2012年12月19日水曜日

店頭価格句会・作者発表

お待たせしました。

夕凍のアジトのごとき模型店     朝比古   四藤亜
平らかな頭を持てる雪だるま     朝比古    
梟は相対評価かもしれぬ       朝比古   ら
格子戸をすり抜けてきし細雪     朝比古    
あたらしき炎を積みて焼藷屋     朝比古   四藤

クリスマスツリーのための空き店舗  らくだ    
酒饅頭の匂いにつられ迷いけり    らくだ    
真価とは毛皮を脱いでからのこと   らくだ   四藤亜
股引といえど規格に縛られる     らくだ   朝
自転車の音に身じろぐ浮寝鳥     らくだ   朝亜ぐ

閉店の曲に鯨の蒼さかな       ぐみ    ら朝藤亜緋
熱燗やなべて福助二頭身       ぐみ    四朝亜
時価の字の胆のあたりを雪催     ぐみ    
海近き千鳥格子の炬燵掛       ぐみ    藤
初雪や誰も知らない喫茶店      ぐみ    朝緋
代々の二重螺旋と炬燵蒲団      ぐみ    ら

帰りみち雲のウィンドウショッピング 緋茶    
消しゴムのかじかむ頭の冬ざるる   緋茶    
一価の水素ほんのり色づく冬至かな  緋茶    
格式や流れる振り子の刻むもの    緋茶    ぐ
太陽も今日は寒いね懐手       緋茶    ら

煤逃げの砂町銀座商店街       亜紀    朝藤
駅頭の歌に集ふやクリスマス     亜紀    
着膨れて価値観違ふ二人かな     亜紀    ぐ緋
規格外製品なれどおでん酒      亜紀    
満載の土砂に雪降るばかりかな    亜紀    四ら朝藤緋
冬オリオン心の音を聞いてゐる    亜紀    

お店屋に紙の品々冬紅葉       藤幹子    
ほたほたと煮ゆる飛竜頭冬の雲    藤幹子   四亜
寒紅や死ぬにも価値をつけたがる   藤幹子   ら
格助詞ののの行く先の浮寝鳥     藤幹子   らぐ緋
海釣りの帰りのつもりおでん食ふ   藤幹子   四亜緋

むづかしき店主動いて山眠る     四童    ぐ緋
井の頭動物園にゐる冬日       四童    ぐ
寒晴や価格ぢやないのよ涙は     四童    
格子戸をくぐり抜けたる息白し    四童    
人類の最期の選挙山眠る       四童    ぐ

以上。(集計:四童)

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