2011年12月30日金曜日

正面突破句会・出題

こんにちは。再開第7回目の出題です。お正月なので正の字を含むものに
してみました。
【正】
【面】
【突】
【破】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)
投句締切:1月7日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com
★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
書かないで下さい。
また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。
それでは皆様、よいお年を。

文章読本句会・作者発表

文化鍋文化包丁雪催           朝比古 こぽ四由
背広から外す記章やクリスマス      朝比古 亜ぐ恵由
黙読の少女冬日に包まれて        朝比古 恵
でたらめに本堂の煤払ひけり       朝比古 ぐ恵空ぽ由
睦みつつふくら雀となりにけり      朝比古 亜こ
風花や錆の匂ひの船溜り         朝比古 こ
母の呪文風邪薬より利きさうで      ぐみ  こ空ぽ
章魚釣りの師匠に師匠おでん酒      ぐみ  由
くつくしやみ運勢占ひ立ち読みし     ぐみ
絵ばかりの大人の絵本暖炉燃ゆ      ぐみ  百
冬空を裂き羽ばたける黒きもの      ぐみ
絨毯のしみ泣きぼくろかも知れぬ     ぐみ  朝百恵四
文学のはじめの一歩ぼたん雪       こゆ
第一章にほひ桜の咲きにけり       こゆ
冬至かな読経とどろく海の底       こゆ  ぐ朝百空由
読みかけの本をならべて日向ぼこ     こゆ
銀杏舞うむだなプライド飛ばします    こゆ
飛び立つこともわたしの一部冬の虹    こゆ  ぐ恵空
文飾に手間取る句作狸罠         百花
歳末の終章の声一万人          百花
つん読に果てしを眺め年の夜       百花  ぐ
本当は旨い話の河豚の鍋         百花
まん丸の皮を撫でゐる柚子湯かな     百花  空
恋文と思えない文冬苺          ぽぽな こ恵四由
腕章のような恋人北風の中        ぽぽな こぐ朝百恵空四
熟読の白セーターの息しずか       ぽぽな 亜こぐ四由
息白く本日のオススメを言う       ぽぽな 亜百
動かせば聖樹の香り立ち上がる      ぽぽな ぐ朝百恵四
文学の森の入り口空つ風         空猫  こ
フィナーレの第四楽章聖夜劇       空猫
読み耽る雨ふり変はる雪の町       空猫
落葉焚本音を言つて淋しかる       空猫
熱燗のまことにあつく溢しけり      空猫
文明堂のカステラ提げて年の暮      亜紀  朝恵
往年の名古屋章や神渡          亜紀  朝
短日の読まずに閉づる文庫本       亜紀  ぽ
古本の漫画全集冬ぬくし         亜紀  空
何事もなかつたやうに年の暮       亜紀  朝百空ぽ由
着膨れて分厚き本を選りにけり      亜紀  朝四由
行く年や人といふ字の支へ合ふ      亜紀  ぽ
竜の玉摘む文学部哲学科         由季  百ぽ
校章の星のかたちの凍ててをり      由季  こぽ
クリスマスカードに読めぬ文字二つ    由季  亜空ぽ四
本番になだれこみたる聖夜劇       由季  亜こ朝恵
宇宙から還り葉牡丹の重さ        由季  亜ぐ
懸想文売にまなこを覗かれる       恵   四
日章旗立てる綿入引っ掛けて       恵   亜百
読みさしの本に挟まれお年玉       恵   亜百ぽ四
本番が近付いている寒昴         恵
外套の裾が地面についている       恵   亜ぐ朝空
ふくろふの文字なき知恵のまなこかな   四童
章を断つ記号のやうに石蕗の花      四童
雨の夜の海鼠は耳を読みにけり      四童
極月のパンのかたちに本厚し       四童
表1の集める冬の灯しかな        四童  由
(以上)集計:四童
自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。
俳句の作り方、忘れちゃったよ…

2011年12月26日月曜日

文章読本句会・投句一覧

大変お待たせしました。

【文】
ふくろふの文字なき知恵のまなこかな
懸想文売にまなこを覗かれる
文化鍋文化包丁雪催
文学のはじめの一歩ぼたん雪
文学の森の入り口空つ風
文飾に手間取る句作狸罠
文明堂のカステラ提げて年の暮
母の呪文風邪薬より利きさうで
竜の玉摘む文学部哲学科
恋文と思えない文冬苺

【章】
フィナーレの第四楽章聖夜劇
往年の名古屋章や神渡
校章の星のかたちの凍ててをり
歳末の終章の声一万人
章を断つ記号のやうに石蕗の花
章魚釣りの師匠に師匠おでん酒
第一章にほひ桜の咲きにけり
日章旗立てる綿入引っ掛けて
背広から外す記章やクリスマス
腕章のような恋人北風の中

【読】
くつくしやみ運勢占ひ立ち読みし
クリスマスカードに読めぬ文字二つ
つん読に果てしを眺め年の夜
雨の夜の海鼠は耳を読みにけり
熟読の白セーターの息しずか
短日の読まずに閉づる文庫本
冬至かな読経とどろく海の底
読みさしの本に挟まれお年玉
読み耽る雨ふり変はる雪の町
黙読の少女冬日に包まれて

【本】
でたらめに本堂の煤払ひけり
絵ばかりの大人の絵本暖炉燃ゆ
極月のパンのかたちに本厚し
古本の漫画全集冬ぬくし
息白く本日のオススメを言う
読みかけの本をならべて日向ぼこ
本当は旨い話の河豚の鍋
本番が近付いている寒昴
本番になだれこみたる聖夜劇
落葉焚本音を言つて淋しかる

【当季雑詠】
まん丸の皮を撫でゐる柚子湯かな
宇宙から還り葉牡丹の重さ
何事もなかつたやうに年の暮
外套の裾が地面についている
銀杏舞うむだなプライド飛ばします
行く年や人といふ字の支へ合ふ
着膨れて分厚き本を選りにけり
冬空を裂き羽ばたける黒きもの
動かせば聖樹の香り立ち上がる
熱燗のまことにあつく溢しけり
飛び立つこともわたしの一部冬の虹
表1の集める冬の灯しかな
風花や錆の匂ひの船溜り
睦みつつふくら雀となりにけり
絨毯のしみ泣きぼくろかも知れぬ

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月29日(木)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかる
ようです。

ではよろしくお願い致します。

2011年12月17日土曜日

文章読本句会・出題

こんにちは。再開第6回目の出題です。たまたま手許に谷崎の『文章讀本』があるので、それで行きます。

【文】
【章】
【読】
【本】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月24日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

 締切を月曜にできないのかというご意見もあるのですが、平日に世話人業務を執り行うのも結構きついものがあるので、平にご容赦。

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。
--
恒信風句会 <koshinfu9th@gmail.com>

象印魔法瓶句会・作者発表

大変遅くなり申し訳ありません。水木金と世話人・四童が伏せておりました。

武蔵野に象のはな子や銀杏散る      朝比古     四由ぐ空
印画紙を暗きに吊りて冬休        朝比古     四ぽ恵
邪魔なもの一切無くて山眠る       朝比古     恵
弔ひに法被の人や冬日和         朝比古     亜
空瓶をくぐつてきたる冬日かな      朝比古     ぽ恵
手袋の闇に十指を納めけり        朝比古     亜

冬ざれの象の視線に男の子        空猫      朝由ぽ
鯛焼の列に加はる印度人         空猫      四由
純愛の魔王と魔女や龍の玉        空猫
本名は神田法子や竃猫          空猫      四
短日の何も挿ざさる花瓶かな       空猫      ぐ
腹帯に眠る赤子や冬支度         空猫

凍天や有象無象のひとりなり       ぐみ
羽子板市印し半纏父と兄         ぐみ
小悪魔と言はれし人のちゃんちゃんこ   ぐみ      朝四由亜
冬の蠅寂聴法話の人の輪に        ぐみ
あつけらかん瓶と兜太や時雨来る     ぐみ      朝ぽ空
ひび割れる音降り注ぐ寒の月       ぐみ      ぽ

空つ風まづは駆け寄る象の柵       由季      ぐ
短日の廊下に模写の印象派        由季      亜恵
ふはふはと魔女の差し出す冬林檎     由季
しぐれがちなる法廷のスケッチ画     由季      朝亜
瓶詰めの開かぬままなりクリスマス    由季      ぽ恵
裏声で迎へてゐたる寒波かな       由季      朝ぽ亜恵

象の耳はたりはたりと雪来るか      亜紀      朝ぐ
印影のにじんでゐたる雪もよひ      亜紀      朝
クリスマス魔女の宅急便来たる      亜紀
長老の魔法の杖や天狼星         亜紀
冬籠る昔ながらの魔法瓶         亜紀      由ぽぐ
Uターン禁止のひろば黄落す       亜紀      朝空
雪来るか引き込み線の列車音       亜紀      ぐ
上質の皮手袋に招かるる         亜紀      朝四由

ねんいりに気象予報士くず湯溶く     ぽぽな     由亜
烙印のごとくにポインセチア置く     ぽぽな     亜ぐ
魔女狩りのための金属天地凍つ      ぽぽな     四空
発声法たしかめてから年忘        ぽぽな     空
水瓶座とだけ答えて毛糸編む       ぽぽな     四由亜恵空
指のなき手袋に指そして爪        ぽぽな     亜恵

小春日のゆっくり進む象の列       恵       四
矢印に沿って歩めば冬の海        恵       朝四ぽ空
枯野から逢魔が刻が迫り来る       恵       ぽ
冬の夜の六法全書から煙         恵       由ぐ空
ばらまいている瓶詰の冬の星       恵       ぐ
夜の匂い纏い夜廻終えにけり       恵

雨降れば破蓮めく象とゐる        四童      ぐ
印象派新印象派白ショール        四童
おほいなるグスタフの魔羅去年今年    四童
法の下に異邦人も未亡人も師走      四童
老酒のやうに瓶ごと熱きもの       四童
月蝕の終はるにつれて着膨れる      四童      恵

冬の象日記にいっぱいしっぽと川     ねここ     由恵
印鑑ごと家族へ兎のありにけり      ねここ
一月の私と夢みる黒魔術         ねここ
白鳥の私へ思う影法師          ねここ
牛乳瓶ひよこの足りない鶴に父      ねここ
狐火と帽子を夢みる寝入りばな      ねここ

父母の夜寒に食べる象の神        キヨヒロー
印刷の布団の濡らす男かな        キヨヒロー
やけくその魔球の告げる夜寒です     キヨヒロー   空
法律の最後に睨む顔の神         キヨヒロー
木枯の岬へ告げる火炎瓶         キヨヒロー
手のひらの社会を増える木の葉髪     キヨヒロー

(以上)集計:四童

 なお、ねここキヨヒローの参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 引き続き、自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2011年12月11日日曜日

象印魔法瓶句会・投句一覧

お待たせしました。

【象】
ねんいりに気象予報士くず湯溶く
雨降れば破蓮めく象とゐる
空つ風まづは駆け寄る象の柵
小春日のゆっくり進む象の列
象の耳はたりはたりと雪来るか
冬ざれの象の視線に男の子
冬の象日記にいっぱいしっぽと川
凍天や有象無象のひとりなり
父母の夜寒に食べる象の神
武蔵野に象のはな子や銀杏散る

【印】
印影のにじんでゐたる雪もよひ
印画紙を暗きに吊りて冬休
印鑑ごと家族へ兎のありにけり
印刷の布団の濡らす男かな
印象派新印象派白ショール
羽子板市印し半纏父と兄
鯛焼の列に加はる印度人
短日の廊下に模写の印象派
矢印に沿って歩めば冬の海
烙印のごとくにポインセチア置く

【魔】
おほいなるグスタフの魔羅去年今年
クリスマス魔女の宅急便来たる
ふはふはと魔女の差し出す冬林檎
やけくその魔球の告げる夜寒です
一月の私と夢みる黒魔術
枯野から逢魔が刻が迫り来る
邪魔なもの一切無くて山眠る
純愛の魔王と魔女や龍の玉
小悪魔と言はれし人のちゃんちゃんこ
魔女狩りのための金属天地凍つ

【法】
しぐれがちなる法廷のスケッチ画
弔ひに法被の人や冬日和
長老の魔法の杖や天狼星
冬の夜の六法全書から煙
冬の蠅寂聴法話の人の輪に
白鳥の私へ思う影法師
発声法たしかめてから年忘
法の下に異邦人も未亡人も師走
法律の最後に睨む顔の神
本名は神田法子や竃猫

【瓶】
あつけらかん瓶と兜太や時雨来る
ばらまいている瓶詰の冬の星
牛乳瓶ひよこの足りない鶴に父
空瓶をくぐつてきたる冬日かな
水瓶座とだけ答えて毛糸編む
短日の何も挿ざさる花瓶かな
冬籠る昔ながらの魔法瓶
瓶詰めの開かぬままなりクリスマス
木枯の岬へ告げる火炎瓶
老酒のやうに瓶ごと熱きもの

【当季雑詠】
Uターン禁止のひろば黄落す
ひび割れる音降り注ぐ寒の月
月蝕の終はるにつれて着膨れる
狐火と帽子を夢みる寝入りばな
指のなき手袋に指そして爪
手のひらの社会を増える木の葉髪
手袋の闇に十指を納めけり
上質の皮手袋に招かるる
雪来るか引き込み線の列車音
腹帯に眠る赤子や冬支度
夜の匂い纏い夜廻終えにけり
裏声で迎へてゐたる寒波かな

(以上)
10句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月14日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/
題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。
ではよろしくお願い致します。

2011年12月9日金曜日

井川意高句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

玉の井の一夜で舞って散る銀杏    こゆ    ぐ朝
海に抱かれに 霧・雪・川      こゆ    ぐ
ここにいる意味をさがして浮寝鳥   こゆ    朝
ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校   こゆ    四恵り
顔見世や忘れ難きは恋敵       こゆ

井戸に無く丼にある臍寒し      ぐみ    空
川上より桃色手袋川下へ       ぐみ    こ
さざえさん意地悪婆さんマスクして  ぐみ    由種
高砂や白き狐の尾も白く       ぐみ
もしかして寒卵に目鼻と歯も     ぐみ
寝不足の昼の月置き山眠る      ぐみ    空ぽ

蜜柑剥く「井戸の茶碗」を聴きながら 朝比古
風花やしづかに流れ神田川      朝比古   こ千
雪の夜の不随意筋の動きかな     朝比古   恵り種
冬の雨棒高跳の棒不遇        朝比古   由亜種空千
さまざまな咳開演を待つてをり    朝比古   ぐこ四恵由亜空
幾たびもあちあちと触れ焼藷よ    朝比古   ぽ

井の底に鯰かはづの来るを待つ    種茄子   こ
冬の川流れて冬の海に入る      種茄子
十二月すつかり疲れ意見言ふ     種茄子
狐の嫁入先頭の高提灯        種茄子   こ
魚屋が見えるところで鰤捌く     種茄子   四恵り亜
数へ日の古着の柄にきほひかな    種茄子   空ぽ
東京堂書店の隅に暦売る       種茄子   朝四恵亜

井戸覗く空は手のひらほどの冬    空猫    ぐぽ
冬ざれの真昼の川はまつすぐに    空猫    種ぽ
凍月や告白できぬ意気地なし     空猫    こ千
奥飛騨の見事な雪の高さかな     空猫    千
除湿器の泡のぶくぶく冬に入る    空猫

短日の井戸のまわりが濡れたまま   りえ    ぐ朝こ四恵由亜種空
こほらない川だから来る冬の鶴    りえ    朝種千
弔意かく告げて飛び去る鳰      りえ
円高く高く高く冬茜         りえ    ぐ
湯に入れる前に針刺す寒卵      りえ    ぽ
冬深む三和土に晴れの靴予報     りえ    空ぽ千
甘いもの欲しくて霜の夜を起きる   りえ    朝四恵

底冷えの井戸のかたちが五芒星    由季    り
川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊     由季    朝四恵り亜種空ぽ千
不意をつく一球からの雪合戦     由季    朝こ四亜空ぽ千
冬晴れに高所恐怖の募りをり     由季    こ
恋文に湯気立つやうな消印が     由季    ぐ四り種空

井の頭公園口のおでんかな      亜紀    朝四恵由種
川沿ひのホテルの傍の枯尾花     亜紀    こ由
蓮の実の飛んで遺憾の意を表す    亜紀    恵由種
手袋に指を沈めて居丈高       亜紀    ぽ千
余市ワインほのと嗜む初時雨     亜紀
奏でたる和音溶け合ふ聖夜かな    亜紀    ぽ
さぼうるに頼む珈琲暮早し      亜紀    朝種千

井戸重く水を吐き出す寒さかな    恵     ぐ亜
反射光鈍って冬の川になる      恵
意のままにならず炬燵の中の闇    恵     ぐ種千
じわじわと高野豆腐が吸っている   恵     ぐ朝四り由
狐火がこれっぽっちも熱くない    恵     朝四り由亜空千

井戸のぞくようにi phone 冬浅し   ぽぽな   り由亜
冬の空一番遠い川かしら       ぽぽな
凩の意にそうもの意にそわぬもの   ぽぽな
高音が抜けてるクリスマスツリー   ぽぽな   由
裸木の指の間に青空来        ぽぽな   り

円きまま井戸も冱つるや祖母の家   千代路
鴨川の亀笑ふ恋冬うらら       千代路   こ
人生の意味はさて措き冬籠り     千代路
蕎麦つるつる高座にもひとつ夜半の冬 千代路

古井戸に昔の冬の水ありて      四童    ぐ恵空ぽ
あやかしの流体力学冬の虹      四童
意のままに意中の人を冬日向     四童    こ恵由亜
残高を表示しきれぬ師走かな     四童    り亜
いふなれば濡落葉めく恋慕かな    四童    り

以上。(集計:四童)

自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2011年12月8日木曜日

象印魔法瓶句会・出題

おはようございます。再開第5回目の出題です。
前回の集計はしばしお待ち下さい。

【象】
【印】
【魔】
【法】
【瓶】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月10日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com
★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

2011年12月4日日曜日

井川意高句会・投句一覧

お待たせしました。

【井】
井の底に鯰かはづの来るを待つ
井の頭公園口のおでんかな
井戸に無く丼にある臍寒し
井戸のぞくようにi phone 冬浅し
井戸重く水を吐き出す寒さかな
井戸覗く空は手のひらほどの冬
円きまま井戸も冱つるや祖母の家
玉の井の一夜で舞って散る銀杏
古井戸に昔の冬の水ありて
短日の井戸のまわりが濡れたまま
底冷えの井戸のかたちが五芒星
蜜柑剥く「井戸の茶碗」を聴きながら

【川】
あやかしの流体力学冬の虹
こほらない川だから来る冬の鶴
海に抱かれに 霧・雪・川
鴨川の亀笑ふ恋冬うらら
川沿ひのホテルの傍の枯尾花
川沿ひは歌はずにゆく聖歌隊
川上より桃色手袋川下へ
冬ざれの真昼の川はまつすぐに
冬の空一番遠い川かしら
冬の川流れて冬の海に入る
反射光鈍って冬の川になる
風花やしづかに流れ神田川

【意】
ここにいる意味をさがして浮寝鳥
さざえさん意地悪婆さんマスクして
意のままにならず炬燵の中の闇
意のままに意中の人を冬日向
十二月すつかり疲れ意見言ふ
人生の意味はさて措き冬籠り
雪の夜の不随意筋の動きかな
弔意かく告げて飛び去る鳰
凍月や告白できぬ意気地なし
不意をつく一球からの雪合戦
蓮の実の飛んで遺憾の意を表す
凩の意にそうもの意にそわぬもの

【高】
じわじわと高野豆腐が吸っている
ゆっくりと銀杏に埋もれゆく高校
円高く高く高く冬茜
奥飛騨の見事な雪の高さかな
蕎麦つるつる高座にもひとつ夜半の冬
狐の嫁入先頭の高提灯
高音が抜けてるクリスマスツリー
高砂や白き狐の尾も白く
残高を表示しきれぬ師走かな
手袋に指を沈めて居丈高
冬の雨棒高跳の棒不遇 
冬晴れに高所恐怖の募りをり

【当季雑詠】
いふなれば濡落葉めく恋慕かな
さぼうるに頼む珈琲暮早し
さまざまな咳開演を待つてをり
もしかして寒卵に目鼻と歯も
甘いもの欲しくて霜の夜を起きる
顔見世や忘れ難きは恋敵
幾たびもあちあちと触れ焼藷よ
魚屋が見えるところで鰤捌く
狐火がこれっぽっちも熱くない
除湿器の泡のぶくぶく冬に入る
寝不足の昼の月置き山眠る
数へ日の古着の柄にきほひかな
奏でたる和音溶け合ふ聖夜かな
冬深む三和土に晴れの靴予報
東京堂書店の隅に暦売る
湯に入れる前に針刺す寒卵
余市ワインほのと嗜む初時雨
裸木の指の間に青空来
恋文に湯気立つやうな消印が

(以上)
12句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月7日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/
題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。