2012年3月9日金曜日

鋤鼻器官句会・作者発表

お待たせしました。

たつぷりと山菜を摘み饂飩鋤        苑を  り
雛達のちひさき鼻の尖りをり        苑を  朝ぐ由幹空
きさらぎといふ管楽器高く低く       苑を  四実空
花粉用マスク官能小説家          苑を  朝四ぐ実天由空
まだ会へぬ人へメールを雪柳        苑を  朝百実

変換し鋤の字を知る恋の春         ぐみ   
春爛漫つのかくしから鼻緒まで       ぐみ  天
器みな白に揃へて梅見の宴         ぐみ   
大試験無表情なる監督官          ぐみ   
ふらここや赤い草履の降りきたる      ぐみ   
チョコよりも雛あられ包みリボン掛け    ぐみ   

春昼の鋤振り下ろす翁かな         朝比古   
ゆきやなぎ名誉教授の鼻眼鏡        朝比古 苑り空
春宵のホルモンといふ臓器かな       朝比古 天
恋猫の集まつてきし官舎かな        朝比古 ぐ亜苑百不り由恵
さへづりのふつと閑かな昔かな       朝比古   

春めくや鋤のかけらが遺構より       天気  ぐ苑幹
春眠に濡れてゐるのは獏の鼻        天気  四亜不り空
押すと開く春たけなはの炊飯器       天気  四亜苑百不実り由恵
見習が教官と飛ぶ春の空          天気  朝ぐ亜苑百不幹恵
頭にそひし枕のへこみ春の雪        天気  ぐ亜

鋤かつぐひと春光へもぐり行く       恵   ぐ亜百実幹空
目貼剥ぐ膨らんでいる鼻の穴        恵   実幹
樺細工菓子器雛あられざらざら       恵   
宦官やひばりの籠にかける布        恵   不り由幹
雛の日のえらそうにある鯉の髭       恵   朝ぐ亜苑百天由

鋤放りだして基地なるげんげ谷       藤実   
麗かやフランシーヌの鼻濁音        藤実  朝亜不り由
器より器へ移す春の水           藤実  空
官公庁みな上を向き長閑やなあ       藤実   
やよ弥生尾っぽ長短競いの件        藤実  ぐ天由

棚田鋤く石垣に日をうごかして       百花  苑不天幹恵
春草食む馬の鼻先地にふれず        百花  四不天り幹恵空
菜の花を散らすサラダや木の器       百花  四天
財務省次官ブラックチューリップ      百花  苑り
蝮蛇草古墳の主は女てふ          百花   

鋤きかへす土に混じつてゐる蛙       りえ  四ぐ苑百実天由幹恵
春めくや鼻はしやうじきなる器官      りえ  朝四亜苑不実由幹恵空
土筆野に器物損壊罪児童          りえ   
麗かや官憲たちの腰の物          りえ  四苑天幹恵
蓮如忌の逆看板の焼肉屋          りえ   
同じこと考へないで青き踏む        りえ  百実

如月の鋤ぐわぐわと踏まへけり       藤幹子   
蓬摘むかの隆鼻術施され          藤幹子   
開瞼器触るるちりちり蝌蚪泳ぐ       藤幹子 不天
紙風船ふところにして官邸へ        藤幹子 朝亜実
ねぢあやめ二十語ほどのありがとう     藤幹子   

われ鋤いて妻が種蒔く日和かな       空猫  朝四苑百由幹恵
鼻筋にきのうのバレンタインデー      空猫  実
わが妻の器量自慢や梅の花         空猫  苑由
大声の警官はしる春の泥          空猫  朝百
縺れ糸ほどきあぐねる春思かな       空猫  り

立てかける鋤の角度に春眠し        由季  四亜百不空
初蝶を見てゐる間鼻呼吸          由季  天
鶴引くや共鳴したる食器棚         由季   
歯のやうなものすこし見え官女雛      由季  四ぐ百不幹恵
猫の恋夜目にも光る瓦屋根         由季  ぐ空

鋤振ふたちまち二つ豆の花         不孤   
鼻血にじみやうやくやめる春愁       不孤  四恵
ほどほどの器ほどよく温む水        不孤  朝亜実天空
鳥雲に官報に行旅死亡人          不孤   
耳にボン・ジョヴィ手にBOSS缶の受験生 不孤  り

定位置に鋤の戻らぬ朧かな         亜紀  朝四実由空
鼻声で取りし電話やヒヤシンス       亜紀  り
電器屋の隣は花屋春の宵          亜紀  天
官報のバックナンバー暮かぬる       亜紀   
この浜のこの風の音桜貝          亜紀  朝百恵空
桃の花薬缶の重さみな違ふ         亜紀  朝百実り由恵
器量良き子猫貰つて行きしひと       亜紀  ぐ
海豹の後ろ姿の猪首めく          亜紀  ぐ

おほどかに亀嘶くや鋤は鋤         四童   
春の夜の鼻にかけたる自在鉤        四童  不り幹恵
どこぞにて貰ひし花器に春の枝       四童  亜
木蓮や悪だくみする事務次官        四童   
鳥雲に居留守の罪と留守の刑        四童  亜不

以上。(集計:不孤)

ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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