お待たせしました。
夕凍のアジトのごとき模型店 朝比古 四藤亜
平らかな頭を持てる雪だるま 朝比古
梟は相対評価かもしれぬ 朝比古 ら
格子戸をすり抜けてきし細雪 朝比古
あたらしき炎を積みて焼藷屋 朝比古 四藤
クリスマスツリーのための空き店舗 らくだ
酒饅頭の匂いにつられ迷いけり らくだ
真価とは毛皮を脱いでからのこと らくだ 四藤亜
股引といえど規格に縛られる らくだ 朝
自転車の音に身じろぐ浮寝鳥 らくだ 朝亜ぐ
閉店の曲に鯨の蒼さかな ぐみ ら朝藤亜緋
熱燗やなべて福助二頭身 ぐみ 四朝亜
時価の字の胆のあたりを雪催 ぐみ
海近き千鳥格子の炬燵掛 ぐみ 藤
初雪や誰も知らない喫茶店 ぐみ 朝緋
代々の二重螺旋と炬燵蒲団 ぐみ ら
帰りみち雲のウィンドウショッピング 緋茶
消しゴムのかじかむ頭の冬ざるる 緋茶
一価の水素ほんのり色づく冬至かな 緋茶
格式や流れる振り子の刻むもの 緋茶 ぐ
太陽も今日は寒いね懐手 緋茶 ら
煤逃げの砂町銀座商店街 亜紀 朝藤
駅頭の歌に集ふやクリスマス 亜紀
着膨れて価値観違ふ二人かな 亜紀 ぐ緋
規格外製品なれどおでん酒 亜紀
満載の土砂に雪降るばかりかな 亜紀 四ら朝藤緋
冬オリオン心の音を聞いてゐる 亜紀
お店屋に紙の品々冬紅葉 藤幹子
ほたほたと煮ゆる飛竜頭冬の雲 藤幹子 四亜
寒紅や死ぬにも価値をつけたがる 藤幹子 ら
格助詞ののの行く先の浮寝鳥 藤幹子 らぐ緋
海釣りの帰りのつもりおでん食ふ 藤幹子 四亜緋
むづかしき店主動いて山眠る 四童 ぐ緋
井の頭動物園にゐる冬日 四童 ぐ
寒晴や価格ぢやないのよ涙は 四童
格子戸をくぐり抜けたる息白し 四童
人類の最期の選挙山眠る 四童 ぐ
以上。(集計:四童)
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