2012年12月26日水曜日

出会貿易句会・作者発表

冬蝶の石より出でて石の色    朝比古   四亜
外套を脱いで会社に入るところ  朝比古    
聖樹の灯点し貿易会社かな    朝比古    
易学の果ての大根干しにけり   朝比古   らた亜由
冬かもめガーゼの色となりゆけり 朝比古   ぐ

炬燵から一歩も出ずに日が暮れる らくだ    
大鷹と鴉の会話アテレコする   らくだ   朝四由
年忘れ貿易風のまたの名へ    らくだ    
北風を避けて易者の一等地    らくだ    
聖夜の手前で閉じられる扉    らくだ   亜

暗闇の出力高き海鼠かな     ぐみ    らた亜由
凍豆腐会はず訪はずの間柄    ぐみ    四た亜
貿の字の訓読み探す海鼠かな   ぐみ    
易々と霜柱踏む彼氏かな     ぐみ    
増殖のしんがりにつく雪だるま  ぐみ    ら亜

出演の子が星かざす聖夜劇    由季    
対岸の公会堂の雪もよひ     由季    
年忘れ貿易用語飛び交ひぬ    由季    
易者よりもらふ紙切れ十二月   由季    朝らた
しばらくは日本にゐたる耳袋   由季    朝四ぐ亜

出・欠のはがき重ねて懐手    たろう    
数え日をはじくマニュキア会計簿 たろう   ら由
ルミナリエ貿易の手に真珠    たろう    
易占いすっと伸びる手雪女郎   たろう    
裸木の空のからっぽ山の声    たろう   朝四

案件を洗ひ出したるマスクかな  亜紀    朝ぐ
散会のあとの街並年暮るる    亜紀    ら
有耶無耶の貿易収支室の花    亜紀    
平易なる助言しみじみ根深汁   亜紀    朝四らた
降る雪のしんしん京の瓦屋根   亜紀    ぐ
炊き上げて冬至南瓜のふつくりと 亜紀    
書くことの長々ありて日記買ふ  亜紀    四由

寒晴や曖昧宿と出会茶屋     四童    ぐ
歳晩や人妻の香の会議室     四童    ぐた
あやしげな貿易商と燗酒かな   四童    朝た由
極月の中国服の易者かな     四童    
二着目は千円といふ冬着かな   四童    ぐ由

以上。(集計:四童)

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