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街薄暑現在位置のあかあかと 朝比古 幹
地軸ほど傾ぎてソフトクリームかな 朝比古 不由
はつなつのくびれの透きし砂時計 朝比古 四直あ不亜幹
間男の飛び出すやうに羽抜鶏 朝比古 直露不幹由独
ピーマンのみどり新緑より昏し 朝比古 四あ露
祭果て眠れる街の現はるる 直子 四
大滝の落ちて地球の重さかな 直子 海四亜独
どこまでも時軽くなる夏休み 直子 あ幹
畳屋の居間は洋間に燕子花 直子
ぎよつとして鏡見つめる金魚かな 直子 あ
あぢさゐはすべて現在・過去・未来 露結
夏の川地名に入りて地名を出づ 露結 海あ亜幹
峯雲や見上げてゐたる時刻表 露結 亜
次の間もまた次の間も心太 露結 海朝亜由
梅雨冷やタオルを干せる理髪店 露結 直
熱帯魚夢と現を廻りをり あんこ 直幹
十薬や祝詞の太き地鎮祭 あんこ 海露不独
香水や古き時間の漂ひぬ あんこ 直露幹由
水中花間奏曲へひらかるる あんこ
赤き液注射されをり蛍の夜 あんこ
現代の言葉忘るるシャワー室 藤幹子 四由独
露涼し化粧下地の薄き膜 藤幹子 亜
滝ときに時間を逆にして御覧 藤幹子 海あ
川燃ゆる間なく鵜と鵜と鵜の主 藤幹子
餡蜜や言の葉過ぎて豆の味 藤幹子 海四あ由独
白髪太郎現れ犬を驚かす 海太
白南風や蟻は大地を往還し 海太
緑陰とも臨時バス停留所とも 海太 露
睡蓮とわたし間合を見計らふ 海太 幹
ざぶざぶと眼を洗ふ桜桃忌 海太 朝亜独
ががんぼの現在位置を確かむる 亜紀 四朝不幹由独
所在地をうやむやにしてなめくぢり 亜紀 海朝あ不独
緑陰にはづしてゐたる腕時計 亜紀 朝
行間を読めぬをとこの夏行かな 亜紀 海
片手間に胡瓜を揉んでサスペンス 亜紀 海直露不由独
白シャツのあばれてゐたるサスペンダー 亜紀 四朝直露不由
浴衣着て大食漢の現るる 独楽 四朝直幹由
白シャツや演説をする地底人 独楽
青時雨天使の羽を濡らしけり 独楽 直あ
間男の迷ひ込みたる露台かな 独楽 露
山手線回るよ夏のワキ脱毛 独楽 露
一億円目指す積立若葉冷 独楽
紫陽花に隠されてゐる現在地 不孤 海朝あ幹由
高架駅から地下駅過ぎてまた夕焼 不孤
非時香菓の花ひらく 不孤 四
桐咲くや歯間ブラシの通りよき 不孤 亜
配当の微細な数字梅雨じめり 不孤 直
現物を見ずに購ふ竹婦人 由季 四朝不亜独
ががんぼようすき地学の教科書よ 由季
時の日の防音壁の前にゐる 由季 朝あ露亜
挨拶の間延びしてゐる山開き 由季 海朝独
浅い伸脚深い伸脚蟇 由季 露亜
十薬も雨も現況有姿かな 四童
お地蔵の軍団をなす五月闇 四童 直不
真魚鰹ピラルク時価とありにけり 四童
間男も間者も走る梅雨の闇 四童 不
愛といふ支へによりてあふひかな 四童
以上。(集計:不孤)
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