2013年6月13日木曜日

現地時間句会・作者発表

お待たせしました。

街薄暑現在位置のあかあかと      朝比古   幹
地軸ほど傾ぎてソフトクリームかな   朝比古   不由
はつなつのくびれの透きし砂時計    朝比古   四直あ不亜幹
間男の飛び出すやうに羽抜鶏      朝比古   直露不幹由独
ピーマンのみどり新緑より昏し     朝比古   四あ露

祭果て眠れる街の現はるる       直子    四
大滝の落ちて地球の重さかな      直子    海四亜独
どこまでも時軽くなる夏休み      直子    あ幹
畳屋の居間は洋間に燕子花       直子  
ぎよつとして鏡見つめる金魚かな    直子    あ

あぢさゐはすべて現在・過去・未来   露結  
夏の川地名に入りて地名を出づ     露結    海あ亜幹
峯雲や見上げてゐたる時刻表      露結    亜
次の間もまた次の間も心太       露結    海朝亜由
梅雨冷やタオルを干せる理髪店     露結    直

熱帯魚夢と現を廻りをり        あんこ   直幹
十薬や祝詞の太き地鎮祭        あんこ   海露不独
香水や古き時間の漂ひぬ        あんこ   直露幹由
水中花間奏曲へひらかるる       あんこ  
赤き液注射されをり蛍の夜       あんこ  

現代の言葉忘るるシャワー室      藤幹子   四由独
露涼し化粧下地の薄き膜        藤幹子   亜
滝ときに時間を逆にして御覧      藤幹子   海あ
川燃ゆる間なく鵜と鵜と鵜の主     藤幹子  
餡蜜や言の葉過ぎて豆の味       藤幹子   海四あ由独

白髪太郎現れ犬を驚かす        海太  
白南風や蟻は大地を往還し       海太  
緑陰とも臨時バス停留所とも      海太    露
睡蓮とわたし間合を見計らふ      海太    幹
ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌       海太    朝亜独

ががんぼの現在位置を確かむる     亜紀    四朝不幹由独
所在地をうやむやにしてなめくぢり   亜紀    海朝あ不独
緑陰にはづしてゐたる腕時計      亜紀    朝
行間を読めぬをとこの夏行かな     亜紀    海
片手間に胡瓜を揉んでサスペンス    亜紀    海直露不由独
白シャツのあばれてゐたるサスペンダー 亜紀    四朝直露不由

浴衣着て大食漢の現るる        独楽    四朝直幹由
白シャツや演説をする地底人      独楽  
青時雨天使の羽を濡らしけり      独楽    直あ
間男の迷ひ込みたる露台かな      独楽    露
山手線回るよ夏のワキ脱毛       独楽    露
一億円目指す積立若葉冷        独楽  

紫陽花に隠されてゐる現在地      不孤    海朝あ幹由
高架駅から地下駅過ぎてまた夕焼    不孤  
非時香菓の花ひらく          不孤    四
桐咲くや歯間ブラシの通りよき     不孤    亜
配当の微細な数字梅雨じめり      不孤    直

現物を見ずに購ふ竹婦人        由季    四朝不亜独
ががんぼようすき地学の教科書よ    由季  
時の日の防音壁の前にゐる       由季    朝あ露亜
挨拶の間延びしてゐる山開き      由季    海朝独
浅い伸脚深い伸脚蟇          由季    露亜

十薬も雨も現況有姿かな        四童  
お地蔵の軍団をなす五月闇       四童    直不
真魚鰹ピラルク時価とありにけり    四童  
間男も間者も走る梅雨の闇       四童    不
愛といふ支へによりてあふひかな    四童  

以上。(集計:不孤)


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