2013年6月26日水曜日

蚊帳吊草句会・作者発表

ダイスケさん、けんじさん、ようこそ! これからもよろしくお愉しみ下さい。

筋骨の隆々と蚊の来てゐたり      朝比古   露直四
噴水や少女の捲る単語帳        朝比古   あ不直け
風鈴を吊つて一級建築士        朝比古   海ダ不露直亜四け
旅人の疲れてゐたり夏の草       朝比古   あ不
埋立の海へ広がる草いきれ       朝比古   あ海直亜四

蚊にすこし宿酔の血をわけてやる    露結    不四け
蝙蝠の行き交ふ帳下ろしけり      露結    亜
てるてる坊主梅雨の重さに吊られあり  露結    あ海ダ亜独
客ひとりマスターひとり月見草     露結    朝海亜四け
夕立のあとコーヒー店よりひとりふたり 露結  

声あればきつと野太き声の蚊よ     ダイスケ  朝
スタンプあまたあり帰省子の自由帳   ダイスケ  朝け独
吊革をきらめかせたる夏日かな     ダイスケ  直
夏の星草野仁は出題す         ダイスケ  あ
荒南風が街に八百屋の香を散らす    ダイスケ  直四

血圧を気にする歳の蚊遣かな      独楽  
夏の夜の帳が下りて銀座かな      独楽    あ亜
廃屋に高く吊るせよ金魚玉       独楽    朝海不
蝉時雨草加煎餅の憂鬱         独楽    海
夏空を踏み壊すほどデモ隊は      独楽  

手心を加へ藪蚊を打つ少女       直子    海ダ
夏の夜の帳が包む矯正院        直子  
円安のどこまで行くや吊忍       直子    露
日日草駅前駐輪有料に         直子  
間諜の帰郷する夢水無月は       直子  

蚊蜻蛉の運ぶ荷物の遅延せり      けんじ  
蝙蝠の開き手帳となりにけり      けんじ  
夕闇に吊されてゐる夏袴        けんじ   ダ不露亜
草刈や影残さるる庭の端        けんじ   直独
十薬の祈り風力発電所         けんじ  

蚊喰鳥雲の重たくなつてきし      あんこ   朝露亜
文字跳ねしシステム手帳アイスティー  あんこ   亜
吊るされし操り人形夏の月       あんこ   朝直独
草いきれ既視感強くなりにけり     あんこ   朝独
夕立後グランドピアノの開かるる    あんこ   朝ダ不亜四独
 
藪蚊叩くAB型に相違なし       海太    あ四
几帳面な性格蟻の列糺す        海太    不け独
汗いちまい隔て鞄と吊革と       海太  
密会に傘密葬に袈裟草いきれ      海太  
白扇や僧が隣に岐阜羽島        海太    朝直

日盛りも闇もきらはず飛蚊症      不孤    露亜
句帳幾冊まつさらなままに紙魚     不孤    海四け
落ちさうで落ちぬ黒蔕吊りバナナ    不孤    け
百日草生家無住に朽ちゆくも      不孤    ダ
五分おきの目薬三種さみだるる     不孤    海ダ露四独

道場の傍らに置く蚊遣香        亜紀    朝あ海け独
帳面の日付飛び飛び百日紅       亜紀    ダ不露独
風鈴を吊れば幼きころのこと      亜紀    あけ
扇風機草臥れるまで首振つて      亜紀    朝あダけ独
風呂敷の唐草模様夏盛ん        亜紀    ダ直
カーソルをひとつ左に梅雨の月     亜紀    あ露直
胸板の厚き薄きやサングラス      亜紀    ダ四

蚊を打てば泡の飛び散る厨かな     四童    海不露
簡単な帳面どほり夾竹桃        四童  
吊り出しで麒麟児の勝ち花南瓜     四童    不露
祝詞では鎮められない夏の草      四童  
長袖で立つ網戸なき厨かな       四童

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