2013年6月16日日曜日

【追加】隠蔽体質句会・投句一覧

すみません、迷惑メールフォルダに引っかかってしまったものがありましたので、追加します。11句選で行きますので、すでに選を済まされた方も、もう一句選ぶなり全取っ替えするなりお願い致します。

【隠】
あぢさゐの路地を隠してゐたりけり
たとふれば隠居の体やごみ鯰
隠し立てすることのなき蛍の夜
隠り世の道を知るなり杜若
隠れ咲くどくだみの香に酔ひにけり
隠密の天井にゐる夏料理
階段の隠れてゐたり青葉木菟
人妻よ蛇を隠してゐたるとふ
父の日の父が朝より雲隠れ
父母に隠れて紅き水中花
薔薇でなく紫陽花隠れ家レストラン

【蔽】
ハンカチや証人席を遮蔽して
遮蔽無く水駆け上がる河鵜かな
蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに
昼寝覚脳(なづき)を蔽ふもの一枚
町蔽ふ陰謀の影蚯蚓出づ
日盛や遮蔽物無きパントマイム
熱帯魚なにかを遮蔽して泳ぐ
梅雨の夜の経絡遮蔽施術かな
放射線遮蔽シートの草いきれ
猛烈に遮蔽してゆく青蔦よ
夕立に遮蔽されたる祇園かな

【体】
サイダーを人の体に注ぎけり
たくさんの体液を出す夏料理
山蛭を拒む体となりにけり
鹿の子百合仏の多く半裸体
体裁も無く浮いてこい浮いてこい
体質は遺伝と思ふかたつむり
体無きやうに海月の浮いてをり
体面の汚されてゆく夏の浜
朝曇り体育座りの膝小僧
熱帯夜ソファに伸されゆく身体
名は体か百足の誤差を数へたる

【質】
「質」の字のピンクのネオン夏の月
うすうすと茂りの奥に質屋かな
質問を繰り出してゐる浜日傘
上質なビールの泡を一息に
職質を受けやすき路地梅雨の月
青鷺が性質の良くない声を出し
電柱といふ電柱にかたばみ質店
明易し蛋白質のひと欠片
夕膳は粘着質のひき蛙
涼やかに戦ぐ質屋の暖簾かな
恋愛体質バナナの黒くなるまでは
薔薇園は腺病質の子どもなり

【当季雑詠】
からつぽの脳に沁み入るかき氷
キャッチャーのなり手がゐない朝曇
ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる
意味だけが微妙にずれてゆく梅雨入
遠ざかる雨に羽毛のやはらかさ
橋涼し光の網をほどけずに
香水や四面楚歌なるエレベーター
滝飛沫立ててソリティア上りけり
蜘蛛の囲を避け蜘蛛の囲の人となる
昼顔や父の監督するチーム
定年や屁糞葛の花盛り
白南風のすぐに寝落ちる車窓かな
蛹にも似て山梔子の蕾かな

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月19日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

13 件のコメント:

  1. ○隠密の天井にゐる夏料理
    夏料理の意外性に惹かれました。

    ○父の日の父が朝より雲隠れ
    いいよいいよ、どこへでも。

    ○日盛や遮蔽物無きパントマイム
    壁とか窓に手を当てるパントマイム。

    ○放射線遮蔽シートの草いきれ
    なるほど、シートの下の。

    ○たくさんの体液を出す夏料理
    激辛。汗と涙と鼻水と。

    ○体裁も無く浮いてこい浮いてこい
    浮いてこいって、実際どういうものなのでしょう?

    ○電柱といふ電柱にかたばみ質店
    あるある、○○質店の電柱広告。

    ○明易し蛋白質のひと欠片
    なんだろう、蛋白質のかけらって。

    ○涼やかに戦ぐ質屋の暖簾かな
    おとなしめの句ですが。

    ○ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる
    渋い、瞑想的な顔。

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  2. 〇父の日の父が朝より雲隠れ
    かわいいおとうさん。

    〇父母に隠れて紅き水中花
    父母の情事。

    〇薔薇でなく紫陽花隠れ家レストラン
    健康的な隠れ家です。

    〇町蔽ふ陰謀の影蚯蚓出づ
    蚯蚓の反乱。

    〇たくさんの体液を出す夏料理
    女体盛り。

    〇鹿の子百合仏の多く半裸体
    ジェンダーフリーな仏様。

    〇電柱といふ電柱にかたばみ質店
    かたばみ質店は創業50年。

    〇キャッチャーのなり手がゐない朝曇
    しょうがない。オレやるよ~。

    ○蜘蛛の囲を避け蜘蛛の囲の人となる
    人生とはたぶんそんなもの。

    ○昼顔や父の監督するチーム
    弱そうなチーム。というか監督にむいていない父。

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  3. ○人妻よ蛇を隠してゐたるとふ
    「花と蛇」人妻は谷ナオミ。

    ○父の日の父が朝より雲隠れ
    ちょっとパチンコに。

    ○薔薇でなく紫陽花隠れ家レストラン
    薔薇は痛そう。紫陽花だったらいいかも。

    ○蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに
    取り合わせが可笑しい。

    ○日盛や遮蔽物無きパントマイム
    熱中症にならないようにね。

    ○サイダーを人の体に注ぎけり
    ビールかけは二十歳過ぎてから。

    ○体質は遺伝と思ふかたつむり
    まさに隠蔽体質。

    ○「質」の字のピンクのネオン夏の月
    質屋らしからぬ派手さ。

    ○上質なビールの泡を一息に
    ゑびすか?

    ○キャッチャーのなり手がゐない朝曇
    草野球のまとまりのなさ加減が面白い。

    ○白南風のすぐに寝落ちる車窓かな
    よく解る。列車の旅はよく眠れます。

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  4. ○あぢさゐの路地を隠してゐたりけり
    俳句らしい素直な描写に好感が持てます。

    ○隠し立てすることのなき蛍の夜
    堂々としていればいいんです。

    ○隠密の天井にゐる夏料理
    料理を食べているのは悪代官か。ちょっと可笑しい景。

    ○人妻よ蛇を隠してゐたるとふ
    「人妻」に「蛇」はずるい、と思いつつ。

    ○蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに
    目一杯張ってます。建蔽率が面白い。

    ○たくさんの体液を出す夏料理
    健康に良いのか悪いか。とにかくすごいことになりそう。

    ○体面の汚されてゆく夏の浜
    夏の浜で何があったのか。実に意味深。

    ○職質を受けやすき路地梅雨の月
    怪しまれないように行きましょう。

    ○恋愛体質バナナの黒くなるまでは
    バナナの措辞に惹かれて。恋愛体質って、どういうものなんでしょう。

    ○キャッチャーのなり手がゐない朝曇
    早起き野球、でもこれじゃ試合が出来ません。誰かやってあげて。

    ○橋涼し光の網をほどけずに
    ライトアップされた吊り橋でしょうか。綺麗ですけど、「橋涼し」はやや強引?

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  5. ★隠し立てすることのなき蛍の夜
     ゆるく着て。

    ★隠密の天井にゐる夏料理
     死して屍拾うものなし。夏料理の明るさがやけに可笑しい。

    ★蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに
     近隣にはきちんと了解をとってくださいな。

    ★猛烈に遮蔽してゆく青蔦よ
     一昔前の甲子園球場だろうか。

    ★体裁も無く浮いてこい浮いてこい
     浮き人形、そんなものかも。

    ★体質は遺伝と思ふかたつむり
     どんな体質だろう。なんとなく艶っぽい。

    ★体無きやうに海月の浮いてをり
     言い得て妙。

    ★「質」の字のピンクのネオン夏の月
     お世話になりました的感慨。

    ★質問を繰り出してゐる浜日傘
     煩わしいけれど、なんとか許せるレベル。

    ★上質なビールの泡を一息に
     夏の醍醐味。

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  6. 1句追加です。

    ○恋愛体質バナナの黒くなるまでは
    生々しいのかそうでないのかよくわからないけどインパクトあります。

    返信削除
  7. ○隠密の天井にゐる夏料理
     隠密がいるとも知らずお主も悪よのう。個人的には「天井に」で始まった方が好きです。

    ○人妻よ蛇を隠してゐたるとふ
     あんまりね、蛇を飼ってもいい?とだんなには聞けないものです。それでも蛇への愛が勝ってしまった。そして旦那ではない誰かにしか見せられない。この人妻が一番愛しているのな蛇です。

    ○父の日の父が朝より雲隠れ
     照れているなら微笑ましいが、まあ日曜日ですから、普段通りどこかいってしまったのでしょう。それでいい。

    ○日盛や遮蔽物無きパントマイム
     汗だけが実存する。

    ○猛烈に遮蔽してゆく青蔦よ
     この季節の蔦は確かに猛烈にのびますね。塀などひとたまりもない。

    ○たくさんの体液を出す夏料理
     体液、すばらしい。汗も涙も唾液も鼻水も、その他までもが出てしまうようで、あらあんた溶けてるわよ、と言われたい。

    ○体裁も無く浮いてこい浮いてこい
     この浮いてこいは浮いてこないんだな。

    ○体面の汚されてゆく夏の浜
     体面を汚す、という言葉が進行形になると、哀れがすぎていたたまれなくなる。しかも夏の浜で。無防備すぎたんだ。

    ○ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる
     なんだかゴジラの着ぐるみの人が飲んでいるようでおかしかった。

    ○昼顔や父の監督するチーム
     複雑な想いを抱きますね。臨時で召集されたのかな、息子か娘。知らない父の顔が見られる、という緊張と失望の予感の中、能天気にさく昼顔。

    ○定年や屁糞葛の花盛り
     つきすぎ(?)かもですが、あの侘びしい花がフェンスか何かでぶわっと咲いている(あまり美しくはない)生命力がいい。

    返信削除
  8. ○隠密の天井にゐる夏料理
    季語がすんごくいい。暗闇から下のきれいな夏料理は、
    どんなふうに見えるんでしょね。

    ○父母に隠れて紅き水中花
    ちょっとアヤシゲな少女の性すらも垣間見える。

    ○ハンカチや証人席を遮蔽して
    この蔽は上手い。ドラマを感じます。

    ○鹿の子百合仏の多く半裸体
    確かにとよくわかるし、鹿の子百合がいい。

    ○うすうすと茂りの奥に質屋かな
    いわくのありそうな、由緒のありそうな質屋。

    ○薔薇園は腺病質の子どもなり
    確かに! 腺病質の子どもが素晴らしい!!

    ○からつぽの脳に沁み入るかき氷
    キーンという音が聞こえます。

    ○ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる
    あははは、そういう人いるいる。冷酒呑みたくなってきた。

    ○橋涼し光の網をほどけずに
    きらめきながら、世界は続く。

    ○滝飛沫立ててソリティア上りけり
    これはPCでやっているソリティアの上りと解釈しました。
    確かに最後、シュルルルとカードがすべて収束していく
    動きは滝の飛沫みたいです。

    ○昼顔や父の監督するチーム
    やりにくそう…… 昼顔の頼りなさ加減がいいです。

    返信削除
  9. ●隠し立てすることのなき蛍の夜
     お互いに秘密を打ち明けてしまう夜。

    ●父母に隠れて紅き水中花
     からくれなゐの青春の秘密。

    ●熱帯魚なにかを遮蔽して泳ぐ
     熱帯魚とのあいだの不思議な距離感。

    ●放射線遮蔽シートの草いきれ
     遮蔽シ―トの下の命。

    ●夕立に遮蔽されたる祇園かな
     傘が無いから祇園に行けない。

    ●体面の汚されてゆく夏の浜
     面子を失った浜辺。

    ●職質を受けやすき路地梅雨の月
     思わぬ月の明るさに……。

    ●明易し蛋白質のひと欠片
     いろいろな蛋白質がありますが。

    ●薔薇園は腺病質の子どもなり
     言い切った思いの良さは経験から。

    ●意味だけが微妙にずれてゆく梅雨入
     梅雨の意味が今年は不明。

    ●香水や四面楚歌なるエレベーター
     香水が強過ぎる?

    返信削除
  10. 遮るのですね。

    ○夕立に遮蔽されたる祇園かな
    この遮蔽は風情がありますね。

    ○体裁も無く浮いてこい浮いてこい
    繰り返しがいろいろにとれます。

    ○質問を繰り出してゐる浜日傘
    子供でしょうか。明るさを感じます。

    ○職質を受けやすき路地梅雨の月
    職務質問にもネズミ捕りみたいなのがあるのでしょうか。

    ○キャッチャーのなり手がゐない朝曇
    しゃがむのつらいし、ボールが当たったら痛そうだし。

    ○蜘蛛の囲を避け蜘蛛の囲の人となる
    油断禁物。

    ○定年や屁糞葛の花盛り
    あの花に花盛りがあるということが発見です。

    返信削除
  11. すみません。コメントが切れてしまったので再度投稿します。


    ○薔薇でなく紫陽花隠れ家レストラン
    その方がしっとりしていて良いですね。

    ○ハンカチや証人席を遮蔽して
    法廷劇?物語性があります。

    ○蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに
    蜘蛛の巣の面積のこととも、土地の隅っことも読めますね。

    ○熱帯魚なにかを遮蔽して泳ぐ
    作者の視界の何かを遮るのですね。

    ○夕立に遮蔽されたる祇園かな
    この遮蔽は風情がありますね。

    ○体裁も無く浮いてこい浮いてこい
    繰り返しがいろいろにとれます。

    ○質問を繰り出してゐる浜日傘
    子供でしょうか。明るさを感じます。

    ○職質を受けやすき路地梅雨の月
    職務質問にもネズミ捕りみたいなのがあるのでしょうか。

    ○キャッチャーのなり手がゐない朝曇
    しゃがむのつらいし、ボールが当たったら痛そうだし。

    ○蜘蛛の囲を避け蜘蛛の囲の人となる
    油断禁物。

    ○定年や屁糞葛の花盛り
    あの花に花盛りがあるということが発見です。

    返信削除
  12. ○あぢさゐの路地を隠してゐたりけり
    ありますね~、こういう路地が。

    ○父の日の父が朝より雲隠れ
    実は、どきどき、そわそわ。

    ○日盛や遮蔽物無きパントマイム
    う~ん、灼けるようですね。

    ○猛烈に遮蔽してゆく青蔦よ
    確かに猛烈な勢いです。

    ○夕立に遮蔽されたる祇園かな
    嬉しき、遮蔽ですね。

    ○体質は遺伝と思ふかたつむり
    かたつむりの歩みを見てふと、そう思ったのかな。

    ○涼やかに戦ぐ質屋の暖簾かな
    涼やかに招いて。

    ○キャッチャーのなり手がゐない朝曇
    巨人の星が懐かしい。

    ○ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる
    渋いですねえ。

    ○蜘蛛の囲を避け蜘蛛の囲の人となる
    ついついやってしまうんです。w

    ○定年や屁糞葛の花盛り
    季語に味わいが。

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  13. ○父母に隠れて紅き水中花
     淫靡である。

    ○蜘蛛の囲や建蔽率のぎりぎりに
     ほとんど自然などないようなところに、あるんですねえ。

    ○猛烈に遮蔽してゆく青蔦よ
     そうか、あれは遮蔽していたのか、と認識をあらたにしました。

    ○サイダーを人の体に注ぎけり
     なんかべたべたになりそう。

    ○体質は遺伝と思ふかたつむり
     虚弱体質なのでしょうか。季語の斡旋がいいですね。

    ○体面の汚されてゆく夏の浜
     対面というのは進行形で「汚されてゆく」のかよく分からないけど、夏の浜に青春を感じました。

    ○上質なビールの泡を一息に
     これ、何かの広告のそのままですか。

    ○明易し蛋白質のひと欠片
     ひと欠片と数えられるような蛋白質に思いを馳せます。

    ○恋愛体質バナナの黒くなるまでは
     山瀬まみがガッテンガッテンと連打しそうで、やな句です。

    ○ゴジラの顔で冷酒を呑んでゐる
     表情を変えずに火を吐きそうです。

    ○昼顔や父の監督するチーム
     どこにもそのチームに属しているとは書いてないのだけど、このよそよそしい季語の斡旋、いいですねえ。

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