2014年2月27日木曜日

葛西紀明句会・投句一覧

大変遅くなりました。すみません。

【葛】
蛙合戦葛城山の麓にて
喝采を浴びて葛西の雪解風
葛根湯溶けきれずあり春の闇
葛城の山ふところの蕨萌ゆ
葛城の里は行者の干鰈
葛飾にゐて蓬餅日和かな
葛飾の団子屋を出て日永かな
葛西橋越え母を訪ふ水の春
葛切に持て成されたる遍路かな
葛藤のほぐれぬままに木瓜の花
葛藤を箱詰めにして水温む
校正の果の原稿諸葛菜
冴返る早め早めの葛根湯
春まだき葛飾北斎名乗るころ
春霖に葛城山の包まるる
部室にまじる女の声や葛若葉

【西】
ウィッグは割引除外西行忌
関西も関東もなしよなぐもり
欠けありぬ西の字牌や卒業す
春灯下西京焼の白き照り
春眠や輪廻の中の西遊記
西葛西駅に春菊そば喰へり
西口へ早足となり春ショール
西向くのにのあたりなる余寒かな
西窓に嘯いてゐて春兆す
西側の隣家はげしく豆を撒く
西班牙も香港もない春の風邪
川に沿ふ海までの道涅槃西風
苔りんどう苔の小道の西芳寺
地虫出づ東西線の西の方
北方領土西方浄土鳥雲に

【紀】
うららかや日本紀行の日本は
シルル紀を知るいそぎんちやく硬きまま
ハッピーマンデー紀元節こそ動かさめ
一世紀前にはこんな春愁も
紀行文主に朝寝と酒の話
再生の春半世紀を無きものに
三畳紀ジュラ紀白亜紀地虫出づ
春の雪白亜紀の展示室へ入る
初蝶の階降りて来る紀三井寺
神前の私人いろいろ紀元節
精神に東風吹く二十一世紀
二十世紀に生まれて生きて春灯し
壺焼で締め括りたる紀勢線
毬をつく紀州のとのさまうらうらら

【明】
マッサージチェアの三方雪明り
空白のやけに明るき大試験
啓蟄の明るき地べたすこし鬱
慶應明治大正昭和大学桜散る
山笑う新明解を繰り笑う
春の風邪われよりほかはみな明るし
春の夜明けふたりのブラックコーヒー
春灯明るき昏さもたらせり
春風や明るき顔の招き猫
薄明り消へて微かな初音かな
腐女子てふ明治身近に春の服
坊主バーの明朗会計春満月
明らかと答案に書き卒業す
朧夜のビルの四隅の明滅す

【当季雑詠】
オカリナのゆりかごなつかし岡すみれ
すみれ野のオカリナすっぽりわらべっ子
宇宙塵ダイオウイカの眼に霞
雲梯の余白を点す初蝶よ
煙突を下る二月のけむの影
魚は氷に上り地のものふらふらす
月曜が締切梅の咲き揃ふ
守りきる個人情報猫の恋
春の月うすつぺらなる鬼の面
春の宵給油所店主ギター弾き
春の雪無人のリフト回りをり
春愁や岸部シローのイエスタデイ
春宵の母の三面鏡怖し
雛あられ上手く謙遜していたり
雪解けてジャズセッションの微熱かな
早春を平らげて待つ便りかな
白椿老人の紅いくちびる
鞦韆が来るぞとちくわ大明神

(以上)

14句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月3日(月)20時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から14句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年2月17日月曜日

葛西紀明句会・出題

再開第78回目の出題です。
ちなみに羽生結弦選手は昨年2/12に出題しちゃったのです。

【葛】
【西】
【紀】
【明】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:2月24日(月)20:00(JST)…月曜締切にて試行します。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

万能細胞句会・作者発表

万屋の軒にかかりし巣箱かな     朝比古   独ぽ
春炬燵母に万能薬ひとつ       朝比古   ダあた亜四
浅春の細き管より細き水       朝比古  
細胞の一部透きゐる春障子      朝比古   ダぽ四
千代紙に和の色多し春の月      朝比古  

万田ちがふ萬田ですから春日傘    海太  
能く進め舞台へ続く蜷の道      海太  
細君淀君どつちもどつち家朧     海太  
家康の胞衣塚蜥蜴穴を出づ      海太    あ
天功の種も仕掛も黄沙来る      海太    あ

如月の棚に伊万里の青ならぶ     ぽぽな   ダ朝た亜
効能の文字の小さき余寒かな     ぽぽな   ダ朝け亜独四
春光を入れ飴細工できあがる     ぽぽな   朝た四
細胞の種類いろいろ春兆す      ぽぽな   朝苑
春光の紅白帽を裏返す        ぽぽな   ダ朝苑

万年筆と手と睦み合ふ春隣      ダイスケ  けぽ
能楽堂舞はれ謡はれ春満ちゆく    ダイスケ  
スイートピー細き花瓶に細き指    ダイスケ  け独
春立つや胞子のぴつと飛びゆける   ダイスケ  苑
雪の校庭真ん真ん中の雪だるま    ダイスケ  あけ

万能と云えど無自覚クロッカス    けんじ   あ
無能なることの美し春の月      けんじ  
細分化されし似顔絵春時雨      けんじ   海あ独ぽ
同胞の散り散りとなり迎春花     けんじ   亜独
如月や相性のよき裁鋏        けんじ   苑独ぽ四

万葉の空ひろがりし二月かな     あんこ   苑た亜
きさらぎの空気の満ちし能舞台    あんこ   ダ苑た
源泉の細く滲み出す春の山      あんこ   朝け
ぼたん雪細胞夢を見てゐたる     あんこ  
さつきより星増えてゐる受験生    あんこ   朝苑たけ亜ぽ四

寒の明け万歳をして眠る猫      独楽    ダ朝苑海亜
嫌なこと忘れる機能春の雪      独楽    あたけぽ四
猫の子のか細き声を見守りぬ     独楽    あぽ
同胞と呼ぶを寂しき余寒かな     独楽    け
早春の杖つく人の杖の影       独楽    朝四
薄氷を天の戒めとぞ思う       独楽  

早春のソチに揺るるよ万国旗     亜紀    朝
紅梅の咲いて能弁なるをとこ     亜紀    苑海独
朧夜の伝達事項細々と        亜紀  
つぎつぎと細胞分裂水温む      亜紀    苑海け
窓拭きの腕を大きく二月来る     亜紀    独ぽ
東京タワー五色に灯し春立ちぬ    亜紀    朝海
春隣椅子上げて待つルンバかな    亜紀    海独四

万葉の里は畦道つくしんぼ      たろう  
よりもどす細君ぽっちゃり細魚喰う  たろう  
能天気ひねって昇るや龍天に     たろう  
百歳の同胞ほがらにちゃんちゃんこ  たろう   海亜
ふっくらは卑弥呼のひみつ日脚伸ぶ  たろう   海四

春浅し父の愛した万年筆       苑を    独
能面の壁に並びて春の雪       苑を    ダ海た四
裏木戸の閂を引く細雪        苑を    亜ぽ
ふつふつと胞子増殖して立春     苑を    た
牡丹雪ビニール傘を明るうす     苑を    あ亜

万力のやうな人生日脚伸ぶ      四童    ダけ
十能を撫でまはしては炭をつぐ    四童    海け
細胞のひとつひとつが春を待つ    四童    ダ苑あた亜独ぽ
同胞に叱られてゐる春隣       四童  
涙ほど春を含みて寒の雨       四童    ダ海あた

以上。(集計:不孤)

2014年2月11日火曜日

万能細胞句会・投句一覧

大変遅くなりまして、申し訳ありません。

【万】
寒の明け万歳をして眠る猫
春浅し父の愛した万年筆
早春のソチに揺るるよ万国旗
如月の棚に伊万里の青ならぶ
万屋の軒にかかりし巣箱かな
万田ちがふ萬田ですから春日傘
万年筆と手と睦み合ふ春隣
万能と云えど無自覚クロッカス
万葉の空ひろがりし二月かな
万葉の里は畦道つくしんぼ
万力のやうな人生日脚伸ぶ

【能】
きさらぎの空気の満ちし能舞台
よりもどす細君ぽっちゃり細魚喰う
嫌なこと忘れる機能春の雪
効能の文字の小さき余寒かな
紅梅の咲いて能弁なるをとこ
十能を撫でまはしては炭をつぐ
春炬燵母に万能薬ひとつ
能く進め舞台へ続く蜷の道
能楽堂舞はれ謡はれ春満ちゆく
能面の壁に並びて春の雪
無能なることの美し春の月

【細】
スイートピー細き花瓶に細き指
源泉の細く滲み出す春の山
細君淀君どつちもどつち家朧
細分化されし似顔絵春時雨
細胞のひとつひとつが春を待つ
春光を入れ飴細工できあがる
浅春の細き管より細き水
猫の子のか細き声を見守りぬ
能天気ひねって昇るや龍天に
裏木戸の閂を引く細雪
朧夜の伝達事項細々と

【胞】
つぎつぎと細胞分裂水温む
ふつふつと胞子増殖して立春
ぼたん雪細胞夢を見てゐたる
家康の胞衣塚蜥蜴穴を出づ
細胞の一部透きゐる春障子
細胞の種類いろいろ春兆す
春立つや胞子のぴつと飛びゆける
同胞と呼ぶを寂しき余寒かな
同胞に叱られてゐる春隣
同胞の散り散りとなり迎春花
百歳の同胞ほがらにちゃんちゃんこ

【当季雑詠】
さつきより星増えてゐる受験生
ふっくらは卑弥呼のひみつ日脚伸ぶ
牡丹雪ビニール傘を明るうす
春光の紅白帽を裏返す
春隣椅子上げて待つルンバかな
雪の校庭真ん真ん中の雪だるま
千代紙に和の色多し春の月
早春の杖つく人の杖の影
窓拭きの腕を大きく二月来る
天功の種も仕掛も黄沙来る
東京タワー五色に灯し春立ちぬ
如月や相性のよき裁鋏
薄氷を天の戒めとぞ思う
涙ほど春を含みて寒の雨

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:2月14日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

2014年2月2日日曜日

万能細胞句会・出題

再開第77回目の出題です。

【万】
【能】
【細】
【胞】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:2月10日(月)20:00(JST)…月曜締切にて試行します。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

五輪返上句会・作者発表

お待たせしました。

五拍子のジャズ響きをる屏風かな     ダイスケ    不亜独
知恵の輪の解かれて冬の光かな      ダイスケ    海独
返り花きみがふるはせたるピアノ     ダイスケ   
湯気立ちてG線上のアリア鳴る      ダイスケ    廣朝亜
さびしさを飲む心地して冬の水      ダイスケ    海廣朝あ独

五番目の男忘れし冬帽子         廣島屋     朝
銀輪も心地よきかな山眠る        廣島屋   
大寒のたちまち返つてくるメール     廣島屋     海由ぽ
上首尾のおでん掲げて運びけり      廣島屋   
枯野から枯野へ歩く稽古かな       廣島屋     海朝由

冬の星五感つかわずわかること      ぽぽな     四
大寒の夜や知恵の輪をはなれぬ輪     ぽぽな     あけ
片恋の指トランプを裏返す        ぽぽな     廣不四たけ独
鏡中に四温の髪を結い上げる       ぽぽな     海
ティーバッグ沈めて街に雪はじまる    ぽぽな     ダ朝不た亜独

厳寒の将棋待つたは五回まで       けんじ     朝
大輪になれずにゐたり冬桜        けんじ     海朝
繰返し見たる悪夢や寒牡丹        けんじ     ダ廣由ぽ独
歌がるたゆつくり引き上げられし腕    けんじ   
双六の上がるルートの見つからぬ     けんじ     廣
凍蝶の触れて魂交換す          けんじ     ダ廣あ四由た亜

きさらぎの五線紙に音符生まれをり    あんこ     海廣け
輪となりて猫の眠りし四温かな      あんこ     海廣不亜独
大白鳥天へひかりを返しをり       あんこ     ダ不
むささびの渡つてゆきし夜の上      あんこ     朝
寝返れば翼となりし布団かな       あんこ     ぽ亜

春風ふっくら五線紙の青インク      たろう     け
からっぽの埴輪のまなこ春隣       たろう     海ダ四ぽけ
風花の風にゆるゆる宙返り        たろう     ダ
いぬふぐり男岳女岳の二上山       たろう   
海鼠喰うなまこの秘密ひとつくう     たろう     由

春近し五分間揉むふくらはぎ       由季      廣不四たぽけ亜
輪飾のもひとつ足されどんど焼き     由季      ダ
日脚伸ぶ台所より生返事         由季      朝不あ四たぽ
一月の上生菓子のうすみどり       由季      海ぽ亜独
枯芝の渦なしてゐるひとところ      由季      ぽ

雪晴や海がぶつかる五能線        海太      不た
五線紙に鶴唳採譜するところ       海太      ダ不た
横綱輪島チャンプ輪島の懐手       海太      朝
榾明り生肉生唾生返事          海太      廣
上野発冬怒濤行自転車よ         海太      不独
上州屋とふ木賃宿草城忌         海太   
冬鵙の声は水色ムンクの忌        海太      廣四た独

二人に余り五人に足らぬ炬燵かな     不孤      由け
輪の中に入る子入らぬ子日脚伸ぶ     不孤      海ダ廣由たけ亜
侘助や返事はいつもあやふやに      不孤   
下書を上書きしたる寒夜かな       不孤      海ダ四由たぽけ亜
軒醒や防犯灯の明る過ぎ         不孤   

人間の五欲ふつふつ根深汁        亜紀      四独
輪郭のいまだぼんやり雪女郎       亜紀      朝由たぽ
返答のでんぐり返り雪まろげ       亜紀   
着膨れて上書き保存してゐたり      亜紀      あ
順々に紙を重ねて日脚伸ぶ        亜紀   
凍滝の黙りこくるといふことを      亜紀   
先生の後ろをひたと枯むぐら       亜紀   

午後五時のサイレン濡るる寒の雨     独楽      ダあ四た
片隅でくしゃみや夜の駐輪場       独楽      あ由
幾度も枯野の果てを振り返る       独楽      ぽ亜
上品に焼藷かじる老母かな        独楽      ダあ
ポケットにサイコロひとつ冬の虹     独楽      朝あたぽけ
大脳を置き忘れたる霜夜かな       独楽      四

待春のナルトを乗せて五目そば      朝比古     海ダあ由
春近し手つなぎて行く一輪車       朝比古     四由ぽ独
霜柱踏みて返却窓口へ          朝比古     不あけ
寒梅や暴れる上田馬之介         朝比古     廣四独
冬の波男の髪の短くて          朝比古   

五色塚古墳に立つて春を待つ       四童      あ由
凍土の轍を車輪までたどる        四童      不
返信のあまりに早き日向ぼこ       四童      け
春を待つ一身上の理由かな        四童      あ亜
暖房がその限界に挑戦す         四童      朝不け亜

以上。(集計:不孤)