2013年6月10日月曜日

現地時間句会・投句一覧

 お待たせしました。

【現】
あぢさゐはすべて現在・過去・未来
ががんぼの現在位置を確かむる
街薄暑現在位置のあかあかと
現代の言葉忘るるシャワー室
現物を見ずに購ふ竹婦人
祭果て眠れる街の現はるる
紫陽花に隠されてゐる現在地
十薬も雨も現況有姿かな
熱帯魚夢と現を廻りをり
白髪太郎現れ犬を驚かす
浴衣着て大食漢の現るる

【地】
お地蔵の軍団をなす五月闇
ががんぼようすき地学の教科書よ
夏の川地名に入りて地名を出づ
高架駅から地下駅過ぎてまた夕焼
十薬や祝詞の太き地鎮祭
所在地をうやむやにしてなめくぢり
大滝の落ちて地球の重さかな
地軸ほど傾ぎてソフトクリームかな
白シャツや演説をする地底人
白南風や蟻は大地を往還し
露涼し化粧下地の薄き膜

【時】
どこまでも時軽くなる夏休み
はつなつのくびれの透きし砂時計
香水や古き時間の漂ひぬ
時の日の防音壁の前にゐる
真魚鰹ピラルク時価とありにけり
青時雨天使の羽を濡らしけり
滝ときに時間を逆にして御覧
非時香菓の花ひらく
峯雲や見上げてゐたる時刻表
緑陰とも臨時バス停留所とも
緑陰にはづしてゐたる腕時計

【間】
挨拶の間延びしてゐる山開き
間男の飛び出すやうに羽抜鶏
間男の迷ひ込みたる露台かな
間男も間者も走る梅雨の闇
桐咲くや歯間ブラシの通りよき
行間を読めぬをとこの夏行かな
次の間もまた次の間も心太
畳屋の居間は洋間に燕子花
水中花間奏曲へひらかるる
睡蓮とわたし間合を見計らふ
川燃ゆる間なく鵜と鵜と鵜の主
片手間に胡瓜を揉んでサスペンス

【当季雑詠】
ぎよつとして鏡見つめる金魚かな
ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌
ピーマンのみどり新緑より昏し
愛といふ支へによりてあふひかな
一億円目指す積立若葉冷
山手線回るよ夏のワキ脱毛
赤き液注射されをり蛍の夜
浅い伸脚深い伸脚蟇
配当の微細な数字梅雨じめり
梅雨冷やタオルを干せる理髪店
白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
餡蜜や言の葉過ぎて豆の味

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月12日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URL
というのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。
URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れた
らしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

11 件のコメント:

  1. ○紫陽花に隠されてゐる現在地
    紫陽花ならではの高さ、紫陽花苑?

    ○夏の川地名に入りて地名を出づ
    源流と河口と。

    ○十薬や祝詞の太き地鎮祭
    廣澤虎造のような声の渋い神主か? 最後に「馬鹿は死なな~きゃ治らぁ~ねぇ~」。

    ○所在地をうやむやにしてなめくぢり
    なめくじ自体がうやむやだけど。

    ○大滝の落ちて地球の重さかな
    地球は軽いんでしょうか?

    ○滝ときに時間を逆にして御覧
    滝の逆行見てみたい。

    ○挨拶の間延びしてゐる山開き
    暑くて暑くてたまりませんわ。

    ○行間を読めぬをとこの夏行かな
    愚直というか、気が利かぬというか。

    ○次の間もまた次の間も心太
    夏は心太しか、出ないんですよ。

    ○片手間に胡瓜を揉んでサスペンス
    奥さん、胡瓜に指の形がついたままですよ。

    ○餡蜜や言の葉過ぎて豆の味
    おしゃべりが途切れたら、ああ餡蜜を食ってたんだ、と気づいた。

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  2. ○ががんぼの現在位置を確かむる
     そういえば別に退治するわけでもないのに位置を確かめたりするような気がします。

    ○現代の言葉忘るるシャワー室
     つひシャワー浴ぶなどと云つてしまひますね。いや、そんな俳人事情ではなくもっと深いことを云っているのかも知れません。

    ○現物を見ずに購ふ竹婦人
     ノークレームノーリターンでお願いします。

    ○祭果て眠れる街の現はるる
     いつもの日常に帰ったというだけなら陳腐ですが、「現はるる」ですからなんだかすごいことが起こっているのです。

    ○浴衣着て大食漢の現るる
     浴衣というなら登場人物は楚々としたスレンダー美女で、それは「漢」なのかよく分からず、「漢」だったら兵児帯の怪人のような気もするのですが、そのあたりは呉服屋さんに伺いたくもあり。

    ○大滝の落ちて地球の重さかな
     水の重さならぬ地球の重さを詠んでいるところがよいです。

    ○はつなつのくびれの透きし砂時計
     直球ですね。

    ○非時香菓の花ひらく
     検索してしまいました。下五が腰砕けのような気もします。

    ○ピーマンのみどり新緑より昏し
     これは、やられた感横溢です。

    ○白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
     「あばれてゐたる」が実にいいです。

    ○餡蜜や言の葉過ぎて豆の味
     「豆」のアクセントのあるあの味が生きていると思います。

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  3. ★ががんぼの現在位置を確かむる
     確かめつつ浮遊。

    ★現物を見ずに購ふ竹婦人
     見ず転は痛い目にあうことも。

    ★紫陽花に隠されてゐる現在地
     あるある。

    ★浴衣着て大食漢の現るる
     まだ若きお相撲さん。

    ★所在地をうやむやにしてなめくぢり
     縮みつつ。

    ★時の日の防音壁の前にゐる
     防音壁に一票。

    ★緑陰にはづしてゐたる腕時計
     俳句やねぇ。

    ★挨拶の間延びしてゐる山開き
     海開きの方はちゃちゃっとしてたよ。

    ★次の間もまた次の間も心太
     心太大会。招かれたくないかも。

    ★ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌
     髪も洗う。

    ★白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
     サスペンダーは着こなし難しいね。

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  4. ●熱帯魚夢と現を廻りをり
     遠い異国から連れてこられて可哀そう。

    ●浴衣着て大食漢の現るる
     中原道夫?

    ●お地蔵の軍団をなす五月闇
     あれは軍団ですか。

    ●はつなつのくびれの透きし砂時計
     砂は下へ落ちたまま。

    ●香水や古き時間の漂ひぬ
     古き時間が好い。

    ●青時雨天使の羽を濡らしけり
     甘いけど、青時雨らしい。

    ●間男の飛び出すやうに羽抜鶏
     裸で飛び出す。

    ●片手間に胡瓜を揉んでサスペンス
     テレビ観ながら胡瓜もみ。

    ●配当の微細な数字梅雨じめり
     配当の額が微細? 季語が好い。

    ●梅雨冷やタオルを干せる理髪店
     黴が生えないように。

    ●白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
     サスペンダーを使うのは意外と難しい。

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  5. ○紫陽花に隠されてゐる現在地
    今この場所も夢と地続きのよう。

    ○夏の川地名に入りて地名を出づ
    光りながら流れのやまぬ川が見える。

    ○所在地をうやむやにしてなめくぢり
    ううむ、確かにそういう感じがある。

    ○どこまでも時軽くなる夏休み
    夏休みの時間の流れ方が言いえて妙。

    ○はつなつのくびれの透きし砂時計
    くびれの透きしの表現のよさ。季語もよい。
    砂の流れがよくみえてきます。

    ○時の日の防音壁の前にゐる
    時の日でなんだか納得してしまうのです。

    ○青時雨天使の羽を濡らしけり
    きれい。これはまだ天使デビューして間もないに違いない。

    ○滝ときに時間を逆にして御覧
    はい! と思わず私がいいそうに。
    滝の大きな音と流れは時間を逆にする可能性が十分。

    ○ぎよつとして鏡見つめる金魚かな
    金魚の表情が浮かんできます。

    ○ピーマンのみどり新緑より昏し
    確かにそうですね。新緑がいい。

    ○餡蜜や言の葉過ぎて豆の味
    少しの後悔と時間。

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  6. ○十薬や祝詞の太き地鎮祭
    「太き」でいただきました。

    ○香水や古き時間の漂ひぬ
    ドラマを感じます。

    ○時の日の防音壁の前にゐる
    「防音壁」の不思議な感触。

    ○緑陰とも臨時バス停留所とも
    清涼飲料水のCMのよう。

    ○間男の飛び出すやうに羽抜鶏
    経験があります(ウソです)。

    ○間男の迷ひ込みたる露台かな
    経験があります(ウソです)。

    ○片手間に胡瓜を揉んでサスペンス
    ときどきギュッと強く揉んだり。

    ○ピーマンのみどり新緑より昏し
    「昏し」はなかなか言えない。

    ○山手線回るよ夏のワキ脱毛
    ワキが気になる季節です。

    ○浅い伸脚深い伸脚蟇
    「蟇」があってるようなあってないような。

    ○白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
    太った人だと思う。「白シャツ」は季語?

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  7. ○ががんぼの現在位置を確かむる
    朝と同じ位置にいます。

    ○現物を見ずに購ふ竹婦人
    そうでしょうね。

    ○お地蔵の軍団をなす五月闇
    石材店でしょうか。兵馬俑と違って同じ顔の地蔵様がずらり。

    ○十薬や祝詞の太き地鎮祭
    読経と違って祝詞は普通甲高い声だから。地鎮祭が終われば十薬も刈り取られるのだろう。

    ○所在地をうやむやにしてなめくぢり
    たしかに。

    ○地軸ほど傾ぎてソフトクリームかな
    「地軸ほど」がうまいですね。

    ○はつなつのくびれの透きし砂時計
    情感あります。

    ○間男の飛び出すやうに羽抜鶏
    間男の慌てぶりを羽抜鶏のようだというのではなく、羽抜鶏の動きが間男のようだと言ったのが面白い。

    ○間男も間者も走る梅雨の闇
    間男3句、同じ作者でしょうか? ちがったら笑えます。

    ○片手間に胡瓜を揉んでサスペンス
    莢豌豆の筋を剥くとか、片手間には丁度良い。

    ○白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
    たしかにそんな感じ。右京さんはそうでもないかな。

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  8. ○現物を見ずに購ふ竹婦人
    ネット購入なんですね。w

    ○夏の川地名に入りて地名を出づ
    地名を使って面白い切り取り方。

    ○大滝の落ちて地球の重さかな
    音が聞こえてきそうです。

    ○露涼し化粧下地の薄き膜
    下地は意外と大事なんですよ。

    ○はつなつのくびれの透きし砂時計
    素直さに好感。

    ○時の日の防音壁の前にゐる
    二物衝撃で不思議な効果を上げている。

    ○峯雲や見上げてゐたる時刻表
    夏休みですね~。

    ○桐咲くや歯間ブラシの通りよき
    上品な桐の花の取り合わせが良い。

    ○次の間もまた次の間も心太
    壮観ですね。

    ○ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌
    眼を洗うが好いです。

    ○浅い伸脚深い伸脚蟇
    スローモーションで見ているようです。

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  9. ○ががんぼの現在位置を確かむる
     止まって上下している時がありますね。あれは確かめていたのか。

    ○街薄暑現在位置のあかあかと
     周りも薄暗い感じがいいと思いました。現在位置はわかっていてもどこへいくかは検討がついていない感じ。

    ○紫陽花に隠されてゐる現在地
     大きすぎた。でも手ではらう事もし難い、それほど困ってもいないし、という中途半端な不便さがいいなと。

    ○熱帯魚夢と現を廻りをり
     円筒形の水槽をきらきら泳ぐ熱帯魚は存在の半分くらいが作り物な気がするので、回るたびにどちらかの面が強くでるのでしょう。

    ○浴衣着て大食漢の現るる
     つまようじ持ってる。絶対。

    ○夏の川地名に入りて地名を出づ
     川が川として認識され記載される限り、地名から逃れられないのですよね。あとは海になるしか。

    ○どこまでも時軽くなる夏休み
     軽く早くすぎてしまう。どこまで軽くなるか試してみたい。

    ○はつなつのくびれの透きし砂時計
     うまい。くびれを視点にしたのが肝ですね。

    ○香水や古き時間の漂ひぬ
     これはガラスの瓶に収まってガラスの棒でつけるような香水。

    ○間男の飛び出すやうに羽抜鶏
     バツの悪い感じがぴったりだ。

    ○睡蓮とわたし間合を見計らふ
     目算してしまうのか。乗るわけではなく、何となく睡蓮からも見られている気がして間合いをとってしまうのだろうな。

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  10. ○ががんぼの現在位置を確かむる
    なんとなく気にしてしまいますよね。

    ○現代の言葉忘るるシャワー室
    あーとかひゃーとかですね。

    ○紫陽花に隠されてゐる現在地
    地図と思ってもいいですし。もっと謎めいた読みも。

    ○浴衣着て大食漢の現るる
    つんつるてんの浴衣でしょうか。

    ○地軸ほど傾ぎてソフトクリームかな
    大きく言ったものの勝ち。

    ○香水や古き時間の漂ひぬ
    納得感ありました。

    ○間男の飛び出すやうに羽抜鶏
    合い過ぎな感じがするほど。

    ○次の間もまた次の間も心太
    豪華な料理でなくところてんのところがいいです。

    ○片手間に胡瓜を揉んでサスペンス
    ちゃちゃっと作ったツマミが美味しいんです。

    ○白シャツのあばれてゐたるサスペンダー
    なるほど。暴れていますね。

    ○餡蜜や言の葉過ぎて豆の味
    そういえば豆の味は遅れてくる感じがあります。

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  11. ○ががんぼの現在位置を確かむる
    GPS搭載だったりして。

    ○現代の言葉忘るるシャワー室
    「あー」とか「うー」とかしか出てこない気持ちよさ。

    ○現物を見ずに購ふ竹婦人
    通販してるんでしょうか。あったら欲しいです。

    ○十薬や祝詞の太き地鎮祭
    「太き」がいいですね。厳かな感じ。

    ○所在地をうやむやにしてなめくぢり
    ぬめぬめと移動しています。

    ○大滝の落ちて地球の重さかな
    地球の重力を感じる景。

    ○挨拶の間延びしてゐる山開き
    ありそうな場面。早く終わってほしいものです。

    ○間男の飛び出すやうに羽抜鶏
    羽根を散らして、大慌てしているように見えます。

    ○片手間に胡瓜を揉んでサスペンス
    胡瓜を揉むのがサスペンスだとしたら面白い。どんな胡瓜。

    ○ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌
    「ざぶざぶ」は桜桃忌に合います。

    ○餡蜜や言の葉過ぎて豆の味
    言葉が過ぎた、ということでしょうか。後味が豆の味ということで。

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