げ底冬の夜
文化の日利鞘を稼ぐ子がひとり
便利屋のチラシは小さし冬隣
由もなく利尻思へば火恋し
利き腕のややたくましき茸狩
利根川を眠る山まで遡る
利用者無きバス茸山巡回す

【多】
ハロウィンに多羅尾伴内が十人
闇汁の闇の部分が多過ぎる
英文の多読再読黄落期
黄落の増す多国籍料理店
海鼠腸のやうな多弁を弄しけり
御多分に漏れず無愛想日向ぼこ
多項式の各項にあるきのこかな
多弁ならねど唇薄しそぞろ寒
多面体めいて敗荷なやましき
茶の花やほほゑみ多きPTA
冬眠に備へて多面体となる
鍋料理多士済々と囃しつつ
熱戦が終わり多摩川雪催
恋多き祖母の形見の秋袷

【売】
うつくしき水の売らるる冬はじめ
革ジャンの売人湿りある硬貨
泣き売の声あそこから後の月
崎陽軒焼売ぜんぶ闇鍋に
焼売のおしくらまんぢゆう引き剥す
雪女郎ン百歳売防法はン十年
暖冬の予感色なき薬売り
虫売や虫のほかにもいろいろと
直売所までの看板稲雀
冬帽子売値の三度直されて
豆腐売顔は思ひ出せず冬
売地とあり初雪の舞つてをり
売店のおばちゃんたちの酉の市
売物も私物もありて秋灯下

【当季雑詠】
いろいろを流して秋の雨はげし
しばらくは松を見てをり松手入
そぞろ寒ちり紙引き出す音かすか
ちやんと上手に汁出せる猪や
ハッカ飴ばかりなくなる文化の日
割石榴五針縫うてもまだ足りぬ
教室はアガアの中へそぞろ寒
茎あまた倒れしままに露むすぶ
鶏にパン粉をまぶす小春日よ
吾に余生手紙に余白冬に入る
時雨より速き自転車にて帰る
小春日やあまりに早く着きすぎて
身の内にメトロノームよ冬銀河
洗ひ上げたる里芋の心細し
冬の空猫の見上げし角度かな
白息やはじめて出来た逆上がり
白露のひかり集めてたなごころ
木枯に挑むごとく祈るごとく
立冬を等身大のポスターと

(以上)

14句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月15日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から14句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年10月30日水曜日

薄利多売句会・出題

再開第71回目の出題です。

【薄】
【利】
【多】
【売】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月9日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

恋愛結婚句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

足して二で割れぬ性格月を恋ふ     海太    独
螻蛄鳴くや愛は時間と言ふ人と     海太    幹
水引の蝶結びより草の花        海太  
蓑虫の弦ぽろろんと婚の家       海太  
君が代の二番黙唱九月場所       海太  

薄原来て恋文を隠れ読む        露結    ダあけ四
愛欲の微かに梨を剥きにけり      露結    あ
結び目のかたくなにして雁渡し     露結    ダ苑
婚姻やつばめは疾に帰りけり      露結  
永遠も残り僅かか鶏皮(そぞろさむ)  露結    不

コスモスのいつも恋してゐたりけり   朝比古   苑幹由け四
愛人が茣蓙に座したる運動会      朝比古   露幹あ独由亜け四
秋天へ結束されてゆく足場       朝比古   ダ独四
婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る     朝比古   ダ露幹あ由亜
やや寒やB型と書く安全帽       朝比古   海ダ苑不独由亜四

火恋し椅子軋ませてウイスキー     あんこ   苑
午後遅き愛妻弁当草の花        あんこ   朝不由
結納の父の横顔新走          あんこ   露独
鰯雲結婚運をみてもらふ        あんこ  
運命を回すごとくに剥く林檎      あんこ   朝幹亜四

失恋のかもめゆつくり飛びて秋     けんじ   露独
木の実落つ愛の讃歌のリズムかな    けんじ   朝由
結界のほつれに群れし秋の蝶      けんじ   ダ苑亜四
通草の実婚活パーティー玉砕す     けんじ   苑独由亜
歌姫の取り残されし大花野       けんじ   朝海独

恋の話曾祖母とする夜長かな      ダイスケ  朝海苑露あ独由け四
銀杏に語らふ愛の重さかな       ダイスケ  け
エプロンの結び目ほどく夜業明け    ダイスケ  朝海苑不幹亜け
交差イトコ婚平行イトコ婚鴨渡る    ダイスケ  由け四
カーブに添つて大通りまでねこじやらし ダイスケ  け

恋人を金柑にしてすこし囓る      苑を    ダ露幹由
菌類の宙のかたちを偏愛す       苑を    独四
結審の日や十月が暑過ぎる       苑を    不露
婚姻の矩形の釘に月射しぬ       苑を    独四
秋雨や動物園のゴリラの眼       苑を    あ

恋文をかしこで結ぶ紅葉かな      亜紀    ダ独
秋の夜の定位置に置く愛読書      亜紀    朝海苑幹
結び目をほどくマニキュア昼の虫    亜紀    不あ
金婚式までの幾年いわし雲       亜紀    幹
一つ家にともる灯りや林檎剥く     亜紀    海
縦糸に絡む横糸秋澄めり        亜紀    海ダ苑

無花果や恋とは水利悪きもの      藤幹子   不
ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる   藤幹子   朝不露由亜
野分晴結ばれてゆく高速道       藤幹子   ダあ由
扇置く婚姻費用計画書         藤幹子  
愛弟子を抵当にして花圃広し      藤幹子  

望郷や妻恋坂の天高し         独楽    露
愛憎の渦巻くドラマ夜の長し      独楽  
秋茜結ばれしまま過ぎにけり      独楽    幹
婚礼の席に秘蔵の猿酒         独楽    あけ
紅葉且つ散る内戦の終わらぬ国     独楽    苑

菱の実や歌仙の恋を歪めたり      由季    不
秋虹の端見届けて愛妻家        由季    露あ
結論を先に言ふ癖竈馬         由季    海露亜け
秋の水婚姻色のちらちらす       由季    ダ不あ亜四
雑然と釣瓶落しの繊維街        由季    朝海ダ不幹あ亜四

紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪       不孤    朝海苑あ由亜け
愛ちやんの膝に愛ちやん秋うらら    不孤    海露亜
しらみつぶしに検査結果の夜長かな   不孤  
吾亦紅婚姻届の色が地味        不孤    朝海苑け
蟷螂の睨み合ひたる句会かな      不孤    朝ダけ

恋ならば薄いほどよし水澄めり     四童    海不露
愛欲のかたちばかりの秋の空      四童    幹
結石を押し出す秋の尿かな       四童    独
いちめんの婚姻色の秋夕焼       四童    朝不
をちこちに求愛の鰡さびしかり     四童    幹

以上。(集計:不孤)

2013年10月20日日曜日

恋愛結婚句会・投句一覧

 たいへんお待たせしました。

【恋】
コスモスのいつも恋してゐたりけり
火恋し椅子軋ませてウイスキー
紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
失恋のかもめゆつくり飛びて秋
足して二で割れぬ性格月を恋ふ
薄原来て恋文を隠れ読む
菱の実や歌仙の恋を歪めたり
望郷や妻恋坂の天高し
無花果や恋とは水利悪きもの
恋ならば薄いほどよし水澄めり
恋の話曾祖母とする夜長かな
恋人を金柑にしてすこし囓る
恋文をかしこで結ぶ紅葉かな

【愛】
ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる
愛ちやんの膝に愛ちやん秋うらら
愛人が茣蓙に座したる運動会
愛憎の渦巻くドラマ夜の長し
愛欲のかたちばかりの秋の空
愛欲の微かに梨を剥きにけり
菌類の宙のかたちを偏愛す
銀杏に語らふ愛の重さかな
午後遅き愛妻弁当草の花
秋の夜の定位置に置く愛読書
秋虹の端見届けて愛妻家
木の実落つ愛の讃歌のリズムかな
螻蛄鳴くや愛は時間と言ふ人と

【結】
エプロンの結び目ほどく夜業明け
しらみつぶしに検査結果の夜長かな
結び目のかたくなにして雁渡し
結び目をほどくマニキュア昼の虫
結界のほつれに群れし秋の蝶
結審の日や十月が暑過ぎる
結石を押し出す秋の尿かな
結納の父の横顔新走
結論を先に言ふ癖竈馬
秋茜結ばれしまま過ぎにけり
秋天へ結束されてゆく足場
水引の蝶結びより草の花
野分晴結ばれてゆく高速道

【婚】
いちめんの婚姻色の秋夕焼
鰯雲結婚運をみてもらふ
金婚式までの幾年いわし雲
吾亦紅婚姻届の色が地味
交差イトコ婚平行イトコ婚鴨渡る
婚姻の矩形の釘に月射しぬ
婚姻やつばめは疾に帰りけり
婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
婚礼の席に秘蔵の猿酒
秋の水婚姻色のちらちらす
扇置く婚姻費用計画書
通草の実婚活パーティー玉砕す
蓑虫の弦ぽろろんと婚の家

【当季雑詠】
カーブに添つて大通りまでねこじやらし
やや寒やB型と書く安全帽
をちこちに求愛の鰡さびしかり
愛弟子を抵当にして花圃広し
一つ家にともる灯りや林檎剥く
運命を回すごとくに剥く林檎
永遠も残り僅かか鶏皮(そぞろさむ)
歌姫の取り残されし大花野
君が代の二番黙唱九月場所
紅葉且つ散る内戦の終わらぬ国
雑然と釣瓶落しの繊維街
秋雨や動物園のゴリラの眼
縦糸に絡む横糸秋澄めり
蟷螂の睨み合ひたる句会かな

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月25日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年10月15日火曜日

【再掲】恋愛結婚句会・出題

ええと、早々に投句された方、すみません。
実はまだ8名の方からしか投句頂いてなくてツアーなら「最小挙行人数に
満たないため~」とか言うのでしょうが、もう少しお待ちします。
どばっと19日まで延ばしますので、よろしくお願いします。

再開第70回目の出題です。

【恋】
【愛】
【結】
【婚】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月19日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2013年10月5日土曜日

恋愛結婚句会・出題

再開第70回目の出題です。

【恋】
【愛】
【結】
【婚】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月12日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

石油資源句会・作者発表

発表です。

水切りの石選びをる九月尽      廣島屋  
ひまし油の匂ひただよふ村芝居    廣島屋   朝海不あ
秋水に五島高資のやうな顔      廣島屋   露四
野分跡には源さんが来るといふ    廣島屋   朝海露不け亜
秋の空スーパーカブがあればよし   廣島屋   朝け

西瓜食ぶ碁石のやうに種並べ     海太    ダあ由
油断して草の穂絮に捲かれたる    海太    け
秋高し競馬資金は紙屑に       海太    け
OLが隣に源氏鶏太の忌       海太    廣あ亜
灯火親し紙本貸本昔本        海太    廣四

墓石に触れて秋風にも触れる     露結    朝海廣不四
秋の蛇重油流れてゐたりけり     露結    不
色変へぬ松や民俗資料館       露結    朝ダ亜由
ハヤシライスの語源は知らず秋風裡  露結  
醤油皿に醤油まあるく鰯雲      露結    廣不あ亜

石綿を詰めて秋夜のぬひぐるみ    けんじ  
ししとうの油を切りし良夜かな    けんじ   露由
蚯蚓鳴く資料の数多放置され     けんじ   朝廣不
源氏名で呼ばれてゐたる秋の蝶    けんじ   海廣由
名月や傍観者達の街となり      けんじ   ダ亜

石釜の奥あかあかと長き夜      あんこ  
鳥渡る油の泡の金色に        あんこ   ダ
受話器より融資の話稲の花      あんこ   海不亜由
虫の声光源の絞られてゆく      あんこ   朝ダ
大花野プロトタイプの壱号機     あんこ   ダ廣四

石鹸は手に沿ふかたちつづれさせ   朝比古   ダ海露廣不亜四
秋の夜の油へ注ぐ油かな       朝比古   露
秋晴れの資料の厚き会議かな     朝比古   け
源泉へ向かふなかばの薄かな     朝比古  
高きより台風の眼を見てゐたり    朝比古   露あ四

石段の彩度増しゆく夜寒かな     ダイスケ  露
胡麻油の中で泳ぎぬ秋の夢      ダイスケ  露由
資盛の末期の文や鳥渡る       ダイスケ  海不
水源の村しづかなり稲の花      ダイスケ  朝廣亜
氷屋の軒先ひそと曼珠沙華      ダイスケ  露四

石仏に頭突きしてゐる鬼やんま    不孤    ダけ
月白の油滴天目茶碗かな       不孤    由
資料集のフォントまちまちちちろの夜 不孤    ダ廣あ亜
源氏名のやうな俳号濃龍胆      不孤    朝海由
秋高し磴につまづく向う脛      不孤    け

虫時雨宝石箱が閉まらない      由季    ダ海露不あけ亜
秋すさぶ油淋鶏がひと皿目      由季    亜四
邯鄲の数学的な資質かな       由季    朝ダ海
音源は夫の部屋なり十三夜      由季    四
連絡の手段は芋茎のみとなり     由季    不け四

石室の湿りてゐたる後の月      亜紀    海あ四
胡麻油香り秋めく三丁目       亜紀  
資産家の多き界隈虫の闇       亜紀    あけ由
海外用電源プラグ抜き良夜      亜紀    露あ
油断してしまひしことも月今宵    亜紀  
飛蝗飛ぶオセロの白が黒になり    亜紀    朝あ

根絶やしの石を並べて秋澄めり    四童    廣由
焼き払ふ油脂の容器や鰯雲      四童  
食欲の秋なり資本投下せむ      四童    け
源内の発明したる自動鰡       四童    由
木犀も今年は遅き誕生日       四童  

以上。(集計:不孤)

2013年9月29日日曜日

石油資源句会・投句一覧

お待たせしました。

【石】
根絶やしの石を並べて秋澄めり
水切りの石選びをる九月尽
西瓜食ぶ碁石のやうに種並べ
石釜の奥あかあかと長き夜
石鹸は手に沿ふかたちつづれさせ
石室の湿りてゐたる後の月
石段の彩度増しゆく夜寒かな
石仏に頭突きしてゐる鬼やんま
石綿を詰めて秋夜のぬひぐるみ
虫時雨宝石箱が閉まらない
墓石に触れて秋風にも触れる

【油】
ししとうの油を切りし良夜かな
ひまし油の匂ひただよふ村芝居
月白の油滴天目茶碗かな
胡麻油の中で泳ぎぬ秋の夢
胡麻油香り秋めく三丁目
秋すさぶ油淋鶏がひと皿目
秋の蛇重油流れてゐたりけり
秋の夜の油へ注ぐ油かな
焼き払ふ油脂の容器や鰯雲
鳥渡る油の泡の金色に
油断してしまひしことも月今宵
油断して草の穂絮に捲かれたる

【資】
資産家の多き界隈虫の闇
資盛の末期の文や鳥渡る
資料集のフォントまちまちちちろの夜
受話器より融資の話稲の花
秋高し競馬資金は紙屑に
秋水に五島高資のやうな顔
秋晴れの資料の厚き会議かな
色変へぬ松や民俗資料館
食欲の秋なり資本投下せむ
蚯蚓鳴く資料の数多放置され
邯鄲の数学的な資質かな

【源】
OLが隣に源氏鶏太の忌
ハヤシライスの語源は知らず秋風裡
音源は夫の部屋なり十三夜
海外用電源プラグ抜き良夜
源氏名で呼ばれてゐたる秋の蝶
源氏名のやうな俳号濃龍胆
源泉へ向かふなかばの薄かな
源内の発明したる自動鰡
水源の村しづかなり稲の花
虫の声光源の絞られてゆく
野分跡には源さんが来るといふ

【当季雑詠】
高きより台風の眼を見てゐたり
秋の空スーパーカブがあればよし
秋高し磴につまづく向う脛
醤油皿に醤油まあるく鰯雲
大花野プロトタイプの壱号機
灯火親し紙本貸本昔本
飛蝗飛ぶオセロの白が黒になり
氷屋の軒先ひそと曼珠沙華
名月や傍観者達の街となり
木犀も今年は遅き誕生日
連絡の手段は芋茎のみとなり

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月4日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年9月19日木曜日

石油資源句会・出題

再開第69回目の出題です。

【石】
【油】
【資】
【源】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:9月28日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

掘立小屋句会・作者発表

さくさくと発表です。

掘り当ててみれば秋思のごときもの  露結    廣ダ海朝由亜け
秋灯の立喰蕎麦をめざしけり     露結    苑朝
秋風や小便小僧小便す        露結    ダ四
うどん屋のその後は知らずいわし雲  露結    廣海朝あ亜
暗がりに新酒を嗅いでをりにけり   露結    廣朝あ不由亜け

掘られたるさつまいもまだ土に濡れ  ダイスケ  露由亜
立直せむと点棒触るる夜寒かな    ダイスケ  
供へたる色とりどりの小菊かな    ダイスケ  苑あ
屋上に月見団子や数百個       ダイスケ  苑
あさがほや神社は匂ひまで神社    ダイスケ  朝四あ由

敬老の日に落とし穴掘り終へて    廣島屋   海苑露不由
蔦紅葉三点倒立稽古中        廣島屋  
小商ひばかりしながら鳳仙花     廣島屋   あ
屋根裏に手記の置かるる良夜かな   廣島屋   海由亜
古書店をまるごと買ひし残暑かな   廣島屋   海露四由け

あかあかと巨大掘削機へ秋日     苑を  
黄葉ひとひら国立駅のロータリー   苑を    ダ朝あ
秋深む小人とありて遊園地      苑を    朝
しもた屋の短き庇実南天       苑を    ダ
おろおろと生きて愛してゑのこ草   苑を  

掘削の傷の癒えたる秋桜       海太  
立話から寝技まで案山子翁      海太    廣ダ露四不
墓地転じて小学校  転じて花野    海太    あけ
屋根裏の裏雨月かも。郷田      海太  
蓮の実の飛んで姉妹の和解せる    海太    廣露

更生の半ばの藷を掘つてをり     朝比古   四け
秋の蝶立体交差くぐりゆく      朝比古   ダ露あ不亜
小上りに運ばれてゆく秋の鯖     朝比古   廣海苑四不け
屋上の祠に小鳥来てゐたり      朝比古   由
ことごとく水を弾きて黒葡萄     朝比古   廣ダ海苑

掘り浅く刻まれていく居待月     けんじ  
白桃の産毛のすべて立つてゐる    けんじ   廣
大小を取り混ぜておく鰯雲      けんじ   四由亜
屋根裏に窓はなくとも良夜かな    けんじ   廣ダ
白猫を連れし死神来る九月      けんじ  

掘るやうに深呼吸する秋の空     あんこ   四不亜
青天に立たされてゐる曼珠沙華    あんこ   海由亜
小悪魔のまなこに野分ありにけり   あんこ   露四
きりぎりす湯屋への道の色づきぬ   あんこ   ダ
秋灯タロットカード並べをり     あんこ   苑朝

いつしんに穴掘り起す今日の月    亜紀    露け
立ち直る速さ競ふて秋桜       亜紀    廣
バスタブに泡を満たせば小鳥来る   亜紀    廣朝露
大部屋のがらんどうなる九月かな   亜紀    苑四
面立ちの馬に似てゐる案山子かな   亜紀    由
白線の前に棒立ち秋の暮       亜紀  
コスモスの丘に鐘鳴る大志かな    亜紀    ダ

掘際の難所を抜けて秋祭       由季  
鶏頭の赤を視界に倒立す       由季    朝四あ
ハムスターの小さき寝息二日月    由季    ダ苑露四あ不亜
鶏小屋に葛の重みのかかりをり    由季    ダ海苑あ不亜
無花果の怒りは空にぶつけたり    由季    け

掘り下げることなくたひら秋の暮   不孤  
立膝のをんなの煙草白桔梗      不孤    海朝け
秋空の小市民的会話かな       不孤    苑
秋の蚊を連れて酒屋の御用聞き    不孤    廣朝あ由亜け
擂粉木で煮干をつぶす敬老日     不孤    海

掘削の鉛直にして秋澄めり      四童    不
立待のめいめいの手に氷菓かな    四童    不
小さい秋とはどういう状態か述べよ  四童    海苑露不け
屋根裏に白蛇とゐる野分かな     四童    け
視野せまき台風の目と見つめ合ふ   四童    露不

以上。(集計:不孤)

2013年9月16日月曜日

掘立小屋句会・投句一覧

お待たせしました。

【掘】
あかあかと巨大掘削機へ秋日
いつしんに穴掘り起す今日の月
掘られたるさつまいもまだ土に濡れ
掘り下げることなくたひら秋の暮
掘り浅く刻まれていく居待月
掘り当ててみれば秋思のごときもの
掘るやうに深呼吸する秋の空
掘際の難所を抜けて秋祭
掘削の鉛直にして秋澄めり
掘削の傷の癒えたる秋桜
敬老の日に落とし穴掘り終へて
更生の半ばの藷を掘つてをり

【立】
黄葉ひとひら国立駅のロータリー
鶏頭の赤を視界に倒立す
秋の蝶立体交差くぐりゆく
秋灯の立喰蕎麦をめざしけり
青天に立たされてゐる曼珠沙華
蔦紅葉三点倒立稽古中
白桃の産毛のすべて立つてゐる
立ち直る速さ競ふて秋桜
立待のめいめいの手に氷菓かな
立直せむと点棒触るる夜寒かな
立膝のをんなの煙草白桔梗
立話から寝技まで案山子翁

【小】
バスタブに泡を満たせば小鳥来る
ハムスターの小さき寝息二日月
供へたる色とりどりの小菊かな
秋空の小市民的会話かな
秋深む小人とありて遊園地
秋風や小便小僧小便す
小さい秋とはどういう状態か述べよ
小悪魔のまなこに野分ありにけり
小商ひばかりしながら鳳仙花
小上りに運ばれてゆく秋の鯖
大小を取り混ぜておく鰯雲
墓地転じて小学校  転じて花野

【屋】
うどん屋のその後は知らずいわし雲
きりぎりす湯屋への道の色づきぬ
しもた屋の短き庇実南天
屋根裏に手記の置かるる良夜かな
屋根裏に窓はなくとも良夜かな
屋根裏に白蛇とゐる野分かな
屋根裏の裏雨月かも。郷田
屋上に月見団子や数百個
屋上の祠に小鳥来てゐたり
鶏小屋に葛の重みのかかりをり
秋の蚊を連れて酒屋の御用聞き
大部屋のがらんどうなる九月かな

【当季雑詠】
あさがほや神社は匂ひまで神社
おろおろと生きて愛してゑのこ草
コスモスの丘に鐘鳴る大志かな
ことごとく水を弾きて黒葡萄
暗がりに新酒を嗅いでをりにけり
古書店をまるごと買ひし残暑かな
視野せまき台風の目と見つめ合ふ
秋灯タロットカード並べをり
白線の前に棒立ち秋の暮
白猫を連れし死神来る九月
無花果の怒りは空にぶつけたり
面立ちの馬に似てゐる案山子かな
蓮の実の飛んで姉妹の和解せる
擂粉木で煮干をつぶす敬老日

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:9月20日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2013年9月7日土曜日

掘立小屋句会・出題

再開第68回目の出題です。

【掘】
【立】
【小】
【屋】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:9月14日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

無病息災句会・作者発表

お待たせしました。

銀漢にもつとも近き無人駅      露結    朝苑海あ四
病棟の白く大きく秋桜        露結    ダあ亜
わが息のわれを離るる秋の暮     露結    朝ダ四
災難のふりかかりたる唐辛子     露結    苑け
鶏頭になるよ眉間に皺よせて     露結    苑不け

加藤剛竹脇無我と栗拾ふ       ダイスケ  朝不露亜
臆病さうな顔をしてゐる案山子かな  ダイスケ  朝海あ亜け四
合唱の息継ぎの間の秋の蝉      ダイスケ  不
防災の日の柔らかき新豆腐      ダイスケ  朝苑露海あ亜
秋の日の赤きカバーのiPad      ダイスケ  苑四

八月を飲る南無阿弥陀仏と言うて   海太  
病巣とふ郷に籠りぬ一遍忌      海太  
令息に皺びつしりと生身魂      海太  
秋遍路災ひに多寡あるにはある    海太    ダ不
潤滑油ともラブオイルとも小鳥来る  海太  

秋の空猫撫でし子の無表情      けんじ   露亜
病室の窓開け放ちかなかなかな    けんじ  
砂浜の日陰姑息な西瓜割り      けんじ   不
災ひの消えて二匹の秋あかね     けんじ  
花野より声の聞こえてゐる下界    けんじ   海

無月なる劇場へトラック入る     あんこ   苑不露
病室へ運動会の届きけり       あんこ   露
なめらかな息の歌なり秋灯      あんこ  
災ひの石よ色なき風の中       あんこ  
コスモスの風に自転車包まるる    あんこ   苑亜

有耶無耶に済ませてあとは秋刀魚焼く 亜紀    苑ダ海け四
花カンナまた臆病と言はれけり    亜紀    ダ不
ため息の代はりに見上ぐ鰯雲     亜紀    海あ
震災忌巾着袋の口きゆつと      亜紀    朝ダ
キャプテンにガツンと言はれ夕月夜  亜紀    四
呼び出しのふたつ目で出る良夜かな  亜紀    海あけ四

汀から色無き風となりにけり     朝比古   あけ
病院の窓それぞれの秋灯       朝比古   海
宵闇を息急き切つて行ける人     朝比古  
夜学子の火災報知機押す仕草     朝比古   不
天辺のすこしこぼれてかき氷     朝比古   苑ダあ亜四

無蓋車に子ども詰め込み大花野    不孤    ダ亜
病院臭消す空調や涼新た       不孤    ダ
かなかなや息控えめに生きてゆく   不孤    朝露
災害の途切れなき世の鉦叩      不孤  
リストバンド着けて外泊生身魂    不孤  

無花果を煮詰めるために火を点ける  苑を    朝四
病院にスリッパ並ぶ残暑かな     苑を    露
芋虫と息子にくれてやるレタス    苑を    朝海け
災ひといふ字のごとく鶏頭花     苑を    ダ露海あ四
ふるさとの紐引けば消える秋灯    苑を    朝

月ひとつ無賃乗車を追ひかけて    四童    苑不露亜
仮病ぢやない仮病ぢやないと曼珠沙華 四童    不あ亜け
たくさんの穴開いてゐる虫の息    四童    露け
災厄の所為にしてゐる鰯雲      四童    け
凌霄花老婆の乳のごと下がり     四童  

以上。(集計:不孤)

2013年9月1日日曜日

無病息災句会・投句一覧

すみません、大変遅くなりました。
伏せていたり立て込んでいたりで世話人、青息吐息です。
選句締切も少し先にしました。悪しからず、ご了承願います。

【無】
加藤剛竹脇無我と栗拾ふ
銀漢にもつとも近き無人駅
月ひとつ無賃乗車を追ひかけて
秋の空猫撫でし子の無表情
汀から色無き風となりにけり
八月を飲る南無阿弥陀仏と言うて
無花果を煮詰めるために火を点ける
無蓋車に子ども詰め込み大花野
無月なる劇場へトラック入る
有耶無耶に済ませてあとは秋刀魚焼く

【病】
臆病さうな顔をしてゐる案山子かな
仮病ぢやない仮病ぢやないと曼珠沙華
花カンナまた臆病と言はれけり
病院にスリッパ並ぶ残暑かな
病院の窓それぞれの秋灯
病院臭消す空調や涼新た
病室の窓開け放ちかなかなかな
病室へ運動会の届きけり
病巣とふ郷に籠りぬ一遍忌
病棟の白く大きく秋桜

【息】
かなかなや息控えめに生きてゆく
たくさんの穴開いてゐる虫の息
ため息の代はりに見上ぐ鰯雲
なめらかな息の歌なり秋灯
わが息のわれを離るる秋の暮
芋虫と息子にくれてやるレタス
合唱の息継ぎの間の秋の蝉
砂浜の日陰姑息な西瓜割り
宵闇を息急き切つて行ける人
令息に皺びつしりと生身魂

【災】
災ひといふ字のごとく鶏頭花
災ひの消えて二匹の秋あかね
災ひの石よ色なき風の中
災害の途切れなき世の鉦叩
災難のふりかかりたる唐辛子
災厄の所為にしてゐる鰯雲
秋遍路災ひに多寡あるにはある
震災忌巾着袋の口きゆつと
防災の日の柔らかき新豆腐
夜学子の火災報知機押す仕草

【当季雑詠】
キャプテンにガツンと言はれ夕月夜
コスモスの風に自転車包まるる
ふるさとの紐引けば消える秋灯
リストバンド着けて外泊生身魂
花野より声の聞こえてゐる下界
鶏頭になるよ眉間に皺よせて
呼び出しのふたつ目で出る良夜かな
秋の日の赤きカバーのiPad
潤滑油ともラブオイルとも小鳥来る
天辺のすこしこぼれてかき氷
凌霄花老婆の乳のごと下がり

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:9月6日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年8月22日木曜日

無病息災句会・出題

再開第67回目の出題です。

【無】
【病】
【息】
【災】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:8月24日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

門外不出句会・作者発表

お待たせしました。

門を出て紙の軽さの秋の蝶      露結    海あ亜ダ廣四
外厠にほふ葡萄の熟れつくし     露結    け
墓が見え不眠の蚯蚓鳴きにけり    露結    ダ
まつすぐに沖へ出る船彼岸花     露結    海あ朝四
ほとばしる秋の花火や川の上     露結    ダ

炎昼や門に巡査が二人立ち      朝比古   露苑四
外国の人が喇叭を吹いて夏      朝比古   あ四
昔みな不良てんたうむしだまし    朝比古   露け廣四
ティッシュやや箱より出でて夜の秋  朝比古   苑あ亜ダ四
向かひ合ふグランドピアノ秋灯下   朝比古   露苑ダけ廣四

裏門の閂かけたまま花火       廣島屋   露海あけ
林火忌の慮外者らが集ひけり     廣島屋  
不入斗から来たといふ生身魂     廣島屋   苑あ亜け
秋出水玄孫の生まれ来た朝の     廣島屋  
ほとぼりもスープも冷めて初嵐    廣島屋   け

秋高しランナー多き桜田門      ダイスケ  朝
秋暑しゆつくり喋る外国語      ダイスケ  露苑海亜け四
灯火親し不意に買ひたる本ばかり   ダイスケ  海
出囃子に合はせて叩く秋扇      ダイスケ  苑朝け廣
名馬に肥ゆることゆるされし余生あり ダイスケ  露

九竅の一門だいじ秋団扇       海太  
さはやかに治外法権鬼ごつこ     海太  
八月や日米不戦俳句会        海太  
出来秋や蒔絵のやうな出席簿     海太    ダ四
男色の間のうすあかり帰雁忌よ    海太    露あ

黄落の門前町の路地に入る      苑を    朝廣
外反母趾の骨ずきずきと黄のカンナ  苑を    亜
不発弾沈ませてゐる秋の潮      苑を    露ダ朝
美術展出口から秋蝶二頭       苑を    海ダ
立秋の駅前でティッシュを配る    苑を  

門番のやうに立ちたるいぼむしり   けんじ   海朝廣
外回り影の消えたる秋の蝉      けんじ  
不可侵を決めこんでゐる秋の蚊帳   けんじ  
蟻地獄出でて上から倍返し      けんじ  
楽隠居ひまはりばかり見てゐたり   けんじ   廣

むらさきの色の空なる門火かな    あんこ   亜ダ
外国の匂ひの石鹸休暇明       あんこ   露海亜ダ
不老不死のうぜんかづら跋扈する   あんこ   苑
月の出へ素振り繰り返してゐたり   あんこ   苑亜朝
蝉の声沈殿したる小学校       あんこ   海亜朝

門口に夕刊の音さるすべり      亜紀    あけ
秋暑し調子外れのトランペット    亜紀    四
夕かなかな年齢いまだ不詳なる    亜紀    露あ
上出来のレース展開秋の空      亜紀    苑朝け
橋渡る人のまばらや涼新た      亜紀  
外野手の桁外れなる爽気かな     亜紀    廣
ビル風の片蔭を行く新都心      亜紀  

門からの生態系や秋澄めり      四童  
秋蝉の外国人にびつしりと      四童    朝廣
Fのかたち覚えて不良秋に入る    四童    廣
出汁をとるためだけの笊虫の夜    四童   
自転車で突つ込む凌霄かづらかな   四童    苑海あ亜

以上。(集計:不孤)

2013年8月18日日曜日

門外不出句会・投句一覧

お待たせしました。

【門】
むらさきの色の空なる門火かな
炎昼や門に巡査が二人立ち
黄落の門前町の路地に入る
九竅の一門だいじ秋団扇
秋高しランナー多き桜田門
門からの生態系や秋澄めり
門を出て紙の軽さの秋の蝶
門口に夕刊の音さるすべり
門番のやうに立ちたるいぼむしり
裏門の閂かけたまま花火

【外】
さはやかに治外法権鬼ごつこ
外回り影の消えたる秋の蝉
外国の人が喇叭を吹いて夏
外国の匂ひの石鹸休暇明
外反母趾の骨ずきずきと黄のカンナ
外野手の桁外れなる爽気かな
外厠にほふ葡萄の熟れつくし
秋暑しゆつくり喋る外国語
秋暑し調子外れのトランペット
秋蝉の外国人にびつしりと
林火忌の慮外者らが集ひけり

【不】
Fのかたち覚えて不良秋に入る
昔みな不良てんたうむしだまし
灯火親し不意に買ひたる本ばかり
八月や日米不戦俳句会
不可侵を決めこんでゐる秋の蚊帳
不入斗から来たといふ生身魂
不発弾沈ませてゐる秋の潮
不老不死のうぜんかづら跋扈する
墓が見え不眠の蚯蚓鳴きにけり
夕かなかな年齢いまだ不詳なる

【出】
ティッシュやや箱より出でて夜の秋
まつすぐに沖へ出る船彼岸花
蟻地獄出でて上から倍返し
月の出へ素振り繰り返してゐたり
秋出水玄孫の生まれ来た朝の
出汁をとるためだけの笊虫の夜
出来秋や蒔絵のやうな出席簿
出囃子に合はせて叩く秋扇
上出来のレース展開秋の空
美術展出口から秋蝶二頭

【当季雑詠】
ビル風の片蔭を行く新都心
ほとばしる秋の花火や川の上
ほとぼりもスープも冷めて初嵐
楽隠居ひまはりばかり見てゐたり
橋渡る人のまばらや涼新た
向かひ合ふグランドピアノ秋灯下
自転車で突つ込む凌霄かづらかな
蝉の声沈殿したる小学校
男色の間のうすあかり帰雁忌よ
名馬に肥ゆることゆるされし余生あり
立秋の駅前でティッシュを配る 

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:8月20日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年8月13日火曜日

門外不出句会・出題

再開第66回目の出題です。

【門】
【外】
【不】
【出】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:8月17日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

美辞麗句句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

美人画の汗をかかざる美人かな     露結    ダ四
炎天をまつすぐに来て職を辞す     露結    朝海不け四
「麗しのサブリナ」を見て昼寝せる   露結    あ
辞世句を考へてゐる油照        露結  
寝違へて斜めに泳ぐ金魚かな      露結    朝亜

蟷螂の立ちたる美しき角度       朝比古   苑ダ不亜
金魚売辞表を書いてゐたりけり     朝比古   海ダ露
麗人の麗人のまま水打てり       朝比古   海四
かの人の句集のやうな浴衣かな     朝比古   苑海四
扇風機場末の音のしてゐたり      朝比古   苑海ダ亜あ

ジブリのやうに美瑛の丘に夏果つる   苑を  
菩提寺を辞し蝉しぐれ蝉しぐれ     苑を    ダ亜あ
「麗しのサブリナ」サイダー欲しくなる 苑を    露四
句会ですか苦界ですかと蠅が飛ぶ    苑を    け
川遊びして昼寝して星を観る      苑を    不

片時も離れぬ美猫秋暑し        海太    亜け
秋あふぎ世辞は撒餌のやうなもの    海太    け
踊子の十指麗し殊に小指        海太    四
肴あれば肴に文句秋風鈴        海太    ダけ
稲妻や枕を二つ並べたまま       海太    露亜あ

美談なく男だらけのビヤガーデン    けんじ  
腑に落ちぬ辞書の解説原爆忌      けんじ  
秋麗萎縮してゐる飛行船        けんじ  
酔眠の挙句灼熱終戦日         けんじ  
柱間を抜けし灯籠の薄明かり      けんじ  

かなかなや暗き匂ひの美術室      あんこ   朝海ダ露不亜四
秋桜答辞のやうに揺れてゐし      あんこ   ダ
麗かに横たはりたる黒葡萄       あんこ  
句読点打ちたくなりし蝉時雨      あんこ   不亜
池袋漫画喫茶のシャワー浴ぶ      あんこ   苑不

敗戦日美形ばかりの映画かな      ダイスケ  朝海あ
秋思して国語辞典を買ひ替へぬ     ダイスケ  朝
秋麗や故郷に初の高架駅        ダイスケ  苑露
愛情とは文句言ひ合ふ敗戦日      ダイスケ  
深夜テレビずつと熱帯魚を映す     ダイスケ  不あけ四

美しきアキレス腱や庭花火       亜紀    朝海不あ四
つくつくし一日辞書を引いてをり    亜紀    朝苑露不あけ
秋麗コーナーキック弧を描き      亜紀    朝海ダ
常套句ばかりに飽きて菊膾       亜紀    け
ホームベース踏み損ねたる夏の果    亜紀    朝苑四
せはしなきスマートフォンの指極暑   亜紀  
苦瓜の棉こそげ取ることも愛      亜紀    け

なしくづす男の美学かき氷       不孤    亜あ
短夜や辞世の一句更新す        不孤    ダ露
水打つて大原麗子の忌なりけり     不孤    朝苑海露
炎昼のひろば一言隻句無し       不孤  
転院の父の繰言団扇風         不孤    苑

美も善も走れ一億総残暑        四童    け
履歴書も辞表も白い夾竹桃       四童    苑露
百人の麗子の灯す物語         四童    不あ
俳句から文字の出てゐる秋の暮     四童  
翌日の風船といふ凌霄花        四童    露亜あ

以上。(集計:不孤)

 お、けんじさんは完全試合達成ですね。これはなかなかできることではありません。宝くじに当たったくらいの気持ちで次回もよろしくお願いします。(四童)

2013年8月11日日曜日

美辞麗句句会・投句一覧

【美】
かなかなや暗き匂ひの美術室
ジブリのやうに美瑛の丘に夏果つる
なしくづす男の美学かき氷
敗戦日美形ばかりの映画かな
美しきアキレス腱や庭花火
美も善も走れ一億総残暑
美人画の汗をかかざる美人かな
美談なく男だらけのビヤガーデン
片時も離れぬ美猫秋暑し
蟷螂の立ちたる美しき角度

【辞】
つくつくし一日辞書を引いてをり
炎天をまつすぐに来て職を辞す
金魚売辞表を書いてゐたりけり
秋あふぎ世辞は撒餌のやうなもの
秋桜答辞のやうに揺れてゐし
秋思して国語辞典を買ひ替へぬ
短夜や辞世の一句更新す
菩提寺を辞し蝉しぐれ蝉しぐれ
履歴書も辞表も白い夾竹桃
腑に落ちぬ辞書の解説原爆忌

【麗】
「麗しのサブリナ」サイダー欲しくなる
「麗しのサブリナ」を見て昼寝せる
秋麗コーナーキック弧を描き
秋麗や故郷に初の高架駅
秋麗萎縮してゐる飛行船
水打つて大原麗子の忌なりけり
百人の麗子の灯す物語
踊子の十指麗し殊に小指
麗かに横たはりたる黒葡萄
麗人の麗人のまま水打てり

【句】
かの人の句集のやうな浴衣かな
愛情とは文句言ひ合ふ敗戦日
炎昼のひろば一言隻句無し
句会ですか苦界ですかと蠅が飛ぶ
句読点打ちたくなりし蝉時雨
肴あれば肴に文句秋風鈴
辞世句を考へてゐる油照
常套句ばかりに飽きて菊膾
酔眠の挙句灼熱終戦日
俳句から文字の出てゐる秋の暮

【当季雑詠】
せはしなきスマートフォンの指極暑
ホームベース踏み損ねたる夏の果
稲妻や枕を二つ並べたまま
苦瓜の棉こそげ取ることも愛
寝違へて斜めに泳ぐ金魚かな
深夜テレビずつと熱帯魚を映す
川遊びして昼寝して星を観る
扇風機場末の音のしてゐたり
池袋漫画喫茶のシャワー浴ぶ
柱間を抜けし灯籠の薄明かり
転院の父の繰言団扇風
翌日の風船といふ凌霄花

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:8月13日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年8月4日日曜日

美辞麗句句会・出題

再開第65回目の出題です。

【美】
【辞】
【麗】
【句】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:8月10日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

三者凡退句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

三振のあと膨大な草いきれ       天気    不八朝独由廣亜
満月に忍者が軽くうなづいた      天気    あ苑け四
世志凡太東京ぼん太夏さみし      天気    あ苑露亜
中退の人とたのしむ冷素麺       天気    海
西瓜はなぜ永世中立国なのか      天気    ダ苑海不朝独亜

三人で来て順番に裸になる       露結    ダ苑海不八朝廣天
お見合いパーティ司会者の汗まみれ   露結    独由天
平凡な夫婦の夜の蚊遣り香       露結    苑不朝由
鬼退治されたる鬼が島の夏       露結    ダ苑八
恋人でなかつた頃の冷し酒       露結    あ海け由天四

羽蟻摘む三つ目なれば逃がしたり    八志    露由
萍や者共じっと控えおり        八志    あ廣
神輿行く凡そ半分担がずに       八志    ダ海け四
船虫は退却したり笑むごとく      八志    不天
干し草のなかに隠れてねむる莫迦    八志    あ露廣

三人の真中に置かれ西瓜かな      朝比古   あ不露由
歌舞伎者のごとくに潰すトマトかな   朝比古   あけ
凡例のごとくに冷し中華かな      朝比古   苑海露独廣四
後退るやうに進みし蟇蛙        朝比古   ダ不八由亜
客船と五色のテープ雲の峰       朝比古   独

裸の子三人くらゐみつくろひ      廣島屋   四
悪者に憧れてゐる夏休み        廣島屋   ダあ苑け八朝由四
早野凡平の帽子や夏料理        廣島屋   独
蚊柱と痴漢撃退グッズかな       廣島屋   海不朝独
閉店の告知貼りつつ生ビール      廣島屋   海け由

掬はれし金魚三匹死はまちまち     海太    露廣天
易者には解らぬ道や南風吹く      海太    独
凡庸に風を漕ぎをりハンモック     海太  
退き際に日も風もあり尺蠖の      海太  
生命線二つ開きし暑さかな       海太    あ八由

午前三時放送休止夜の秋        ダイスケ  露天
兄者と呼ばれ飲む酒辛し船遊      ダイスケ  独廣
凡例に書かれてをらぬ夏の果      ダイスケ  
早退の者ら集へる泉かな        ダイスケ  あ八朝露廣天亜
夏帽子くりかへしくりかへしはめなほし ダイスケ  

熱狂の三軒茶屋を出て涼し       独楽    四
夏風邪の患者がひとり宙に舞ふ     独楽    け露天
非凡なる泳ぎを教へたのは誰      独楽    ダ海け不
白靴に履き替え今朝は退院す      独楽    朝由亜四
彼の人に彼氏がゐるといふ大暑     独楽    ダ廣天

夏夕べ三段登るチャペルあり      けんじ   ダ不独四
影武者の集まつてゐる独活の花     けんじ   不八廣四
凡庸な面子の揃ふ夏祭り        けんじ   露由廣
退屈な短編小説まくはうり       けんじ   苑亜
日替はりのロケット鉛筆月涼し     けんじ  

夜濯の夫よ三番から歌ふ        あんこ   ダ苑海け露独由廣天亜四
編集者登山小屋から催促す       あんこ   海不
凡人へ踏切ひらく立葵         あんこ   け八天亜
退けば広くなる海青岬         あんこ   ダ海由四
籐椅子に謝る時を待つてゐる      あんこ   ダ朝亜四

三界の炎に灼かれ御徒町        苑を    独亜
水槽に静かな患者たちの夏       苑を    あ八独天亜
凡人としてナイターを観戦す      苑を    け朝亜
退学の少年の指かきごほり       苑を    朝
大夕焼死ぬまで踊るボレロかな     苑を    朝亜

弁当ののちの車中の三尺寝       不孤    あ四
行水の水を惜しむも小者かな      不孤    け八
凡例は詠読まれぬものよ雨安居     不孤  
入退室管理システム指の汗       不孤  
蛇の衣わつとつまむは女子ばかり    不孤  

夏の夜の三面鏡に我われ吾       亜紀    海
論者みな広間に集ふ西瓜かな      亜紀    苑八朝露
九回の凡打で終る夏の果        亜紀    苑八
油虫退路断たれて撃沈す        亜紀  
明後日になればわかるよバナナの斑   亜紀    朝
常駐の管理人室メロンの香       亜紀    ダ苑海不
驟雨みな大慌てなる大通り       亜紀    ダ苑け由四


夕焼にほどよきサイズ三ノ宮      由季    朝廣天亜
南風忍者屋敷の破損箇所        由季  
凡例にある色全て使ふ虹        由季    あけ不独
衰退の街昼顔にふちどられ       由季    あ苑不八露独
片蔭にある牢獄のやうな窓       由季    ダ海け廣天

夏雲や三人ゐれば二人つく       四童    天
日焼して忍者見えなくなりにけり    四童  
凡例を読んだことなき木槿かな     四童  
退場の赤あざやかなかき氷       四童    あ露
母親の見てゐる前で雲の峰       四童    八露廣

以上。(集計:不孤)

2013年7月30日火曜日

三者凡退句会・投句一覧

 たいへんお待たせしました。

【三】
羽蟻摘む三つ目なれば逃がしたり
夏の夜の三面鏡に我われ吾
夏雲や三人ゐれば二人つく
夏夕べ三段登るチャペルあり
掬はれし金魚三匹死はまちまち
午前三時放送休止夜の秋
三界の炎に灼かれ御徒町
三振のあと膨大な草いきれ
三人で来て順番に裸になる
三人の真中に置かれ西瓜かな
熱狂の三軒茶屋を出て涼し
弁当ののちの車中の三尺寝
夜濯の夫よ三番から歌ふ
夕焼にほどよきサイズ三ノ宮
裸の子三人くらゐみつくろひ

【者】
お見合いパーティ司会者の汗まみれ
悪者に憧れてゐる夏休み
易者には解らぬ道や南風吹く
影武者の集まつてゐる独活の花
夏風邪の患者がひとり宙に舞ふ
歌舞伎者のごとくに潰すトマトかな
兄者と呼ばれ飲む酒辛し船遊
行水の水を惜しむも小者かな
水槽に静かな患者たちの夏  
南風忍者屋敷の破損箇所
日焼して忍者見えなくなりにけり
編集者登山小屋から催促す
満月に忍者が軽くうなづいた
論者みな広間に集ふ西瓜かな
萍や者共じっと控えおり

【凡】
九回の凡打で終る夏の果
神輿行く凡そ半分担がずに
世志凡太東京ぼん太夏さみし
早野凡平の帽子や夏料理
非凡なる泳ぎを教へたのは誰
平凡な夫婦の夜の蚊遣り香
凡人としてナイターを観戦す
凡人へ踏切ひらく立葵
凡庸な面子の揃ふ夏祭り
凡庸に風を漕ぎをりハンモック
凡例にある色全て使ふ虹
凡例に書かれてをらぬ夏の果
凡例のごとくに冷し中華かな
凡例は詠読まれぬものよ雨安居
凡例を読んだことなき木槿かな

【退】
蚊柱と痴漢撃退グッズかな
鬼退治されたる鬼が島の夏
後退るやうに進みし蟇蛙
衰退の街昼顔にふちどられ
船虫は退却したり笑むごとく
早退の者ら集へる泉かな
退き際に日も風もあり尺蠖の
退けば広くなる海青岬
退学の少年の指かきごほり
退屈な短編小説まくはうり
退場の赤あざやかなかき氷
中退の人とたのしむ冷素麺
入退室管理システム指の汗
白靴に履き替え今朝は退院す
油虫退路断たれて撃沈す

【当季雑詠】
夏帽子くりかへしくりかへしはめなほし
干し草のなかに隠れてねむる莫迦
客船と五色のテープ雲の峰
蛇の衣わつとつまむは女子ばかり
常駐の管理人室メロンの香
生命線二つ開きし暑さかな
西瓜はなぜ永世中立国なのか
大夕焼死ぬまで踊るボレロかな
日替はりのロケット鉛筆月涼し
彼の人に彼氏がゐるといふ大暑
閉店の告知貼りつつ生ビール
片蔭にある牢獄のやうな窓
母親の見てゐる前で雲の峰
明後日になればわかるよバナナの斑
恋人でなかつた頃の冷し酒
籐椅子に謝る時を待つてゐる
驟雨みな大慌てなる大通り

(以上)

15句選(特選、逆選なし)
選句締切:8月2日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から15句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年7月20日土曜日

三者凡退句会・出題

再開第64回目の出題です。

【三】
【者】
【凡】
【退】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月27日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

赤方偏移句会・作者発表

お待たせしました。
廣島屋さん、いらっしゃいませ。よろしければ初参加のご感想を。

清流に馴染める赤の水着かな    海太   四露亜ダ由
方言の少年H龍之介忌       海太  
ページ進む偏に夏の風邪の所為   海太  
夏大根女満別より移動中      海太   露独
天地を異にしてシャワーヘッドかな 海太   ダあ

赤チンの乾きし光夾竹桃      朝比古  露亜あ
野方から沼袋まで夕立かな     朝比古  四露亜あ由廣
偏食のまま果てにけり兜虫     朝比古  露亜け
移り気な飛び方見せて瑠璃揚羽   朝比古  あ
凸凹に揮毫されたる団扇かな    朝比古  四亜由

昭和とふ言葉美し赤楝蛇      露結  
風鈴を吊るに吉方あるらしき    露結   朝独
峰雲や峰の偏るひとところ     露結   朝ダ
妻の手に移す蛍火妻を離れ     露結   ダ
自転車に乗れぬ母あり吊忍     露結   朝海あ独由

赤ゑいに乗りたる心地して溽暑   廣島屋  海
炎昼や方違へして逢ひにゆく    廣島屋  海独
端居して金偏の文字書きたがり   廣島屋  独
移植ごてゆつくり洗ふ夏の果    廣島屋  由
蛇衣を脱ぎ終へてから晩御飯    廣島屋  四海

夕焼にテールランプの赤溢る    ダイスケ 朝海亜け
はだけ方様々ありて熱帯夜     ダイスケ 四朝露海亜け独
偏食の祖母やバナナを愛したる   ダイスケ 由
夜釣人移動せぬまま夜は明けぬ   ダイスケ け
標識の地の青に触る炎暑かな    ダイスケ  

コインロッカー赤く点れる夜の涼し 亜紀  
言ひ分は双方向に浮いて来い    亜紀   海あ廣
うたた寝の右に偏るアロハシャツ  亜紀   四朝露あ由
一斉に移動してゐるかたつむり   亜紀   四ダけ由
青蔦の伸びて途方もなき館     亜紀   四朝ダけ独由廣
ちらし寿司真白き皿の数幾つ    亜紀   ダ
泉湧く翼あるものやすらへば    亜紀  

赤外線避けて飛びたり夏の蝶    けんじ  四由廣
方眼紙緩み青田となりにけり    けんじ  
大花火弾け生まるる偏頭痛     けんじ  
夏の雨嗅覚移植されてゐる     けんじ  廣
環七の砕けち散りたる西瓜かな   けんじ  廣

赤き夏南部英語の低き声      あんこ  廣
方舟のひとりとなりぬ夕焼空    あんこ  ダ独
ひまはりの偏屈なかほしてゐたり  あんこ  ダ独
サーカスの移動してゐる夏の月   あんこ  朝亜独廣
夏夕ブルーノートの紛れをり    あんこ  

アスファルト灼け赤坂のチンドン屋 独楽  
方法は幾多もあれど薔薇の花    独楽   四あけ
偏屈と言はれやうとも水を打つ   独楽   四あけ由
移植ごて洗ふ今夜も熱帯夜     独楽  
礼服の灼かれて野外結婚式     独楽   朝露海亜け廣

赤門の灼けてくぐるをためらへり  由季   独
方舟をやりすごしたる優曇華よ   由季   あ
夏の雲斯くも偏るアンケート    由季   海亜け
白南風が連れ来し移動動物園    由季   露け
落し文旅の多難の始まりは     由季   朝露海

赤ちやうちん赤色エレジー金魚玉  四童   露
片方を流してしまふ雲の峰     四童  
偏頭痛ゆつくり回る走馬燈     四童   露ダ廣
風鈴がたくさん移動販売車     四童   朝亜ダ
金魚屋の水の如くに太りけり    四童   海あ廣

(以上)

集計:四童

2013年7月15日月曜日

赤方偏移句会・投句一覧

 お待たせしました。

【赤】
アスファルト灼け赤坂のチンドン屋
コインロッカー赤く点れる夜の涼し
昭和とふ言葉美し赤楝蛇
清流に馴染める赤の水着かな
赤き夏南部英語の低き声
赤ちやうちん赤色エレジー金魚玉
赤チンの乾きし光夾竹桃
赤ゑいに乗りたる心地して溽暑
赤外線避けて飛びたり夏の蝶
赤門の灼けてくぐるをためらへり
夕焼にテールランプの赤溢る

【方】
はだけ方様々ありて熱帯夜
炎昼や方違へして逢ひにゆく
言ひ分は双方向に浮いて来い
青蔦の伸びて途方もなき館
風鈴を吊るに吉方あるらしき
片方を流してしまふ雲の峰
方眼紙緩み青田となりにけり
方言の少年H龍之介忌
方舟のひとりとなりぬ夕焼空
方舟をやりすごしたる優曇華よ
方法は幾多もあれど薔薇の花
野方から沼袋まで夕立かな

【偏】
うたた寝の右に偏るアロハシャツ
ひまはりの偏屈なかほしてゐたり
ページ進む偏に夏の風邪の所為
夏の雲斯くも偏るアンケート
大花火弾け生まるる偏頭痛
端居して金偏の文字書きたがり
偏屈と言はれやうとも水を打つ
偏食のまま果てにけり兜虫
偏食の祖母やバナナを愛したる
偏頭痛ゆつくり回る走馬燈
峰雲や峰の偏るひとところ

【移】
サーカスの移動してゐる夏の月
移り気な飛び方見せて瑠璃揚羽
移植ごてゆつくり洗ふ夏の果
移植ごて洗ふ今夜も熱帯夜
一斉に移動してゐるかたつむり
夏の雨嗅覚移植されてゐる
夏大根女満別より移動中
妻の手に移す蛍火妻を離れ
白南風が連れ来し移動動物園
風鈴がたくさん移動販売車
夜釣人移動せぬまま夜は明けぬ

【当季雑詠】
ちらし寿司真白き皿の数幾つ
夏夕ブルーノートの紛れをり
環七の砕けち散りたる西瓜かな
金魚屋の水の如くに太りけり
自転車に乗れぬ母あり吊忍
蛇衣を脱ぎ終へてから晩御飯
泉湧く翼あるものやすらへば
天地を異にしてシャワーヘッドかな
凸凹に揮毫されたる団扇かな
標識の地の青に触る炎暑かな
落し文旅の多難の始まりは
礼服の灼かれて野外結婚式

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:7月17日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年7月11日木曜日

赤方偏移句会・出題

再開第63回目の出題です。

【赤】
【方】
【偏】
【移】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月14日(日)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

散房花序句会・作者発表

薄暑なり戸のふはふはと散髪屋     天気    海不四由
ちよつとのま茶房ブラジルにて涼む   天気    朝あ不苑由亜
音まみれ光まみれに大花火       天気    亜
空のいろ縁台将棋まだ序盤       天気    朝
終バスの煌々とあり夏は来ぬ      天気    朝海独

白南風や床に髪散る理髪店       露結    ダけ亜
房総は遠きところや浜万年青      露結    独
窓閉ぢし妻のうしろや花柘榴      露結    四
序文のみ読みて書を伏す雲の峰     露結    海け
心太いま胃袋を通過せり        露結    朝四け

釣堀に人散らばつてゐたりけり     朝比古   あ不四苑由天独
人間の房となりけりハンモック     朝比古   あ海露不由ダ独
サングラス真紅の薔薇を買つてをり   朝比古   あ
いろいろの序で出てくる帰省かな    朝比古   海不
赤んぼへ顔を作りてサングラス     朝比古   ダ亜

龍角散ビルきらめくや露涼し      ダイスケ  
瓜番の官房長官といふ渾名       ダイスケ  四独
あんみつや大助・花子しやべる昼    ダイスケ  露苑天独
夏座蒲団子らの手習ひ仮名序かな    ダイスケ  
スワンボートゆたゆたと競り合つてをり ダイスケ  け

散骨や我も孤島の黒揚羽        海太    不独
涼風や海豚の匂ふ安房の国       海太    朝露ダ亜
花街の蟻花街を出たがらず       海太    朝露不四由ダ天
雲を釣る序でに鮎を釣りにけり     海太  
一山を檻のごとくに目白鳴く      海太    露け

合歓の花散るや混沌の始まり      独楽    天
独房の壁に描かれし花菖蒲       独楽    露け
花アカシアマヨネーズ持ち歩く人    独楽    露不苑ダけ
短夜のエヴァンゲリオン序説かな    独楽    あ
月涼し欽ちゃん走りダイエット     独楽  

夏の雷散り散りになる雀かな      けんじ  
一房の葡萄からから鳴りにけり     けんじ   露
波立てぬやうに開きし水中花      けんじ   海露ダ
蟻の巣の秩序そのまま水没す      けんじ   海露不四由ダ天独
スマートフォン床に転がし夏寝覚    けんじ  

退場のダンサー闇へ汗の散り      あんこ  
白日傘房のかたちの開かるる      あんこ  
空つぽの家凌霄花湧き上がる      あんこ   海由
序盤より飛ばす演奏生ビール      あんこ   不苑由ダ天亜独
夕立後大気傷つけぬやう歩く      あんこ   四苑由亜独

ほろほろと花火の散つてあかい空    苑を    ダけ亜
独房のやうなホテルと海酸漿      苑を    由天
遠花火母の流れる九十九川       苑を  
選挙カー序盤戦から暑苦し       苑を  
波音の遠のいてゆく枇杷の種      苑を    あ海亜

七夕や往古の恋の散らし書き      不孤  
閨房のさらに清しき蚊帳の内      不孤    朝け
花合歓の蕊こそばゆき夕べかな     不孤    あけ
明易の母の雁塔聖教序         不孤  
泰山木近づけば花消えてゆく      不孤    あ

夏蝶の当たり散らしてゆく白昼     亜紀    露不四苑由け
工房の窓を満たせる雲の峰       亜紀    あ天
花柄の水着伸びるよ試着室       亜紀    朝あ露四苑独
ところてん話す序でに聞く話      亜紀    海苑由ダ
サングラス準備体操念入りに      亜紀    朝由天
片蔭に治まる猫の仕草なる       亜紀  

カンナ咲く温泉通り閑散と       由季    朝あ海四苑亜
西日差す知りつくしたる厨房に     由季    朝海四苑亜
金魚玉越し花柄のワンピース      由季    朝不四苑天亜
香水は順序最後と決めてゐる      由季    海独
合歓の花大勢でする雨宿り       由季    朝あ露苑ダけ天亜

散歩即ハイビスカスとなりにけり    四童    天
みどりごで乳房を隠す端居かな     四童    ダ
団地あゝ悪だくみする凌霄花      四童    あ独
耳打ちの序でに噛めり盆踊       四童    不
炎昼の終はるところが夜の国      四童    け天

以上。(集計:不孤)

2013年7月7日日曜日

散房花序句会・投句一覧

お待たせしました。
【散】
カンナ咲く温泉通り閑散と
ほろほろと花火の散つてあかい空
夏の雷散り散りになる雀かな
夏蝶の当たり散らしてゆく白昼
合歓の花散るや混沌の始まり
散骨や我も孤島の黒揚羽
散歩即ハイビスカスとなりにけり
七夕や往古の恋の散らし書き
退場のダンサー闇へ汗の散り
釣堀に人散らばつてゐたりけり
白南風や床に髪散る理髪店
薄暑なり戸のふはふはと散髪屋
龍角散ビルきらめくや露涼し

【房】
ちよつとのま茶房ブラジルにて涼む
みどりごで乳房を隠す端居かな
一房の葡萄からから鳴りにけり
瓜番の官房長官といふ渾名
工房の窓を満たせる雲の峰
人間の房となりけりハンモック
西日差す知りつくしたる厨房に
独房のやうなホテルと海酸漿
独房の壁に描かれし花菖蒲
白日傘房のかたちの開かるる
房総は遠きところや浜万年青
涼風や海豚の匂ふ安房の国
閨房のさらに清しき蚊帳の内

【花】
あんみつや大助・花子しやべる昼
サングラス真紅の薔薇を買つてをり
遠花火母の流れる九十九川
音まみれ光まみれに大花火
花アカシアマヨネーズ持ち歩く人
花街の蟻花街を出たがらず
花合歓の蕊こそばゆき夕べかな
花柄の水着伸びるよ試着室
金魚玉越し花柄のワンピース
空つぽの家凌霄花湧き上がる
窓閉ぢし妻のうしろや花柘榴
団地あゝ悪だくみする凌霄花
波立てぬやうに開きし水中花

【序】
いろいろの序で出てくる帰省かな
ところてん話す序でに聞く話
雲を釣る序でに鮎を釣りにけり
夏座蒲団子らの手習ひ仮名序かな
蟻の巣の秩序そのまま水没す
空のいろ縁台将棋まだ序盤
香水は順序最後と決めてゐる
耳打ちの序でに噛めり盆踊
序盤より飛ばす演奏生ビール
序文のみ読みて書を伏す雲の峰
選挙カー序盤戦から暑苦し
短夜のエヴァンゲリオン序説かな
明易の母の雁塔聖教序

【当季雑詠】
サングラス準備体操念入りに
スマートフォン床に転がし夏寝覚
スワンボートゆたゆたと競り合つてをり
一山を檻のごとくに目白鳴く
炎昼の終はるところが夜の国
月涼し欽ちゃん走りダイエット
合歓の花大勢でする雨宿り
終バスの煌々とあり夏は来ぬ
心太いま胃袋を通過せり
赤んぼへ顔を作りてサングラス
泰山木近づけば花消えてゆく
波音の遠のいてゆく枇杷の種
片蔭に治まる猫の仕草なる
夕立後大気傷つけぬやう歩く

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:7月9日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年7月3日水曜日

散房花序句会・出題

再開第62回目の出題です。

【散】
【房】
【花】
【序】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月6日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

世界遺産句会・作者発表

発表です。

ひまはりや彼の世はことのほか白き   露結    直独四
界隈に居酒屋多し夏の月        露結    朝あ由
遺体しばらくほうつておけば蠅がくる  露結    直不由四
産道を出てしばらくの梅雨湿り     露結    四
スマートフォン時々汗を気にしつつ   露結    直亜

走馬灯あの世この世を往き来せり    直子  
蛍の夜結界超えて夫を訪ふ       直子    海不
遺精なほ老年にあり昼寝覚       直子  
Z旗のごとく産着の南風に乗る     直子  
被災者に夏帽を脱ぐ陛下かな      直子  
白南風の飛行機雲に「生きよかし」   直子  

片蔭の世田谷通り恋始まる       ダイスケ  朝あ不四
さみだれて界隈淡く青帯びぬ      ダイスケ  直け
遺言のはじめにサングラスのこと    ダイスケ  海不由独
夏暁や産業道路未だ静か        ダイスケ  あ直不
シャーベット爽やかに濃し伯爵邸    ダイスケ  朝あ露不由亜

軽鳧の子の出世頭のゐるごとく     朝比古   不
夏の夜の世界の歪む世界地図      朝比古  
三伏の遺書の書き方講座かな      朝比古   海独
万緑に水の産まるる処かな       朝比古   ダあ海
白南風やアラブの国の続き文字     朝比古   あ

蟻地獄理知が勝ちたる世の底に     海太  
界隈とは実梅の落ちてゐるところ    海太    ダ由
遺してはくれぬか蟻の塔図面      海太    独
老鶯の声の生産まだかまだか      海太  
紫陽花の褪せ加減でも見に行くか    海太    不由け亜四

夕焼のよく浸みてゐる世田谷区     独楽    ダ直露不由け亜
限界を超えて泰山木の花        独楽    あ海亜四
遺言のごとく佇む夏館         独楽    朝ダ海露由
産声の響く廊下や明易し        独楽    け亜
夏痩せといふものに憧れてゐる     独楽  

幼子の世界まるごと夕焼くる      亜紀    ダあ直け
あぢさゐの視界に消ゆる野球帽     亜紀    朝あ露由け
靴下あと残る素足の遺憾なり      亜紀    不け独
産土に風の生まるる晩夏かな      亜紀    海け
さざれ石真白きままに夏終る      亜紀    ダけ
サングラス外して越ゆる境界線     亜紀    露
一見の店に鮨食ふカウンター      亜紀  

仏法僧世渡りの下手の遺伝せし     けんじ   露
熱帯夜緩む界面活性剤         けんじ  
遺言の一つとなりし揚羽蝶       けんじ  
サイダーの泡の産まれしファンファーレ けんじ   朝直露
白壁を真つ直ぐつたふ蝸牛       けんじ  

逆光の神輿この世へ戻りたる      あんこ   朝直海露独亜四
炎昼や世界の果てを行く列車      あんこ   独
遺言書諾ふやうな扇風機        あんこ   不
産道の深し緑陰抜けてくる       あんこ   海不四
こあぢさゐトンネルの闇濡れてゐる   あんこ   朝ダ海由独亜

世に鎌を掛け蟷螂の生まれたり     由季    四
界隈の猫に新顔月見草         由季    ダけ
白靴のひとと遺跡を巡りをり      由季    朝ダあ海亜四
日本産アリ類画像データベース     由季  
猫の来るスペース残し籐椅子に     由季    独四

世知辛く押し出されたる心太      不孤    朝直露け独亜
鴉は山に三千世界の大昼寝       不孤    直
水着干されあり遺失物センター     不孤    あ露け亜四
浅草やサンバ繰り出す産婆連      不孤  
蛍狩蕎麦打プラスサプライズ      不孤  

隣から尾崎紀世彦グラジオラス     四童    ダ由独
梅雨闇の鏡世界にをんな立つ      四童    あ海露
遺失物引取に行く梅雨の闇       四童    直
産院の廊下のやうな梅雨晴間      四童    朝ダ露由亜
ざりがにを釣る刻々も双子かな     四童    朝ダ独

以上。(集計:不孤)

2013年6月30日日曜日

世界遺産句会・投句一覧

お待たせしました。

【世】
ひまはりや彼の世はことのほか白き
蟻地獄理知が勝ちたる世の底に
逆光の神輿この世へ戻りたる
軽鳧の子の出世頭のゐるごとく
世に鎌を掛け蟷螂の生まれたり
世知辛く押し出されたる心太
走馬灯あの世この世を往き来せり
仏法僧世渡りの下手の遺伝せし
片蔭の世田谷通り恋始まる
夕焼のよく浸みてゐる世田谷区
幼子の世界まるごと夕焼くる
隣から尾崎紀世彦グラジオラス

【界】
あぢさゐの視界に消ゆる野球帽
さみだれて界隈淡く青帯びぬ
サングラス外して越ゆる境界線
炎昼や世界の果てを行く列車
夏の夜の世界の歪む世界地図
界隈とは実梅の落ちてゐるところ
界隈に居酒屋多し夏の月
界隈の猫に新顔月見草
蛍の夜結界超えて夫を訪ふ
限界を超えて泰山木の花
熱帯夜緩む界面活性剤
梅雨闇の鏡世界にをんな立つ
鴉は山に三千世界の大昼寝

【遺】
遺してはくれぬか蟻の塔図面
遺言のごとく佇む夏館
遺言のはじめにサングラスのこと
遺言の一つとなりし揚羽蝶
遺言書諾ふやうな扇風機
遺失物引取に行く梅雨の闇
遺精なほ老年にあり昼寝覚
遺体しばらくほうつておけば蠅がくる
靴下あと残る素足の遺憾なり
三伏の遺書の書き方講座かな
水着干されあり遺失物センター
白靴のひとと遺跡を巡りをり

【産】
Z旗のごとく産着の南風に乗る
サイダーの泡の産まれしファンファーレ
夏暁や産業道路未だ静か
産院の廊下のやうな梅雨晴間
産声の響く廊下や明易し
産土に風の生まるる晩夏かな
産道の深し緑陰抜けてくる
産道を出てしばらくの梅雨湿り
浅草やサンバ繰り出す産婆連
日本産アリ類画像データベース
万緑に水の産まるる処かな
老鶯の声の生産まだかまだか

【当季雑詠】
こあぢさゐトンネルの闇濡れてゐる
さざれ石真白きままに夏終る
ざりがにを釣る刻々も双子かな
シャーベット爽やかに濃し伯爵邸
スマートフォン時々汗を気にしつつ
一見の店に鮨食ふカウンター
夏痩せといふものに憧れてゐる
蛍狩蕎麦打プラスサプライズ
紫陽花の褪せ加減でも見に行くか
猫の来るスペース残し籐椅子に
白南風の飛行機雲に「生きよかし」
白南風やアラブの国の続き文字
白壁を真つ直ぐつたふ蝸牛
被災者に夏帽を脱ぐ陛下かな

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:7月2日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年6月26日水曜日

世界遺産句会・出題

再開第61回目の出題です。

【世】
【界】
【遺】
【産】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月29日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

蚊帳吊草句会・作者発表

ダイスケさん、けんじさん、ようこそ! これからもよろしくお愉しみ下さい。

筋骨の隆々と蚊の来てゐたり      朝比古   露直四
噴水や少女の捲る単語帳        朝比古   あ不直け
風鈴を吊つて一級建築士        朝比古   海ダ不露直亜四け
旅人の疲れてゐたり夏の草       朝比古   あ不
埋立の海へ広がる草いきれ       朝比古   あ海直亜四

蚊にすこし宿酔の血をわけてやる    露結    不四け
蝙蝠の行き交ふ帳下ろしけり      露結    亜
てるてる坊主梅雨の重さに吊られあり  露結    あ海ダ亜独
客ひとりマスターひとり月見草     露結    朝海亜四け
夕立のあとコーヒー店よりひとりふたり 露結  

声あればきつと野太き声の蚊よ     ダイスケ  朝
スタンプあまたあり帰省子の自由帳   ダイスケ  朝け独
吊革をきらめかせたる夏日かな     ダイスケ  直
夏の星草野仁は出題す         ダイスケ  あ
荒南風が街に八百屋の香を散らす    ダイスケ  直四

血圧を気にする歳の蚊遣かな      独楽  
夏の夜の帳が下りて銀座かな      独楽    あ亜
廃屋に高く吊るせよ金魚玉       独楽    朝海不
蝉時雨草加煎餅の憂鬱         独楽    海
夏空を踏み壊すほどデモ隊は      独楽  

手心を加へ藪蚊を打つ少女       直子    海ダ
夏の夜の帳が包む矯正院        直子  
円安のどこまで行くや吊忍       直子    露
日日草駅前駐輪有料に         直子  
間諜の帰郷する夢水無月は       直子  

蚊蜻蛉の運ぶ荷物の遅延せり      けんじ  
蝙蝠の開き手帳となりにけり      けんじ  
夕闇に吊されてゐる夏袴        けんじ   ダ不露亜
草刈や影残さるる庭の端        けんじ   直独
十薬の祈り風力発電所         けんじ  

蚊喰鳥雲の重たくなつてきし      あんこ   朝露亜
文字跳ねしシステム手帳アイスティー  あんこ   亜
吊るされし操り人形夏の月       あんこ   朝直独
草いきれ既視感強くなりにけり     あんこ   朝独
夕立後グランドピアノの開かるる    あんこ   朝ダ不亜四独
 
藪蚊叩くAB型に相違なし       海太    あ四
几帳面な性格蟻の列糺す        海太    不け独
汗いちまい隔て鞄と吊革と       海太  
密会に傘密葬に袈裟草いきれ      海太  
白扇や僧が隣に岐阜羽島        海太    朝直

日盛りも闇もきらはず飛蚊症      不孤    露亜
句帳幾冊まつさらなままに紙魚     不孤    海四け
落ちさうで落ちぬ黒蔕吊りバナナ    不孤    け
百日草生家無住に朽ちゆくも      不孤    ダ
五分おきの目薬三種さみだるる     不孤    海ダ露四独

道場の傍らに置く蚊遣香        亜紀    朝あ海け独
帳面の日付飛び飛び百日紅       亜紀    ダ不露独
風鈴を吊れば幼きころのこと      亜紀    あけ
扇風機草臥れるまで首振つて      亜紀    朝あダけ独
風呂敷の唐草模様夏盛ん        亜紀    ダ直
カーソルをひとつ左に梅雨の月     亜紀    あ露直
胸板の厚き薄きやサングラス      亜紀    ダ四

蚊を打てば泡の飛び散る厨かな     四童    海不露
簡単な帳面どほり夾竹桃        四童  
吊り出しで麒麟児の勝ち花南瓜     四童    不露
祝詞では鎮められない夏の草      四童  
長袖で立つ網戸なき厨かな       四童

2013年6月23日日曜日

蚊帳吊草句会・投句一覧

お待たせしました。

【蚊】
蚊にすこし宿酔の血をわけてやる
蚊を打てば泡の飛び散る厨かな
蚊喰鳥雲の重たくなつてきし
蚊蜻蛉の運ぶ荷物の遅延せり
筋骨の隆々と蚊の来てゐたり
血圧を気にする歳の蚊遣かな
手心を加へ藪蚊を打つ少女
声あればきつと野太き声の蚊よ
道場の傍らに置く蚊遣香
日盛りも闇もきらはず飛蚊症
藪蚊叩くAB型に相違なし

【帳】
スタンプあまたあり帰省子の自由帳
夏の夜の帳が下りて銀座かな
夏の夜の帳が包む矯正院
簡単な帳面どほり夾竹桃
句帳幾冊まつさらなままに紙魚
帳面の日付飛び飛び百日紅
噴水や少女の捲る単語帳
文字跳ねしシステム手帳アイスティー
几帳面な性格蟻の列糺す
蝙蝠の開き手帳となりにけり
蝙蝠の行き交ふ帳下ろしけり

【吊】
てるてる坊主梅雨の重さに吊られあり
円安のどこまで行くや吊忍
汗いちまい隔て鞄と吊革と
吊り出しで麒麟児の勝ち花南瓜
吊るされし操り人形夏の月
吊革をきらめかせたる夏日かな
廃屋に高く吊るせよ金魚玉
風鈴を吊つて一級建築士
風鈴を吊れば幼きころのこと
夕闇に吊されてゐる夏袴
落ちさうで落ちぬ黒蔕吊りバナナ

【草】
夏の星草野仁は出題す
客ひとりマスターひとり月見草
祝詞では鎮められない夏の草
蝉時雨草加煎餅の憂鬱
扇風機草臥れるまで首振つて
草いきれ既視感強くなりにけり
草刈や影残さるる庭の端
日日草駅前駐輪有料に
百日草生家無住に朽ちゆくも
風呂敷の唐草模様夏盛ん
密会に傘密葬に袈裟草いきれ
旅人の疲れてゐたり夏の草

【当季雑詠】
カーソルをひとつ左に梅雨の月
夏空を踏み壊すほどデモ隊は
間諜の帰郷する夢水無月は
胸板の厚き薄きやサングラス
五分おきの目薬三種さみだるる
荒南風が街に八百屋の香を散らす
十薬の祈り風力発電所
長袖で立つ網戸なき厨かな
白扇や僧が隣に岐阜羽島
埋立の海へ広がる草いきれ
夕立のあとコーヒー店よりひとりふたり
夕立後グランドピアノの開かるる

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月25日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年6月19日水曜日

蚊帳吊草句会・出題

再開第60回目の出題です。

【蚊】
【帳】
【吊】
【草】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月22日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

隠蔽体質句会・作者発表

早々と発表です。

あぢさゐの路地を隠してゐたりけり  朝比古   独亜
熱帯魚なにかを遮蔽して泳ぐ     朝比古   直由
朝曇り体育座りの膝小僧       朝比古  
涼やかに戦ぐ質屋の暖簾かな     朝比古   不亜
キャッチャーのなり手がゐない朝曇  朝比古   露海独由亜

人妻よ蛇を隠してゐたるとふ     露結    海独幹
放射線遮蔽シートの草いきれ     露結    不直
サイダーを人の体に注ぎけり     露結    海四
「質」の字のピンクのネオン夏の月  露結    海朝
意味だけが微妙にずれてゆく梅雨入  露結    直

たとふれば隠居の体やごみ鯰     海太  
昼寝覚脳(なづき)を蔽ふもの一枚  海太  
名は体か百足の誤差を数へたる    海太  
うすうすと茂りの奥に質屋かな    海太    あ
蜘蛛の囲を避け蜘蛛の囲の人となる  海太    露由亜

隠れ咲くどくだみの香に酔ひにけり  直子  
町蔽ふ陰謀の影蚯蚓出づ       直子    露
山蛭を拒む体となりにけり      直子  
夕膳は粘着質のひき蛙        直子  
からつぽの脳に沁み入るかき氷    直子    あ
定年や屁糞葛の花盛り        直子    幹由亜

薔薇でなく紫陽花隠れ家レストラン  不孤    露海由
ハンカチや証人席を遮蔽して     不孤    あ由
体面の汚されてゆく夏の浜      不孤    独幹直四
職質を受けやすき路地梅雨の月    不孤    独直由
滝飛沫立ててソリティア上りけり   不孤    あ

父母に隠れて紅き水中花       独楽    露あ直四
日盛や遮蔽物無きパントマイム    独楽    不海幹亜
体裁も無く浮いてこい浮いてこい   独楽    不朝幹由
明易し蛋白質のひと欠片       独楽    不直四
ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる    独楽    不幹あ亜四

隠り世の道を知るなり杜若      藤幹子  
遮蔽無く水駆け上がる河鵜かな    藤幹子  
鹿の子百合仏の多く半裸体      藤幹子   露あ
薔薇園は腺病質の子どもなり     藤幹子   あ直
橋涼し光の網をほどけずに      藤幹子   独あ

隠し立てすることのなき蛍の夜    亜紀    独朝直
蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに    亜紀    海独朝由四
熱帯夜ソファに伸されゆく身体    亜紀  
上質なビールの泡を一息に      亜紀    海朝四
質問を繰り出してゐる浜日傘     亜紀    朝由
香水や四面楚歌なるエレベーター   亜紀    直
白南風のすぐに寝落ちる車窓かな   亜紀    海

父の日の父が朝より雲隠れ      由季    不露海幹亜
猛烈に遮蔽してゆく青蔦よ      由季    朝幹亜四
体質は遺伝と思ふかたつむり     由季    海朝亜四
青鷺が性質の良くない声を出し    由季  
昼顔や父の監督するチーム      由季    露幹あ四

隠密の天井にゐる夏料理       四童    不独朝幹あ
梅雨の夜の経絡遮蔽施術かな     四童  
たくさんの体液を出す夏料理     四童    不露独幹
電柱といふ電柱にかたばみ質店    四童    不露
蛹にも似て山梔子の蕾かな      四童  

階段の隠れてゐたり青葉木菟     あんこ  
夕立に遮蔽されたる祇園かな     あんこ   直由亜
体無きやうに海月の浮いてをり    あんこ   朝
恋愛体質バナナの黒くなるまでは   あんこ   不独四
遠ざかる雨に羽毛のやはらかさ    あんこ  

以上。(集計:不孤)

2013年6月16日日曜日

【追加】隠蔽体質句会・投句一覧

すみません、迷惑メールフォルダに引っかかってしまったものがありましたので、追加します。11句選で行きますので、すでに選を済まされた方も、もう一句選ぶなり全取っ替えするなりお願い致します。

【隠】
あぢさゐの路地を隠してゐたりけり
たとふれば隠居の体やごみ鯰
隠し立てすることのなき蛍の夜
隠り世の道を知るなり杜若
隠れ咲くどくだみの香に酔ひにけり
隠密の天井にゐる夏料理
階段の隠れてゐたり青葉木菟
人妻よ蛇を隠してゐたるとふ
父の日の父が朝より雲隠れ
父母に隠れて紅き水中花
薔薇でなく紫陽花隠れ家レストラン

【蔽】
ハンカチや証人席を遮蔽して
遮蔽無く水駆け上がる河鵜かな
蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに
昼寝覚脳(なづき)を蔽ふもの一枚
町蔽ふ陰謀の影蚯蚓出づ
日盛や遮蔽物無きパントマイム
熱帯魚なにかを遮蔽して泳ぐ
梅雨の夜の経絡遮蔽施術かな
放射線遮蔽シートの草いきれ
猛烈に遮蔽してゆく青蔦よ
夕立に遮蔽されたる祇園かな

【体】
サイダーを人の体に注ぎけり
たくさんの体液を出す夏料理
山蛭を拒む体となりにけり
鹿の子百合仏の多く半裸体
体裁も無く浮いてこい浮いてこい
体質は遺伝と思ふかたつむり
体無きやうに海月の浮いてをり
体面の汚されてゆく夏の浜
朝曇り体育座りの膝小僧
熱帯夜ソファに伸されゆく身体
名は体か百足の誤差を数へたる

【質】
「質」の字のピンクのネオン夏の月
うすうすと茂りの奥に質屋かな
質問を繰り出してゐる浜日傘
上質なビールの泡を一息に
職質を受けやすき路地梅雨の月
青鷺が性質の良くない声を出し
電柱といふ電柱にかたばみ質店
明易し蛋白質のひと欠片
夕膳は粘着質のひき蛙
涼やかに戦ぐ質屋の暖簾かな
恋愛体質バナナの黒くなるまでは
薔薇園は腺病質の子どもなり

【当季雑詠】
からつぽの脳に沁み入るかき氷
キャッチャーのなり手がゐない朝曇
ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる
意味だけが微妙にずれてゆく梅雨入
遠ざかる雨に羽毛のやはらかさ
橋涼し光の網をほどけずに
香水や四面楚歌なるエレベーター
滝飛沫立ててソリティア上りけり
蜘蛛の囲を避け蜘蛛の囲の人となる
昼顔や父の監督するチーム
定年や屁糞葛の花盛り
白南風のすぐに寝落ちる車窓かな
蛹にも似て山梔子の蕾かな

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月19日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

ただいま投句8名

6/16(日)23時まで締切を延期します。

2013年6月13日木曜日

隠蔽体質句会・出題

再開第59回目の出題です。

【隠】
【蔽】
【体】
【質】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月15日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

現地時間句会・作者発表

お待たせしました。

街薄暑現在位置のあかあかと      朝比古   幹
地軸ほど傾ぎてソフトクリームかな   朝比古   不由
はつなつのくびれの透きし砂時計    朝比古   四直あ不亜幹
間男の飛び出すやうに羽抜鶏      朝比古   直露不幹由独
ピーマンのみどり新緑より昏し     朝比古   四あ露

祭果て眠れる街の現はるる       直子    四
大滝の落ちて地球の重さかな      直子    海四亜独
どこまでも時軽くなる夏休み      直子    あ幹
畳屋の居間は洋間に燕子花       直子  
ぎよつとして鏡見つめる金魚かな    直子    あ

あぢさゐはすべて現在・過去・未来   露結  
夏の川地名に入りて地名を出づ     露結    海あ亜幹
峯雲や見上げてゐたる時刻表      露結    亜
次の間もまた次の間も心太       露結    海朝亜由
梅雨冷やタオルを干せる理髪店     露結    直

熱帯魚夢と現を廻りをり        あんこ   直幹
十薬や祝詞の太き地鎮祭        あんこ   海露不独
香水や古き時間の漂ひぬ        あんこ   直露幹由
水中花間奏曲へひらかるる       あんこ  
赤き液注射されをり蛍の夜       あんこ  

現代の言葉忘るるシャワー室      藤幹子   四由独
露涼し化粧下地の薄き膜        藤幹子   亜
滝ときに時間を逆にして御覧      藤幹子   海あ
川燃ゆる間なく鵜と鵜と鵜の主     藤幹子  
餡蜜や言の葉過ぎて豆の味       藤幹子   海四あ由独

白髪太郎現れ犬を驚かす        海太  
白南風や蟻は大地を往還し       海太  
緑陰とも臨時バス停留所とも      海太    露
睡蓮とわたし間合を見計らふ      海太    幹
ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌       海太    朝亜独

ががんぼの現在位置を確かむる     亜紀    四朝不幹由独
所在地をうやむやにしてなめくぢり   亜紀    海朝あ不独
緑陰にはづしてゐたる腕時計      亜紀    朝
行間を読めぬをとこの夏行かな     亜紀    海
片手間に胡瓜を揉んでサスペンス    亜紀    海直露不由独
白シャツのあばれてゐたるサスペンダー 亜紀    四朝直露不由

浴衣着て大食漢の現るる        独楽    四朝直幹由
白シャツや演説をする地底人      独楽  
青時雨天使の羽を濡らしけり      独楽    直あ
間男の迷ひ込みたる露台かな      独楽    露
山手線回るよ夏のワキ脱毛       独楽    露
一億円目指す積立若葉冷        独楽  

紫陽花に隠されてゐる現在地      不孤    海朝あ幹由
高架駅から地下駅過ぎてまた夕焼    不孤  
非時香菓の花ひらく          不孤    四
桐咲くや歯間ブラシの通りよき     不孤    亜
配当の微細な数字梅雨じめり      不孤    直

現物を見ずに購ふ竹婦人        由季    四朝不亜独
ががんぼようすき地学の教科書よ    由季  
時の日の防音壁の前にゐる       由季    朝あ露亜
挨拶の間延びしてゐる山開き      由季    海朝独
浅い伸脚深い伸脚蟇          由季    露亜

十薬も雨も現況有姿かな        四童  
お地蔵の軍団をなす五月闇       四童    直不
真魚鰹ピラルク時価とありにけり    四童  
間男も間者も走る梅雨の闇       四童    不
愛といふ支へによりてあふひかな    四童  

以上。(集計:不孤)


2013年6月10日月曜日

現地時間句会・投句一覧

 お待たせしました。

【現】
あぢさゐはすべて現在・過去・未来
ががんぼの現在位置を確かむる
街薄暑現在位置のあかあかと
現代の言葉忘るるシャワー室
現物を見ずに購ふ竹婦人
祭果て眠れる街の現はるる
紫陽花に隠されてゐる現在地
十薬も雨も現況有姿かな
熱帯魚夢と現を廻りをり
白髪太郎現れ犬を驚かす
浴衣着て大食漢の現るる

【地】
お地蔵の軍団をなす五月闇
ががんぼようすき地学の教科書よ
夏の川地名に入りて地名を出づ
高架駅から地下駅過ぎてまた夕焼
十薬や祝詞の太き地鎮祭
所在地をうやむやにしてなめくぢり
大滝の落ちて地球の重さかな
地軸ほど傾ぎてソフトクリームかな
白シャツや演説をする地底人
白南風や蟻は大地を往還し
露涼し化粧下地の薄き膜

【時】
どこまでも時軽くなる夏休み
はつなつのくびれの透きし砂時計
香水や古き時間の漂ひぬ
時の日の防音壁の前にゐる
真魚鰹ピラルク時価とありにけり
青時雨天使の羽を濡らしけり
滝ときに時間を逆にして御覧
非時香菓の花ひらく
峯雲や見上げてゐたる時刻表
緑陰とも臨時バス停留所とも
緑陰にはづしてゐたる腕時計

【間】
挨拶の間延びしてゐる山開き
間男の飛び出すやうに羽抜鶏
間男の迷ひ込みたる露台かな
間男も間者も走る梅雨の闇
桐咲くや歯間ブラシの通りよき
行間を読めぬをとこの夏行かな
次の間もまた次の間も心太
畳屋の居間は洋間に燕子花
水中花間奏曲へひらかるる
睡蓮とわたし間合を見計らふ
川燃ゆる間なく鵜と鵜と鵜の主
片手間に胡瓜を揉んでサスペンス

【当季雑詠】
ぎよつとして鏡見つめる金魚かな
ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌
ピーマンのみどり新緑より昏し
愛といふ支へによりてあふひかな
一億円目指す積立若葉冷
山手線回るよ夏のワキ脱毛
赤き液注射されをり蛍の夜
浅い伸脚深い伸脚蟇
配当の微細な数字梅雨じめり
梅雨冷やタオルを干せる理髪店
白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
餡蜜や言の葉過ぎて豆の味

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月12日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URL
というのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。
URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れた
らしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年6月7日金曜日

現地時間句会・出題

再開第58回目の出題です。

【現】
【地】
【時】
【間】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月9日(日)24:00(JST)…変則的に日曜です。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

矢口真里句会・作者発表

集計を早まって独楽さんの選を落してしまいました。大変失礼いたしました。ごめんなさい。

草矢飛べ吾が少年の日々にまで    直子    ぽ
くちなはの口開けてゐる午後三時   直子    四
まひまひを神父指さす真昼かな    直子    四
三里ほど遠回りする帰省かな     直子    海独
サルトルが覗く厠の蟻地獄      直子    露

虎が雨矢面に立つさびしさよ     露結    直独
口髭や喋らぬままにソーダ水     露結    直
らつきよ漬真価のごとく輝けり    露結    幹朝亜
巴里祭やバスは小雨をわけてゆき   露結    あ不直亜
気の重き薔薇の束ねてありにけり   露結    海幹あ朝ぽ亜

弦は矢を離したがらず籐寝椅子    海太    亜
減らず口はつきり解る木下闇     海太    幹
大阪や八百九橋目の真夏       海太  
駅が消え蛍が消えて里残る      海太    幹あ亜
箱庭は褒めよドロップ舐めとほせ   海太    不

矢印を辿りてゆけば草いきれ     朝比古   海幹あ四独
夕焼の蛇口に唇の近づきぬ      朝比古   露幹あ亜
真つ青なひとところあり熱帯魚    朝比古   不直四独
故里の土に汚れし水鉄砲       朝比古   海ぽ
麦秋のノギスの小さき目盛かな    朝比古  

催促は矢より速けれ雲の峰      藤幹子  
花紫蘇や青きトタンの勝手口     藤幹子   海露あ不直独
心太鑑真像の襞めぐり        藤幹子   露
ふる里のパノラマ模型夏の月     藤幹子   直朝ぽ
焼き肉といふ儀式あり青簾      藤幹子   あ朝四亜独

矢のごとく降り始めをり未草     あんこ  
香水の重く残りし非常口       あんこ   海露幹不ぽ四亜
ソーダ水からだの真中抜けてゆく   あんこ   直朝四亜
滴りや落人の里近づきぬ       あんこ   直
夕焼を傾けヴァイオリン弾けり    あんこ   幹朝ぽ四亜

三ツ矢サイダー飲み干してまた遊ぶ  独楽    不朝
短夜の口内炎がまだ痛い       独楽  
真相を隠しバナナの叩き売り     独楽    海露朝
里心なんて知らない浮いてこい    独楽    海幹
無精ひげ剃り緑陰に涙せり      独楽  

矢面に立ちてひらくよアマリリス   亜紀    不
糸口は緑雨のなかのロダン像     亜紀    海露独
魔術師の真顔に吸はれゆく夕焼    亜紀    露幹あ不
理科室の椅子の重たし七変化     亜紀    朝ぽ四
蛍火の闇青ざめて来たりけり     亜紀    ぽ
麦秋やアナログ写真持ち古りて    亜紀    直独
青葉して外野席より人埋まる     亜紀    露あ朝ぽ四独

朝の体操矢庭に蜥蜴死んでゐる    不孤  
学校の蛇口盗難走り梅雨       不孤    露
あれよあれよと真菌の育ちゆく    不孤  
ふる里を語らぬ父や麦の秋      不孤    海ぽ独

弓道はあれど矢の道なき蕃茄     四童  
口紅のほくろに迫り夏料理      四童    あ直
菱形が真偽を迫り明易し       四童  
横書きのとてもおほきな魚里のぼり  四童    不
キャタピラも四点支持の杖も夏    四童    不

以上。(集計:不孤)

2013年6月4日火曜日

矢口真里句会・投句一覧

 お待たせしました。

【矢】
弓道はあれど矢の道なき蕃茄
弦は矢を離したがらず籐寝椅子
虎が雨矢面に立つさびしさよ
催促は矢より速けれ雲の峰
三ツ矢サイダー飲み干してまた遊ぶ
草矢飛べ吾が少年の日々にまで
朝の体操矢庭に蜥蜴死んでゐる
矢のごとく降り始めをり未草
矢印を辿りてゆけば草いきれ
矢面に立ちてひらくよアマリリス

【口】
くちなはの口開けてゐる午後三時
花紫蘇や青きトタンの勝手口
学校の蛇口盗難走り梅雨
減らず口はつきり解る木下闇
口紅のほくろに迫り夏料理
口髭や喋らぬままにソーダ水
香水の重く残りし非常口
糸口は緑雨のなかのロダン像
短夜の口内炎がまだ痛い
夕焼の蛇口に唇の近づきぬ

【真】
あれよあれよと真菌の育ちゆく
ソーダ水からだの真中抜けてゆく
まひまひを神父指さす真昼かな
らつきよ漬真価のごとく輝けり
心太鑑真像の襞めぐり
真つ青なひとところあり熱帯魚
真相を隠しバナナの叩き売り
大阪や八百九橋目の真夏
菱形が真偽を迫り明易し
魔術師の真顔に吸はれゆく夕焼

【里】
ふる里のパノラマ模型夏の月
ふる里を語らぬ父や麦の秋
駅が消え蛍が消えて里残る
横書きのとてもおほきな魚里のぼり
故里の土に汚れし水鉄砲
三里ほど遠回りする帰省かな
滴りや落人の里近づきぬ
巴里祭やバスは小雨をわけてゆき
理科室の椅子の重たし七変化
里心なんて知らない浮いてこい

【当季雑詠】
キャタピラも四点支持の杖も夏
サルトルが覗く厠の蟻地獄
気の重き薔薇の束ねてありにけり
蛍火の闇青ざめて来たりけり
焼き肉といふ儀式あり青簾
青葉して外野席より人埋まる
麦秋のノギスの小さき目盛かな
麦秋やアナログ写真持ち古りて
箱庭は褒めよドロップ舐めとほせ
無精ひげ剃り緑陰に涙せり
夕焼を傾けヴァイオリン弾けり
(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月6日(木)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年5月30日木曜日

矢口真里句会・出題

再開第57回目の出題です。

【矢】
【口】
【真】
【里】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月3日(月)24:00(JST)…変則的に月曜です。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

脳内美人句会・作者発表

お待たせしました。ぽぽなさんは現在本土潜伏中でいつアクセスできるのか定かでないそうなので開けます。アクセスできるときに選句お願いしますね~。

左脳から右脳へ移る暑さかな       露結      朝直海あ由四
内側と外側のあるラムネ瓶        露結      海あ由四
美容師の指に摘ままれたる揚羽      露結      朝あ
テーブルに置く鍵束や若葉冷え      露結      朝海亜由
友去りし椅子に背もたれソーダ水     露結      由

脳天に夕陽を溜めて山椒魚        ぽぽな     亜
旅つづく梅干の肉崩しては        ぽぽな     朝直海亜由
炎昼の底に古美術商しずか        ぽぽな     あ
日盛の遠くの窓の人うごく        ぽぽな     露あ亜由四

目に見える脳の形を蟻地獄        海太      露四
守宮居なくば内内に済む話        海太      独
美も醜も一か所といふ目高かな      海太      独
蛍火の無人といふにはしやぎすぎ     海太   
掬はれてやるかと打算的金魚       海太      直由

脳天に音なく毛虫降る日かな       直子      露四
内股で歩く隣家の羽抜鳥         直子      朝
汗臭ふ美少女戦士セーラムーン      直子   
白南風に人語囁く梢かな         直子   
マッチ擦る手に火傷する修司の忌     直子      あ独
美しき人妻とゐて遠花火         直子   
月下美人夜に咲く花の寂しかり      直子      四
端居して語る昔の美少年         直子      朝あ独
美しき叔母の寝言や蚊遣香        直子   

脳内を馬駆けてゆく青葉風        あんこ     海亜
蚊帳の内覗けば少しあの世めき      あんこ     直独
美しき言葉飛び交ふ夏料理        あんこ   
名人の涼しく駒を動かしぬ        あんこ   
冷房の深くなりたる廊下かな       あんこ     朝露海亜由

黒南風や電子頭脳の蠢いて        朝比古     亜独四
まくなぎの内に届きし光かな       朝比古     露由
風入の端に美顔器などありぬ       朝比古     亜四
犬よりも人好きな犬ハナミヅキ      朝比古   
鉄路ゆく鉄の車輪や麦の秋        朝比古   

打ち水を終へて大脳辺縁系        独楽   
閣内で異論の出たる水着かな       独楽      朝露
美術的価値ある冷し中華かな       独楽      直
氷水人事部長の二枚舌          独楽      直海
豆御飯課長のカツラ疑惑など       独楽      朝露あ

切なくて脳裏に残るさくらんぼ      亜紀      直
手の内に手応へありぬ濃紫陽花      亜紀   
滝音の美音となりて落ちにけり      亜紀   
人形の館出づれば薔薇の雨        亜紀      直海独
ご褒美をいただく今朝の蓮の花      亜紀      海
歩くより遅く走りて夜の新樹       亜紀      あ由
ここはもう森の入り口蛇苺        亜紀      露

蝙蝠を見てゐて脳の休まらず       由季      直四
内側はふんばつてゐる燕の子       由季   
ふくふくと美人ぞろひの蚕豆よ      由季      あ亜
人工の海岸線に夜行虫          由季      朝四
いつ見ても寝てゐる犬や青田風      由季      独

さみだれも紫陽花もみな脳の中      四童       露海亜
内科ではどうにもならぬ水あたり     四童   
梅雨闇や順番に脱ぐ美大生        四童      露独
万緑や神様といふ人殺し         四童      直独
やはらかきもののすくなき夏料理     四童   

以上。(集計:不孤)

2013年5月26日日曜日

脳内美人句会・投句一覧

お待たせしました。

【脳】
さみだれも紫陽花もみな脳の中
黒南風や電子頭脳の蠢いて
左脳から右脳へ移る暑さかな
切なくて脳裏に残るさくらんぼ
打ち水を終へて大脳辺縁系
脳天に音なく毛虫降る日かな
脳天に夕陽を溜めて山椒魚
脳内を馬駆けてゆく青葉風
目に見える脳の形を蟻地獄
蝙蝠を見てゐて脳の休まらず

【内】
まくなぎの内に届きし光かな
蚊帳の内覗けば少しあの世めき
閣内で異論の出たる水着かな
守宮居なくば内内に済む話
手の内に手応へありぬ濃紫陽花
内科ではどうにもならぬ水あたり
内股で歩く隣家の羽抜鳥
内側と外側のあるラムネ瓶
内側はふんばつてゐる燕の子

【美】
ふくふくと美人ぞろひの蚕豆よ
炎昼の底に古美術商しずか
汗臭ふ美少女戦士セーラムーン
月下美人夜に咲く花の寂しかり
滝音の美音となりて落ちにけり
端居して語る昔の美少年
梅雨闇や順番に脱ぐ美大生
美しき言葉飛び交ふ夏料理
美しき叔母の寝言や蚊遣香
美しき人妻とゐて遠花火
美も醜も一か所といふ目高かな
美術的価値ある冷し中華かな
美容師の指に摘ままれたる揚羽
風入の端に美顔器などありぬ

【人】
蛍火の無人といふにはしやぎすぎ
犬よりも人好きな犬ハナミヅキ
人形の館出づれば薔薇の雨
人工の海岸線に夜行虫
日盛の遠くの窓の人うごく
白南風に人語囁く梢かな
氷水人事部長の二枚舌
万緑や神様といふ人殺し
名人の涼しく駒を動かしぬ

【当季雑詠】
いつ見ても寝てゐる犬や青田風
ここはもう森の入り口蛇苺
ご褒美をいただく今朝の蓮の花
テーブルに置く鍵束や若葉冷え
マッチ擦る手に火傷する修司の忌
やはらかきもののすくなき夏料理
掬はれてやるかと打算的金魚
鉄路ゆく鉄の車輪や麦の秋
豆御飯課長のカツラ疑惑など
歩くより遅く走りて夜の新樹
友去りし椅子に背もたれソーダ水
旅つづく梅干の肉崩しては
冷房の深くなりたる廊下かな

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月28日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年5月20日月曜日

脳内美人句会・出題

再開第56回目の出題です。

【脳】
【内】
【美】
【人】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月25日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2013年5月19日日曜日

牛丼市場句会・作者発表

たいへん遅くなり、申し訳ありません。

行く春の牛乳瓶の並べある       露結    朝由亜
鰻丼の蓋浮いて来る若葉かな      露結  
母の日や小学校も市役所も       露結    由亜
チューリップ渡船場行きのバスに乗る  露結    海
石段の空へ近づく山躑躅        露結    海朝

火取虫壁に掛かりし牛の顔       あんこ   露四
朝焼や場外市場の海鮮丼        あんこ  
片言でねぎる市場の青メロン      あんこ   直た独
花糸瓜運動場を横切りぬ        あんこ   た四
氷生まれる音夜の冷蔵庫        あんこ  

初夏の投げキッスする闘牛士      直子  
鉄火丼待つ間にあがる驟雨かな     直子    露不あ由亜
空蝉をひろふ廃市や夕映えて      直子    海た
役場の灯あかあかとして喜雨の中    直子    八
炎天や踏切といふ地獄門        直子    海四
来ておくれ風の五月が終はつたら    直子    朝

初夏になおも四角き牛脂かな      八志    露独四
丼を拭いたらまるく南風        八志    不直たあ
朝市に頭抜けてあおきバナナある    八志    海不直亜
場当たりに薔薇を植えたり母の庭    八志    由独四
蛹よりえらそうな小さな粽       八志    四

牛小屋の軒を鳴らせり夏燕       海太    不
鰻丼の過去あり蓋付金魚鉢       海太    露不
花は葉に八つ墓村は津山市に      海太  
竹皮を脱いで場面は暗転す       海太    露独
語るなら鯖火は遠くとほく見よ     海太    八あ四

隆々と艶々と牛冷しけり        朝比古   海不
万緑や丼飯をかきこみて        朝比古   八あ亜四
白南風やどつと人出て朝の市      朝比古   直八
麦の秋大場正夫は起ち上がる      朝比古   八
菖蒲湯の菖蒲ぬるぬるしてゐたり    朝比古   直あ

おっぱいのあかちゃんいねむり蝸牛   たろう  
牛丼の吉野家かるがもの子とことこ   たろう  
亀鳴いて亀の子たわし蚤の市      たろう   由
彼女の場末母の日の美容外科      たろう  
ざら紙のざら目ざらざらかき氷     たろう   亜独

緑陰に牛乳瓶の蓋集め         由季    露朝八亜
丼の底のうずまき五月来る       由季    露海亜独
朝曇見学不可の花き市場        由季    海独
はつなつや高田馬場の道捩れ      由季    海直八独
薄暑光ボールを追はぬ犬もゐて     由季    た八亜独

焦点の合はぬ牛の瞳熊ん蜂       不孤  
親子丼の仕舞スプーン修司の忌     不孤    由
のみの市に来てゐるほとけどぢやうかな 不孤    八
場あたりな句のばらけたる薄暑かな   不孤  
卜伝てふ地酒立夏の鹿島立ち      不孤  

思ひきり自分を生きて蝸牛       亜紀    朝直た独
行く春の天丼に海老ひとつ乗る     亜紀    あ
しやぼん玉吹いて巡れる姉妹都市    亜紀    露海八由四
踊場が居場所となりぬひきがへる    亜紀    露不朝直八由
したたかにただがむしやらになめくじり 亜紀    朝た八
女々しくて歌ひつつ春惜しみけり    亜紀    直た
化粧塩少し焦げたる岩魚かな      亜紀    朝直あ独四

牛乳を飲み干す喉に夏来る       独楽    海不朝直あ由亜四
丼の蓋をはみ出す穴子かな       独楽    朝直
卯の花腐し毎年上がる市民税      独楽    露不四
球場に企業の名前雲の峰        独楽    朝あ亜
生ビール尾てい骨まで沁み渡り     独楽    朝たあ由

牛乳の色になるまで精を出す      四童    露不
丼の違ふ大盛五月晴          四童    露不由独
はつなつの行き渡りたる陶器市     四童    たあ亜
つばくろを映して場面切替はる     四童    海不た
あたらしき蟻穴ふらここの下に     四童    たあ由

以上。(集計:不孤)

2013年5月12日日曜日

牛丼市場句会・投句一覧

 お待たせしました。

【牛】
おっぱいのあかちゃんいねむり蝸牛
火取虫壁に掛かりし牛の顔
牛小屋の軒を鳴らせり夏燕
牛乳の色になるまで精を出す
牛乳を飲み干す喉に夏来る
行く春の牛乳瓶の並べある
思ひきり自分を生きて蝸牛
初夏になおも四角き牛脂かな
初夏の投げキッスする闘牛士
焦点の合はぬ牛の瞳熊ん蜂
隆々と艶々と牛冷しけり
緑陰に牛乳瓶の蓋集め

【丼】
鰻丼の過去あり蓋付金魚鉢
鰻丼の蓋浮いて来る若葉かな
牛丼の吉野家かるがもの子とことこ
行く春の天丼に海老ひとつ乗る
親子丼の仕舞スプーン修司の忌
朝焼や場外市場の海鮮丼
鉄火丼待つ間にあがる驟雨かな
万緑や丼飯をかきこみて
丼の違ふ大盛五月晴
丼の蓋をはみ出す穴子かな
丼の底のうずまき五月来る
丼を拭いたらまるく南風

【市】
しやぼん玉吹いて巡れる姉妹都市
のみの市に来てゐるほとけどぢやうかな
はつなつの行き渡りたる陶器市
卯の花腐し毎年上がる市民税
花は葉に八つ墓村は津山市に
亀鳴いて亀の子たわし蚤の市
空蝉をひろふ廃市や夕映えて
朝市に頭抜けてあおきバナナある
朝曇見学不可の花き市場
白南風やどつと人出て朝の市
片言でねぎる市場の青メロン
母の日や小学校も市役所も

【場】
チューリップ渡船場行きのバスに乗る
つばくろを映して場面切替はる
はつなつや高田馬場の道捩れ
花糸瓜運動場を横切りぬ
球場に企業の名前雲の峰
場あたりな句のばらけたる薄暑かな
場当たりに薔薇を植えたり母の庭
竹皮を脱いで場面は暗転す
麦の秋大場正夫は起ち上がる
彼女の場末母の日の美容外科
役場の灯あかあかとして喜雨の中
踊場が居場所となりぬひきがへる

【当季雑詠】
あたらしき蟻穴ふらここの下に
ざら紙のざら目ざらざらかき氷
したたかにただがむしやらになめくじり
炎天や踏切といふ地獄門
化粧塩少し焦げたる岩魚かな
語るなら鯖火は遠くとほく見よ
女々しくて歌ひつつ春惜しみけり
菖蒲湯の菖蒲ぬるぬるしてゐたり
生ビール尾てい骨まで沁み渡り
石段の空へ近づく山躑躅
薄暑光ボールを追はぬ犬もゐて
氷生まれる音夜の冷蔵庫
卜伝てふ地酒立夏の鹿島立ち
来ておくれ風の五月が終はつたら
蛹よりえらそうな小さな粽

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月14日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年5月7日火曜日

牛丼市場句会・出題

再開第55回目の出題です。

【牛】
【丼】
【市】
【場】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月11日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

縮毛矯正句会・作者発表

多々のご参加・早々の選句、感謝です。

しめやかに蛞蝓の視野縮みゆく    露結    四海不朝由亜幹
父の日の育毛剤の説明書       露結  
葉桜が囲む矯正院跡地        露結    独直あ
夏帽の語る浮気の正当性       露結    海独
桜桃やキャバクラ嬢の名刺受く    露結  

流蛍の縮れラーメンとも違ふ     海太  
昼寝覚毛は口ほどに物を言ひ     海太    不
真つ直ぐに胡瓜を矯めて糠床に    海太    露独朝由亜幹た
正直に言へば良いのに雨乞と     海太    幹
調書には蛇の衣だと言ふことに    海太    露独由あ亜幹

蝉出でて縮まつてゆく蝉の殻     朝比古   不直
体内に毛細管や麦の秋        朝比古   幹た
陶枕に矯正されてゐたりけり     朝比古   四海不由亜
網戸から見ゆる正しき家族かな    朝比古   四海露直由亜幹
ズボン脱ぐまでに至らず磯遊び    朝比古   四海不幹

離陸して島の縮んで行く暮春     直子    四海不由あ幹
惜春の羽毛布団の匂ひかな      直子  
行く春の奇矯な教師号泣す      直子  
春送る正直者のうす笑ひ       直子    独
かの姫の振る手疲れし暮の春     直子    四

緑の夜インド音楽伸縮す       あんこ   四露独直由亜た
若葉風眉毛広げて笑ひをり      あんこ   不
守宮の夜箸の持ち方矯正す      あんこ   亜
麦の秋正しき道へ復帰せり      あんこ   四朝亜
新樹風ブラックホールのやうに泣く  あんこ  

噴水の水伸び縮みして薄暮      独楽    露朝あた
植毛を終へて我が世の夏来る     独楽    露幹
奇矯なる声あげてゐる鯉幟      独楽    幹
正確に二つに割りし柏餅       独楽  
はつなつのピアノ母より来る文    独楽    あ

縮緬の小切れ降るごと春暮るる    藤幹子  
君が背を覆ふ原初の毛にてふてふ   藤幹子   四不
矯めること膝閉じること黄のパンジー 藤幹子  
正確に言はねばならぬ種袋      藤幹子   露
壁は地に地は壁に生ゆ半仙戯     藤幹子   四海露直

口あけて伸びて縮んでつばめの子   たろう   独あ
毛虫焼く炎の山河鼻毛ぬく      たろう  
矯正の歯並び美人豆の花       たろう   露不直由亜
俎板の正目まっすぐこいのぼり    たろう   四あ亜
昭和の日伝言版はそのままに     たろう   朝

飛ぶ前に縮みしやうな天道虫     由季    直幹た
毛筆の叱り状来る暮春かな      由季    独不直亜
一枝を矯めつ眇めつ八重桜      由季  
正座して亀の鳴くのを聴いてをり   由季    海朝た
シミュレーション通りの会話別れ霜  由季    海独不直

新聞の縮刷版や昭和の日       亜紀    露朝た
たんぽぽの綿毛吹く人吹かぬ人    亜紀    露朝由た
永き日の猫背矯正ギブスかな     亜紀  
端正な富士の湖面や夏来る      亜紀    海不
スマートボールじぐざくに春惜しむ  亜紀    朝た
花は葉にドミノ倒して行きにけり   亜紀    海朝あ幹た
薫風や国旗掲げしレストラン     亜紀    独直あ

縮んでは伸びて蚕の大喰ひ      不孤    た
昭和の日千円で売る毛語録      不孤    独直た
登山靴より重たいぞ矯正靴      不孤    海
正門の八割閉ざし花は葉に      不孤    由あ
黒蜜のやうな露天湯あめんばう    不孤    四直由あ亜

旋回し伸び縮みする鉄線花      四童    由
体毛のぐんぐん伸びるみどりの夜   四童    朝亜
はつなつの矯正下着めり込めり    四童    露
正の字で数へて柏餅さばく      四童    朝あ
こんな日は暖かそうな葱坊主     四童    独

以上。(集計:不孤)

2013年5月5日日曜日

縮毛矯正句会・投句一覧

 お待たせしました。

【縮】
しめやかに蛞蝓の視野縮みゆく
口あけて伸びて縮んでつばめの子
縮んでは伸びて蚕の大喰ひ
縮緬の小切れ降るごと春暮るる
新聞の縮刷版や昭和の日
蝉出でて縮まつてゆく蝉の殻
旋回し伸び縮みする鉄線花
飛ぶ前に縮みしやうな天道虫
噴水の水伸び縮みして薄暮
離陸して島の縮んで行く暮春
流蛍の縮れラーメンとも違ふ
緑の夜インド音楽伸縮す

【毛】
たんぽぽの綿毛吹く人吹かぬ人
君が背を覆ふ原初の毛にてふてふ
若葉風眉毛広げて笑ひをり
昭和の日千円で売る毛語録
植毛を終へて我が世の夏来る
惜春の羽毛布団の匂ひかな
体内に毛細管や麦の秋
体毛のぐんぐん伸びるみどりの夜
昼寝覚毛は口ほどに物を言ひ
父の日の育毛剤の説明書
毛虫焼く炎の山河鼻毛ぬく
毛筆の叱り状来る暮春かな

【矯】
はつなつの矯正下着めり込めり
一枝を矯めつ眇めつ八重桜
永き日の猫背矯正ギブスかな
奇矯なる声あげてゐる鯉幟
矯めること膝閉じること黄のパンジー
矯正の歯並び美人豆の花
行く春の奇矯な教師号泣す
守宮の夜箸の持ち方矯正す
真つ直ぐに胡瓜を矯めて糠床に
登山靴より重たいぞ矯正靴
陶枕に矯正されてゐたりけり
葉桜が囲む矯正院跡地

【正】
夏帽の語る浮気の正当性
春送る正直者のうす笑ひ
正の字で数へて柏餅さばく
正確に言はねばならぬ種袋
正確に二つに割りし柏餅
正座して亀の鳴くのを聴いてをり
正直に言へば良いのに雨乞と
正門の八割閉ざし花は葉に
端正な富士の湖面や夏来る
麦の秋正しき道へ復帰せり
網戸から見ゆる正しき家族かな
俎板の正目まっすぐこいのぼり

【当季雑詠】
かの姫の振る手疲れし暮の春
こんな日は暖かそうな葱坊主
シミュレーション通りの会話別れ霜
ズボン脱ぐまでに至らず磯遊び
スマートボールじぐざくに春惜しむ
はつなつのピアノ母より来る文
花は葉にドミノ倒して行きにけり
薫風や国旗掲げしレストラン
黒蜜のやうな露天湯あめんばう
桜桃やキャバクラ嬢の名刺受く
昭和の日伝言版はそのままに
新樹風ブラックホールのやうに泣く
調書には蛇の衣だと言ふことに
壁は地に地は壁に生ゆ半仙戯

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月7日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年5月1日水曜日

縮毛矯正句会・出題

再開第54回目の出題です。

【縮】
【毛】
【矯】
【正】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月4日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

上球物語句会・作者発表

お待たせしました。

上からも下からもくる春愁      露結    朝海由独四亜
朧夜の市営球場灯りゐる       露結  
囀りや売物件のビラ剥がれ      露結    朝た
猫語にも日本語のあり猫の恋     露結    た
レシートの貯まる財布や鳥雲に    露結    海亜た

春風がスキップを踏む波の上     直子  
春風や地球の長き影揺れて      直子    独四た
物の怪の駆けづりまはる春の風    直子  
春風とともにアイヌ語圏に入る    直子    露
陳さんのいちもつ揺るる春の風    直子    露

春禽や上流の光つてゐたり      あんこ  
球状の化石に触れてあたたかし    あんこ   由
花大根裏で出し物準備する      あんこ   海由
メーデーに語られてゐる伝説よ    あんこ  
緋の躑躅S字カーブへ差しかかる   あんこ   直亜

上巻にエピローグなし月日貝     海太    露由四
小手毬の花を揺らすも球技かな    海太    露直
山笑ふ洗濯物の堆く         海太    あ
雁風呂や炊くよりまづは語るべし   海太    露
来賓の祝辞に代へて田螺鳴く     海太    直亜

メーデーの列のしんがり上の空    朝比古  
まくなぎがところどころに野球場   朝比古   露由た
物欲を捨つるごとくに鳥雲に     朝比古   海
ビール飲む父より和製英語かな    朝比古   四あた
鳶職のさつと足場を夏はじめ     朝比古   海由あ

空つぽの箱かぎろへる上野駅     独楽    露海亜た
苗札に地球と書いてありにけり    独楽    由四あ直亜た
物証が無くて桜餅の匂ひ       独楽    露朝海由四亜
カタコトの英語で話す遅日かな    独楽    朝由亜
ビターチョコレート寄居虫が見る夢  独楽  
牛乳で飲むみどりの日の胃薬     独楽  

猫の恋金のしゃちほこ屋根の上    たろう  
虹の中琉球グラスの泡うかぶ     たろう   あ
蚯蚓鳴くいいじゃないかな無一物   たろう  
大喜利の扇おおぶり江戸落語     たろう  
青大将ウェットスーツに見をかため  たろう  
泡盛の月もおぼろの竜宮城      たろう  

上履きに履き替へてより余花の雨   亜紀  
行く春や球審の声高々と       亜紀    朝
静物画に黒点ひとつ蝿うまる     亜紀    直
語尾上げて話す駅長山笑ふ      亜紀    海独直た
這ひ這ひを競ふ赤子や花は葉に    亜紀    独
五徳てふ呼び名ふくふくあたたかし  亜紀    直
頂きに雲の溶け行く暮春かな     亜紀    朝

上ばかり飾られてをり花御堂     由季    朝あ
球場にだらけてゐたる鯉のぼり    由季    朝独四あ亜た
混沌と物理の板書春深む       由季    朝独四あ直
ラテン語を掲げる校舎鳥曇      由季    独四あ亜
海女の顔思はぬ方に出てきたり    由季    朝海独四あ直

就中上海の水温みをり        四童  
円よりも球こそ夏の初めかな     四童    独
つばくらめ醸造技術にも物議     四童    露
決めうちの語彙決めうちの卯波かな  四童  
羊から躑躅に至る奇譚かな      四童    海由独直

以上。(集計:不孤)

2013年4月28日日曜日

上球物語句会・投句一覧

 お待たせしました。

【上】
メーデーの列のしんがり上の空
空つぽの箱かぎろへる上野駅
就中上海の水温みをり
春禽や上流の光つてゐたり
春風がスキップを踏む波の上
上からも下からもくる春愁
上ばかり飾られてをり花御堂
上巻にエピローグなし月日貝
上履きに履き替へてより余花の雨
猫の恋金のしゃちほこ屋根の上

【球】
まくなぎがところどころに野球場
円よりも球こそ夏の初めかな
球場にだらけてゐたる鯉のぼり
球状の化石に触れてあたたかし
行く春や球審の声高々と
春風や地球の長き影揺れて
小手毬の花を揺らすも球技かな
虹の中琉球グラスの泡うかぶ
苗札に地球と書いてありにけり
朧夜の市営球場灯りゐる

【物】
つばくらめ醸造技術にも物議
花大根裏で出し物準備する
混沌と物理の板書春深む
山笑ふ洗濯物の堆く
静物画に黒点ひとつ蝿うまる
物の怪の駆けづりまはる春の風
物証が無くて桜餅の匂ひ
物欲を捨つるごとくに鳥雲に
囀りや売物件のビラ剥がれ
蚯蚓鳴くいいじゃないかな無一物

【語】
カタコトの英語で話す遅日かな
ビール飲む父より和製英語かな
メーデーに語られてゐる伝説よ
ラテン語を掲げる校舎鳥曇
雁風呂や炊くよりまづは語るべし
決めうちの語彙決めうちの卯波かな
語尾上げて話す駅長山笑ふ
春風とともにアイヌ語圏に入る
大喜利の扇おおぶり江戸落語
猫語にも日本語のあり猫の恋

【当季雑詠】
ビターチョコレート寄居虫が見る夢
レシートの貯まる財布や鳥雲に
海女の顔思はぬ方に出てきたり
牛乳で飲むみどりの日の胃薬
五徳てふ呼び名ふくふくあたたかし
青大将ウェットスーツに見をかため
頂きに雲の溶け行く暮春かな
陳さんのいちもつ揺るる春の風
鳶職のさつと足場を夏はじめ
這ひ這ひを競ふ赤子や花は葉に
緋の躑躅S字カーブへ差しかかる
泡盛の月もおぼろの竜宮城
羊から躑躅に至る奇譚かな
来賓の祝辞に代へて田螺鳴く

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:4月30日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年4月21日日曜日

上球物語句会・出題

再開第53回目の出題です。

【上】
【球】
【物】
【語】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:4月27日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2013年4月20日土曜日

頓証菩提句会・作者発表

すみません、ネットワークの調子が悪くてうまくアップできませんでした。

お待たせしました。八志さん、ようこそ。これからもお楽しみください。

頓死せる首領様ゐる彼岸かな       直子  
免許証更新に行く彼岸前         直子    朝
菩提寺も父の生家も彼岸かな       直子  
夕映えの堤に遊ぶ彼岸過         直子    亜
菓子折りをふくさに包み彼岸かな     直子  

桜散るここも風速市長頓死        露結  
飛花落花黒いスーツと証明書       露結  
花見客途絶え菩薩の頭かな        露結    八
提よりがらんがらんと春の月       露結    朝苑直独八
ファラリスの雄牛の中の花盛り      露結    直八

頓首再拝さくらしべふる、とルビ     海太    不
田楽の焦げ証紙とも割印とも       海太    独
恋猫の夜叉の声から菩薩の貌       海太  
土筆野を両手に提げて戻りけり      海太    苑あ亜
熊穴を出づれば香車(やり)に追はれたる 海太  

頓服をくだして海女の咽冷ゆ       八志    直不
証人は不在でせうか春の闇        八志  
春雨や菩薩の胎に書簡あり        八志    不
提督の鼻ひらきたる磯開         八志    露直不
ろけっとの煤煙混じる穀雨かな      八志  

頓知話しろつめくさに寝転がり      あんこ   露海直独八
黒板の証明こぼれ菜種梅雨        あんこ   直
春深し弥勒菩薩の水の笑み        あんこ   海亜四
提灯の春夕焼にひろがりぬ        あんこ  
水揚げの鋏を入るる受難節        あんこ   独八四

入学のひとり素つ頓狂な顔        朝比古   独
仕舞はれて卒業証書まつ暗に       朝比古   不あ亜
菩提寺を持たぬ暮しや鳥雲に       朝比古   海苑不
ぽたぽたと浅蜊を提げて行きにけり    朝比古   苑直独八あ
腕長くながく使ひて潮干狩        朝比古   露直独不亜四

葉桜や工程表は頓挫して         不孤    朝亜四
心ある証人前へヒヤシンス        不孤    海苑あ
花盛りの恒信風に蓮菩ありき       不孤    四
花はをんなをとこは蝶と云ふ提喩     不孤  
漢方効きぬ夜蛙に目を借られ       不孤  

麗かや整理整頓できぬ一家        独楽    四
学生証の顔が怖くて半仙戯        独楽    露海苑
しやぼん玉見送る観世音菩薩       独楽    朝海苑あ亜四
提供はブラック企業鳥雲に        独楽    直不
春雷に慄いてゐるムックかな       独楽  
花散る雨残業代が出ない会社       独楽    露

頓狂な春蝉鳴いて落ちにけり       苑を  
かいやぐら身分証明証がない       苑を    海
菩提樹の下に新入生集ふ         苑を    朝あ亜
春昼や課長風呂敷包み提げ        苑を    露朝八亜
いそぎんちやくゆらゆら淡き日を啜る   苑を    朝直独八不あ亜四

頓服の袋残りぬ春炬燵          亜紀    露苑八四
チューリップ素頓狂な声を出す      亜紀    露海苑あ
風船の確証持てぬ硬さかな        亜紀    朝海あ
斑鳩の里の菩薩や暮かぬる        亜紀    独
草もちを引つ提げてゆく帝釈天      亜紀    四
たんぽぽの絮吹くことを全員で      亜紀    露朝直
ももいろのクレヨンで描く仏生会     亜紀    露朝海苑独八あ四

天皇の役は喜頓百千鳥          四童    不
花は葉に改札を打つ社員証        四童    露独不あ
行く春の菩薩の像の苔むして       四童  
夏近し蕎麦切るやうに防潮堤       四童    海八
晩節やゆふべの酔ひの八重桜       四童    朝苑亜

以上。(集計:不孤)

2013年4月14日日曜日

頓証菩提句会・投句一覧

 お待たせしました。

【頓】
チューリップ素頓狂な声を出す
桜散るここも風速市長頓死
天皇の役は喜頓百千鳥
頓狂な春蝉鳴いて落ちにけり
頓死せる首領様ゐる彼岸かな
頓首再拝さくらしべふる、とルビ
頓知話しろつめくさに寝転がり
頓服をくだして海女の咽冷ゆ
入学のひとり素つ頓狂な顔
頓服の袋残りぬ春炬燵
葉桜や工程表は頓挫して
麗かや整理整頓できぬ一家

【証】
かいやぐら身分証明証がない
花は葉に改札を打つ社員証
学生証の顔が怖くて半仙戯
黒板の証明こぼれ菜種梅雨
仕舞はれて卒業証書まつ暗に
証人は不在でせうか春の闇
心ある証人前へヒヤシンス
田楽の焦げ証紙とも割印とも
飛花落花黒いスーツと証明書
風船の確証持てぬ硬さかな
免許証更新に行く彼岸前

【菩】
しやぼん玉見送る観世音菩薩
花見客途絶え菩薩の頭かな
花盛りの恒信風に蓮菩ありき
行く春の菩薩の像の苔むして
春雨や菩薩の胎に書簡あり
春深し弥勒菩薩の水の笑み
斑鳩の里の菩薩や暮かぬる
菩提寺も父の生家も彼岸かな
菩提寺を持たぬ暮しや鳥雲に
菩提樹の下に新入生集ふ
恋猫の夜叉の声から菩薩の貌

【提】
ぽたぽたと浅蜊を提げて行きにけり
夏近し蕎麦切るやうに防潮堤
花はをんなをとこは蝶と云ふ提喩
春昼や課長風呂敷包み提げ
草もちを引つ提げてゆく帝釈天
提よりがらんがらんと春の月
提供はブラック企業鳥雲に
提灯の春夕焼にひろがりぬ
提督の鼻ひらきたる磯開
土筆野を両手に提げて戻りけり
夕映えの堤に遊ぶ彼岸過

【当季雑詠】
いそぎんちやくゆらゆら淡き日を啜る
たんぽぽの絮吹くことを全員で
ファラリスの雄牛の中の花盛り
ももいろのクレヨンで描く仏生会
ろけっとの煤煙混じる穀雨かな
花散る雨残業代が出ない会社
菓子折りをふくさに包み彼岸かな
漢方効きぬ夜蛙に目を借られ
熊穴を出づれば香車(やり)に追はれたる
春雷に慄いてゐるムックかな
水揚げの鋏を入るる受難節
晩節やゆふべの酔ひの八重桜
腕長くながく使ひて潮干狩

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:4月17日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年4月6日土曜日

頓証菩提句会・出題

再開第52回目の出題です。

【頓】
【証】
【菩】
【提】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:4月13日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

生駒里奈句会・作者発表

直子さんの選を反映させました。

前生の姿覗いて春の闇        直子    朝海あ亜
春駒の嫋々と駆け闇に入る      直子  
故里の生家に残る春の闇       直子    露
問題は奈辺にありや春の闇      直子  
春闇の奥に座したる天女かな     直子    朝あ

吸へば生前吐けば線後へ花菜風    海太    四
龍馬へと駒うらがへる菜の花忌    海太    露独亜四
げんげ田や里は奈落のありどころ   海太    直
あしたに青畝ゆふべに麗奈の山桜   海太    四
鴨帰るうちの一羽が父であり     海太    露独直

今日からは卒業生と呼ばれをり    あんこ   朝
花の夜チェックメイトのチェスの駒  あんこ  
首里城に朝の広がり桜貝       あんこ   独
奈落よりはじまつてゐる蝌蚪の国   あんこ   由独
元の場所へ戻つてゐたる桜かな    あんこ  

生八ッ橋一口かじる桜かな      独楽  
駒落ちで挑む手合ひや春袷      独楽  
人里を離れ磯巾着揺るる       独楽    朝露由亜四
奈良漬でさらりと済ます社日かな   独楽  
葉桜や最終電車に人あふれ      独楽    朝海由亜
作りものの空春の風邪治らぬまま   独楽  

生ハムがメロンに乗りて春の宴    朝比古   四
若駒のすまして駆けてゆきにけり   朝比古  
里山のニヒルに笑ふ余寒かな     朝比古  
奈落から舞ひ上がりたる花吹雪    朝比古   あ亜直
残像の吹かれてゐたり蝶の昼     朝比古   あ四直

春の宵袋分けする生活費       由季    露海独亜四
花衣つまづく駒形どぜう前      由季  
首里城が門だけの頃囀れリ      由季    露海亜直
奈良県の木は杉であり鳥雲に     由季    海
春風とリズムが合はず踏むペダル   由季    あ

初蝶の生まれ落ちたるの甲斐の国   亜紀  
持ち駒のひとつとなりて飛花落花   亜紀    露あ由
里親をなつかせてゐる子猫かな    亜紀    朝
箸先につまむ奈良漬春惜しむ     亜紀    海あ由
いちにちに二度会ふ人や花大根    亜紀    朝露海あ由独四
銅像の直立不動桜散る        亜紀  

ペダル漕ぐ生脚桜散る街の      露結    四直
春の雨駒場東大前駅の        露結  
千里より万里は遠し蝶の昼      露結    朝独
花の雨奈良へは一度行つたきり    露結    朝海由直
咲き満ちて桜は闇を拒まざる     露結    海独亜直

焼くひとも生態系にゐる野かな    四童    独亜直
花の夜を生駒大祐倍増す       四童  
春なれやたましひにあな里にあな   四童    あ由
月野ぽぽな東京ばな奈花の雨     四童    露
花冷えのやうに自転を終へにけり   四童    由

以上。(集計:不孤)

2013年3月31日日曜日

生駒里奈句会・投句一覧

 お待たせしました。

【生】
ペダル漕ぐ生脚桜散る街の
吸へば生前吐けば線後へ花菜風
今日からは卒業生と呼ばれをり
春の宵袋分けする生活費
初蝶の生まれ落ちたるの甲斐の国
焼くひとも生態系にゐる野かな
生ハムがメロンに乗りて春の宴
生八ッ橋一口かじる桜かな
前生の姿覗いて春の闇

【駒】
花の夜チェックメイトのチェスの駒
花の夜を生駒大祐倍増す
花衣つまづく駒形どぜう前
駒落ちで挑む手合ひや春袷
持ち駒のひとつとなりて飛花落花
若駒のすまして駆けてゆきにけり
春の雨駒場東大前駅の
春駒の嫋々と駆け闇に入る
龍馬へと駒うらがへる菜の花忌

【里】
げんげ田や里は奈落のありどころ
故里の生家に残る春の闇
首里城が門だけの頃囀れリ
首里城に朝の広がり桜貝
春なれやたましひにあな里にあな
人里を離れ磯巾着揺るる
千里より万里は遠し蝶の昼
里山のニヒルに笑ふ余寒かな
里親をなつかせてゐる子猫かな

【奈】
あしたに青畝ゆふべに麗奈の山桜
花の雨奈良へは一度行つたきり
月野ぽぽな東京ばな奈花の雨
奈落から舞ひ上がりたる花吹雪
奈落よりはじまつてゐる蝌蚪の国
奈良県の木は杉であり鳥雲に
奈良漬でさらりと済ます社日かな
箸先につまむ奈良漬春惜しむ
問題は奈辺にありや春の闇

【当季雑詠】
いちにちに二度会ふ人や花大根
花冷えのやうに自転を終へにけり
鴨帰るうちの一羽が父であり
元の場所へ戻つてゐたる桜かな
咲き満ちて桜は闇を拒まざる
作りものの空春の風邪治らぬまま
残像の吹かれてゐたり蝶の昼
春闇の奥に座したる天女かな
春風とリズムが合はず踏むペダル
銅像の直立不動桜散る
葉桜や最終電車に人あふれ

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:4月2日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年3月24日日曜日

生駒里奈句会・出題

再開第51回目の出題です。

【生】
【駒】
【里】
【奈】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月30日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

枢機卿団句会・作者発表

お待たせしました。

枢要な部分を隠すよなぐもり     直子    海
大いなる機影霾る中に消ゆ      直子    朝
黄砂降る顔真卿の碑にもふる     直子    不
団旗持ち霾る街を行進す       直子    あ亜
サッカーのゴールを決めぬ霾る中   直子  

聴覚中枢視覚中枢月朧        露結  
掃除機で吸ひたる霞捨てにけり    露結    直海あ
ウィンストン卿から貰ふ春うれひ   露結    あ亜
盗賊団焼野を走り抜けにけり     露結  
雪しろやこんなところに道祖神    露結  

中枢へいそぎんちやくの近づきぬ   朝比古   海不由亜
朧夜の精緻な機械図面かな      朝比古   海由
真夜中のふらここにゐる枢機卿    朝比古   あ由四
北窓を開き団体交渉す        朝比古   露四
蟻に蟻乗りて穴より出できたり    朝比古   海露四

一国の中枢に置けこの蝌蚪は     海太    朝
浅蜊売水掛け論の中枢に       海太  
初蝶の羽なり機知に飛んでゐる    海太    露
白梅卿紅梅夫人闇を著る       海太    不
團琢磨忌や專(もはら)は國に匿はれ 海太  
鞦韆を漕ぎをり菲才顧みず      海太  
撃たれざる雉かも声の響まざる    海太  

魚島の中枢うごめいてゐたり     あんこ   由亜
機械音混じつてゐたる蜃気楼     あんこ   朝海不露由亜四
花人の公卿の顔となりにけり     あんこ   海不亜
楽団のはみ出してくるカーニヴァル  あんこ   朝直由
クレーンの朧夜を掻くかたちかな   あんこ   直露

草餅のしかと満腹中枢へ       由季    不四
機織りの足が朧を踏んでゐる     由季    直あ不露亜四
青き踏むダービー卿のお供して    由季    亜
終点が団地のバスよかげろへる    由季    朝四
突き出しの飯蛸のほか記憶無し    由季    朝直海不露

うららかに中枢神経抹消す      不孤    あ四
霾や工作機械展示場         不孤    直由
花どきの公卿虫歯でうらなりで    不孤    直
主なき団藤邸に薔薇芽吹く      不孤  
春風に梳かれヒマラヤ山羊のひげ   不孤    直あ露由亜

我々の中枢占むる春炬燵       亜紀    朝四
機関誌の記念号なり辛夷咲く     亜紀    朝あ由
桜もち公卿の庭にもてなされ     亜紀  
楽団のとほざかりゆく鳥曇      亜紀    海あ露
思ひ出のつぎからつぎに卒業歌    亜紀    朝直

中枢オヨビ周辺ノ蒲公英ヨ      四童  
春の本並びし自動販売機       四童  
マッカートニー卿なでる春の髪    四童  
ふらここや団体も団子もきらひ    四童    不
どつと咲くありとあらゆる春の花   四童  

以上。(集計:不孤)

2013年3月20日水曜日

枢機卿団句会・投句一覧

たいへんお待たせ致しました。

【枢】
うららかに中枢神経抹消す
一国の中枢に置けこの蝌蚪は
我々の中枢占むる春炬燵
魚島の中枢うごめいてゐたり
枢要な部分を隠すよなぐもり
浅蜊売水掛け論の中枢に
草餅のしかと満腹中枢へ
中枢オヨビ周辺ノ蒲公英ヨ
中枢へいそぎんちやくの近づきぬ
聴覚中枢視覚中枢月朧

【機】
機械音混じつてゐたる蜃気楼
機関誌の記念号なり辛夷咲く
機織りの足が朧を踏んでゐる
春の本並びし自動販売機
初蝶の羽なり機知に飛んでゐる
掃除機で吸ひたる霞捨てにけり
大いなる機影霾る中に消ゆ
朧夜の精緻な機械図面かな
霾や工作機械展示場

【卿】
ウィンストン卿から貰ふ春うれひ
マッカートニー卿なでる春の髪
黄砂降る顔真卿の碑にもふる
花どきの公卿虫歯でうらなりで
花人の公卿の顔となりにけり
桜もち公卿の庭にもてなされ
真夜中のふらここにゐる枢機卿
青き踏むダービー卿のお供して
白梅卿紅梅夫人闇を著る

【団】
ふらここや団体も団子もきらひ
楽団のとほざかりゆく鳥曇
楽団のはみ出してくるカーニヴァル
主なき団藤邸に薔薇芽吹く
終点が団地のバスよかげろへる
団旗持ち霾る街を行進す
盗賊団焼野を走り抜けにけり
北窓を開き団体交渉す
團琢磨忌や專(もはら)は國に匿はれ

【当季雑詠】
クレーンの朧夜を掻くかたちかな
サッカーのゴールを決めぬ霾る中
どつと咲くありとあらゆる春の花
蟻に蟻乗りて穴より出できたり
撃たれざる雉かも声の響まざる
思ひ出のつぎからつぎに卒業歌
春風に梳かれヒマラヤ山羊のひげ
雪しろやこんなところに道祖神
突き出しの飯蛸のほか記憶無し
鞦韆を漕ぎをり菲才顧みず

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月22日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2013年3月15日金曜日

枢機卿団句会・出題

再開第50回目の出題です。

【枢】
【機】
【卿】
【団】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月18日(月)24:00(JST)…変則的に月曜です。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

制度疲労句会・作者発表

発表です。

制服の胸の高さよ桜散る       露結    直あぽ亜
抱きしめる度に芽吹いてゆく身体   露結    ぽ亜独四
朧夜の乳房疲れてゐたりけり     露結  
たんぽぽや苦労を顔に出さぬ人    露結    朝あぽ亜独
かき混ぜてみたき目鼻やよなぐもり  露結    直朝あ独

亀戸の制御不能の浮かれ猫      直子    亜独四
論文は猫の契りの度量衡       直子  
この頃は疲弊のそぶり猫の夫     直子  
労咳の床より見ゆる猫の恋      直子    不独
恋猫やスカイツリーのやや揺らぎ   直子  

制服の人も混じりて潮干狩      朝比古   露直四
月おぼろ度数の高き酒酌みて     朝比古   不ぽ亜
卒業のどつと疲れてしまひけり    朝比古   露直
労働を終へて青きを踏みにける    朝比古   ぽ亜
春の雲流れて私小説めきぬ      朝比古   直

恋猫の恋を強制終了す        あんこ   露不朝亜
なのはなの揺れる度海広がりぬ    あんこ   直朝ぽ
美容師の指に疲れや春灯       あんこ   不亜
春星の増えてゆきたる慰労会     あんこ  
春の宵僧侶のやうなベーシスト    あんこ   露不朝亜独四

制服で選ぶ学校朝雲雀        ぽぽな  
しやぼん玉吹いてもう何度目の恋   ぽぽな   独
春昼の動物園の疲れかな       ぽぽな   朝あ四
建築の労働見えている日永      ぽぽな   あ四
クリックとかダブルクリック目借時  ぽぽな   直

春疾風互ひ違ひに規制線       不孤    あ
はじめから度外視されてゐる田螺   不孤    朝独
気疲れの耳にひねもす鳥の恋     不孤    ぽ
けつたいな慰労珠gとしやぼん玉   不孤  
高速路黄砂みるみる濃き中へ     不孤    あ

うちらみな強制的にヒヤシンス    亜紀    露四
牽制の球の行方や山笑ふ       亜紀    ぽ
二度三度後ろ見やりて桜時      亜紀    直あ
湯疲れの髪のほつるる春の月     亜紀    ぽ独
労りの言の葉彼岸桜かな       亜紀  
春愁ひ金属疲労とも違ふ       亜紀    露
花疲れ捺してかするる三文半     亜紀  

春光やブラック企業の年俸制     独楽  
節度ある姿勢で蝶の生まれけり    独楽    露不あ四
野遊びに疲れし父の寝息かな     独楽    直朝
労ひの言葉春の闇の深さ       独楽  
うららかや歩きタバコを蹴つ飛ばす  独楽  
竹とんぼ飛ばそ春の脱毛し放題    独楽    露不

爛々と制服てかり鳥曇        四童    朝
タイガージェット印度メタシン百千鳥 四童    露
蒲公英になるまで疲れ草臥れる    四童    不
値切つたり労はれたり菠薐草     四童    不
五次元に春の来てゐる御茶ノ水    四童  

以上。(集計:不孤)

2013年3月12日火曜日

制度疲労句会・投句一覧

【制】
うちらみな強制的にヒヤシンス
亀戸の制御不能の浮かれ猫
牽制の球の行方や山笑ふ
春光やブラック企業の年俸制
春疾風互ひ違ひに規制線
制服で選ぶ学校朝雲雀
制服の胸の高さよ桜散る
制服の人も混じりて潮干狩
恋猫の恋を強制終了す
爛々と制服てかり鳥曇

【度】
しやぼん玉吹いてもう何度目の恋
タイガージェット印度メタシン百千鳥
なのはなの揺れる度海広がりぬ
はじめから度外視されてゐる田螺
月おぼろ度数の高き酒酌みて
節度ある姿勢で蝶の生まれけり
二度三度後ろ見やりて桜時
抱きしめる度に芽吹いてゆく身体
論文は猫の契りの度量衡

【疲】
この頃は疲弊のそぶり猫の夫
花疲れ捺してかするる三文半
蒲公英になるまで疲れ草臥れる
気疲れの耳にひねもす鳥の恋
春昼の動物園の疲れかな
卒業のどつと疲れてしまひけり
湯疲れの髪のほつるる春の月
美容師の指に疲れや春灯
野遊びに疲れし父の寝息かな
朧夜の乳房疲れてゐたりけり

【労】
けつたいな慰労珠gとしやぼん玉
たんぽぽや苦労を顔に出さぬ人
建築の労働見えている日永
春愁ひ金属疲労とも違ふ
春星の増えてゆきたる慰労会
値切つたり労はれたり菠薐草
労ひの言葉春の闇の深さ
労りの言の葉彼岸桜かな
労咳の床より見ゆる猫の恋
労働を終へて青きを踏みにける

【当季雑詠】
うららかや歩きタバコを蹴つ飛ばす
かき混ぜてみたき目鼻やよなぐもり
クリックとかダブルクリック目借時
五次元に春の来てゐる御茶ノ水
高速路黄砂みるみる濃き中へ
春の雲流れて私小説めきぬ
春の宵僧侶のやうなベーシスト
竹とんぼ飛ばそ春の脱毛し放題
恋猫やスカイツリーのやや揺らぎ

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月14日(木)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URL
というのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。
URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れた
らしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。