2012年12月30日日曜日

地上波初句会・投句一覧

今年一年ありがとうございました。最後の投句一覧です。

【地】
だんだんと地声になつて霜の夜
火星からイヤフォンを耳に地球蹴る
数え日のともす提灯路地の声
数え日の地下鉄どこか非日常
地下街に雪の気配を感じをり
地下街は春着の娘たちばかり
地団駄を踏む音ありて去年今年
着膨れて意固地を通す家系なる
天も地も人のうへなる海鼠かな

【上】
角上魚類老いも若きも年用意
結ひ上げて冬のひかりを楽にせむ
歳末や頓服薬が卓の上
煮凝や上海帰りのリルふたり 
上野まで行くまでもなき年用意
盛り上がる上腕二頭筋玄冬
日脚伸ぶ坂の上から見える塔
白い息上昇気流に乗せてみて

【波】
寒波来る舌にざらりと砂糖菓子
極月のもやもやとする超音波
淡雪の電波の間すり抜けし
電波塔試験放送風冴ゆる
日光の波間にただよう蝉の声
波音の耳にやさしき枇杷の花
波平に黒髪ありしころの雪
風花の空のさざ波笛ふく子
物干しに残るハンガー寒波来る

【初】
ボーナスも最初で最後七軒目
初空にちちははいもと駅に行く
初御空山はひとりの露天風呂
初雪や振り返りもせぬ別れ際
初台にころがつてゐる冬林檎
初版本ばかり集めて冬籠る
初恋は新年の季語初恋す
土手道で初めて見たよ長元坊

【当季雑詠】
こんな日は頭でつかち玉子酒
村人が眠れぬ山に護摩を焚く
寒いと呟くあなたに海眠る
手袋の指もどかしく暮れにけり
正座して受ければ清き年酒かな
着膨れて待合室の小座布団
冬木みな帆柱となり舫ひけり
炬燵猫トロッコとろとろ山の駅

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月2日(水)24時(JST)…さすがにお元日に締切はないだろうと思い、一日ずらしてみました(^^);
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2012年12月26日水曜日

【誤字訂正】地上波初句会・出題

すみません、発→初です。

再開第40回目の出題です。

【地】
【上】
【波】
【初】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月29日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

出会貿易句会・作者発表

冬蝶の石より出でて石の色    朝比古   四亜
外套を脱いで会社に入るところ  朝比古    
聖樹の灯点し貿易会社かな    朝比古    
易学の果ての大根干しにけり   朝比古   らた亜由
冬かもめガーゼの色となりゆけり 朝比古   ぐ

炬燵から一歩も出ずに日が暮れる らくだ    
大鷹と鴉の会話アテレコする   らくだ   朝四由
年忘れ貿易風のまたの名へ    らくだ    
北風を避けて易者の一等地    らくだ    
聖夜の手前で閉じられる扉    らくだ   亜

暗闇の出力高き海鼠かな     ぐみ    らた亜由
凍豆腐会はず訪はずの間柄    ぐみ    四た亜
貿の字の訓読み探す海鼠かな   ぐみ    
易々と霜柱踏む彼氏かな     ぐみ    
増殖のしんがりにつく雪だるま  ぐみ    ら亜

出演の子が星かざす聖夜劇    由季    
対岸の公会堂の雪もよひ     由季    
年忘れ貿易用語飛び交ひぬ    由季    
易者よりもらふ紙切れ十二月   由季    朝らた
しばらくは日本にゐたる耳袋   由季    朝四ぐ亜

出・欠のはがき重ねて懐手    たろう    
数え日をはじくマニュキア会計簿 たろう   ら由
ルミナリエ貿易の手に真珠    たろう    
易占いすっと伸びる手雪女郎   たろう    
裸木の空のからっぽ山の声    たろう   朝四

案件を洗ひ出したるマスクかな  亜紀    朝ぐ
散会のあとの街並年暮るる    亜紀    ら
有耶無耶の貿易収支室の花    亜紀    
平易なる助言しみじみ根深汁   亜紀    朝四らた
降る雪のしんしん京の瓦屋根   亜紀    ぐ
炊き上げて冬至南瓜のふつくりと 亜紀    
書くことの長々ありて日記買ふ  亜紀    四由

寒晴や曖昧宿と出会茶屋     四童    ぐ
歳晩や人妻の香の会議室     四童    ぐた
あやしげな貿易商と燗酒かな   四童    朝た由
極月の中国服の易者かな     四童    
二着目は千円といふ冬着かな   四童    ぐ由

以上。(集計:四童)

2012年12月23日日曜日

出会貿易句会・投句一覧

【出】
暗闇の出力高き海鼠かな
案件を洗ひ出したるマスクかな
寒晴や曖昧宿と出会茶屋
出・欠のはがき重ねて懐手
出演の子が星かざす聖夜劇
冬蝶の石より出でて石の色
炬燵から一歩も出ずに日が暮れる

【会】
外套を脱いで会社に入るところ
歳晩や人妻の香の会議室
散会のあとの街並年暮るる
数え日をはじくマニュキア会計簿
対岸の公会堂の雪もよひ
大鷹と鴉の会話アテレコする
凍豆腐会はず訪はずの間柄

【貿】
あやしげな貿易商と燗酒かな
ルミナリエ貿易の手に真珠
聖樹の灯点し貿易会社かな
年忘れ貿易風のまたの名へ
年忘れ貿易用語飛び交ひぬ
貿の字の訓読み探す海鼠かな
有耶無耶の貿易収支室の花

【易】
易々と霜柱踏む彼氏かな
易学の果ての大根干しにけり
易者よりもらふ紙切れ十二月
易占いすっと伸びる手雪女郎
極月の中国服の易者かな
平易なる助言しみじみ根深汁
北風を避けて易者の一等地

【当季雑詠】
しばらくは日本にゐたる耳袋
降る雪のしんしん京の瓦屋根
書くことの長々ありて日記買ふ
炊き上げて冬至南瓜のふつくりと
聖夜の手前で閉じられる扉
増殖のしんがりにつく雪だるま
冬かもめガーゼの色となりゆけり
二着目は千円といふ冬着かな
裸木の空のからっぽ山の声

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月25日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2012年12月19日水曜日

店頭価格句会・作者発表

お待たせしました。

夕凍のアジトのごとき模型店     朝比古   四藤亜
平らかな頭を持てる雪だるま     朝比古    
梟は相対評価かもしれぬ       朝比古   ら
格子戸をすり抜けてきし細雪     朝比古    
あたらしき炎を積みて焼藷屋     朝比古   四藤

クリスマスツリーのための空き店舗  らくだ    
酒饅頭の匂いにつられ迷いけり    らくだ    
真価とは毛皮を脱いでからのこと   らくだ   四藤亜
股引といえど規格に縛られる     らくだ   朝
自転車の音に身じろぐ浮寝鳥     らくだ   朝亜ぐ

閉店の曲に鯨の蒼さかな       ぐみ    ら朝藤亜緋
熱燗やなべて福助二頭身       ぐみ    四朝亜
時価の字の胆のあたりを雪催     ぐみ    
海近き千鳥格子の炬燵掛       ぐみ    藤
初雪や誰も知らない喫茶店      ぐみ    朝緋
代々の二重螺旋と炬燵蒲団      ぐみ    ら

帰りみち雲のウィンドウショッピング 緋茶    
消しゴムのかじかむ頭の冬ざるる   緋茶    
一価の水素ほんのり色づく冬至かな  緋茶    
格式や流れる振り子の刻むもの    緋茶    ぐ
太陽も今日は寒いね懐手       緋茶    ら

煤逃げの砂町銀座商店街       亜紀    朝藤
駅頭の歌に集ふやクリスマス     亜紀    
着膨れて価値観違ふ二人かな     亜紀    ぐ緋
規格外製品なれどおでん酒      亜紀    
満載の土砂に雪降るばかりかな    亜紀    四ら朝藤緋
冬オリオン心の音を聞いてゐる    亜紀    

お店屋に紙の品々冬紅葉       藤幹子    
ほたほたと煮ゆる飛竜頭冬の雲    藤幹子   四亜
寒紅や死ぬにも価値をつけたがる   藤幹子   ら
格助詞ののの行く先の浮寝鳥     藤幹子   らぐ緋
海釣りの帰りのつもりおでん食ふ   藤幹子   四亜緋

むづかしき店主動いて山眠る     四童    ぐ緋
井の頭動物園にゐる冬日       四童    ぐ
寒晴や価格ぢやないのよ涙は     四童    
格子戸をくぐり抜けたる息白し    四童    
人類の最期の選挙山眠る       四童    ぐ

以上。(集計:四童)

出会貿易句会・出題

まだお一人選句がお済みではないのですが、先に再開第39回目の出題です。

【出】
【会】
【貿】
【易】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月22日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年12月16日日曜日

店頭価格句会・投句一覧

お待たせしました。

【店】
閉店の曲に鯨の蒼さかな
お店屋に紙の品々冬紅葉
クリスマスツリーのための空き店舗
むづかしき店主動いて山眠る
帰りみち雲のウィンドウショッピング
煤逃げの砂町銀座商店街
夕凍のアジトのごとき模型店

【頭】
ほたほたと煮ゆる飛竜頭冬の雲
井の頭動物園にゐる冬日
駅頭の歌に集ふやクリスマス
酒饅頭の匂いにつられ迷いけり
消しゴムのかじかむ頭の冬ざるる
熱燗やなべて福助二頭身
平らかな頭を持てる雪だるま

【価】
一価の水素ほんのり色づく冬至かな
寒紅や死ぬにも価値をつけたがる
寒晴や価格ぢやないのよ涙は
時価の字の胆のあたりを雪催
真価とは毛皮を脱いでからのこと
着膨れて価値観違ふ二人かな
梟は相対評価かもしれぬ

【格】
海近き千鳥格子の炬燵掛
格子戸をくぐり抜けたる息白し
格子戸をすり抜けてきし細雪
格式や流れる振り子の刻むもの
格助詞ののの行く先の浮寝鳥
規格外製品なれどおでん酒
股引といえど規格に縛られる

【当季雑詠】
あたらしき炎を積みて焼藷屋
海釣りの帰りのつもりおでん食ふ
自転車の音に身じろぐ浮寝鳥
初雪や誰も知らない喫茶店
人類の最期の選挙山眠る
太陽も今日は寒いね懐手
代々の二重螺旋と炬燵蒲団
冬オリオン心の音を聞いてゐる
満載の土砂に雪降るばかりかな

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月18日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2012年12月12日水曜日

店頭価格句会・出題

再開第38回目の出題です。また【頭】かよ、と言われそうですが、そういうこともあります。

【店】
【頭】
【価】
【格】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月15日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

頭脳流出句会・作者発表

極月や頭蓋に風の音響き       朝比古   亜四
風邪ごこち脳に左と右のあり     朝比古   緋
煮凝の脇でぼこりと流し台      朝比古   らぐ緋
出稿の果ては焼藷包みけり      朝比古    
ギャルソンのやうに外套抱へをり   朝比古    
マフラーを頭に巻いて帰りけり    らくだ   朝由ぐ
山眠る脳波はすべてアルファー波   らくだ   亜四
質草は流れ山茶花咲きはじめ     らくだ   朝
波間からゆっくり出づる鯨の尾    らくだ   朝
大雪や無精髭にも白いもの      らくだ   緋
くちづけの頭蓋の角度冬の星     ぐみ    朝亜四由緋
考へる脳持つ猫や懐手        ぐみ    緋
流れ行くアラビア数字レノンの忌   ぐみ    ら由
七人のサンタクロースと出会ひけり  ぐみ    亜四由
待ち侘びてポインセチアとなりにけり ぐみ    
からつ風かたち自慢の頭蓋骨     由季    亜四
木菟の声脳の皺へと染みてゆく    由季    ぐ
流言の出どころは君冬苺       由季    
出入国検査所からは冬の靄      由季    緋
雪吊の吊りたてに囲まれてゐる    由季    亜四ら緋
頭数揃へてゐたる芋煮会       亜紀    朝
脳みそのぐつぐつぐつと煮凝りぬ   亜紀    
支流へと突つ切つて行く枯野かな   亜紀    
白鳥の繰り出すスピンつぎつぎと   亜紀    
なかなかにドアの閉まらぬ聖夜劇   亜紀    朝由
先頭の冬帽子はやてつぺんに     亜紀    らぐ
湯冷めして希望退職考ふる      亜紀    ぐ
頭越しに見てるふりする冬木立    緋茶    
脳みそに染み渡るべき湯豆腐よ    緋茶    朝四由
みかん食ふ聖夜に流るる歴史かな   緋茶    
出欠を取る声遠く息白し       緋茶    ら
新月に点滅信号風冴ゆる       緋茶    
頭から駄目と言はるる師走かな    四童    らぐ
レノン忌の右や左の脳の恵み     四童    
電流がちくちく冬の整骨院      四童    亜由
出すものを出す内訳に白き息     四童    らぐ
靴下を飾る聖樹に鬼はなし      四童    


以上。(集計:四童)

 初参加の緋茶さん、ご感想や抱負などコメント欄にどうぞ。

2012年12月9日日曜日

頭脳流出句会・投句一覧

【頭】
からつ風かたち自慢の頭蓋骨
くちづけの頭蓋の角度冬の星
マフラーを頭に巻いて帰りけり
極月や頭蓋に風の音響き
頭から駄目と言はるる師走かな
頭越しに見てるふりする冬木立
頭数揃へてゐたる芋煮会

【脳】
レノン忌の右や左の脳の恵み
考へる脳持つ猫や懐手
山眠る脳波はすべてアルファー波
脳みそに染み渡るべき湯豆腐よ
脳みそのぐつぐつぐつと煮凝りぬ
風邪ごこち脳に左と右のあり
木菟の声脳の皺へと染みてゆく

【流】
みかん食ふ聖夜に流るる歴史かな
支流へと突つ切つて行く枯野かな
質草は流れ山茶花咲きはじめ
煮凝の脇でぼこりと流し台
電流がちくちく冬の整骨院
流れ行くアラビア数字レノンの忌
流言の出どころは君冬苺

【出】
七人のサンタクロースと出会ひけり
出すものを出す内訳に白き息
出欠を取る声遠く息白し
出稿の果ては焼藷包みけり
出入国検査所からは冬の靄
波間からゆっくり出づる鯨の尾
白鳥の繰り出すスピンつぎつぎと

【当季雑詠】
ギャルソンのやうに外套抱へをり
なかなかにドアの閉まらぬ聖夜劇
靴下を飾る聖樹に鬼はなし
新月に点滅信号風冴ゆる
雪吊の吊りたてに囲まれてゐる
先頭の冬帽子はやてつぺんに
待ち侘びてポインセチアとなりにけり
大雪や無精髭にも白いもの
湯冷めして希望退職考ふる

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月11日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

2012年12月4日火曜日

頭脳流出句会・出題

再開第37回目の出題です。

【頭】
【脳】
【流】
【出】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月8日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

年末進行句会・作者発表

闇鍋や友の年など知らず聞かず    らくだ    
月末を月初へ寒の月渡る       らくだ    
凩に晒されてのち二進法       らくだ   ぐ亜
隙間貼る収支はいつも行って来い   らくだ    
重力をかるくいなして霜柱      らくだ   ぐ亜由
リモコンが卓に三つや年暮るる    朝比古    
着ぶくれて末つ子らしくなりにけり  朝比古   四由
スポーツショウ行進曲や冬日和    朝比古    
布団から飛び出してゐる行火かな   朝比古    
冬めくや枕のやうな独逸麺麭     朝比古   四ら亜由
とぐろ巻く来年の年男かな      ぐみ    
トナカイの末つ子橇に乗せにけり   ぐみ    朝ら
人類と進む鍋焼うどんかな      ぐみ    四朝由
二丁目の行火三丁目の夕日      ぐみ    ら
狐火が好きなのツインテールなの   ぐみ    朝
行く年やちぎれんばかり手を振つて  亜紀    
始末良き暮らしつくづく冬ぬくし   亜紀    四
青信号直進したる冬の虹       亜紀    朝
暮早しトルコ行進曲掛けて      亜紀    ぐ
巻末の著者の挨拶冬夕焼       亜紀    ぐ
真つ白な方があなたの冬帽子     亜紀    朝ら由
雑炊の玉子ふつふつ打ち解けて    亜紀    
出土品年代不詳寒波来る       由季    らぐ亜
末端にある冬眠の兆しかな      由季    らぐ亜
ミニカーの進路に迷ひなき冬野    由季    
紙漉の工程に火の一度のみ      由季    四
集合はクリスマスツリー浮くところ  由季    四朝
きらきらと年魚絶えたる冬の川    四童    
端末の四角四面な十二月       四童    
からまりしコード進行年の暮     四童    亜由
銀行の列寒々と灯りけり       四童    
フェレットを飼ふ優秀な男かな    四童    

以上。(集計:四童)

らくださんのぐ亜、ぐ亜、ぐみさんのら、ら、亜紀さんのぐ、ぐ、由季さんのらぐ亜、らぐ亜を見ると、なんだからくださんとぐみさんと亜紀さんはユニットみたいですね。

2012年12月2日日曜日

年末進行句会・投句一覧

お待たせしました。

【年】
きらきらと年魚絶えたる冬の川
とぐろ巻く来年の年男かな
リモコンが卓に三つや年暮るる
闇鍋や友の年など知らず聞かず
行く年やちぎれんばかり手を振つて
出土品年代不詳寒波来る

【末】
トナカイの末つ子橇に乗せにけり
月末を月初へ寒の月渡る
始末良き暮らしつくづく冬ぬくし
端末の四角四面な十二月
着ぶくれて末つ子らしくなりにけり
末端にある冬眠の兆しかな

【進】
からまりしコード進行年の暮
スポーツショウ行進曲や冬日和
ミニカーの進路に迷ひなき冬野
人類と進む鍋焼うどんかな
青信号直進したる冬の虹
凩に晒されてのち二進法

【行】
銀行の列寒々と灯りけり
隙間貼る収支はいつも行って来い
紙漉の工程に火の一度のみ
二丁目の行火三丁目の夕日
布団から飛び出してゐる行火かな
暮早しトルコ行進曲掛けて

【当季雑詠】
フェレットを飼ふ優秀な男かな
巻末の著者の挨拶冬夕焼
狐火が好きなのツインテールなの
雑炊の玉子ふつふつ打ち解けて
集合はクリスマスツリー浮くところ
重力をかるくいなして霜柱
真つ白な方があなたの冬帽子
冬めくや枕のやうな独逸麺麭

(以上)

6句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月4日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から6句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年11月27日火曜日

年末進行句会・出題

再開第36回目の出題です。

【年】
【末】
【進】
【行】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:12月1日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

越路吹雪句会・作者発表

らくださん、初登場赤丸急上昇中です。ぜひ何かひとことお願いします。

三越のお子様ランチ小六月       朝比古    ら
日向ぼこ夢路いとしのやうな人     朝比古    四
からからの夜に吹かれて凍豆腐     朝比古    亜
生き急ぐやうに地に触れ夜の雪     朝比古    ぐ
短日のルウさらさらのカレーかな    朝比古    亜

寒晴のごと三越の包装紙        ぐみ    四亜藤
雪原に箸一膳の鉄路かな        ぐみ    
いぢわるのごと風呂吹の苦さかな    ぐみ    四苑藤
雪の名は七つで足りず黒電話      ぐみ    四苑ら藤
のほほんと試練をかはす玉子酒     ぐみ    ら

だいこんがだいじ越前おろしそば    らくだ   朝亜
一割は迂回路へゆく落ち葉かな     らくだ   
吹替に文句言いつつみかんむく     らくだ   四亜
晴れ男なんぞに惚れて雪女       らくだ   亜
落ち葉からのぞくお札のようなもの   らくだ   四朝苑亜ぐ

乗越しの駅に待ちゐる小春かな     亜紀    朝苑藤ぐ
岐路に立つことの幾たび花八つ手    亜紀    朝
吹き替への台詞しみじみ柿紅葉     亜紀    
羅列する数字読み上げ雪蛍       亜紀    
空心菜さつと炒めて冬に入る      亜紀    朝藤
父の手に抱かれてゐる聖夜かな     亜紀    

着ぶくれて誤植のごとし越境す     藤幹子   四ら
初雪や路地に人声集まりぬ       藤幹子   苑
縦笛の吹き口セーター毛羽立ちて    藤幹子   
降る雪や灯りの中へ救助犬       藤幹子   ぐ
ジャッポニア・ジャッポンとして冬至粥 藤幹子   ぐ

三越の前をマスクで通り過ぐ      苑を    
着ぶくれて路面電車の駅にをり     苑を    
サキソフォン吹いても鳴らず冬旱    苑を    ら
頬にときどき雪片のやうなもの     苑を    ら
出て行けと言へば寒風ばかりなり    苑を    ら

越冬の肉すみずみに行き渡る      四童    朝
路上では危うきものに白き息      四童    ぐ
敗荷は吹上御所を遠巻に        四童    
あなたには見えない雪のやうなもの   四童    苑藤
図書館に誘はれてゐる花八手      四童    朝苑藤ぐ

以上。(集計:四童)

2012年11月25日日曜日

越路吹雪句会・投句一覧

お待たせしました。

【越】
だいこんがだいじ越前おろしそば
越冬の肉すみずみに行き渡る
寒晴のごと三越の包装紙
三越のお子様ランチ小六月
三越の前をマスクで通り過ぐ
乗越しの駅に待ちゐる小春かな
着ぶくれて誤植のごとし越境す

【路】
一割は迂回路へゆく落ち葉かな
岐路に立つことの幾たび花八つ手
初雪や路地に人声集まりぬ
雪原に箸一膳の鉄路かな
着ぶくれて路面電車の駅にをり
日向ぼこ夢路いとしのやうな人
路上では危うきものに白き息

【吹】
いぢわるのごと風呂吹の苦さかな
からからの夜に吹かれて凍豆腐
サキソフォン吹いても鳴らず冬旱 
縦笛の吹き口セーター毛羽立ちて
吹き替への台詞しみじみ柿紅葉
吹替に文句言いつつみかんむく
敗荷は吹上御所を遠巻に

【雪】
あなたには見えない雪のやうなもの
降る雪や灯りの中へ救助犬
晴れ男なんぞに惚れて雪女
生き急ぐやうに地に触れ夜の雪
雪の名は七つで足りず黒電話
頬にときどき雪片のやうなもの
羅列する数字読み上げ雪蛍

【当季雑詠】
ジャッポニア・ジャッポンとして冬至粥
のほほんと試練をかはす玉子酒
空心菜さつと炒めて冬に入る
出て行けと言へば寒風ばかりなり
図書館に誘はれてゐる花八手
短日のルウさらさらのカレーかな
父の手に抱かれてゐる聖夜かな
落ち葉からのぞくお札のようなもの

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月27日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年11月20日火曜日

越路吹雪句会・出題

再開第35回目の出題です。

【越】
【路】
【吹】
【雪】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月24日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

既得権益句会・作者発表

お待たせしてすみません。

既製品めく雪鈍痛の心          ぽぽな   
日輪を得てより北風かがやく       ぽぽな   
鮟鱇に実権を握られている        ぽぽな     朝ぐ
全日本益虫図鑑冬籠           ぽぽな   
階段をのぼれば扉冬夕焼         ぽぽな     朝亜ぐ

幸運は既にふとんの中にあり     ぐみ      ぽ
大見得を切つて日記を買ひにけり     ぐみ      四朝
雪をんな日照権とささやけり       ぐみ      朝亜ぽ
白鳥は益鳥なりと決めにけり       ぐみ   
抽斗の鈴の寄り添ふ皹薬         ぐみ   

既視感のじわりじわりと夜の雪      朝比古     亜
薬喰ひ得体の知れぬものの骨       朝比古     四
綿虫と権之助坂下りけり         朝比古     四亜ぽ
蟷螂の益虫として枯れゆけり       朝比古     ぐ
寝台車冬暁に行き着きぬ         朝比古     ぽ

既決箱あふれてゐたる小春かな      亜紀      四
止むを得ず下す決断冬の鵙        亜紀      ぐ
マスクして説得さるる会議室       亜紀      朝
主導権握られてゐる寒暮かな       亜紀      四
しぐるるや合はぬ損益計算書       亜紀      ぐぽ
冬北斗益々遠くなるふたり        亜紀   
寄り道のカフェに黄落しきりなり     亜紀   

ぐつたりと既成事実の息白し       四童      亜
寒山も拾得もまた冬の山         四童   
大権現大三元と神の旅          四童   
いふなれば拝啓益々神の留守       四童   
傘をさし冬の珈琲店に行く        四童   

以上。(集計:不孤)

2012年11月18日日曜日

既得権益句会・投句一覧

お待たせしました。

【既】
ぐつたりと既成事実の息白し
既決箱あふれてゐたる小春かな
既視感のじわりじわりと夜の雪
既製品めく雪鈍痛の心
幸運は既にふとんの中にあり

【得】
マスクして説得さるる会議室
寒山も拾得もまた冬の山
止むを得ず下す決断冬の鵙
大見得を切つて日記を買ひにけり
日輪を得てより北風かがやく
薬喰ひ得体の知れぬものの骨

【権】
主導権握られてゐる寒暮かな
雪をんな日照権とささやけり
大権現大三元と神の旅
綿虫と権之助坂下りけり
鮟鱇に実権を握られている

【益】
いふなれば拝啓益々神の留守
しぐるるや合はぬ損益計算書
全日本益虫図鑑冬籠
冬北斗益々遠くなるふたり
白鳥は益鳥なりと決めにけり
蟷螂の益虫として枯れゆけり

【当季雑詠】
階段をのぼれば扉冬夕焼
寄り道のカフェに黄落しきりなり
傘をさし冬の珈琲店に行く
寝台車冬暁に行き着きぬ
抽斗の鈴の寄り添ふ皹薬

(以上)

5句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月20日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から5句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年11月16日金曜日

既得権益句会・出題

再開第34回目の出題です。

【既】
【得】
【権】
【益】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月17日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

契約解除句会・作者発表

神と神契りて生れし島に雪      ぽぽな 
約束を忘れるたびに蓮の実飛ぶ    ぽぽな   四幹朝亜由
白雲のひとつ解けて冬に入る     ぽぽな   朝亜
白米の中から流星を除く       ぽぽな   不
クラリネットの音駈けのぼる水の秋  ぽぽな 

契約を白紙に戻し冬紅葉       朝比古   ぐ
約束のやうに粧ふ山となる      朝比古   亜
誤解解くごとくにブーツ脱ぎにけり  朝比古   四ぐ
冬晴や洗濯をして掃除して      朝比古   ぐ
短日の電車の中を歩きをり        朝比古   四幹ぐぽ

雲ふたつ契りて雪をはらみけり    ぐみ    幹不ぽ
約束の火星に運ぶ雪二噸       ぐみ 
小春日や欠伸うつりて婚約す     ぐみ    四ぽ亜由
謎を解くやうに白菜はがしけり    ぐみ    不ぽ由
片恋に除ける道なき返り花      ぐみ 
をとゝひのまゝの日めくり山眠る   ぐみ    四幹不ぽ亜由

おじや炊く何から君と契らうか    藤幹子   四
人類に括約筋三種や海鼠       藤幹子   四不
焼きそばを解す割り箸ちやんちやんこ 藤幹子   不朝ぽ
除籍簿の姓や毛皮に触れてゐる    藤幹子   四ぐ亜由
カーディガン羽織る聖人めきて居る  藤幹子 

鵙の贄黙契悟られ易きかな      不孤 
すりりんごケージに売約済の札    不孤 
おーい酒冷えし首筋解すため     不孤 
枯芒束ねし箒もて除霊        不孤 
柿日和身辺は良き人ばかり      不孤 

冬麗や割り印を押す契約書      亜紀 
確約の出来ぬ約束おでん酒      亜紀    朝ぽ
黄落期学生のみな打ち解けて     亜紀    ぽ由
一面の全面削除蔦紅葉        亜紀 
ガムテープ綺麗に貼れた日の冬日   亜紀 
以上でけりつけて秋刀魚を焼いてをり 亜紀 

冬ぬくし契約農家さんの顔      由季    不朝
これ以上約分できず冬の柿      由季    幹
暖炉背にクロスワードを解いてゐる  由季 
効果なき猫除けグッズ冬日和     由季    ぐ
人間も犬も頑固な日向ぼこ      由季    ぐ

黙契のひとのかたちや冬日向     四童    幹由
約二名戻つて来ない小春かな     四童    不ぐ朝亜
大人にもなつて分解して小春     四童 
担任と掃除してゐる神無月      四童    幹朝亜由
解体のビルをとほくに小春かな    四童    幹朝

以上。(集計:不孤)

2012年11月13日火曜日

契約解除句会・投句一覧

 大変遅くなりすみません。

【契】
おじや炊く何から君と契らうか
雲ふたつ契りて雪をはらみけり
契約を白紙に戻し冬紅葉
神と神契りて生れし島に雪
冬ぬくし契約農家さんの顔
冬麗や割り印を押す契約書
黙契のひとのかたちや冬日向
鵙の贄黙契悟られ易きかな

【約】
これ以上約分できず冬の柿
すりりんごケージに売約済の札
確約の出来ぬ約束おでん酒
小春日や欠伸うつりて婚約す
人類に括約筋三種や海鼠
約束のやうに粧ふ山となる
約束の火星に運ぶ雪二噸
約束を忘れるたびに蓮の実飛ぶ
約二名戻つて来ない小春かな

【解】
おーい酒冷えし首筋解すため
黄落期学生のみな打ち解けて
誤解解くごとくにブーツ脱ぎにけり
焼きそばを解す割り箸ちやんちやんこ
大人にもなつて分解して小春
暖炉背にクロスワードを解いてゐる
謎を解くやうに白菜はがしけり
白雲のひとつ解けて冬に入る

【除】
一面の全面削除蔦紅葉
枯芒束ねし箒もて除霊
効果なき猫除けグッズ冬日和
除籍簿の姓や毛皮に触れてゐる
担任と掃除してゐる神無月
冬晴や洗濯をして掃除して
白米の中から流星を除く
片恋に除ける道なき返り花

【当季雑詠】
カーディガン羽織る聖人めきて居る
ガムテープ綺麗に貼れた日の冬日
クラリネットの音駈けのぼる水の秋
をとゝひのまゝの日めくり山眠る
以上でけりつけて秋刀魚を焼いてをり
解体のビルをとほくに小春かな
柿日和身辺は良き人ばかり
人間も犬も頑固な日向ぼこ
短日の電車の中を歩きをり

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月15日(木)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年11月5日月曜日

契約解除句会・出題

再開第33回目の出題です。

【契】
【約】
【解】
【除】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月10日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

無賃乗車句会・作者発表

音無川さくらもみぢも散りをはる   苑を  
木賃宿の入口に立つ朴落葉      苑を    不
乗船に並ぶひとびと着ぶくれて    苑を    幹
車道へとはみ出してゆく萩の乱    苑を    四
果樹園にころろころろと林檎鳴る   苑を  

着ぶくれのどこかになくす切符かな  朝比古   四幹亜由
お駄賃とともに焼藷屋へ走る     朝比古   不亜
地下鉄を乗り継ぎて木枯に出る    朝比古  
黄落をつつきつてゆく乳母車     朝比古   四
末つ子のやうに灯火を親しめり    朝比古   不亜由

有耶無耶を串刺しにしておでん酒   ぐみ  
どんぐりの五つが家賃大きな尾    ぐみ    四不
恋ゆゑに二は二乗とす酉の市     ぐみ    四
もみぢ葉の化して海盤車となりにけり ぐみ  
秋去りぬ魑魅魍魎を引き連れて    ぐみ  

無蓋車の藁ひきづりて秋の風     藤幹子  
芒原賃走ランプ赤黒し        藤幹子   ぐ
月へゆく加減乗除の果ての道     藤幹子   四
戦車とか愚者とか銀の大花野     藤幹子   四不ぐ
晩秋の蟻の穴より空の音       藤幹子  

無月なり筋肉痛の足を揉み      由季  
最新式運賃箱に秋日満ち       由季    朝幹ぐ
うそ寒の乗降口の蛇腹かな      由季    幹
コスモスやほぼ一定の車間距離    由季    四不亜
鶏頭の全部がこちら向いてゐる    由季    朝

所在無きひとりのひと日熟柿吸ふ   亜紀  
お駄賃の替はりに貰ふ蜜柑かな    亜紀    朝幹
一番に名乗り上げたる実南天     亜紀    苑
口車躱し黄落しきりなり       亜紀    ぐ
素つ気なき空の青さや鵙猛る     亜紀    苑
集合は無人駅なり山粧ふ       亜紀    朝苑幹ぐ
らしからぬ今日の我々十三夜     亜紀  

古酒新酒無理な姿勢で寝てしまふ   不孤    苑幹亜由
ポストまでどんぐりひとつお駄賃に  不孤    由
暮の秋乗れば奈落のエレベータ    不孤  
秋夕焼ひらきすぎたる車間距離    不孤    苑由
くまさんのやうな恋人小六月     不孤    朝苑由

無駄なことばかりしてゐる小春かな  四童    朝苑亜ぐ
お駄賃の縫ひぐるみ増え冬に入る   四童  
乗車券冬の日向に差し出せり     四童    朝苑不幹亜由ぐ
黄落や滑車の見えるエレベーター   四童    亜
敗荷といふミッションを遂行す    四童    朝不由ぐ

以上。(集計:不孤)

2012年11月4日日曜日

無賃乗車句会・投句一覧

【無】
音無川さくらもみぢも散りをはる
古酒新酒無理な姿勢で寝てしまふ
集合は無人駅なり山粧ふ
所在無きひとりのひと日熟柿吸ふ
着ぶくれのどこかになくす切符かな
無蓋車の藁ひきづりて秋の風
無月なり筋肉痛の足を揉み
無駄なことばかりしてゐる小春かな
有耶無耶を串刺しにしておでん酒


【賃】
お駄賃とともに焼藷屋へ走る
お駄賃の替はりに貰ふ蜜柑かな
お駄賃の縫ひぐるみ増え冬に入る
どんぐりの五つが家賃大きな尾
ポストまでどんぐりひとつお駄賃に
最新式運賃箱に秋日満ち
木賃宿の入口に立つ朴落葉
芒原賃走ランプ赤黒し

【乗】
うそ寒の乗降口の蛇腹かな
一番に名乗り上げたる実南天
月へゆく加減乗除の果ての道
乗車券冬の日向に差し出せり
乗船に並ぶひとびと着ぶくれて
地下鉄を乗り継ぎて木枯に出る
暮の秋乗れば奈落のエレベータ
恋ゆゑに二は二乗とす酉の市

【車】
コスモスやほぼ一定の車間距離
もみぢ葉の化して海盤車となりにけり
黄落や滑車の見えるエレベーター
黄落をつつきつてゆく乳母車
口車躱し黄落しきりなり
車道へとはみ出してゆく萩の乱
秋夕焼ひらきすぎたる車間距離
戦車とか愚者とか銀の大花野

【当季雑詠】
くまさんのやうな恋人小六月
らしからぬ今日の我々十三夜
果樹園にころろころろと林檎鳴る
鶏頭の全部がこちら向いてゐる
秋去りぬ魑魅魍魎を引き連れて
素つ気なき空の青さや鵙猛る
敗荷といふミッションを遂行す
晩秋の蟻の穴より空の音
末つ子のやうに灯火を親しめり

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月7日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月31日水曜日

無賃乗車句会・出題

再開第32回目の出題です。

【無】
【賃】
【乗】
【車】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:11月3日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

伸縮自在句会・作者発表

象亀の首伸び切りし秋の昼      朝比古   苑亜幹
啄木鳥の首の縮みし刹那かな     朝比古  
自打球の当たりしごとく黄落す    朝比古   ぽ不ぐ
駐在所机の上に柿ふたつ       朝比古   苑ぽ
少年の手くらがりより青木の実    朝比古   苑四

脚伸ばしきり銀漢にとどきそう    ぽぽな  
二人してゆっくり銀漢を濃縮     ぽぽな   苑朝由四
自分から自分を剥がす銀木犀     ぽぽな   不由
すすき原不在の人の声のある     ぽぽな  
流星を洋酒の瓶の底に飼う      ぽぽな   亜由

伸び伸びと飛行機雲に芒かな     ぐみ  
蛇穴に入る縮こまる真似をする    ぐみ    幹
自然薯をもて余したる三次会     ぐみ    不
主不在裂けてはならぬ柘榴の実    ぐみ  
中心の固き林檎や朝まだき      ぐみ  

黄落の方へ伸ばせる亀の首      由季    ぽ亜不朝ぐ
しづしづと蓑虫の糸縮みをり     由季    ぽ亜幹ぐ
紅葉づれる坂も自動車教習所     由季    苑朝
冷まじき現在地点赤くあり      由季    ぐ
ハロウィンの仮装のままの雨宿り   由季    ぽ亜朝ぐ四

吹き硝子ぷんと伸ばされ秋夕焼    藤幹子   四
縮れ麺箸にからむや後の月      藤幹子   朝
自惚れて蓑虫開く水盤に       藤幹子   不
芋虫に点在したる風の穴       藤幹子   苑由四
鶏頭のかたまり迂回して義妹     藤幹子  

かにかくに山中伸弥水澄めり     不孤    苑四
転倒にはじまる萎縮草の絮      不孤  
その自信どこから来るの枯尾花    不孤  
柿熟るる不在者財産管理して     不孤    ぽ亜
絵草子展出口へスズメと稲雀     不孤  

伸びしろのあると言はるる唐辛子   亜紀    不
縮尺を変へてつぎつぎ露の玉     亜紀    ぽ朝由ぐ
行く秋の鐘ひとつ鳴るのど自慢    亜紀    ぽ四
長き夜の自由自在を紐解きぬ     亜紀    四
点在のこんなところに曼珠沙華    亜紀    朝由
銀翼を空に放ちて神の留守      亜紀    幹ぐ四
稲妻に手足伸ばして眠りけり     亜紀    不由幹
咬む力咆ゆる力や十三夜       亜紀    苑ぐ

秋天へ爪先立ちに背伸びして     苑を  
さてと首縮め冬眠いたしけり     苑を    不由
自動ドアひらき黄落また黄落     苑を    亜朝幹
月光や不在証明とはならぬ      苑を  
時どきは目の合うきのこ合はぬきのこ 苑を    幹

小春日のやんなつてゐる牧伸二    四童    苑亜不朝幹
番長の縮尺ちがふ秋の暮       四童  
自他共に認めてゐたるねこじやらし  四童  
引力の始まる自在鉤や秋       四童    亜由幹ぐ
あめつちに長き夜よりも長き雨    四童    ぽ

以上。(集計:不孤)

2012年10月29日月曜日

伸縮自在句会・投句一覧

【伸】
かにかくに山中伸弥水澄めり
稲妻に手足伸ばして眠りけり
黄落の方へ伸ばせる亀の首
脚伸ばしきり銀漢にとどきそう
秋天へ爪先立ちに背伸びして
小春日のやんなつてゐる牧伸二
象亀の首伸び切りし秋の昼
伸びしろのあると言はるる唐辛子
伸び伸びと飛行機雲に芒かな
吹き硝子ぷんと伸ばされ秋夕焼

【縮】
さてと首縮め冬眠いたしけり
しづしづと蓑虫の糸縮みをり
蛇穴に入る縮こまる真似をする
縮れ麺箸にからむや後の月
縮尺を変へてつぎつぎ露の玉
啄木鳥の首の縮みし刹那かな
転倒にはじまる萎縮草の絮
二人してゆっくり銀漢を濃縮
番長の縮尺ちがふ秋の暮

【自】
その自信どこから来るの枯尾花
紅葉づれる坂も自動車教習所
行く秋の鐘ひとつ鳴るのど自慢
自惚れて蓑虫開く水盤に
自然薯をもて余したる三次会
自他共に認めてゐたるねこじやらし
自打球の当たりしごとく黄落す
自動ドアひらき黄落また黄落
自分から自分を剥がす銀木犀

【在】
すすき原不在の人の声のある
芋虫に点在したる風の穴
引力の始まる自在鉤や秋
柿熟るる不在者財産管理して
月光や不在証明とはならぬ
主不在裂けてはならぬ柘榴の実
駐在所机の上に柿ふたつ
長き夜の自由自在を紐解きぬ
点在のこんなところに曼珠沙華
冷まじき現在地点赤くあり

【当季雑詠】
あめつちに長き夜よりも長き雨
ハロウィンの仮装のままの雨宿り
絵草子展出口へスズメと稲雀
銀翼を空に放ちて神の留守
鶏頭のかたまり迂回して義妹
時どきは目の合うきのこ合はぬきのこ
少年の手くらがりより青木の実
中心の固き林檎や朝まだき
流星を洋酒の瓶の底に飼う
咬む力咆ゆる力や十三夜

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月31日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月24日水曜日

伸縮自在句会・出題

再開第31回目の出題です。

【伸】
【縮】
【自】
【在】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月28日(日)24:00(JST)…世話人都合により今回も日曜にします。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

世界征服句会・作者発表

世直しのごとくに二十三夜月     朝比古  
雨降れり金木犀の界隈に       朝比古   ぐ
ゐのこづち隣町まで遠征す      朝比古   ぽ不亜四
やや寒し頓服薬に臓腑の絵      朝比古   幹四
ロボットと影重なれる夜業かな    朝比古   ぽ幹亜四

古酒酌んで世界地図めく五臓かな   ぽぽな   四
秋気澄むまでを界面活性剤      ぽぽな   不
燈火親しむ鬼を征伐するところ    ぽぽな   ぐ
服脱いでくちびる赤し菊人形     ぽぽな   幹
六三制の三のあたりの秋思かな    ぽぽな   朝ぐ亜

世話好きで少し照れ屋で茸似で    ぐみ    朝
魔界へのハロウィン列車霧の中    ぐみ  
犬征きしおほき花野のありにけり   ぐみ  
親子して迷彩服の七五三       ぐみ    朝
月光を裏庭に張る蠱惑かな      ぐみ  

世話役の引つ張つてゐる烏瓜     亜紀    ぽ幹
角界のかつてプリンス薄紅葉     亜紀  
悪党のごとく征伐藪からし      亜紀  
制服の手を伸ばしたる葡萄かな    亜紀    ぽ幹朝
断捨離と向き合うてゐる秋思かな   亜紀    ぐ
鳩笛や風にも道があるといふ     亜紀  
生地を裁つ野分の海の音を聞き    亜紀    幹朝四
遠征の帰途に着きたる金木犀     亜紀    朝

身に入むや小日向文世の穏と兇    不孤    ぐ
行秋の界隈整骨院過密        不孤    亜
がん征圧月間のうへ文化祭      不孤  
頓服の効いて割けたる通草の実    不孤  
甘栗のくろぐろ抹茶モンブラン    不孤    ぽ亜

世之介の腎水散れば鶴来る      藤幹子   不四
三界は無花果仏には嘴        藤幹子  
征伐へ始めに草の絮を吹く      藤幹子   ぽ不亜四
服用後烏瓜から光ります       藤幹子   不ぐ亜
葛嵐たちまちオズへ続く道      藤幹子  

水おほき二十世紀の果実かな     四童    幹
界隈の酒癖わろき糸瓜かな      四童  
辻征夫読んで正しき秋の風邪     四童    不
洋服を着用のこと後夜祭       四童    ぽ不ぐ
木犀の取り憑いてゐる水の音     四童    朝

以上。(集計:不孤)

2012年10月23日火曜日

世界征服句会・投句一覧

 お待たせしました。

【世】
古酒酌んで世界地図めく五臓かな
身に入むや小日向文世の穏と兇
水おほき二十世紀の果実かな
世直しのごとくに二十三夜月
世之介の腎水散れば鶴来る
世話好きで少し照れ屋で茸似で
世話役の引つ張つてゐる烏瓜

【界】
雨降れり金木犀の界隈に
界隈の酒癖わろき糸瓜かな
角界のかつてプリンス薄紅葉
行秋の界隈整骨院過密
三界は無花果仏には嘴
秋気澄むまでを界面活性剤
魔界へのハロウィン列車霧の中 

【征】
がん征圧月間のうへ文化祭
ゐのこづち隣町まで遠征す
悪党のごとく征伐藪からし
犬征きしおほき花野のありにけり
征伐へ始めに草の絮を吹く
辻征夫読んで正しき秋の風邪
燈火親しむ鬼を征伐するところ

【服】
やや寒し頓服薬に臓腑の絵
親子して迷彩服の七五三 
制服の手を伸ばしたる葡萄かな
頓服の効いて割けたる通草の実
服脱いでくちびる赤し菊人形
服用後烏瓜から光ります
洋服を着用のこと後夜祭

【当季雑詠】
ロボットと影重なれる夜業かな
遠征の帰途に着きたる金木犀
葛嵐たちまちオズへ続く道
甘栗のくろぐろ抹茶モンブラン
月光を裏庭に張る蠱惑かな
生地を裁つ野分の海の音を聞き
断捨離と向き合うてゐる秋思かな
鳩笛や風にも道があるといふ
木犀の取り憑いてゐる水の音
六三制の三のあたりの秋思かな

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月24日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月16日火曜日

世界征服句会・出題

再開第30回目の出題です。

【世】
【界】
【征】
【服】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月21日(日)24:00(JST)…世話人都合により今回は日曜にします。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

調剤薬局句会・作者発表

虫の夜の見えない場所に空調機     天気    由
秋深まりぬ錠剤のうらおもて      天気    苑
それは桃それは真昼の薬学部      天気  
夜学子に電波を飛ばす地方局      天気    四朝亜不苑由
これなんの夢なんだらう桃一顆     天気    苑

秋の夜の調べ正しき万葉歌       朝比古  
秋暁の柔軟剤の匂ひかな        朝比古   ぐ
混沌として宵寒の薬箱         朝比古   苑
夕化粧郵便局に侵食す         朝比古  
虫籠の新しきまま仕舞はるる      朝比古   ぐ

調理士の免許一枚パリの月       ぐみ    不苑天
洗剤のCMのごと天高し        ぐみ  
流木と菊を薬缶に活けにけり      ぐみ    亜不天
鳥わたる局番に3袖看板        ぐみ  
風に文字書いても書いても芒の穂    ぐみ    四亜

順調に句会つづくよ豊の秋       不孤    四朝苑由
くわりん黄に筋肉弛緩剤効いて     不孤  
谷中なる薬膳カレー鵙日和       不孤    ぐ
局留の懸賞葉書文化の日        不孤  
ゴリラ舎の高きに登り抛る菜      不孤  

オーケストラの調音タイム秋深む    苑を    朝亜ぐ
秋日ちらちら錠剤の色いろいろ     苑を    朝天
月光や薬草は毒ひそませて       苑を    不ぐ
黄巻紙特許許可局もみぢ散る      苑を  
ひかりといふならたまねぎのうすごろも 苑を    四亜天由

秋の夜の格調高きユニフォーム     亜紀    四
ポケットに錠剤ひとつ捨案山子     亜紀    不
薬湯のばかに混み合ふ菊日和      亜紀    四天由
局面を打開してゆく芒原        亜紀    不ぐ
鵙鳴くや補充してゐる常備薬      亜紀    苑
熟柿吸ふテレビ画面に真向かひて    亜紀    天
店長の声に艶ある運動会        亜紀    朝苑由
逃れ来て月の明りに読む紙片      亜紀    ぐ

念入りに調整したる稲架の脚      由季    四
不明なる錠剤秋の抽斗に        由季    朝
秋麗の猫に薬を飲ます技        由季    四朝亜天
局所的豪雨を知らずぬかご飯      由季    亜
手触りを愛する本よ栗名月       由季    朝亜苑

調律の耳のかたちの石榴かな      四童    不天由ぐ
いろいろな忌避剤のある菊日和     四童  
人さらひから冬に入る薬研坂      四童  
美人局とは知りつつも雁渡し      四童    不由
養生を透かして露の玉あまた      四童  

以上。(集計:不孤)

2012年10月14日日曜日

調剤薬局句会・投句一覧

 お待たせしました。

【調】
オーケストラの調音タイム秋深む
秋の夜の格調高きユニフォーム
秋の夜の調べ正しき万葉歌
順調に句会つづくよ豊の秋
虫の夜の見えない場所に空調機
調理士の免許一枚パリの月
調律の耳のかたちの石榴かな
念入りに調整したる稲架の脚

【剤】
いろいろな忌避剤のある菊日和
くわりん黄に筋肉弛緩剤効いて
ポケットに錠剤ひとつ捨案山子
秋暁の柔軟剤の匂ひかな
秋深まりぬ錠剤のうらおもて
秋日ちらちら錠剤の色いろいろ
洗剤のCMのごと天高し
不明なる錠剤秋の抽斗に

【薬】
それは桃それは真昼の薬学部
月光や薬草は毒ひそませて
混沌として宵寒の薬箱
秋麗の猫に薬を飲ます技
人さらひから冬に入る薬研坂
谷中なる薬膳カレー鵙日和
薬湯のばかに混み合ふ菊日和
流木と菊を薬缶に活けにけり
鵙鳴くや補充してゐる常備薬

【局】
黄巻紙特許許可局もみぢ散る
局所的豪雨を知らずぬかご飯
局面を打開してゆく芒原
局留の懸賞葉書文化の日
鳥わたる局番に3袖看板
美人局とは知りつつも雁渡し
夜学子に電波を飛ばす地方局
夕化粧郵便局に侵食す

【当季雑詠】
ゴリラ舎の高きに登り抛る菜
これなんの夢なんだらう桃一顆
ひかりといふならたまねぎのうすごろも
手触りを愛する本よ栗名月
熟柿吸ふテレビ画面に真向かひて
虫籠の新しきまま仕舞はるる
店長の声に艶ある運動会
逃れ来て月の明りに読む紙片
風に文字書いても書いても芒の穂
養生を透かして露の玉あまた

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月17日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月9日火曜日

調剤薬局句会・出題

再開第29回目の出題です。

【調】
【剤】
【薬】
【局】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月13日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

佐川急便句会・作者発表

颱風裡佐々木と代々木見間違ふ    朝比古   苑不天由ぐ
青蜜柑提げて川崎球場へ       朝比古   不
天高しびゆわんびゆわんと超特急   朝比古   ぐ
旅にゐて釣瓶落しに便乗す      朝比古   ぐ
雨音を吸ひ込んでゆく鶏頭花     朝比古   不四天亜

佐山哲郎句集のところどころ雲    天気  
香川県うどん以外もがんばれよ    天気  
蟋蟀のひたひが急にねむくなる    天気    苑朝不四由
白鳥の来たり便座のあたたかし    天気    苑四亜
朝刊に落ちて転がる巨峰かな     天気    苑朝不ぽ四

そぞろ寒死して中佐に昇級す     ぽぽな   ぐ
臨月がはじまる昼の天の川      ぽぽな  
急用の人が過ぎゆく秋の蝿      ぽぽな  
満月の帰りの便の予約をす      ぽぽな   朝不亜
夜なべして隣の曲調が変わる     ぽぽな   四

猿飛佐助像秋の雲に乗り       由季  
前奏はピアノでありし秋の川     由季  
阪急も阪神もなく秋黴雨       由季    四
月の夜は帽子目深に郵便夫      由季    苑
鰯雲犬が開けたる自動ドア      由季    苑朝ぽ四天亜ぐ

蟷螂の斧佐幕派の裔として      不孤  
赤とんぼ川の向うは川崎市      不孤    苑天
野分中急な用事と言はれても     不孤    ぐ
ある朝の便座のぬくみ神無月     不孤    苑天由
腹見せて喉元見せて秋のライオン   不孤    ぽ天亜由ぐ

秋の灯にゆれて伊勢佐木あたりかな  ぐみ    朝不ぽ四亜
汝の指の我がおとがひに天の川    ぐみ    ぽ
一本の月の光の急階段        ぐみ    ぽ天亜
文字化けの電脳便や虫の夜      ぐみ  
缶詰の白桃の身に大き穴       ぐみ  

土佐産の柚子の実ばかり運ばるる   亜紀    朝不ぽ由
月の夜の蛇行してゆく川面かな    亜紀    朝
秋の夜の救急箱の匂ひかな      亜紀    ぽ天由ぐ
妖精と便乗したる霧の夜       亜紀    ぽ
近づいて空気ひんやり曼珠沙華    亜紀    朝
行く先はナルニア国や草のわた    亜紀    苑由

伊賀上野「佐助」の暖簾野分立つ   苑を  
枕から川の音する萩の宿       苑を    四天亜
秋雨止まずやゝ急いてゐるピアノ   苑を    不亜由
ちちろ鳴く郵便局に灯のともる    苑を    朝
秋風やジャズの流れる運河の面    苑を  

百体の龍馬を並べ土佐の秋      四童  
翠川敬基飛び交ふ夜半の秋      四童  
急行に抜かされてゐる竈馬かな    四童    由
赤文字の便から済ます鰯雲      四童  
途中から秋の黴雨となりにけり    四童    ぐ

以上。(集計:不孤)

2012年10月7日日曜日

佐川急便句会・投句一覧

 お待たせしました。

【佐】
そぞろ寒死して中佐に昇級す
伊賀上野「佐助」の暖簾野分立つ
猿飛佐助像秋の雲に乗り
佐山哲郎句集のところどころ雲
秋の灯にゆれて伊勢佐木あたりかな
土佐産の柚子の実ばかり運ばるる
百体の龍馬を並べ土佐の秋
蟷螂の斧佐幕派の裔として
颱風裡佐々木と代々木見間違ふ

【川】
月の夜の蛇行してゆく川面かな
香川県うどん以外もがんばれよ
翠川敬基飛び交ふ夜半の秋
青蜜柑提げて川崎球場へ
赤とんぼ川の向うは川崎市
前奏はピアノでありし秋の川
汝の指の我がおとがひに天の川
枕から川の音する萩の宿
臨月がはじまる昼の天の川

【急】
一本の月の光の急階段
急行に抜かされてゐる竈馬かな
急用の人が過ぎゆく秋の蝿
阪急も阪神もなく秋黴雨
秋の夜の救急箱の匂ひかな
秋雨止まずやゝ急いてゐるピアノ
天高しびゆわんびゆわんと超特急
野分中急な用事と言はれても
蟋蟀のひたひが急にねむくなる

【便】
ある朝の便座のぬくみ神無月
ちちろ鳴く郵便局に灯のともる
月の夜は帽子目深に郵便夫
赤文字の便から済ます鰯雲
白鳥の来たり便座のあたたかし
文字化けの電脳便や虫の夜
満月の帰りの便の予約をす
妖精と便乗したる霧の夜
旅にゐて釣瓶落しに便乗す

【当季雑詠】
鰯雲犬が開けたる自動ドア
雨音を吸ひ込んでゆく鶏頭花
缶詰の白桃の身に大き穴
近づいて空気ひんやり曼珠沙華
行く先はナルニア国や草のわた
秋風やジャズの流れる運河の面
朝刊に落ちて転がる巨峰かな
途中から秋の黴雨となりにけり
腹見せて喉元見せて秋のライオン
夜なべして隣の曲調が変わる

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月10日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さいURLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年10月3日水曜日

佐川急便句会・出題

再開第28回目の出題です。

【佐】
【川】
【急】
【便】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:10月6日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

電池売場句会・作者発表

冬じたく模様の家電量販店      朝比古   天
黄のカンナコンガを叩くダン池田   朝比古   四不亜
売店の巣箱のごとき秋の暮      朝比古   ぐ不亜
ジャイアント馬場の赤あり葉鶏頭   朝比古  
暗幕にこもりし熱や休暇明け     朝比古   由天

電線は電気漏らさず秋の暮      天気    ぐ
池袋五叉路のまうへ眉の月      天気    ぐ不
桃売や元横綱にそつくりの      天気  
秋の夜のポッキー齧りつつ場末    天気    朝
われわれはひよつこりへうたん島世代 天気  

襟足に夜露終電見送りて       ぐみ  
最初はグー池田澄子の灯る秋     ぐみ  
本売つて本買ひにけり秋夕焼     ぐみ    朝由天
新蕎麦のややみどり帯び砂場かな   ぐみ  
白孔雀秋の扇を閉ぢにけり      ぐみ  

リモコンの電池入れ替ふ夜の寒し   亜紀  
乗換の溜池山王駅九月        亜紀    朝
秋めきて焼売を売る赤き服      亜紀    四天
入り口は資材置き場といふ花野    亜紀    朝四苑不由
穴惑はじめからなき境界線      亜紀    苑
林檎剥くペティナイフに星集め    亜紀    ぐ

人間は電気を通す秋の暮       由季    朝四亜天
池ぽちやの後うすうすと鰯雲     由季    ぐ亜
売り物をいつとき借りて秋扇     由季    不
場所前は新松子めく心持ち      由季  
球場の端のめくれて草雲雀      由季    朝四苑亜天

天高しウルトラマンの背に電池    不孤    苑
秋夕焼池上線の九十年        不孤    苑
吾亦紅売約済の漆盆         不孤  
場違ひな哄笑ひびく秋出水      不孤  
傘寿古稀白寿の母校秋高し      不孤    四苑由亜

電脳のもの言ひたげな夜長かな    苑を    四
池上線各駅紅葉かつ散りぬ      苑を    不
ランジェリー売場の床の秋湿り    苑を    天
秋灯の波うち大井競馬場       苑を  
引退の空いつぱいの鰯雲       苑を    朝四不由

色鳥や美味しく炊ける電気釜     四童    朝苑不由亜
放生の鰐ひそみをる池しづか     四童    ぐ
風呂敷のごと商売を畳み秋      四童    苑由亜
場慣れした男あらはれ鰯雲      四童    ぐ
颱風の睫の先の速さかな       四童    ぐ由天

以上。(集計:不孤)

2012年9月30日日曜日

電池売場句会・投句一覧

 お待たせしました。

【電】
リモコンの電池入れ替ふ夜の寒し
襟足に夜露終電見送りて
色鳥や美味しく炊ける電気釜
人間は電気を通す秋の暮
天高しウルトラマンの背に電池
電線は電気漏らさず秋の暮
電脳のもの言ひたげな夜長かな
冬じたく模様の家電量販店

【池】
黄のカンナコンガを叩くダン池田
最初はグー池田澄子の灯る秋
秋夕焼池上線の九十年
乗換の溜池山王駅九月
池ぽちやの後うすうすと鰯雲
池上線各駅紅葉かつ散りぬ
池袋五叉路のまうへ眉の月
放生の鰐ひそみをる池しづか

【売】
ランジェリー売場の床の秋湿り
吾亦紅売約済の漆盆
秋めきて焼売を売る赤き服
桃売や元横綱にそつくりの
売り物をいつとき借りて秋扇
売店の巣箱のごとき秋の暮
風呂敷のごと商売を畳み秋
本売つて本買ひにけり秋夕焼

【場】
ジャイアント馬場の赤あり葉鶏頭
秋の夜のポッキー齧りつつ場末
秋灯の波うち大井競馬場
場違ひな哄笑ひびく秋出水
場慣れした男あらはれ鰯雲
場所前は新松子めく心持ち
新蕎麦のややみどり帯び砂場かな
入り口は資材置き場といふ花野

【当季雑詠】
われわれはひよつこりへうたん島世代
暗幕にこもりし熱や休暇明け
引退の空いつぱいの鰯雲
球場の端のめくれて草雲雀
穴惑はじめからなき境界線
傘寿古稀白寿の母校秋高し
白孔雀秋の扇を閉ぢにけり
林檎剥くペティナイフに星集め
颱風の睫の先の速さかな

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月3日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年9月24日月曜日

電池売場句会・出題

再開第27回目の出題です。

【電】
【池】
【売】
【場】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:9月29日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

玉井詩織句会・作者発表

玉の井の釣瓶落しにまみれけり    朝比古   ぐ
新涼や手押しポンプで井戸を汲み   朝比古  
詩歌よりすこし離れて秋刀魚焼く   朝比古   四不苑亜
しづけさは織込み済みの十三夜    朝比古   ぐ
月光のすこし薬の匂ひかな      朝比古   四不苑亜

玉子割る音くぐもりて霧の朝     ぐみ    亜
築地裏ポンプ井戸あり秋の風     ぐみ  
詩画集と三個のレモン残されり    ぐみ    朝不
日もすがら膝に手織の秋袷      ぐみ  
ためらひの刃先光りぬ栗羊羹     ぐみ    亜

開けてもみよ今日の月なる玉手箱   苑を    四不
井の頭自然文化園は月夜       苑を  
詩編二三編づるづる手繰る藪枯らし  苑を  
十六夜や誰もをらぬに機織る音    苑を  
鶏卵の生温かき秋彼岸        苑を    四朝

勾玉の穴にすつぽり望の月      不孤    四亜
災害時提供の井戸萩の風       不孤  
詩がないと言はれつづけて木の葉髪  不孤    朝
その件は織込済みにて茸汁      不孤  
冬瓜や楊貴妃の枕ならばや      不孤  

替へ玉を追加してゐる良夜かな    亜紀    四朝不苑
秋霖や天井低き旅の宿        亜紀  
詩の言葉疲弊してゐる月夜かな    亜紀    朝
不織布の巾着袋居待月        亜紀    不
台風が来るぞ石鹸泡立つる      亜紀    朝苑
昨日今日明日かがやく秋の水     亜紀  
パソコンに眼の乾きたる子規忌かな  亜紀    苑

玉電の野菜めきたる秋の午後     四童    ぐ
下井草井荻嗚呼秋上井草       四童    ぐ
朗読の詩の怖ろしき夜半の秋     四童    ぐ亜
組織から逃れ藁塚にて愛す      四童    苑ぐ
秋彼岸すなはち秋の黴雨かな     四童  

以上。(集計:不孤)

2012年9月23日日曜日

玉井詩織句会・投句一覧

 お待たせしました。

【玉】
開けてもみよ今日の月なる玉手箱
玉の井の釣瓶落しにまみれけり
玉子割る音くぐもりて霧の朝
玉電の野菜めきたる秋の午後
勾玉の穴にすつぽり望の月
替へ玉を追加してゐる良夜かな

【井】
井の頭自然文化園は月夜
下井草井荻嗚呼秋上井草
災害時提供の井戸萩の風
秋霖や天井低き旅の宿
新涼や手押しポンプで井戸を汲み
築地裏ポンプ井戸あり秋の風

【詩】
詩がないと言はれつづけて木の葉髪
詩の言葉疲弊してゐる月夜かな
詩歌よりすこし離れて秋刀魚焼く
詩画集と三個のレモン残されり
詩編二三編づるづる手繰る藪枯らし
朗読の詩の怖ろしき夜半の秋

【織】
しづけさは織込み済みの十三夜
その件は織込済みにて茸汁
十六夜や誰もをらぬに機織る音
組織から逃れ藁塚にて愛す
日もすがら膝に手織の秋袷
不織布の巾着袋居待月

【当季雑詠】
ためらひの刃先光りぬ栗羊羹
パソコンに眼の乾きたる子規忌かな
鶏卵の生温かき秋彼岸
月光のすこし薬の匂ひかな
昨日今日明日かがやく秋の水
秋彼岸すなはち秋の黴雨かな
台風が来るぞ石鹸泡立つる
冬瓜や楊貴妃の枕ならばや

(以上)

6句選(特選、逆選なし)
選句締切:9月26日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から6句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年9月21日金曜日

当季雑詠句会・作者発表

当人の知らぬ噂や新豆腐       空猫    不亜由
秋高し季語と季題に境なく      空猫  
名月を転がしゆけば雑木山      空猫    朝亜ぐ
西国の詠み人知らず天の川      空猫  
雨やんで風残りたる秋ざくら     空猫  

待宵や当り障りの無き話       朝比古  
季節から季節へ鳥の渡りけり     朝比古  
雑巾のからからにあり休暇明け    朝比古   四由
詠嘆の声の混じりて虫の夜      朝比古   由
ゆるやかに人集まれり秋の雲     朝比古   四亜由空

天高し当てがひ棒の透明に      ぐみ    不亜空
青きバスつらね林檎の季節なり    ぐみ    四
雑草に力残りて秋の雲        ぐみ  
花野果て詠草風に吹かれけり     ぐみ    不由
赤き灯の夜間飛行や虫の秋      ぐみ    空

ししたうの当りやすくて好かれをり  不孤    四空
君からの季のない返句秋の風     不孤    由ぐ
雑居ビルの破れ窓より秋の蠅     不孤  
大瀧詠一うたふは秋の腹三分     不孤    四亜
象を呑みしうはばみの山星月夜    不孤  

かなかなの鳴く樹見当つけてある   由季    朝亜
季節のサラダ季節のスープさはやかに 由季    四亜
長き夜の雑な目鼻のぬひぐるみ    由季    四ぐ
混みあへる雑詠欄へ小鳥来る     由季    不ぐ空
学校と家との間蕎麦の花       由季  

当分の間眠れぬちちろかな      亜紀    ぐ
秋簾心当たりのなき季寄せ      亜紀    朝空
雑貨屋に突き当たりたる秋の暮    亜紀    不ぐ
詠み人を言ひ当ててゐる星月夜    亜紀    空
当たり前すぎて気づかぬ赤のまま   亜紀  
貝釦付け替へてゐる良夜かな     亜紀    朝不
新蕎麦や靴をそろへて小上がりに   亜紀    朝

当然の報ひとしての石榴かな     四童    ぐ
天高し困つたときの岡田由季     四童    朝不由
雑に積む放置自転車鰯雲       四童    朝
詠免は祈りのことば水澄めり     四童  
太陽系水金地火木彼岸花       四童  

以上。(集計:不孤)

2012年9月20日木曜日

玉井詩織句会・出題

まだ選句がお済みでない方もいらっしゃいますが、先に次回の題を出しておきます。再開第26回目の出題です。【当季雑詠】しかやらない句会に移行するための伏線としての【当】【季】【雑】【詠】という構想もあったのですが、思い直して題詠を継続します。

【玉】
【井】
【詩】
【織】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:9月22日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年9月16日日曜日

当季雑詠句会・投句一覧

 お待たせしました。

【当】
かなかなの鳴く樹見当つけてある
ししたうの当りやすくて好かれをり
待宵や当り障りの無き話
天高し当てがひ棒の透明に
当たり前すぎて気づかぬ赤のまま
当人の知らぬ噂や新豆腐
当然の報ひとしての石榴かな
当分の間眠れぬちちろかな

【季】
季節から季節へ鳥の渡りけり
季節のサラダ季節のスープさはやかに
君からの季のない返句秋の風
秋高し季語と季題に境なく
秋簾心当たりのなき季寄せ
青きバスつらね林檎の季節なり
天高し困つたときの岡田由季

【雑】
雑に積む放置自転車鰯雲
雑貨屋に突き当たりたる秋の暮
雑居ビルの破れ窓より秋の蠅
雑巾のからからにあり休暇明け
雑草に力残りて秋の雲
長き夜の雑な目鼻のぬひぐるみ
名月を転がしゆけば雑木山

【詠】
詠み人を言ひ当ててゐる星月夜
詠嘆の声の混じりて虫の夜
詠免は祈りのことば水澄めり
花野果て詠草風に吹かれけり
混みあへる雑詠欄へ小鳥来る
西国の詠み人知らず天の川
大瀧詠一うたふは秋の腹三分

【当季雑詠】
ゆるやかに人集まれり秋の雲
雨やんで風残りたる秋ざくら
貝釦付け替へてゐる良夜かな
学校と家との間蕎麦の花
象を呑みしうはばみの山星月夜
新蕎麦や靴をそろへて小上がりに
赤き灯の夜間飛行や虫の秋
太陽系水金地火木彼岸花

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:9月19日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年9月11日火曜日

当季雑詠句会・出題

再開第25回目の出題です。予想通りの題と言えましょう。

【当】
【季】
【雑】
【詠】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:9月15日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

投句一覧句会・作者発表

5人では寂し過ぎますね。

新涼のややささくれて投手板       朝比古    
渋柿の俳句のやうに干されをり      朝比古    
アイロンが一番熱し秋の朝        朝比古     不幹亜
澄む秋や観覧席に偉き人         朝比古     四
秋刀魚から滴るものの爆ぜにけり     朝比古     四幹

投了の盤ごと萩を運び入る        藤幹子     不
たうなすの跳ぶを見してふ発句かな    藤幹子     不
一掬の水零す鉢つづれさせ        藤幹子     亜
観覧のご希望ハガキ鶴来る        藤幹子    
秋の雲吾がされかうべ鳴らされぬ     藤幹子    

投げやりな視線あつめる秋夕焼      不孤      朝亜
酒を読点水を句点の良夜かな       不孤      四幹
秋の浜ストロー一本立つてゐる      不孤      朝幹亜
ご高覧願ひましては唐辛子        不孤    
箸の剥げる無駄な歯力たうもろこし    不孤    

投じたる石を沈めて水澄めり       亜紀    
絶句してゐる間の釣瓶落しかな      亜紀      朝四不幹
昨日も一昨日もとろろ汁         亜紀      四
蜩や閲覧室に誰もゐず          亜紀      不
投手戦神経戦となり良夜         亜紀    
投げ遣りになつてもみたし秋桜      亜紀    
多数派の吾も一人やねこじやらし     亜紀    

扇おき本格的に投了す          四童    
二の句継ぎぐんぐん伸びる曼珠沙華    四童    
一味だと思はれてゐる糸瓜かな      四童      朝亜
仲秋や稟議の如き回覧板         四童      朝
ハチ公の墓の近くに参りけり       四童    

以上。(集計:不孤)

2012年9月9日日曜日

投句一覧句会・投句一覧

【投】
新涼のややささくれて投手板
扇おき本格的に投了す
投げやりな視線あつめる秋夕焼
投げ遣りになつてもみたし秋桜
投じたる石を沈めて水澄めり
投了の盤ごと萩を運び入る

【句】
たうなすの跳ぶを見してふ発句かな
酒を読点水を句点の良夜かな
渋柿の俳句のやうに干されをり
絶句してゐる間の釣瓶落しかな
二の句継ぎぐんぐん伸びる曼珠沙華

【一】
アイロンが一番熱し秋の朝
一掬の水零す鉢つづれさせ
一味だと思はれてゐる糸瓜かな
昨日も一昨日もとろろ汁
秋の浜ストロー一本立つてゐる
多数派の吾も一人やねこじやらし

【覧】
ご高覧願ひましては唐辛子
観覧のご希望ハガキ鶴来る
澄む秋や観覧席に偉き人
仲秋や稟議の如き回覧板
蜩や閲覧室に誰もゐず

【当季雑詠】
ハチ公の墓の近くに参りけり
秋の雲吾がされかうべ鳴らされぬ
秋刀魚から滴るものの爆ぜにけり
投手戦神経戦となり良夜
箸の剥げる無駄な歯力たうもろこし

(以上)

5句選(特選、逆選なし)
選句締切:9月12日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から5句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年9月5日水曜日

投句一覧句会・出題

再開第24回目の出題です。予想通りの題と言えましょう。

【投】
【句】
【一】
【覧】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:9月8日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

作者発表句会・作者発表

あの月は古い贋作ですといふ           藤幹子     恵ぐ
検非違使の者か毟れよ蝦葛            藤幹子     不恵ぐ
霧より発砲フーマンチュー溶けつ         藤幹子     不
秋茜乱数表に従はず               藤幹子     四恵亜
鰯雲線路の上に人在らば             藤幹子    

手作りのとろろ手作りのヴァイオリン       ぐみ    
会者定離(えしゃじょうり)会者定離とてちちろ虫 ぐみ    
あらあらしき雌鹿の息や地震発生         ぐみ    
裏庭の実ざくろ表より見えず           ぐみ      四幹
行く夏や発光体は海に置き            ぐみ      恵
発端は逃れやうなき月明り            ぐみ      四不恵
発酵の香とすれ違ふ秋日傘            ぐみ    

贋作の林檎ひとつの赤すぎる           亜紀      ぐ
洋梨と同居してゐる果報者            亜紀      ぐ
発言の度に案山子を見てゐたる          亜紀      四恵幹
新涼やポートレートの無表情           亜紀      不
親不知すんなり抜けて秋暑し           亜紀    
以上でも以下でもなくて秋刀魚焼く        亜紀      ぐ

作陶のなめらかな指水の秋            不孤      四朝幹亜
駅前の易者そろそろをる夜涼           不孤      幹
発奮の左足から虫すだく             不孤      ぐ
秋早し表参道ヒルズなら             不孤    
奇数月の奇数日ばかり震災忌           不孤    

容赦なく餃子の皮作って秋思           恵    
落武者のような案山子を先頭に          恵       朝不
一声を発し銀漢跳び越える            恵       四朝
表玄関に西瓜がやってくる            恵       朝亜
親指を握った拳地虫鳴く             恵       ぐ

松手入推理作家の家らしき            朝比古     不幹亜
秋灯や著者近影の嘘つぽき            朝比古    
発光を抑へるやうに秋刀魚焼く          朝比古    
表より裏の親しき秋の蝉             朝比古     幹
興行の撤収早しねこじやらし           朝比古     四亜

邯鄲や何つくるともなく作家           四童      不恵亜
忍者死して気配を残す虫の声           四童      朝
発破鳴り山ごと小鳥羽ばたけり          四童    
長き夜の恋よ表面張力よ             四童      朝幹亜
娘らを二百十日の御猪口とす           四童      朝

以上。(集計:不孤)

 しばしご歓談下さい。

2012年9月2日日曜日

作者発表句会・投句一覧

【作】
あの月は古い贋作ですといふ
贋作の林檎ひとつの赤すぎる
作陶のなめらかな指水の秋
手作りのとろろ手作りのヴァイオリン
松手入推理作家の家らしき
容赦なく餃子の皮作って秋思
邯鄲や何つくるともなく作家

【者】
駅前の易者そろそろをる夜涼
会者定離(えしゃじょうり)会者定離とてちちろ虫
検非違使の者か毟れよ蝦葛
秋灯や著者近影の嘘つぽき
忍者死して気配を残す虫の声
洋梨と同居してゐる果報者
落武者のような案山子を先頭に

【発】
あらあらしき雌鹿の息や地震発生
一声を発し銀漢跳び越える 
行く夏や発光体は海に置き
発言の度に案山子を見てゐたる
発光を抑へるやうに秋刀魚焼く
発酵の香とすれ違ふ秋日傘
発端は逃れやうなき月明り
発破鳴り山ごと小鳥羽ばたけり
発奮の左足から虫すだく
霧より発砲フーマンチュー溶けつ

【表】
秋茜乱数表に従はず
秋早し表参道ヒルズなら
新涼やポートレートの無表情
長き夜の恋よ表面張力よ
表より裏の親しき秋の蝉
表玄関に西瓜がやってくる
裏庭の実ざくろ表より見えず

【当季雑詠】
以上でも以下でもなくて秋刀魚焼く
鰯雲線路の上に人在らば
奇数月の奇数日ばかり震災忌
興行の撤収早しねこじやらし
親指を握った拳地虫鳴く
親不知すんなり抜けて秋暑し
娘らを二百十日の御猪口とす

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:9月5日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年8月24日金曜日

作者発表句会・出題

皆様夏休みはとれましたでしょうか。さて再開第23回目の出題です。

【作】
【者】
【発】
【表】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:9月1日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年8月11日土曜日

感染呪術句会・作者発表

新宿の感度の悪しき西日かな      朝比古   四ぐ
はんざきが影に染つてゆきにけり    朝比古    
呪はれしごとくに溶けてアイスクリン  朝比古   苑亜恵
手術室点つてゐたり緑の夜       朝比古    
競争のやうに帰省の船降りる      朝比古   ぐ

蛍飛ぶ予感につなぐ指と指       ぐみ    
藍染の作務衣サングラスも在庫     ぐみ    
呪はれて胡瓜曲がりぬし・し・し    ぐみ    
飛行船夏潮浴びる術知らず       ぐみ    
夏木立青き焔をこらへかね       ぐみ    

感嘆付どどと押し寄せ熱帯夜      苑を    恵
染料の壺並びをる晩夏の町       苑を    四朝亜
呪詛流すための夕立だと思ふ      苑を    恵
忍術で木耳となり吹かれをり      苑を    朝亜
反省も夏痩せもせず爪を切る      苑を    朝恵

髪洗う第六感は外れがち        恵    
髪をおろす西日に染まらないように   恵     ぐ
祝いつつ呪いつつハンカチを振る    恵     四苑亜ぐ
日盛の奇術師に影ひとり分       恵     四苑亜
法事終われば石榴の実まだ青い     恵     苑朝亜

感嘆符打つてわたしの夏終る      亜紀    苑
ふるさとやかなかなの空染まりゆく   亜紀    朝
水澄めり呪解けたるやうに澄む     亜紀    四恵
一切の術知らぬまま胡瓜揉む      亜紀    四
そこここに蟻の穴ある地方都市     亜紀    ぐ
ずるずると残暑引きずる鉄鎖かな    亜紀    
滝を見て滝を語らぬままにをり     亜紀    苑ぐ

感極まる法令線や雲の峰        四童    
箱庭に染物屋ある水の色        四童    恵
夜の秋の椅子の呪ひの深まれり     四童    
術中にはまつてからの夜涼かな     四童    
ラケットを団扇にしたらそこで負け   四童    朝

(以上)

集計:四童

 今回はぐみさんが完全試合達成ですね。四童も絶不調。しばしご歓談下さい。

2012年8月7日火曜日

感染呪術句会・投句一覧

なでしこジャパン、守りきりましたね。

【感】
感極まる法令線や雲の峰
感嘆付どどと押し寄せ熱帯夜
感嘆符打つてわたしの夏終る
蛍飛ぶ予感につなぐ指と指
新宿の感度の悪しき西日かな
髪洗う第六感は外れがち

【染】
はんざきが影に染つてゆきにけり
ふるさとやかなかなの空染まりゆく
染料の壺並びをる晩夏の町
箱庭に染物屋ある水の色
髪をおろす西日に染まらないように
藍染の作務衣サングラスも在庫

【呪】
呪はれしごとくに溶けてアイスクリン
呪はれて胡瓜曲がりぬし・し・し
呪詛流すための夕立だと思ふ
祝いつつ呪いつつハンカチを振る
水澄めり呪解けたるやうに澄む
夜の秋の椅子の呪ひの深まれり

【術】
一切の術知らぬまま胡瓜揉む
手術室点つてゐたり緑の夜
術中にはまつてからの夜涼かな
日盛の奇術師に影ひとり分
忍術で木耳となり吹かれをり
飛行船夏潮浴びる術知らず

【当季雑詠】
ずるずると残暑引きずる鉄鎖かな
そこここに蟻の穴ある地方都市
ラケットを団扇にしたらそこで負け
夏木立青き焔をこらへかね
競争のやうに帰省の船降りる
滝を見て滝を語らぬままにをり
反省も夏痩せもせず爪を切る
法事終われば石榴の実まだ青い

(以上)

6句選(特選、逆選なし)
選句締切:8月10日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から6句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年7月26日木曜日

感染呪術句会・出題

再開第22回目の出題です。

【感】
【染】
【呪】
【術】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:8月5日(日)24:00(JST)…ちょいと今回は日曜にします。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年7月25日水曜日

天地明察句会・作者発表

お待たせしました。

とうりやんせ天神さまへ青大将      ぐみ      朝亜由
地に満つる蟻の歌声話し声        ぐみ      亜空
登山小屋明日の晴待つ無精ひげ      ぐみ    
王様の裸決死の視察団          ぐみ    
出水あり地球儀浮いたり沈んだり     ぐみ      空
大揚羽いそぎ国際空港へ         ぐみ      空

涼しさや聖書の上の天眼鏡        空猫      朝不ぐ幹亜四由
地上絵の真偽は知らず朱夏の風      空猫    
明易し「毒」を撒き散らすのは誰     空猫      ぐ
察すれば誰か来ていたメロンかな     空猫      不ぐ亜
家蜘蛛や箪笥の裏の大秘境        空猫  

天井の上に星ありバンガロー       朝比古     ぐ亜由
覚えある地べた明るき帰省かな      朝比古     不ぐ四由
かき氷卓の明るくなりにけり       朝比古     不亜空
警察署税務署西日消防署         朝比古     空由
あぢさゐの路地を歩くにすこし邪魔    朝比古     不幹亜四

肩に来て天使と思ふてんと虫       亜紀      不空由
地下街に迷ふてゐたる夏帽子       亜紀      四由
平明な言葉唱へて蓮の花         亜紀      ぐ
黄昏の診察室の裸かな          亜紀      朝幹
函館の海岸線や大夕焼          亜紀    
時折は海を見やりてレース編む      亜紀      朝不幹由
南風呼ぶ雲のありけりスクワット     亜紀    
苦瓜のいぼんぼんぼと青きかな      亜紀      朝不幹

ゆらめいて天児牛大蓮青葉        不孤    
地続きの明治平成すべりひゆ       不孤    
シャンデリアの明るさに酔ひ崩れけり   不孤    
警察犬育成の家立葵           不孤      幹亜由
経験のない夏あめつちのご明察      不孤    

天蓋のベッドのことに明け易し      由季      ぐ幹四
地階から屋上階へ夏痩せて        由季      朝不亜空
白玉の明るさに匙ためらひぬ       由季      不幹空四
たくましきユッカを咲かせ警察署     由季    
睡蓮にラテン語の見え隠れせる      由季      空四
日直のふたりぼうふら捨てにゆく     由季      朝幹空四

壷中天引きづり出しつレース編み     藤幹子     ぐ四
地は口をひらきてオナン待つ西日     藤幹子     ぐ
明るさや夏座布団を尻の下        藤幹子     朝亜
察するに豆飯を炊く光かな        藤幹子     朝由
父の箍はずして甚平着せかけり      藤幹子     ぐ四

天秤のやうな笛吹く祭かな        四童      朝幹
地下鉄の間違つて出る夜涼かな      四童    
老酒や明の字のある安き店        四童    
お察しをですか風鈴ここで鳴り      四童    
追ひ打ちの夏料理来てまはる卓      四童    

以上。(集計:不孤)

 なんだかやんなっちゃうな。しばしご歓談下さい。

2012年7月22日日曜日

天地明察句会・投句一覧

【天】
とうりやんせ天神さまへ青大将
ゆらめいて天児牛大蓮青葉
肩に来て天使と思ふてんと虫
壷中天引きづり出しつレース編み
天井の上に星ありバンガロー
天蓋のベッドのことに明け易し
天秤のやうな笛吹く祭かな
涼しさや聖書の上の天眼鏡

【地】
覚えある地べた明るき帰省かな
地に満つる蟻の歌声話し声
地は口をひらきてオナン待つ西日
地下街に迷ふてゐたる夏帽子
地下鉄の間違つて出る夜涼かな
地階から屋上階へ夏痩せて
地上絵の真偽は知らず朱夏の風
地続きの明治平成すべりひゆ

【明】
かき氷卓の明るくなりにけり
シャンデリアの明るさに酔ひ崩れけり
登山小屋明日の晴待つ無精ひげ
白玉の明るさに匙ためらひぬ
平明な言葉唱へて蓮の花
明るさや夏座布団を尻の下
明易し「毒」を撒き散らすのは誰
老酒や明の字のある安き店

【察】
お察しをですか風鈴ここで鳴り
たくましきユッカを咲かせ警察署
王様の裸決死の視察団
黄昏の診察室の裸かな
警察犬育成の家立葵
警察署税務署西日消防署
察するに豆飯を炊く光かな
察すれば誰か来ていたメロンかな

【当季雑詠】
あぢさゐの路地を歩くにすこし邪魔
家蜘蛛や箪笥の裏の大秘境
苦瓜のいぼんぼんぼと青きかな
経験のない夏あめつちのご明察
時折は海を見やりてレース編む
出水あり地球儀浮いたり沈んだり
睡蓮にラテン語の見え隠れせる
大揚羽いそぎ国際空港へ
追ひ打ちの夏料理来てまはる卓
南風呼ぶ雲のありけりスクワット
日直のふたりぼうふら捨てにゆく
函館の海岸線や大夕焼
父の箍はずして甚平着せかけり

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:7月25日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

2012年7月14日土曜日

天地明察句会・出題

再開第21回目の出題です。

【天】
【地】
【明】
【察】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月21日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年7月12日木曜日

法令線句会・作者発表

発表です。

開きある六法全書明易し         朝比古     幹空
ががんぼに号令かけてしまひけり     朝比古     不亜恵空
足の指照らす線香花火かな        朝比古     ぐ苑亜恵
踏切の鳴りて薄暑の始まれり       朝比古     不亜恵

魔法瓶と白靴片方砂浜に         ぐみ    
令夫人お姿消ゆる木下闇         ぐみ      朝
夏空に運命線描く鴎かな         ぐみ    
極く細の明宏もいてパリー祭       ぐみ      苑幹
巴里祭初めて履きしハイヒール      ぐみ      朝苑

論法の三段目より蟾の顔         藤幹子     四ぐ
気をやれば琉金を吐くご令嬢       藤幹子     四不
線画から虹を起こしてゐるふたり     藤幹子     四亜空
立葵哨戒兵がそこらぢゆう        藤幹子     不空

綿虫やアマゾンで買ふ法然伝       苑を    
ほうこれが捜査令状蒸暑し        苑を      四ぐ不亜恵幹空
廃線の錆に蟻這ふ油照り         苑を    
たらちねのははやはらかし薔薇絡む    苑を      幹

魔法瓶の氷からんと星涼し        亜紀      朝四不恵幹空
妄想の薔薇の館や令夫人         亜紀      空
どこまでも罫線のなき夏野かな      亜紀      四不苑空
くちなしの花の淋しむ夜の雨       亜紀       朝
約束の断りきれぬ熟トマト        亜紀      不
棒切れを拾ひつつ行く海南風       亜紀      朝苑恵幹

説法の僧の片手に蝿叩き         空猫      朝ぐ恵
令嬢に招かれてゐる夏館         空猫      朝苑亜
乙女てふ一線越える毛虫かな       空猫      朝四ぐ亜幹
人肉を欲する甲冑いなひかり       空猫      四不苑恵

羽抜鶏法に護られ弾かれて        不孤    
令嬢の皓歯は見せず扇子の香       不孤      四幹
迅雷や有刺鉄線より視線         不孤      ぐ苑
法令線わらつてもすぐ梅雨顔に      不孤      ぐ

海の家開き法被にたたみ皺        恵       ぐ
令嬢の手つき線香花火もつ        恵       苑
送電線越え夕立がやって来る       恵       朝ぐ
梅雨の蝶傘を開くに要る両手       恵       四亜幹

紫陽花のあまねく蒲池法子かな      四童      朝苑亜
令状に赤青黄ある西日かな        四童    
曲線は先生が引く梅雨晴間        四童      ぐ不亜恵幹空
角ひとつ曲がり七夕のある街       四童      恵空

以上。(集計:不孤)

2012年7月8日日曜日

法令線句会・投句一覧

【法】
羽抜鶏法に護られ弾かれて
海の家開き法被にたたみ皺
開きある六法全書明易し
紫陽花のあまねく蒲池法子かな
説法の僧の片手に蝿叩き
魔法瓶と白靴片方砂浜に
魔法瓶の氷からんと星涼し
綿虫やアマゾンで買ふ法然伝
論法の三段目より蟾の顔

【令】
ががんぼに号令かけてしまひけり
ほうこれが捜査令状蒸暑し
気をやれば琉金を吐くご令嬢
妄想の薔薇の館や令夫人
令嬢に招かれてゐる夏館
令嬢の手つき線香花火もつ
令嬢の皓歯は見せず扇子の香
令状に赤青黄ある西日かな
令夫人お姿消ゆる木下闇

【線】
どこまでも罫線のなき夏野かな
乙女てふ一線越える毛虫かな
夏空に運命線描く鴎かな
曲線は先生が引く梅雨晴間
迅雷や有刺鉄線より視線
線画から虹を起こしてゐるふたり
送電線越え夕立がやって来る
足の指照らす線香花火かな
廃線の錆に蟻這ふ油照り 

【当季雑詠】
くちなしの花の淋しむ夜の雨
たらちねのははやはらかし薔薇絡む
角ひとつ曲がり七夕のある街
極く細の明宏もいてパリー祭
人肉を欲する甲冑いなひかり
踏切の鳴りて薄暑の始まれり
巴里祭初めて履きしハイヒール
梅雨の蝶傘を開くに要る両手
法令線わらつてもすぐ梅雨顔に
棒切れを拾ひつつ行く海南風
約束の断りきれぬ熟トマト
立葵哨戒兵がそこらぢゆう

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:7月11日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年6月30日土曜日

法令線句会・出題

再開第20回目の出題です。

【法】
【令】
【線】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:7月7日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年6月27日水曜日

夜想曲集句会・作者発表

お待たせしました。今回も満票が出ました。おめでとうございます。

新緑の夜に触りて帰りけり        朝比古 空恵由
想定を超えることなき扇風機       朝比古 亜由
関節のどこか曲がりてハンモック     朝比古 空恵由幹
あぢさゐに蒐集癖のありにけり      朝比古 四
蓮見舟うつろの顔の降りてきし      朝比古 ぐ幹

夜の客待ち続けゐる端居かな       空猫   
失恋もハンカチーフも想定内       空猫  四恵亜
青嵐曲がれば捨てる制御棒        空猫   
島中の子供集めて海開き         空猫  朝ぐ由
あぢさゐとあじさい寺に続く道      空猫  四

深夜二時震へてをりぬ花氷        ぐみ   
地下室の瞑想揺する遠花火        ぐみ   
準教授バナナと臍の曲がり方       ぐみ   
ガラス越し目玉集めて母水母       ぐみ   
人形のむずと西日に捕まりぬ       ぐみ  恵亜由
雄揚羽又一頭や展翅針          ぐみ   
入れ墨の蝙蝠ひそむ宇宙服        ぐみ   
噴水の三筋もつれて修羅場かな      ぐみ  空
eメール読みにぶんぶん横つ飛び      ぐみ   

夜の田へ足差し入るや土用東風      藤幹子   
想像を越へぬ優しさ柚子の花       藤幹子 恵
曲り家に厩くろぐろ旱雲         藤幹子   
集合と離散の内にラムネ干す       藤幹子   
夏蝶の両輪のごと求愛す         藤幹子   

夜鷹鳴く下草に足濡れている       恵   
開襟の麻シャツ思想家にはなれず     恵   朝空ぐ
象の曲芸見た日の陶枕の硬さ       恵   朝四ぐ亜由幹
滝壺に集まっている水の色        恵   朝四空ぐ亜由幹
空蝉の足絡まっている真昼        恵   朝ぐ

発電所夜ごと水母の集まれる       由季  四空恵亜幹
夏痩せて大きなものを想ふなり      由季  四亜
短調の曲を流して遊び舟         由季  朝四ぐ亜
氷菓手に集合場所に戻り来る       由季  朝四空ぐ恵亜
てんと虫見てゐてむせる赤ん坊      由季   

夏の夜の解体ショーを目の当たり     亜紀  恵由幹
構想のひとつ崩るる雲の峰        亜紀   
折り曲げしままのストロー夏惜しむ    亜紀  朝恵
集計の数字正しき蛍かな         亜紀   
曲名の分からぬ歌と桜の実        亜紀   
上海のことなど聞きてアマリリス     亜紀  朝四空ぐ由幹
貝風鈴島の石段登り切り         亜紀  幹

夜濯の中を見られてしまひけり      四童  朝空ぐ恵幹
まくなぎのやうな懸想をしてゐたる    四童  空由
まつすぐに曲線を引く夏燕        四童   
カチューシャで待ちをる夏至の収集車   四童  亜幹
きしきしとあまたまとへり洗ひ髪     四童   

以上。(集計:不孤)

しばしご歓談下さい。

2012年6月24日日曜日

夜想曲集句会・投句一覧

【夜】
夏の夜の解体ショーを目の当たり
新緑の夜に触りて帰りけり
深夜二時震へてをりぬ花氷
発電所夜ごと水母の集まれる
夜の客待ち続けゐる端居かな
夜の田へ足差し入るや土用東風
夜鷹鳴く下草に足濡れている
夜濯の中を見られてしまひけり

【想】
まくなぎのやうな懸想をしてゐたる
夏痩せて大きなものを想ふなり
開襟の麻シャツ思想家にはなれず
構想のひとつ崩るる雲の峰
失恋もハンカチーフも想定内
想像を越へぬ優しさ柚子の花
想定を超えることなき扇風機
地下室の瞑想揺する遠花火

【曲】
まつすぐに曲線を引く夏燕
関節のどこか曲がりてハンモック
曲り家に厩くろぐろ旱雲
準教授バナナと臍の曲がり方
象の曲芸見た日の陶枕の硬さ 
青嵐曲がれば捨てる制御棒
折り曲げしままのストロー夏惜しむ
短調の曲を流して遊び舟

【集】
あぢさゐに蒐集癖のありにけり
カチューシャで待ちをる夏至の収集車
ガラス越し目玉集めて母水母
集計の数字正しき蛍かな
集合と離散の内にラムネ干す
滝壺に集まっている水の色
島中の子供集めて海開き
氷菓手に集合場所に戻り来る

【当季雑詠】
eメール読みにぶんぶん横つ飛び
あぢさゐとあじさい寺に続く道
きしきしとあまたまとへり洗ひ髪
てんと虫見てゐてむせる赤ん坊
夏蝶の両輪のごと求愛す
貝風鈴島の石段登り切り
曲名の分からぬ歌と桜の実
空蝉の足絡まっている真昼
上海のことなど聞きてアマリリス
人形のむずと西日に捕まりぬ
入れ墨の蝙蝠ひそむ宇宙服
噴水の三筋もつれて修羅場かな
雄揚羽又一頭や展翅針
蓮見舟うつろの顔の降りてきし

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月27日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかる
ようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年6月15日金曜日

夜想曲集句会・出題

再開第19回目の出題です。

【夜】
【想】
【曲】
【集】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月23日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年6月13日水曜日

大島優子骨盤矯正句会・作者発表

パンクテュアルって気持良いですね。満票も出ました。おめでとうございます。

大瀑布空に割目のありにけり       朝比古 四
百合の花島でいちばん高き場所      朝比古 美
優勝旗厚ぼつたくて梅雨に入る      朝比古 ぐ四
薫風や赤子へ赤子近寄れる        朝比古 ぐ四
骨ばつて水面に立ちしあめんぼう     朝比古 由
野球盤置いてざわめく夏座敷       朝比古 恵
蛇衣を脱ぎて背骨を矯正す        朝比古 ぐ由四
ひとつづつ正しく袋掛けてをり      朝比古 由四
やはらかき布をまとへる裸かな      朝比古 四

廃線路かがやかせたり大夕焼       ぐみ  美
いくつかの島買ふ話夕端居        ぐみ  恵朝美由四
虹のショウ優待券あり二人分       ぐみ   
親子ほど年の差あれど釣忍        ぐみ   
頬骨の高き男に海月寄る         ぐみ  恵四
水盤のかもめに噴水身を反らし      ぐみ   
走馬灯矯めつすがめつ印度人       ぐみ  由
正の字に夜店配置しコルビュジェ風    ぐみ   
しばらくは夏座布団のよそよそし     ぐみ  恵朝美由
骨太の手をくすぐりてさくらんぼ     ぐみ  朝
露台にて縦書のふみ黄ばみゆく      ぐみ   

泉飲む少し大きく口あけて        美美   
驟雨のちランゲルハンス島の夕日かな   美美  恵
草むしり優雲華の花まじるらむ      美美   
もうここでお別れしましょう母子草    美美   
青梅のひとつぶ通る背骨上        美美  ぐ
吸盤のような接吻梅雨曇り        美美  恵
矯正の歯に真っ青な岡鹿尾菜(おかひじき)美美   
正しいが間違っている梅雨晴間      美美   
梅雨冷や間違っている弓の張り      美美   
純愛の弓矢届かず梅雨に入る       美美   
本妻に怒鳴り込まれし五月尽       美美   
何本も弓を放ちて梅入かな        美美   
辿りつく夏野で叫ぶバカヤロー      美美   
泣きながら走り走りて夕立前       美美   

大きいと思えばそうでもない金魚     恵   朝美ぐ
竹落葉島にひとりのお坊様        恵   
緑夜の優駿つややかに駈ける       恵   朝
半袖の腕に黒子のちらちらす       恵   由四
リズム良く摘まんで抜いて鯖の骨     恵   
蚊が耳を掠めて星座早見盤        恵   ぐ由
朝焼の猫背矯正ストレッチ        恵   
正座しなおして水羊羹を食う       恵   美由
水を打つ途切れ途切れにハーモニカ    恵   朝ぐ

夏燕大阪城を光らせる          由季   
体内に島のいくつか凉しかり       由季  朝美
声優のマイクに並ぶ五月闇        由季   
紫陽花や子のつく名前持ち寄れる     由季   
青鷺が骨うごかして頭上過ぐ       由季  美ぐ四
六月のレコード盤といふ渚        由季  朝美
青胡桃矯正中の歯の見えて        由季   
青蛙どこでも正座してゐたる       由季  朝ぐ
大阪の水に近づき糸蜻蛉         由季   

大声のくぐもつてゐる梅雨の闇      四童   
句碑おほき仁右衛門島の卯波かな     四童   
まくなぎをなして優性遺伝かな      四童  恵
梅雨に入る順に連れ子のおとなしき    四童  恵
骨法をわきまへてゐる水母かな      四童  朝
算盤を打楽器として夏木立        四童  恵美ぐ
矯正の少女紫陽花まみれかな       四童  恵由
正田邸ありし辺りの走り梅雨       四童   
尻子玉抜かれてジョアン・ジルベルト   四童   

以上。(集計:不孤)

 しばしご歓談下さい。





2012年6月11日月曜日

大島優子骨盤矯正句会・投句一覧

たまにはパンクチュアルに行きましょう。

【大】
夏燕大阪城を光らせる
泉飲む少し大きく口あけて
大きいと思えばそうでもない金魚
大声のくぐもつてゐる梅雨の闇
大瀑布空に割目のありにけり
廃線路かがやかせたり大夕焼

【島】
いくつかの島買ふ話夕端居
句碑おほき仁右衛門島の卯波かな
体内に島のいくつか凉しかり
竹落葉島にひとりのお坊様
百合の花島でいちばん高き場所
驟雨のちランゲルハンス島の夕日かな

【優】
まくなぎをなして優性遺伝かな
声優のマイクに並ぶ五月闇
草むしり優雲華の花まじるらむ
虹のショウ優待券あり二人分
優勝旗厚ぼつたくて梅雨に入る
緑夜の優駿つややかに駈ける

【子】
もうここでお別れしましょう母子草
薫風や赤子へ赤子近寄れる
紫陽花や子のつく名前持ち寄れる
親子ほど年の差あれど釣忍
梅雨に入る順に連れ子のおとなしき
半袖の腕に黒子のちらちらす

【骨】
リズム良く摘まんで抜いて鯖の骨
骨ばつて水面に立ちしあめんぼう
骨太の手をくすぐりてさくらんぼ
骨法をわきまへてゐる水母かな
青鷺が骨うごかして頭上過ぐ
青梅のひとつぶ通る背骨上
頬骨の高き男に海月寄る

【盤】
蚊が耳を掠めて星座早見盤
吸盤のような接吻梅雨曇り
算盤を打楽器として夏木立
水盤のかもめに噴水身を反らし
野球盤置いてざわめく夏座敷
六月のレコード盤といふ渚

【矯】
矯正の歯に真っ青な岡鹿尾菜(おかひじき)
矯正の少女紫陽花まみれかな
蛇衣を脱ぎて背骨を矯正す
青胡桃矯正中の歯の見えて
走馬灯矯めつすがめつ印度人
朝焼の猫背矯正ストレッチ

【正】
ひとつづつ正しく袋掛けてをり
正しいが間違っている梅雨晴間
正の字に夜店配置しコルビュジェ風
正座しなおして水羊羹を食う
正田邸ありし辺りの走り梅雨
青蛙どこでも正座してゐたる

【当季雑詠】
しばらくは夏座布団のよそよそし
やはらかき布をまとへる裸かな
何本も弓を放ちて梅入かな
泣きながら走り走りて夕立前
純愛の弓矢届かず梅雨に入る
尻子玉抜かれてジョアン・ジルベルト
水を打つ途切れ途切れにハーモニカ
大阪の水に近づき糸蜻蛉
辿りつく夏野で叫ぶバカヤロー
梅雨冷や間違っている弓の張り
本妻に怒鳴り込まれし五月尽
露台にて縦書のふみ黄ばみゆく

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月13日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年6月7日木曜日

大島優子骨盤矯正句会・出題

再開第18回目の出題です。

【大】
【島】
【優】
【子】
【骨】
【盤】
【矯】
【正】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:6月10日(日)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
 書かないで下さい。
 また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

寝心地体感句会・作者発表

発表します。

サングラス寝台車から降りてきし     朝比古   
心臓も肝臓も喰ふ薄暑かな        朝比古 四由天
曖昧になりゆく地べたハンモック     朝比古 由ぐ
夏めくや存外尖る四面体         朝比古 ぐ
感度やや悪しきラジオや海の家      朝比古 天亜
黒き布掛かる写真機夏の山        朝比古 四空

鳴く鳥は今日も変わらぬ朝寝かな     空猫   
貧しくも心ゆたかに田植かな       空猫   
地球とて破滅に向かふ羽抜鳥       空猫   
この体空へと浮かぶ蛍狩         空猫   
香水の感じるままに恋をして       空猫   
洗濯機回しながらに髪洗ふ        空猫   

箱庭の灯篭ひとつ寝てゐたり       由季  四空亜
心音と水母のうごき重なりぬ       由季  四不天亜
ヘリコプター着地夏野をふくらませ    由季  朝四ぐ不天
ぼうふらの止めやうもなき身体かな    由季  天
直感で選ぶ金魚の面構へ         由季  朝
アマリリス咲かせ安心設計の家      由季  朝空不

辻褄を合はせてゐたる昼寝覚       亜紀  ぐ空
一心に滝を見つめて滝落つる       亜紀   
意地はつて地球に生きて金環食      亜紀   
体裁を構つてをれぬ夕立かな       亜紀  朝
ががんぼのががんぼといふ浮遊感     亜紀  朝不
渋滞の湘南ナンバー南風         亜紀   
中庭の緑雨見てゐる美術館        亜紀   
夜の噴水すとんと星をきらめかす     亜紀  朝天
無理やりのお願いひとつアマリリス    亜紀  由不

寝てゐればいいのと笑ふ紅薔薇      不孤   
水蚤の死因もとより心不全        不孤  四
白地図をミウラ折して夏山へ       不孤  由亜
体験乏しきががんぼの自負自足      不孤   
ぼうたんの持ち重りせる多幸感      不孤   
金環日蝕過ぎりて今朝の青葉冷      不孤  空

うたた寝に落ちるそのとき手にバナナ   天気  空
心より見た目がだいじ扇風機       天気  四空
雷に驚いてゐる地方都市         天気   
繭の香をまとひ体操着のふたり      天気  四由ぐ不亜
置きざりの水羊羹のあの感じ       天気  朝ぐ空亜
蝙蝠を連れブラジャーを売りにゆく    天気  朝由ぐ

百合の香や追ひつめられて寝台車     ぐみ  亜
銀色の筋ででむしの好奇心        ぐみ   
黒レース手袋露地に拾はれず       ぐみ   
長体の活字の揺らすハンモック      ぐみ   
感想を聞かれ正座すきゅうり揉み     ぐみ   
大みみず新体操して消えにけり      ぐみ  天
優曇華や水星よりの盗聴器        ぐみ   

腰重き寝だめ卯の花腐しかな       四童  不天
中心に線あるをとこ走り梅雨       四童  由ぐ不亜
とりどりの雨季訪れる地球かな      四童  由
比例して体積増えるみどりの夜      四童   
鈍感に覆はれてゐる五月闇        四童   
帆のやうに提灯連ね夕薄暑        四童   

以上。(集計:不孤)

 今回は空猫さんが完全試合達成でしたね。句柄がぶれない証しだと思います。しばしご歓談下さい。

2012年5月31日木曜日

寝心地体感句会・投句一覧

たいへんお待たせしました。8人だとそうとう淋しいですね。

【寝】
うたた寝に落ちるそのとき手にバナナ
サングラス寝台車から降りてきし
腰重き寝だめ卯の花腐しかな
寝てゐればいいのと笑ふ紅薔薇
辻褄を合はせてゐたる昼寝覚
箱庭の灯篭ひとつ寝てゐたり
百合の香や追ひつめられて寝台車
鳴く鳥は今日も変わらぬ朝寝かな

【心】
一心に滝を見つめて滝落つる
銀色の筋ででむしの好奇心
心より見た目がだいじ扇風機
心音と水母のうごき重なりぬ
心臓も肝臓も喰ふ薄暑かな
水蚤の死因もとより心不全
中心に線あるをとこ走り梅雨
貧しくも心ゆたかに田植かな

【地】
とりどりの雨季訪れる地球かな
ヘリコプター着地夏野をふくらませ
意地はつて地球に生きて金環食
黒レース手袋露地に拾はれず
地球とて破滅に向かふ羽抜鳥
白地図をミウラ折して夏山へ
雷に驚いてゐる地方都市
曖昧になりゆく地べたハンモック

【体】
この体空へと浮かぶ蛍狩
ぼうふらの止めやうもなき身体かな
夏めくや存外尖る四面体
体験乏しきががんぼの自負自足
体裁を構つてをれぬ夕立かな
長体の活字の揺らすハンモック
比例して体積増えるみどりの夜
繭の香をまとひ体操着のふたり

【感】
ががんぼのががんぼといふ浮遊感
ぼうたんの持ち重りせる多幸感
感想を聞かれ正座すきゅうり揉み
感度やや悪しきラジオや海の家
香水の感じるままに恋をして
置きざりの水羊羹のあの感じ
直感で選ぶ金魚の面構へ
鈍感に覆はれてゐる五月闇

【当季雑詠】
アマリリス咲かせ安心設計の家
金環日蝕過ぎりて今朝の青葉冷
黒き布掛かる写真機夏の山
渋滞の湘南ナンバー南風
洗濯機回しながらに髪洗ふ
大みみず新体操して消えにけり
中庭の緑雨見てゐる美術館
帆のやうに提灯連ね夕薄暑
無理やりのお願いひとつアマリリス
夜の噴水すとんと星をきらめかす
優曇華や水星よりの盗聴器
蝙蝠を連れブラジャーを売りにゆく

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:6月8日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

追記 【感】の5句目、欠落の申し出があったので修正しました。

2012年5月17日木曜日

寝心地体感句会・出題

再開第17回目の出題です。

【寝】
【心】
【地】
【体】
【感】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月26日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
書かないで下さい。
また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

よろしくどうぞ。

田中理恵句会・作者発表

出陣のごとき田植の日なりけり      朝比古   
薄暑かな中華思想の人とゐて       朝比古 不四
理科室に少年二人さみだるる       朝比古 幹六四
恵まれぬ人とは誰ぞ夕薄暑        朝比古   
寺町の坂ゆるやかや若葉雨        朝比古 空亜幹六四

田植する父は背中で応へけり       空猫  六四
写生子も青葉若葉の絵の中に       空猫  百
屁理屈の僧の集まる安居かな       空猫  ぐ百
蟇恵みの雨を得てきれい         空猫  ぐ百
朧夜にひとり花を見る月を見る      空猫   

禅定の手を丹田にこどもの日       百花   
中身のない俳句もよろし海水着      百花  朝空亜六四
夏の森肌理こまやかな風とゐる      百花  亜不幹四
恵贈句集毎月十冊の暑さかな       百花  ぐ
大の字に寝て夏空を飛ぶごとし      百花  幹

背の高い男と田町朴匂う         六番町 朝ぐ
蚯蚓踏み中断したる口喧嘩        六番町   
理科室を出て薄暑の白衣かな       六番町 空亜
恵子という名前激減新茶汲む       六番町   
階下より口笛聞こえ五月来る       六番町 空亜幹百

小満や田の神さあの厚化粧        不孤   
藤は実に宙ぶらりんの中学生       不孤   
リラ冷の膝に教理問答集         不孤   
聖五月なぜか恵の付く女子ばかり     不孤   
風五月歌つて五輪三きやうだい      不孤  百

蛇の衣半田さん助けてください      藤幹子 ぐ
鯰いま谷中にゐます黒電話        藤幹子 亜不
大括弧に挟まるる理事蕗畑        藤幹子   
夏蛙知恵の輪のごと鳴きあへり      藤幹子 朝亜不百四
唾液腺きゆとほとばしる谷若葉      藤幹子 ぐ

葉桜の山につむじや羽田発        ぐみ  不幹四
社運とは等身大の水中花         ぐみ  不
蝦蟇鳴くや料理酒またも買ひ忘れ     ぐみ   
釣堀の在りかを問へり恵比寿駅      ぐみ  朝空亜
兄と選る紫色のカーネーション      ぐみ  空

スカイツリー目指してゆける青田波    亜紀  朝
青嵐途中途中にある道標         亜紀  朝
老鶯や仕掛けられたる心理戦       亜紀  ぐ
恵比須顔くづさぬ男夕薄暑        亜紀  朝空六百
嫁といふ立ち位置にゐて額の花      亜紀  朝空不
城跡に古き井戸あり遠郭公        亜紀   
丁寧に青梅のへそ取つてをり       亜紀  ぐ六四
詩碑のある浜を歩いて行く夕焼      亜紀  空百

丹田に重さを預け卯波かな        四童  幹六
中心で棒持つ生徒夏来る         四童  ぐ六百
くろぐろと梅雨闇といふ理性かな     四童   
蛇ゆゑに知恵の言葉の長きかな      四童  不幹
赤チンを塗つて些か蜥蜴めく       四童  朝亜不幹六

以上。(集計:不孤)

 しばしご歓談下さい。

2012年5月14日月曜日

田中理恵句会・投句一覧

お待たせしました。9人だとやや淋しいですね。

【田】
スカイツリー目指してゆける青田波
蛇の衣半田さん助けてください
出陣のごとき田植の日なりけり
小満や田の神さあの厚化粧
禅定の手を丹田にこどもの日
丹田に重さを預け卯波かな
田植する父は背中で応へけり
背の高い男と田町朴匂う
葉桜の山につむじや羽田発

【中】
写生子も青葉若葉の絵の中に
社運とは等身大の水中花
青嵐途中途中にある道標
中心で棒持つ生徒夏来る
中身のない俳句もよろし海水着
藤は実に宙ぶらりんの中学生
薄暑かな中華思想の人とゐて
蚯蚓踏み中断したる口喧嘩
鯰いま谷中にゐます黒電話

【理】
くろぐろと梅雨闇といふ理性かな
リラ冷の膝に教理問答集
夏の森肌理こまやかな風とゐる
蝦蟇鳴くや料理酒またも買ひ忘れ
大括弧に挟まるる理事蕗畑
理科室に少年二人さみだるる
理科室を出て薄暑の白衣かな
老鶯や仕掛けられたる心理戦
屁理屈の僧の集まる安居かな

【恵】
夏蛙知恵の輪のごと鳴きあへり
恵まれぬ人とは誰ぞ夕薄暑
恵子という名前激減新茶汲む
恵贈句集毎月十冊の暑さかな
恵比須顔くづさぬ男夕薄暑
蛇ゆゑに知恵の言葉の長きかな
聖五月なぜか恵の付く女子ばかり
釣堀の在りかを問へり恵比寿駅
蟇恵みの雨を得てきれい

【当季雑詠】
嫁といふ立ち位置にゐて額の花
階下より口笛聞こえ五月来る
兄と選る紫色のカーネーション
詩碑のある浜を歩いて行く夕焼
寺町の坂ゆるやかや若葉雨
城跡に古き井戸あり遠郭公
赤チンを塗つて些か蜥蜴めく
唾液腺きゆとほとばしる谷若葉
大の字に寝て夏空を飛ぶごとし
丁寧に青梅のへそ取つてをり
風五月歌つて五輪三きやうだい
朧夜にひとり花を見る月を見る

(以上)

9句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月18日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から9句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年5月6日日曜日

田中理恵句会・出題

再開第16回目の出題です。同じ名前の人がいたような気も…。

【田】
【中】
【理】
【恵】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:5月12日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
     koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

 よろしくどうぞ。

2012年5月5日土曜日

修造思考!句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

初夏や修道院の白き壁          朝比古 亜空四百
それとなく御新造さんの木の芽和     朝比古   
思春期の汗光らせてゐたりけり      朝比古 亜四
考ふる形に仕舞ふ扇風機         朝比古 亜空り
感嘆符しづかに置いて花は葉に      朝比古 亜空四由
花曇り泣かずに立つてゐる迷子      朝比古 不由ぐり

明け暮れて忍者修行や子供の日      空猫  り
うららかや造花にシャネルかけてみる   空猫  不
夕ざくら留守と思へば灯つき       空猫  不四由ぐ百
葉桜や考え深き修行僧          空猫   
目借時我に重たき瞼あり         空猫  苑ぐ

行く春に面の重き阿修羅像        ぐみ  り
陳さんの造花に春の蠅とまる       ぐみ  亜
霾ぐもり成吉思汗鍋磨き上げ       ぐみ   
春尽きぬ楢山節考借りしまゝ       ぐみ   
蝌蚪エイッ! と感嘆符まね逆立ちす   ぐみ   
スキップの子供とおとな四月尽      ぐみ   
五月来るワンワもにゃーにゃもラッタッタ ぐみ   

鳥交る司法修習所の庭に         りえ  朝不苑
造船所跡地と知らず蜜蜂が        りえ   
思ふさまもつれてゐたる雲雀かな     りえ   
行春の思考のやうな雲流る        りえ  朝亜
「!」の字満つペンギン村に日は暮れて  りえ   
蝶に手を伸ばしてしまふ女の子      りえ  亜

桜蘂降る修善寺へ二人旅         百花  亜由
入学すこの地価高の造園科        百花   
地虫あなを出でて思はぬ日の光      百花   
夕方は春日も長考するならむ       百花  ぐ
むむ?ときては!と応へたる海雲の酢   百花   
セロを抱く息ふかぶかと夜の辛夷     百花   

あちこちへ金雀枝は伸び修辞学      苑を  亜空不由り百
軽トラで造園業者青走らせ        苑を   
蔦若葉思索は壁を這ひ上る        苑を   
まだ考へてゐる人のゐて暮春       苑を  四由百
や!と手を上げて夏来る南口       苑を  ぐり
Tシャツの背中の並ぶ菖蒲池       苑を  百

かげろへる研修中の名札かな       由季  朝
花筏造幣局の方へ寄る          由季  四ぐ
噴水へ思念送つてみたりもす       由季  空不四百
考へてゐるやうな猫藤の下        由季   
いつせいに子燕「!」といふ顔す     由季  亜不四
夏めけるスポーツジムの機械たち     由季  朝苑り

老鶯や修験の山の日暮まで        不孤   
男もすなる醸造といふ蝶の夢       不孤   
思惑の渦巻に釣る初鰹          不孤  ぐ
逃水や考へるほど浅くなり        不孤   
楽天に躍る!!!!竹の秋        不孤  苑
セミナーめく修造思考!亀鳴けり     不孤   

ゆく春の修正液に消ゆる文字       亜紀  朝空不
御不浄の手水に造花昭和の日       亜紀  朝苑り百
春の雨思考回路にある凹み        亜紀  空四苑ぐ百
考察を重ねてゆけば蟇          亜紀  朝空不
!亀の子のやんややんやと逆しまに    亜紀   
紙袋歩き出したる立夏かな        亜紀  空四由苑り百
桜蘂降る一斉に一生に          亜紀   
漕いで漕いでふらここやがて舟になる   亜紀  ぐ

制服の白き修学旅行かな         四童  朝苑り
お造りの波打つてゐる朧かな       四童  朝由
音楽の果ての朧と思ふべし        四童  朝由苑
灌漑の考へてある立夏かな        四童   
つばくらや詩には斜めの感嘆符      四童  空不由
進駐の兵くつろげる花水木        四童   

以上。(集計:不孤)

2012年4月30日月曜日

修造思考!句会・投句一覧

お待たせしました。

【修】
あちこちへ金雀枝は伸び修辞学
かげろへる研修中の名札かな
制服の白き修学旅行かな
ゆく春の修正液に消ゆる文字
行く春に面の重き阿修羅像
桜蘂降る修善寺へ二人旅
初夏や修道院の白き壁
鳥交る司法修習所の庭に
明け暮れて忍者修行や子供の日
老鶯や修験の山の日暮まで

【造】
うららかや造花にシャネルかけてみる
お造りの波打つてゐる朧かな
それとなく御新造さんの木の芽和
花筏造幣局の方へ寄る
軽トラで造園業者青走らせ
御不浄の手水に造花昭和の日
造船所跡地と知らず蜜蜂が
男もすなる醸造といふ蝶の夢
陳さんの造花に春の蠅とまる
入学すこの地価高の造園科

【思】
音楽の果ての朧と思ふべし
思ふさまもつれてゐたる雲雀かな
思春期の汗光らせてゐたりけり
思惑の渦巻に釣る初鰹
春の雨思考回路にある凹み
地虫あなを出でて思はぬ日の光
蔦若葉思索は壁を這ひ上る
噴水へ思念送つてみたりもす
夕ざくら留守と思へば灯つき
霾ぐもり成吉思汗鍋磨き上げ

【考】
灌漑の考へてある立夏かな
まだ考へてゐる人のゐて暮春
考ふる形に仕舞ふ扇風機
考へてゐるやうな猫藤の下
考察を重ねてゆけば蟇
行春の思考のやうな雲流る
春尽きぬ楢山節考借りしまゝ
逃水や考へるほど浅くなり
夕方は春日も長考するならむ
葉桜や考え深き修行僧

【!】
!亀の子のやんややんやと逆しまに
「!」の字満つペンギン村に日は暮れて
いつせいに子燕「!」といふ顔す
つばくらや詩には斜めの感嘆符
むむ?ときては!と応へたる海雲の酢
や!と手を上げて夏来る南口
楽天に躍る!!!!竹の秋
感嘆符しづかに置いて花は葉に
蝌蚪エイッ! と感嘆符まね逆立ちす

【当季雑詠】
Tシャツの背中の並ぶ菖蒲池
進駐の兵くつろげる花水木
スキップの子供とおとな四月尽
セミナーめく修造思考!亀鳴けり
セロを抱く息ふかぶかと夜の辛夷
夏めけるスポーツジムの機械たち
花曇り泣かずに立つてゐる迷子
五月来るワンワもにゃーにゃもラッタッタ
桜蘂降る一斉に一生に
紙袋歩き出したる立夏かな
漕いで漕いでふらここやがて舟になる
蝶に手を伸ばしてしまふ女の子
藤棚にたしかな影のなかりけり
目借時我に重たき瞼あり

(以上)

10句選(特選、逆選なし)
選句締切:5月4日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から10句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年4月24日火曜日

上林春松本店句会・作者発表

お待たせしました。

北窓を開きてすこし上の空        朝比古 ぽ空由
大林組の工事が春天へ          朝比古 ぐ不り
をんをんと春の卵の回りけり       朝比古 亜り
花過の江戸城松之大廊下         朝比古   
行春の古本ごみのごとく売る       朝比古   
春陰のたつぷり中華料理店        朝比古   
ゆるやかな起伏に放つ春の駒       朝比古 不ぽ六四

ピーポーと桜前線上きげん        ぐみ   
新入生ヒラリン漢字は平林        ぐみ   
鳥交る春信の絵の息づかひ        ぐみ  六
蝶鳴けりこれでいいのだおそ松くん    ぐみ  不恵
本日の花見日和に背を向けり       ぐみ  不
花散りぬ恋失ひて店辞めて        ぐみ   
猫の鼻花びら嗅ぎて花いろに       ぐみ   

たんぽぽや上ばかり見て疲れたる     不孤  空恵
林美雄没後ラヂオは聴かず四月馬鹿    不孤   
春荒肌荒大阪の叔母さん来る       不孤   
松たか子春スカーフの賢夫人       不孤   
いづれ蝌蚪か蛙か厚木本厚木       不孤  り
店長を息子に譲り蝶三昧         不孤  ぐ由
松本店探して迷ふ雪解風         不孤   

花冷の明神さまの上に雲         六番町   
人骨の出て穀雨の竹林          六番町 ぐ不恵
春待ちて待ちくたびれてカラス鳴く    六番町   
松磨く風こそすがし光悦忌        六番町   
坂多き本籍地なり茗荷竹         六番町 り恵
囀や駅の売店手際良し          六番町 朝亜ぽり
鶯の声エンドレス商店街         六番町   

見上げつつ腰をいたわる花見かな     空猫   
林より森の明るき鳥の恋         空猫  朝由四
ボクサーの秘めたる笑みや春の蝶     空猫   
松原にひとりふたりの暮春かな      空猫  六
愛犬に本音を漏らす初桜         空猫  朝六由
店番の眠る老婆や花吹雪         空猫  四恵
フラスコに残る水滴春惜しむ       空猫  朝亜ぽ

たんぽぽのわた吹くけふの上機嫌     亜紀   
竹林のざわめきを行く暮春かな      亜紀  朝由恵
春雨の止んでしまひしチャプチェかな   亜紀  六
看板は松下電器春惜しむ         亜紀  朝ぐぽ四恵
本筋を離れて来たる花大根        亜紀   
支店より支店へ飛びぬ蝶の昼       亜紀   
ひと匙の上白糖や春惜しむ        亜紀  朝ぽ六四恵
出来立てのマカロニサラダ春の雨     亜紀   
板チョコを分け合うてゐる桜かな     亜紀  朝
花疲れ電車の遅延知らされて       亜紀  ぐ

最上階専用エレベーターの春       由季   
砂防林つづく砂丘も春の闇        由季   
春惜しむ東急ハンズうろつきて      由季  空
松の芯遠くのビルの照り返す       由季  亜空
豆本のできあがるまで花の雨       由季   
のどけしや店舗を持たずあきなへる    由季  ぐ亜不ぽ六り四恵
スパイスの名前連なる霾ぐもり      由季  朝亜四

上流のどこかで桜散っている       恵   ぐぽり由四
緑立つ防潮林を風が来る         恵   
春昼の急須いっぱい茶葉開く       恵   亜不ぽ
木の芽雨かすかに日比谷松本楼      恵   
本物の春の星なら手に馴染む       恵   空
店番の少女は本を読み晩春        恵   
風船の膨らむ気配していたり       恵   ぐ由

空よりもくも上にある日永かな      ぽぽな   
シャンパンの泡の森林春の宵       ぽぽな 亜不六由四
幕すこし開けて客見る春の宵       ぽぽな 不六り由
クッキーの市松模様春うれい       ぽぽな 不り空
母方は日本人ですチューリップ      ぽぽな 朝ぐ亜空由四
店先に春の光を待たせおく        ぽぽな ぐ六空由四恵
鞦韆は止まる地球と距離を置き      ぽぽな 空

橋の上のひと立ち止まる春の月      りえ  亜ぽ
ノヴァークが林のなかで鳴つてゐる    りえ   
春宵や牛乳石鹸よい石鹸         りえ   
春燈の松本楼のエビフライ        りえ   
本妻にたてつき花の塵が沸く       りえ   
店番がチエーホフ読んでゐたりけり    りえ   
蝶購つてひたひにしるしされたやう    りえ   

ぬるみたる上善如水かな         四童  り
朧夜を林隆三立ちこめる         四童  ぐ
つぎつぎと人から春となりにけり     四童  亜恵
美味すぎる松屋のカレー弥生尽      四童  朝
春昼の箱にあまたのぞつき本       四童  り
客よりも店員おほき日永かな       四童  不ぽ六空
佐保姫の尻子玉抜く春夕立        四童  空

以上。(集計:不孤+四童)

2012年4月21日土曜日

修造思考!句会・出題

上林春松本店句会の選がお済みでない方もいらっしゃいますが、深い事情がおありでしょうから、先に次の題を出します。再開第15回目の出題です。

【修】
【造】
【思】
【考】
【!】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:4月29日(日)24:00(JST)
土曜日は小石川方面で寄り合いがあるようなので、今回も日曜締切とします。
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
書かないで下さい。
また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

よろしくどうぞ。

2012年4月17日火曜日

上林春松本店句会・投句一覧

お待たせいたしました。

【上】
たんぽぽのわた吹くけふの上機嫌
たんぽぽや上ばかり見て疲れたる
ぬるみたる上善如水かな
ピーポーと桜前線上きげん
花冷の明神さまの上に雲
橋の上のひと立ち止まる春の月
空よりもくも上にある日永かな
見上げつつ腰をいたわる花見かな
最上階専用エレベーターの春
上流のどこかで桜散っている
北窓を開きてすこし上の空

【林】
シャンパンの泡の森林春の宵
ノヴァークが林のなかで鳴つてゐる
砂防林つづく砂丘も春の闇
新入生ヒラリン漢字は平林
人骨の出て穀雨の竹林
大林組の工事が春天へ
竹林のざわめきを行く暮春かな
緑立つ防潮林を風が来る
林より森の明るき鳥の恋
林美雄没後ラヂオは聴かず四月馬鹿
朧夜を林隆三立ちこめる

【春】
つぎつぎと人から春となりにけり
ボクサーの秘めたる笑みや春の蝶
をんをんと春の卵の回りけり
春雨の止んでしまひしチャプチェかな
春荒肌荒大阪の叔母さん来る
春宵や牛乳石鹸よい石鹸
春惜しむ東急ハンズうろつきて
春待ちて待ちくたびれてカラス鳴く
春昼の急須いっぱい茶葉開く
鳥交る春信の絵の息づかひ
幕すこし開けて客見る春の宵

【松】
クッキーの市松模様春うれい
花過の江戸城松之大廊下
看板は松下電器春惜しむ
春燈の松本楼のエビフライ
松たか子春スカーフの賢夫人
松の芯遠くのビルの照り返す
松原にひとりふたりの暮春かな
松磨く風こそすがし光悦忌
蝶鳴けりこれでいいのだおそ松くん
美味すぎる松屋のカレー弥生尽
木の芽雨かすかに日比谷松本楼

【本】
いづれ蝌蚪か蛙か厚木本厚木
愛犬に本音を漏らす初桜
行春の古本ごみのごとく売る
坂多き本籍地なり茗荷竹
春昼の箱にあまたのぞつき本
豆本のできあがるまで花の雨
母方は日本人ですチューリップ
本筋を離れて来たる花大根
本妻にたてつき花の塵が沸く
本日の花見日和に背を向けり
本物の春の星なら手に馴染む

【店】
のどけしや店舗を持たずあきなへる
花散りぬ恋失ひて店辞めて
客よりも店員おほき日永かな
支店より支店へ飛びぬ蝶の昼
春陰のたつぷり中華料理店
店先に春の光を待たせおく
店長を息子に譲り蝶三昧
店番がチエーホフ読んでゐたりけり
店番の少女は本を読み晩春 
店番の眠る老婆や花吹雪
囀や駅の売店手際良し

【当季雑詠】
スパイスの名前連なる霾ぐもり
ひと匙の上白糖や春惜しむ
フラスコに残る水滴春惜しむ
ゆるやかな起伏に放つ春の駒
花疲れ電車の遅延知らされて
佐保姫の尻子玉抜く春夕立
出来立てのマカロニサラダ春の雨
松本店探して迷ふ雪解風
蝶購つてひたひにしるしされたやう
猫の鼻花びら嗅ぎて花いろに
板チョコを分け合うてゐる桜かな
風船の膨らむ気配していたり
鞦韆は止まる地球と距離を置き
鶯の声エンドレス商店街

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:4月20日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年4月5日木曜日

上林春松本店句会・出題

再開第14回目の出題です。

【上】
【林】
【春】
【松】
【本】
【店】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:4月15日(日)24:00(JST)…今回は世話人の都合で日曜とします
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
書かないで下さい。
また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

よろしくどうぞ。

剛力彩芽句会・作者発表

お待たせしました。

剥落の金剛力士蝶の昼          朝比古 り苑ぽ恵亜ぐ空
白魚の力を合すこと知らず        朝比古 ぽ
白梅や空の水彩めきてきし        朝比古 ぐ
木の芽風ギターケースを地に開き     朝比古 四百り苑不ぽ恵亜
朧夜の震へてゐたる音叉かな       朝比古 り苑恵

朝寝して質実剛健額の文字        ぐみ  朝
力まずに紙風船の浮き具合        ぐみ  苑不亜
水彩で蝌蚪の横顔描きけり        ぐみ  り不ぽ
薔薇の芽の気負ひ真紅に染まりけり    ぐみ   
のどぼとけ隠され黒きチューリップ    ぐみ  空
桜餅葉のはがされて乳房色        ぐみ  朝不恵亜

春塵の傷つき易き金剛杵         空猫  りぽ
目力の天気予報士春コート        空猫   
彩りに駆け出してゆく入学児       空猫   
柳の芽ここにて終へる恋ありぬ      空猫  四
初恋のはじまつてゐる四月かな      空猫  四朝亜ぐ

お松明剛よく柔を制すかな        百花   
春一番つぼみ力んでをりにけり      百花  朝ぽぐ
虹彩を覗かれて入る桃源郷        百花  恵
たらの芽は良薬といふ手酌かな      百花  四
西窓の夕日が春になってをり       百花  四恵亜ぐ空

金剛石鳴って春の闇をこわす       恵   不空
若草の寄り添っている力石        恵   百りぐ
虹彩の明るき人と春の海         恵   四百ぽ
芽柳や川のむこうに住むひとと      恵   四り苑空
蛤のぱかりと開いてみれば逆さ      恵   百苑

剛腕の右翼手飛んで揚雲雀        りえ   
春雨を力まかせにひきちぎる       りえ   
ウミウシに極彩色の雨が降る       りえ  朝百不ぽ恵
スモックの若芽色した園児かな      りえ   
欲望は果てなし桃の花あかし       りえ  恵
春晝を釦すくなき服を着て        りえ  亜ぐ

ビル街にかぜ剛と吹く花の冷え      ぽぽな   
木の芽風てさげ袋に力布         ぽぽな 百り苑不恵亜空
春影や迷彩服の女の子          ぽぽな   
トイレ使うために買うガム木の芽風    ぽぽな 不
野遊びのところどころが濡れている    ぽぽな りぐ

剛腕と言はれスヰートピーが好き     苑を  朝
目力で春の奇跡を呼び寄せる       苑を  百
彩の国たんぽぽの絮飛んでゐる      苑を  り亜ぐ空
芽柳のつんつん空を和ませし       苑を  朝亜
権謀術策なつみかん落ちてくる      苑を   

剛速球掴み損ねて風光る         亜紀  朝ぽぐ
駆け引きの力加減や薔薇芽吹く      亜紀   
風光るスパンコールの彩りに       亜紀   
上空に雲一つあり木の芽風        亜紀  ぐ
山の端のうすくれなゐや鳥帰る      亜紀   
鳥の声聞こえて来たる春の雨       亜紀  苑
ハンガーのゆるき曲線鳥の恋       亜紀  四苑不ぽ空
ことごとく光をまとひ春の蝶       亜紀  朝

春や春金剛石にハートと矢        不孤  り苑
尽力の加減乗除や三月尽         不孤  四
水彩絵の具の尻から噴いて草青む     不孤  四朝百苑恵亜
増殖する肉芽だいじに春炬燵       不孤   
春荒やさてもニーチェの馬日和      不孤  四

剛体と流体のゐる春の闇         四童  百空
力さへあればいいんだ春の星       四童  朝百不恵空
光彩は十日ばかりの仔猫かな       四童   
ものの芽に狙ひを定め弓を引く      四童   
春風やグリコ一粒十一秒         四童  百不ぽ空

以上。(集計:不孤)

しばしご歓談下さい。

2012年4月1日日曜日

剛力彩芽句会・投句一覧

お待たせしました。

【剛】
お松明剛よく柔を制すかな
ビル街にかぜ剛と吹く花の冷え
金剛石鳴って春の闇をこわす
剛速球掴み損ねて風光る
剛体と流体のゐる春の闇
剛腕と言はれスヰートピーが好き
剛腕の右翼手飛んで揚雲雀
春や春金剛石にハートと矢
春塵の傷つき易き金剛杵
朝寝して質実剛健額の文字
剥落の金剛力士蝶の昼

【力】
駆け引きの力加減や薔薇芽吹く
若草の寄り添っている力石
春一番つぼみ力んでをりにけり
春雨を力まかせにひきちぎる
尽力の加減乗除や三月尽
白魚の力を合すこと知らず
木の芽風てさげ袋に力布
目力で春の奇跡を呼び寄せる
目力の天気予報士春コート
力さへあればいいんだ春の星
力まずに紙風船の浮き具合

【彩】
ウミウシに極彩色の雨が降る
光彩は十日ばかりの仔猫かな
彩の国たんぽぽの絮飛んでゐる
彩りに駆け出してゆく入学児
春影や迷彩服の女の子
水彩で蝌蚪の横顔描きけり
水彩絵の具の尻から噴いて草青む
虹彩の明るき人と春の海
虹彩を覗かれて入る桃源郷
白梅や空の水彩めきてきし
風光るスパンコールの彩りに

【芽】
スモックの若芽色した園児かな
たらの芽は良薬といふ手酌かな
トイレ使うために買うガム木の芽風
ものの芽に狙ひを定め弓を引く
芽柳のつんつん空を和ませし
芽柳や川のむこうに住むひとと
上空に雲一つあり木の芽風
増殖する肉芽だいじに春炬燵
木の芽風ギターケースを地に開き
柳の芽ここにて終へる恋ありぬ
薔薇の芽の気負ひ真紅に染まりけり

【当季雑詠】
ことごとく光をまとひ春の蝶
のどぼとけ隠され黒きチューリップ
ハンガーのゆるき曲線鳥の恋
権謀術策なつみかん落ちてくる
桜餅葉のはがされて乳房色
山の端のうすくれなゐや鳥帰る
春荒やさてもニーチェの馬日和
春風やグリコ一粒十一秒
春晝を釦すくなき服を着て
初恋のはじまつてゐる四月かな
西窓の夕日が春になってをり
鳥の声聞こえて来たる春の雨
蛤のぱかりと開いてみれば逆さ
野遊びのところどころが濡れている
欲望は果てなし桃の花あかし
朧夜の震へてゐたる音叉かな

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:4月4日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年3月26日月曜日

左心耳縫縮術句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

梅を愛づむかし極左の人といま      天気  四
心臓をびしよびしよにして青き踏む    天気  恵り四由
この時期を蠢くものが耳の奥       天気   
風船赤し群衆を縫つて来し        天気   
春の夜の剥がせば縮むサロンパス     天気  恵朝亜ぐ由不
手術てふなまめく春の遊びかな      天気  り四不
春つぽいかんじ安土も桃山も       天気  恵百亜りぐ由不空

左手になじむ君の手げんげ道       空猫   
男とて乙女心に苺摘           空猫   
鳥雲に入るパンの耳ロバの耳       空猫  恵百由
旧姓の裁縫道具春炬燵          空猫  朝百亜四由
涙腺は縮みやすくて青き踏む       空猫   
大安を選びし手術四温晴         空猫  ぐ不
いつの間に母らしき妻沈丁花       空猫  朝

花御堂左半分昏きかな          朝比古   
心音の重なりて春惜みけり        朝比古   
春宵のうすももいろの耳なりき      朝比古   
春しぐれ母はなにかを縫うてをり     朝比古   
囀りのすこし縮れてゐたりけり      朝比古 百亜り四ぐ天由不
壷焼の隅まで食へる技術かな       朝比古 り
春寒を漂白剤に浸しけり         朝比古   

犬の尾も平気の平左こねこ達       ぐみ   
ぬめる夜にわたしも猫の恋心地      ぐみ   
福助の耳たぶ揺れて花曇         ぐみ  朝
しやぼん玉ひとつ路地裏縫ひ行けり    ぐみ   
縮緬の風呂敷を出て桜餅         ぐみ  百
ほほ笑みの秘術で受験合格す       ぐみ  四由
箸ころびそのたび桃の花笑ふ       ぐみ  空

左官屋の空缶にほふ遅日かな       不孤  朝亜り四ぐ天由
校庭に心配の種一つ蒔く         不孤   
のどけしや松下幸之助ほどの耳      不孤  亜天
まなぶたの縫ひ疵まぬけ春の月      不孤   
縮緬の風呂敷するり抜けて蝶       不孤   
かんたんな皮膚科の手術木の芽雨     不孤  亜天由

佐保姫の左孕みの雷走る         百花  四不
心字池より啓蟄の水かげろふ       百花   
まゐらすや耳に甘茶の入らぬやう     百花  ぐ
三月や破れハートに縫ひ代を       百花   
たんぽぽの縮むことなき絮の夢      百花  空
棒術の金剛杖は等身大          百花   
春の日や橋の下から鯉の口        百花   

左側から治まって春の風邪        恵   朝空
心臓のあたりへ春風を入れる       恵   百
右耳の方が大きい花衣          恵   
雑巾を縫って桜餅を食べて        恵   り天由不空
背が縮むツボを押されて目借時      恵   り不
残雪を踏んで呪術師帰りけり       恵   
カタカナを読み間違えて種袋       恵   ぐ天
上京の子は春塵にまみれたる       恵   朝亜
春の星まなこは風に叩かれて       恵   

右脳やや左脳に寄りて朧なる       亜紀  百四
三月のてんやわんやの平常心       亜紀   
うららかや耳につきたる鼻濁音      亜紀   
縫製の始末きつちりさへづれり      亜紀  空
拡大ののちの縮小蛙の子         亜紀   
寡黙なる占星術師月朧          亜紀   
夕長し書棚の本の凭れ合ひ        亜紀  天不
ウルトラマンごつこ佳境となる遅日    亜紀  り
冷静になるまで待てぬ春コート      亜紀  朝空
雑巾の針目ちくちく春浅し        亜紀   

左から馬右からは驢馬の列        りえ  ぐ
心中の前に味はふ蜆汁          りえ  ぐ天
芽柳は耳介に生えてくるだらう      りえ  恵天
ちさを縫ふだけの真つ赤な刺繍糸     りえ   
お湯かけて縮んだ部位を見てゐたり    りえ  恵百四ぐ
奇術師の棒振るさきに海市たつ      りえ  恵百
実朝忌ひたひの眼鏡探すまじ       りえ   

左からじわじわ進む野焼かな       由季  朝亜不
春陰の牛の心音聴きにゆく        由季  朝四空
雪の果罅うつくしく土耳古石       由季   
春寒の枕を囲む縫ひぐるみ        由季  恵百り
春一番東京タワー縮みしか        由季  空
棒術の六尺棒と春惜しむ         由季  亜
飯蛸の脚のもつれて皿のうへ       由季  天

いつせいに初桜なる左翼線        四童  空
心臓が白木蓮のごと錆びる        四童  朝天不空
耳ぜんぶ出して少女の春来る       四童  恵百り由
社名入裁縫セット春灯し         四童  ぐ
縮尺の違ふ人体春の闇          四童   
水遁の術にほどよく水ぬるむ       四童  恵
朧夜の宇宙とともに膨張す        四童  恵亜

以上。(集計:不孤)

ご歓談は俳句モナカでどうぞ。

2012年3月25日日曜日

剛力彩芽句会・出題

まだ選句がお済みでない方もいらっしゃいますが、次の出題だけしておきます。
再開第13回目の出題です。

【剛】
【力】
【彩】
【芽】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月31日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
書かないで下さい。
また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

よろしくどうぞ。

2012年3月20日火曜日

左心耳縫縮術句会・投句一覧

大変長らくお待たせ致しました。

【左】
いつせいに初桜なる左翼線
右脳やや左脳に寄りて朧なる
花御堂左半分昏きかな
犬の尾も平気の平左こねこ達
佐保姫の左孕みの雷走る
左からじわじわ進む野焼かな
左から馬右からは驢馬の列
左官屋の空缶にほふ遅日かな
左手になじむ君の手げんげ道
左側から治まって春の風邪
梅を愛づむかし極左の人といま

【心】
ぬめる夜にわたしも猫の恋心地
校庭に心配の種一つ蒔く
三月のてんやわんやの平常心
春陰の牛の心音聴きにゆく
心音の重なりて春惜みけり
心字池より啓蟄の水かげろふ
心臓が白木蓮のごと錆びる
心臓のあたりへ春風を入れる
心臓をびしよびしよにして青き踏む
心中の前に味はふ蜆汁
男とて乙女心に苺摘

【耳】
うららかや耳につきたる鼻濁音
この時期を蠢くものが耳の奥
のどけしや松下幸之助ほどの耳
まゐらすや耳に甘茶の入らぬやう
右耳の方が大きい花衣
芽柳は耳介に生えてくるだらう
耳ぜんぶ出して少女の春来る
春宵のうすももいろの耳なりき
雪の果罅うつくしく土耳古石
鳥雲に入るパンの耳ロバの耳
福助の耳たぶ揺れて花曇

【縫】
しやぼん玉ひとつ路地裏縫ひ行けり
ちさを縫ふだけの真つ赤な刺繍糸
まなぶたの縫ひ疵まぬけ春の月
旧姓の裁縫道具春炬燵
雑巾を縫って桜餅を食べて
三月や破れハートに縫ひ代を
社名入裁縫セット春灯し
春しぐれ母はなにかを縫うてをり
春寒の枕を囲む縫ひぐるみ
風船赤し群衆を縫つて来し
縫製の始末きつちりさへづれり

【縮】
お湯かけて縮んだ部位を見てゐたり
たんぽぽの縮むことなき絮の夢
拡大ののちの縮小蛙の子
縮尺の違ふ人体春の闇
縮緬の風呂敷するり抜けて蝶
縮緬の風呂敷を出て桜餅
春の夜の剥がせば縮むサロンパス
春一番東京タワー縮みしか
背が縮むツボを押されて目借時
涙腺は縮みやすくて青き踏む
囀りのすこし縮れてゐたりけり

【術】
かんたんな皮膚科の手術木の芽雨
ほほ笑みの秘術で受験合格す
寡黙なる占星術師月朧
奇術師の棒振るさきに海市たつ
残雪を踏んで呪術師帰りけり
手術てふなまめく春の遊びかな
水遁の術にほどよく水ぬるむ
大安を選びし手術四温晴
壷焼の隅まで食へる技術かな
棒術の金剛杖は等身大
棒術の六尺棒と春惜しむ

【当季雑詠】
いつの間に母らしき妻沈丁花
ウルトラマンごつこ佳境となる遅日
カタカナを読み間違えて種袋
雑巾の針目ちくちく春浅し
実朝忌ひたひの眼鏡探すまじ
春つぽいかんじ安土も桃山も
春の星まなこは風に叩かれて
春の日や橋の下から鯉の口
春寒を漂白剤に浸しけり
上京の子は春塵にまみれたる
箸ころびそのたび桃の花笑ふ
飯蛸の脚のもつれて皿のうへ
夕長し書棚の本の凭れ合ひ
冷静になるまで待てぬ春コート
朧夜の宇宙とともに膨張す

(以上)

11句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月24日(土)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から11句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年3月9日金曜日

左心耳縫縮術句会・出題

再開第12回目の出題です。

【左】
【心】
【耳】
【縫】
【縮】
【術】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月17日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かないで下さい。また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

よろしくどうぞ。

鋤鼻器官句会・作者発表

お待たせしました。

たつぷりと山菜を摘み饂飩鋤        苑を  り
雛達のちひさき鼻の尖りをり        苑を  朝ぐ由幹空
きさらぎといふ管楽器高く低く       苑を  四実空
花粉用マスク官能小説家          苑を  朝四ぐ実天由空
まだ会へぬ人へメールを雪柳        苑を  朝百実

変換し鋤の字を知る恋の春         ぐみ   
春爛漫つのかくしから鼻緒まで       ぐみ  天
器みな白に揃へて梅見の宴         ぐみ   
大試験無表情なる監督官          ぐみ   
ふらここや赤い草履の降りきたる      ぐみ   
チョコよりも雛あられ包みリボン掛け    ぐみ   

春昼の鋤振り下ろす翁かな         朝比古   
ゆきやなぎ名誉教授の鼻眼鏡        朝比古 苑り空
春宵のホルモンといふ臓器かな       朝比古 天
恋猫の集まつてきし官舎かな        朝比古 ぐ亜苑百不り由恵
さへづりのふつと閑かな昔かな       朝比古   

春めくや鋤のかけらが遺構より       天気  ぐ苑幹
春眠に濡れてゐるのは獏の鼻        天気  四亜不り空
押すと開く春たけなはの炊飯器       天気  四亜苑百不実り由恵
見習が教官と飛ぶ春の空          天気  朝ぐ亜苑百不幹恵
頭にそひし枕のへこみ春の雪        天気  ぐ亜

鋤かつぐひと春光へもぐり行く       恵   ぐ亜百実幹空
目貼剥ぐ膨らんでいる鼻の穴        恵   実幹
樺細工菓子器雛あられざらざら       恵   
宦官やひばりの籠にかける布        恵   不り由幹
雛の日のえらそうにある鯉の髭       恵   朝ぐ亜苑百天由

鋤放りだして基地なるげんげ谷       藤実   
麗かやフランシーヌの鼻濁音        藤実  朝亜不り由
器より器へ移す春の水           藤実  空
官公庁みな上を向き長閑やなあ       藤実   
やよ弥生尾っぽ長短競いの件        藤実  ぐ天由

棚田鋤く石垣に日をうごかして       百花  苑不天幹恵
春草食む馬の鼻先地にふれず        百花  四不天り幹恵空
菜の花を散らすサラダや木の器       百花  四天
財務省次官ブラックチューリップ      百花  苑り
蝮蛇草古墳の主は女てふ          百花   

鋤きかへす土に混じつてゐる蛙       りえ  四ぐ苑百実天由幹恵
春めくや鼻はしやうじきなる器官      りえ  朝四亜苑不実由幹恵空
土筆野に器物損壊罪児童          りえ   
麗かや官憲たちの腰の物          りえ  四苑天幹恵
蓮如忌の逆看板の焼肉屋          りえ   
同じこと考へないで青き踏む        りえ  百実

如月の鋤ぐわぐわと踏まへけり       藤幹子   
蓬摘むかの隆鼻術施され          藤幹子   
開瞼器触るるちりちり蝌蚪泳ぐ       藤幹子 不天
紙風船ふところにして官邸へ        藤幹子 朝亜実
ねぢあやめ二十語ほどのありがとう     藤幹子   

われ鋤いて妻が種蒔く日和かな       空猫  朝四苑百由幹恵
鼻筋にきのうのバレンタインデー      空猫  実
わが妻の器量自慢や梅の花         空猫  苑由
大声の警官はしる春の泥          空猫  朝百
縺れ糸ほどきあぐねる春思かな       空猫  り

立てかける鋤の角度に春眠し        由季  四亜百不空
初蝶を見てゐる間鼻呼吸          由季  天
鶴引くや共鳴したる食器棚         由季   
歯のやうなものすこし見え官女雛      由季  四ぐ百不幹恵
猫の恋夜目にも光る瓦屋根         由季  ぐ空

鋤振ふたちまち二つ豆の花         不孤   
鼻血にじみやうやくやめる春愁       不孤  四恵
ほどほどの器ほどよく温む水        不孤  朝亜実天空
鳥雲に官報に行旅死亡人          不孤   
耳にボン・ジョヴィ手にBOSS缶の受験生 不孤  り

定位置に鋤の戻らぬ朧かな         亜紀  朝四実由空
鼻声で取りし電話やヒヤシンス       亜紀  り
電器屋の隣は花屋春の宵          亜紀  天
官報のバックナンバー暮かぬる       亜紀   
この浜のこの風の音桜貝          亜紀  朝百恵空
桃の花薬缶の重さみな違ふ         亜紀  朝百実り由恵
器量良き子猫貰つて行きしひと       亜紀  ぐ
海豹の後ろ姿の猪首めく          亜紀  ぐ

おほどかに亀嘶くや鋤は鋤         四童   
春の夜の鼻にかけたる自在鉤        四童  不り幹恵
どこぞにて貰ひし花器に春の枝       四童  亜
木蓮や悪だくみする事務次官        四童   
鳥雲に居留守の罪と留守の刑        四童  亜不

以上。(集計:不孤)

ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

2012年3月4日日曜日

鋤鼻器官句会・投句一覧

お待たせしました。

【鋤】
おほどかに亀嘶くや鋤は鋤
たつぷりと山菜を摘み饂飩鋤
われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
春めくや鋤のかけらが遺構より
春昼の鋤振り下ろす翁かな
鋤かつぐひと春光へもぐり行く
鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
鋤振ふたちまち二つ豆の花
鋤放りだして基地なるげんげ谷
棚田鋤く石垣に日をうごかして
定位置に鋤の戻らぬ朧かな
如月の鋤ぐわぐわと踏まへけり
変換し鋤の字を知る恋の春
立てかける鋤の角度に春眠し

【鼻】
ゆきやなぎ名誉教授の鼻眼鏡
春の夜の鼻にかけたる自在鉤
春めくや鼻はしやうじきなる器官
春草食む馬の鼻先地にふれず
春眠に濡れてゐるのは獏の鼻
春爛漫つのかくしから鼻緒まで
初蝶を見てゐる間鼻呼吸
雛達のちひさき鼻の尖りをり
鼻筋にきのうのバレンタインデー
鼻血にじみやうやくやめる春愁
鼻声で取りし電話やヒヤシンス
蓬摘むかの隆鼻術施され
目貼剥ぐ膨らんでいる鼻の穴
麗かやフランシーヌの鼻濁音

【器】
きさらぎといふ管楽器高く低く 
どこぞにて貰ひし花器に春の枝
ほどほどの器ほどよく温む水
わが妻の器量自慢や梅の花
押すと開く春たけなはの炊飯器
開瞼器触るるちりちり蝌蚪泳ぐ
樺細工菓子器雛あられざらざら
器みな白に揃へて梅見の宴
器より器へ移す春の水
器量良き子猫貰つて行きしひと
菜の花を散らすサラダや木の器
春宵のホルモンといふ臓器かな
鶴引くや共鳴したる食器棚
電器屋の隣は花屋春の宵
土筆野に器物損壊罪児童

【官】
花粉用マスク官能小説家
官公庁みな上を向き長閑やなあ
官報のバックナンバー暮かぬる
見習が教官と飛ぶ春の空
財務省次官ブラックチューリップ
紙風船ふところにして官邸へ
歯のやうなものすこし見え官女雛
大試験無表情なる監督官
大声の警官はしる春の泥
鳥雲に官報に行旅死亡人
木蓮や悪だくみする事務次官
麗かや官憲たちの腰の物
恋猫の集まつてきし官舎かな
宦官やひばりの籠にかける布

【当季雑詠】
この浜のこの風の音桜貝
さへづりのふつと閑かな昔かな
チョコよりも雛あられ包みリボン掛け
ねぢあやめ二十語ほどのありがとう
ふらここや赤い草履の降りきたる
まだ会へぬ人へメールを雪柳
やよ弥生尾っぽ長短競いの件
海豹の後ろ姿の猪首めく
耳にボン・ジョヴィ手にBOSS缶の受験生
雛の日のえらそうにある鯉の髭
鳥雲に居留守の罪と留守の刑
桃の花薬缶の重さみな違ふ
頭にそひし枕のへこみ春の雪
同じこと考へないで青き踏む
猫の恋夜目にも光る瓦屋根
蓮如忌の逆看板の焼肉屋
縺れ糸ほどきあぐねる春思かな
蝮蛇草古墳の主は女てふ

(以上)

14句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月7日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から14句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

2012年2月22日水曜日

鋤鼻器官句会・出題

再開第11回目の出題です。

【鋤】
【鼻】
【器】
【官】
【当季雑詠】(何句でも。無季可。他季不可)

投句締切:3月3日(土)24:00(JST)
投句宛先:下記恒信風句会投句専用アドレス宛メールにて
koshinfu9th@gmail.com

★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを
書かないで下さい。
また、空白行や題の行を置かず出題順に左詰で列挙願います。

まだまだ寒い日が続きますが、お風邪など召しませんようお気をつけ下さいませ。

よろしくどうぞ。

山﨑静代句会・作者発表

お待たせしました。

築山のふもとに春のショールかな     朝比古 ぐ
かげろふのかなた川崎重工業       朝比古 苑亜り不恵
紋白蝶紋黄蝶よりやや静か        朝比古 百苑亜由
桜守いつも代弁するやうに        朝比古   
草餅や母に御辞儀をしたる父       朝比古 四苑

春場所やチェコの国負ふ隆の山      ぐみ   
東京の長崎に叔父鯥五郎         ぐみ  不天
図書館で花図鑑繰る一人静        ぐみ   
まういいかい千代紙雛も出を待つて    ぐみ   
目鼻なき姉様人形さくら餅        ぐみ  四苑恵
スコップの直立不動おぼろ月       ぐみ   

山削る音のありけり春間近        空猫  苑
剣崎から洲崎に春の虹          空猫   
雪解に応える音の静かなり        空猫  朝百
君が代の意味も知らずに卒業す      空猫  ぐ
この人も磨けば光る春の雪        空猫  り天

寺山も太宰も春の闇にゐし        苑を  四朝百亜不恵
山崎製パン工場デカし凍返る       苑を  ぽ
静しづと白梅ぱかんと紅梅        苑を   
君が代は千代に八千代に種浸し      苑を  朝百亜り空由ぽ恵
ランナーがつぎつぎと来る二月尽     苑を  四亜空由

春の山なら花柄の魔法瓶         天気  四朝百空由恵
春なれや大きな声の田崎潤        天気  朝り
静かではなくなる湖畔早春賦       天気  ぐ恵
地虫出ず歌ひはじめの八代亜紀      天気  ぐ亜りぽ恵
いつ見てもほれぼれとする耕耘機     天気  四百苑亜由恵

一山をくづしてヘタレ蜜柑剥く      不孤   
山﨑のおばあちやんちの春炬燵      不孤  百由
静岡の五〇六粁春の海          不孤  天
くぼ地めく世田谷代田猫の恋       不孤  天
まんさくや芸人にして拳闘手       不孤  ぐ

春炬燵山と積みたる旅ガイド       亜紀  ぐ
京急に乗つて三崎へ春めきぬ       亜紀  朝苑由
磯巾着ほどに静かにしてをりぬ      亜紀  朝百り天由ぽ恵
代役を決めかねてゐる木の芽時      亜紀  苑空
冷静になれとふらここ漕いで恋      亜紀  不
蜃気楼見知らぬ人の横に立ち       亜紀  朝百苑由ぽ恵
後ろから手渡すバトンあたたかし     亜紀  ぐ空
踏み板を踏んで跳び箱バレンタイン    亜紀  ぐ空

山頂の歯ブラシ春の水ふふむ       百花   
玻璃越しに雛が海見る石廊崎       百花  り空不ぽ
たつぷりと静脈注射して花見       百花  四朝不由恵
代理母の何がなにやら春の虹       百花  り
紀元節すめらみことの御不自由      百花  ぐ

足跡も毛も落ちてゐる芽吹山       由季  百不天
川崎の地下も地上も朧なる        由季  朝
水槽に静かなものを飼ふ日永       由季  ぐ亜不ぽ恵
鶴帰る古代紫色の空           由季  ぐぽ
末黒野に超軽量の傘ひらく        由季  百苑亜り不天ぽ

包帯を巻く時痛い山笑う         恵   
川崎に風の道ある日永かな        恵   亜
春昼の影を静かに切り離す        恵   四朝苑空不由ぽ
第二十五代佐保姫を襲名す        恵   四ぽ
透明な息の留まり針供養         恵   

剣山を置く如月の水の中         ぽぽな 朝百亜り空不恵
島崎の本名春樹春の雨          ぽぽな ぐり天
春の灯に雨の静かなあなたかな      ぽぽな 亜
猫の子を撫でたり千代紙を折ったり    ぽぽな り空

山笑ふ当帰芍薬散の箱          りえ  四天
三崎行き急行に寝て猫柳         りえ  天
麦踏の静かに進む線路脇         りえ  四由
代替わりして倍ほどの野を焼けり     りえ  四朝百亜不由
天然の頭の株を保全する         りえ  四
動物の病院を出て春驟雨         りえ  苑天ぽ
読み仮名に眼をこらす余寒かな      りえ  苑空天

佐保姫にくすぐられ山こらへをり     四童  ぐ
世の終はりのための山崎春のパンまつり  四童  不
春昼の長さよ静臥のち発芽        四童  り
紀元節生まれの紀代子百弐號       四童  天
カーテンを開ければ春の立つてをり    四童  空ぽ

以上。(集計:不孤)

ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。