2012年12月2日日曜日

年末進行句会・投句一覧

お待たせしました。

【年】
きらきらと年魚絶えたる冬の川
とぐろ巻く来年の年男かな
リモコンが卓に三つや年暮るる
闇鍋や友の年など知らず聞かず
行く年やちぎれんばかり手を振つて
出土品年代不詳寒波来る

【末】
トナカイの末つ子橇に乗せにけり
月末を月初へ寒の月渡る
始末良き暮らしつくづく冬ぬくし
端末の四角四面な十二月
着ぶくれて末つ子らしくなりにけり
末端にある冬眠の兆しかな

【進】
からまりしコード進行年の暮
スポーツショウ行進曲や冬日和
ミニカーの進路に迷ひなき冬野
人類と進む鍋焼うどんかな
青信号直進したる冬の虹
凩に晒されてのち二進法

【行】
銀行の列寒々と灯りけり
隙間貼る収支はいつも行って来い
紙漉の工程に火の一度のみ
二丁目の行火三丁目の夕日
布団から飛び出してゐる行火かな
暮早しトルコ行進曲掛けて

【当季雑詠】
フェレットを飼ふ優秀な男かな
巻末の著者の挨拶冬夕焼
狐火が好きなのツインテールなの
雑炊の玉子ふつふつ打ち解けて
集合はクリスマスツリー浮くところ
重力をかるくいなして霜柱
真つ白な方があなたの冬帽子
冬めくや枕のやうな独逸麺麭

(以上)

6句選(特選、逆選なし)
選句締切:12月4日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から6句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

6 件のコメント:

  1. ○始末良き暮らしつくづく冬ぬくし
     私など始末が悪いので、始末が良かったら寒々とするだろうと思うのだが、この発話主体はそうではないのである。やせがまんではないのか。

    ○着ぶくれて末つ子らしくなりにけり
     ある種の防寒具って、逆に妙に子どもっぽくていいですよね。ダッフルコートとか…。

    ○人類と進む鍋焼うどんかな
     人類の長い歴史から見れば鍋焼うどんの歴史など微々たるものであろうが、それなりに進化を遂げているのだろう、などというととたんにつまらなくなってしまう無意味な並列がよい。

    ○紙漉の工程に火の一度のみ
     推敲によってお題がなくなってしまう典型だが、句の内容は、「そうだったのか」と感じさせるものがある。

    ○集合はクリスマスツリー浮くところ
     水辺にツリーが映っているのだろうか、それとも国技館の櫓みたいに天井から吊ってあるのだろうか、はたまた、光の芸術なのだろうか、と、想像が膨らむ。

    ○冬めくや枕のやうな独逸麺麭
     作者の枕は固いのだろう。

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  2. ★トナカイの末つ子橇に乗せにけり
    トナカイの世界でも末っ子は甘えん坊なのだろうか。

    ★人類と進む鍋焼うどんかな
    そりゃそうでしょうけど、ずばっと詠われると何故か可笑しい。

    ★青信号直進したる冬の虹
    気持ちよいドライブ。

    ★狐火が好きなのツインテールなの
    狐火好きのかまとと、いそうだ。

    ★集合はクリスマスツリー浮くところ
    「浮く」が眼目。

    ★真つ白な方があなたの冬帽子
    やや煤けているのが私のね。

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  3. ○出土品年代不詳寒波来る
    発掘の現場ではなくて、郷土資料館かなにかの、客のいない寒々しい景が浮かびました。

    ○トナカイの末つ子橇に乗せにけり
    ありえないはずなのに、「末つ子」といわれるとそうかと思ってしまう、なんともひょうきんな句。

    ○末端にある冬眠の兆しかな
    冬眠できるならしたいですねぇ。手の先、足の先、末端が冬はいや~と言っております。

    ○二丁目の行火三丁目の夕日
    理屈ぬきで、二丁目の行火って可笑しい。三丁目の夕日と続くと出来上がっている感じ。

    ○真つ白な方があなたの冬帽子
    「真っ白な方」という言い方が、色違いでなく、自分のはちょっと汚れている方の白、みたいに読めてほほえましい。

    ○冬めくや枕のやうな独逸麺麭
    箱枕みたいのか丸いのか、押しても潰れなそうで、結構ずっしり大きいんでしょうね。枕に例えたところに「ちょっとびっくり」感が伺えます。

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  4. ◇出土品年代不詳寒波来る
     最後の「る」が漢字の行列に動きを与えている。

    ◇末端にある冬眠の兆しかな
     蛇や蛙の末端に思いを馳せ、納得。

    ◇凩に晒されてのち二進法
     頭脳明晰な俳人と感嘆。

    ◇暮早しトルコ行進曲掛けて
     私にも解る句。楽しくなった。

    ◇巻末の著者の挨拶冬夕焼
     次の作品もきっと晴れでしょう。

    ◇重力をかるくいなして霜柱
     しもばしらはえらい。

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  5. ○出土品年代不詳寒波来る
    いつの時代なんでしょうね。

    ○末端にある冬眠の兆しかな
    末端に説得力があります。

    ○からまりしコード進行年の暮
    なにかと慌しいですから。

    ○凩に晒されてのち二進法
    相当晒されました。

    ○重力をかるくいなして霜柱
    ふむふむ面白い。w

    ○冬めくや枕のやうな独逸麺麭
    歯の立たないような硬さが好きですが、
    枕とは!

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  6. ○着ぶくれて末つ子らしくなりにけり
    なるほど末っ子らしいです。可愛らしい。

    ○からまりしコード進行年の暮
    慌しい年の瀬の感じが伝わってきます。

    ○人類と進む鍋焼うどんかな
    鍋焼きうどんは進化するのでしょうか。でも前向きな感じがいいですね。

    ○重力をかるくいなして霜柱
    霜柱最強。

    ○真つ白な方があなたの冬帽子
    最初は同じ色だったのでしょう。それぞれの性格が想像できます。

    ○冬めくや枕のやうな独逸麺麭
    硬いとかずっしりといったイメージがあるのですが、枕は意外ですが納得。

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