2012年3月4日日曜日

鋤鼻器官句会・投句一覧

お待たせしました。

【鋤】
おほどかに亀嘶くや鋤は鋤
たつぷりと山菜を摘み饂飩鋤
われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
春めくや鋤のかけらが遺構より
春昼の鋤振り下ろす翁かな
鋤かつぐひと春光へもぐり行く
鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
鋤振ふたちまち二つ豆の花
鋤放りだして基地なるげんげ谷
棚田鋤く石垣に日をうごかして
定位置に鋤の戻らぬ朧かな
如月の鋤ぐわぐわと踏まへけり
変換し鋤の字を知る恋の春
立てかける鋤の角度に春眠し

【鼻】
ゆきやなぎ名誉教授の鼻眼鏡
春の夜の鼻にかけたる自在鉤
春めくや鼻はしやうじきなる器官
春草食む馬の鼻先地にふれず
春眠に濡れてゐるのは獏の鼻
春爛漫つのかくしから鼻緒まで
初蝶を見てゐる間鼻呼吸
雛達のちひさき鼻の尖りをり
鼻筋にきのうのバレンタインデー
鼻血にじみやうやくやめる春愁
鼻声で取りし電話やヒヤシンス
蓬摘むかの隆鼻術施され
目貼剥ぐ膨らんでいる鼻の穴
麗かやフランシーヌの鼻濁音

【器】
きさらぎといふ管楽器高く低く 
どこぞにて貰ひし花器に春の枝
ほどほどの器ほどよく温む水
わが妻の器量自慢や梅の花
押すと開く春たけなはの炊飯器
開瞼器触るるちりちり蝌蚪泳ぐ
樺細工菓子器雛あられざらざら
器みな白に揃へて梅見の宴
器より器へ移す春の水
器量良き子猫貰つて行きしひと
菜の花を散らすサラダや木の器
春宵のホルモンといふ臓器かな
鶴引くや共鳴したる食器棚
電器屋の隣は花屋春の宵
土筆野に器物損壊罪児童

【官】
花粉用マスク官能小説家
官公庁みな上を向き長閑やなあ
官報のバックナンバー暮かぬる
見習が教官と飛ぶ春の空
財務省次官ブラックチューリップ
紙風船ふところにして官邸へ
歯のやうなものすこし見え官女雛
大試験無表情なる監督官
大声の警官はしる春の泥
鳥雲に官報に行旅死亡人
木蓮や悪だくみする事務次官
麗かや官憲たちの腰の物
恋猫の集まつてきし官舎かな
宦官やひばりの籠にかける布

【当季雑詠】
この浜のこの風の音桜貝
さへづりのふつと閑かな昔かな
チョコよりも雛あられ包みリボン掛け
ねぢあやめ二十語ほどのありがとう
ふらここや赤い草履の降りきたる
まだ会へぬ人へメールを雪柳
やよ弥生尾っぽ長短競いの件
海豹の後ろ姿の猪首めく
耳にボン・ジョヴィ手にBOSS缶の受験生
雛の日のえらそうにある鯉の髭
鳥雲に居留守の罪と留守の刑
桃の花薬缶の重さみな違ふ
頭にそひし枕のへこみ春の雪
同じこと考へないで青き踏む
猫の恋夜目にも光る瓦屋根
蓮如忌の逆看板の焼肉屋
縺れ糸ほどきあぐねる春思かな
蝮蛇草古墳の主は女てふ

(以上)

14句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月7日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から14句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

14 件のコメント:

  1. ★われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
    良き日和。日本昔話の導入部のよう。癒される世界。

    ★定位置に鋤の戻らぬ朧かな
    いつもの場所にいつもの鋤。ちゃんと無いと落ち着かないもの。

    ★春めくや鼻はしやうじきなる器官
    花粉症の人の実感なのかも。

    ★雛達のちひさき鼻の尖りをり
    最近じゃ雛の顔もずいぶんとハイカラになったそうな。

    ★麗かやフランシーヌの鼻濁音
    『フランシーヌの場合』はあまりうららかじゃないけれど。

    ★ほどほどの器ほどよく温む水
    なにごともほどほどが宜しいのです。

    ★花粉用マスク官能小説家
    鼻声は確かに艶っぽい。

    ★見習が教官と飛ぶ春の空
    この見習は堀ちえみかしら。春っぽさあるな。

    ★紙風船ふところにして官邸へ
    富山の薬売も官邸に行商するのです。

    ★大声の警官はしる春の泥
    牧歌的な感じがいいなぁ。警官というより駐在さんって感じかな。

    ★この浜のこの風の音桜貝
    桜貝にはそういう限定をさせる力がある。

    ★まだ会へぬ人へメールを雪柳
    ひと昔では考えられなかったことが、今じゃ日常茶飯なのだなぁ。雪柳の白が嘘っぽくてイイ。

    ★雛の日のえらそうにある鯉の髭
    なまずの髭も偉そうだけど、鯉の髭には敵わない。

    ★桃の花薬缶の重さみな違ふ
    ラグビー部の真鍮の薬缶のような。

    返信削除
  2. ○われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
     どこかのユートピアのようです。

    ○鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
     切断しなくてよかったです。

    ○定位置に鋤の戻らぬ朧かな
     凶器は鋤ですね。

    ○立てかける鋤の角度に春眠し
     切らずに「に」と置いたことにより発生する因果がじつにいい具合です。

    ○春めくや鼻はしやうじきなる器官
     意思に関係なく反応してしまうのですよね。

    ○春草食む馬の鼻先地にふれず
     そうなのですか。観察が行き届いています。

    ○春眠に濡れてゐるのは獏の鼻
     そんなリアルなものに夢を食べられたくないです。

    ○鼻血にじみやうやくやめる春愁
     私はさっき下血して春愁をやめたところです。

    ○きさらぎといふ管楽器高く低く
     「きさらぎ」という音の響きがそれだけで管楽器っぽくて、じつによいです。

    ○押すと開く春たけなはの炊飯器
     ただの炊飯器なのに、こう詠まれると佐保姫がご飯を炊いているようです。

    ○菜の花を散らすサラダや木の器
     菜の花の黄が引き立って美味しそうです。

    ○花粉用マスク官能小説家
     あんなパンツみたいなものを顔に装着するのはどう考えても変態的で、「官能小説家」がじつによいです。

    ○歯のやうなものすこし見え官女雛
     それ、ほんとうに歯なのかなあ。

    ○麗かや官憲たちの腰の物
     拳銃とかこん棒とかでしょうか。麗らかです。

    返信削除
  3. ●春めくや鋤のかけらが遺構より
    奇を衒わず素直なところをいただきました。

    ●鋤かつぐひと春光へもぐり行く
    坐五で引き立ちました。

    ●鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
    実体験とは思えませんがありそうに思えます。

    ●雛達のちひさき鼻の尖りをり
    類句はありそうですが、あぐらをかいた鼻はないでしょう。

    ●器量良き子猫貰つて行きしひと
    貰ったうちの猫も器量良しです。

    ●花粉用マスク官能小説家
    推理小説家では成功しなかった句。花粉と官能の相乗効果。

    ●見習が教官と飛ぶ春の空
    練習機では当たり前。空から飛び降りてパラシュートの開く
    スポーツでしょうか。やってみたい。

    ●歯のやうなものすこし見え官女雛
    ちょっとギョッですが、愛らしいです。

    ●恋猫の集まつてきし官舎かな
    官舎とは、あっけらかんとしているけど技巧あり。

    ●やよ弥生尾っぽ長短競いの件
    狙い目がわかる句ですが、あえて、狙いにはまってみます。

    ●海豹の後ろ姿の猪首めく
    これも素直過ぎる句。技巧派が多い中ではかえっていい。

    ●雛の日のえらそうにある鯉の髭
    いつも偉そうだけど、雛の日と特定したところが面白い。

    ●頭にそひし枕のへこみ春の雪
    季語がどうかなと思いましたが、何回も読み返した結果、
    いただくことにしました。

    ●猫の恋夜目にも光る瓦屋根
    猫の目が光る夜、さらに光を増す鬼瓦の不気味さ。これも
    素直な句。ウケ狙いの句より平凡な句を選びたくなる私。

    返信削除
  4. ○鋤かつぐひと春光へもぐり行く
    春の光が眩しいですね。

    ○立てかける鋤の角度に春眠し
    角度によって眠さが違うという発見。

    ○春めくや鼻はしやうじきなる器官
    正直という敏感。

    ○春眠に濡れてゐるのは獏の鼻
    夢が沢山ですね。

    ○麗かやフランシーヌの鼻濁音
    フランシーヌの場合は~を思い出しました。w
     
    ○どこぞにて貰ひし花器に春の枝
    あるある感があります。

    ○ほどほどの器ほどよく温む水
    何事もほどほどが宜しいようです。

    ○押すと開く春たけなはの炊飯器
    炊き上がりの美味しい湯気。

    ○見習が教官と飛ぶ春の空
    春が効いています。

    ○紙風船ふところにして官邸へ
    なさそうでありそうなところが良いです。

    ○恋猫の集まつてきし官舎かな
    うんうん、集まりそう。

    ○雛の日のえらそうにある鯉の髭
    えらそうな中七がよいです。

    ○鳥雲に居留守の罪と留守の刑
    罪と刑の住み分けが上手い。

    ○頭にそひし枕のへこみ春の雪
    テンピュールの枕ですね。w

    返信削除
  5. ☆われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
    羨ましいなー。ひとの暮らしのあるべき姿と思ほゆる。

    ☆春めくや鋤のかけらが遺構より
    浅春の質感があります。

    ☆鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
    びっくりした蛙くんはピョンと跳ねてゆきましたとさ。

    ☆棚田鋤く石垣に日をうごかして
    棚田に春の日差し。いいなァ。

    ☆ゆきやなぎ名誉教授の鼻眼鏡
    春の初めのゆきやなぎが老先生に優しい。どことなく漫画のひとコマめいています。

    ☆春めくや鼻はしやうじきなる器官
    平仮名表記に説得力。

    ☆わが妻の器量自慢や梅の花
    梅の花で老夫婦という感じが。微笑ましいじゃありませんか。

    ☆押すと開く春たけなはの炊飯器
    バカッと開いて、ブワーッと湯気が出て、ムッともして、たけなわ感あります。

    ☆見習が教官と飛ぶ春の空
    ここはバカバカしくもある春の空でないとね。

    ☆財務省次官ブラックチューリップ
    濁音効果。大蔵省ではあきまへん。

    ☆麗かや官憲たちの腰の物
    官憲という呼び方に籠められた揶揄と凶器でもある腰の物。「麗らかや」で決まりです。

    ☆恋猫の集まつてきし官舎かな
    官舎性があります。

    ☆雛の日のえらそうにある鯉の髭
    雛の日に説得力。

    返信削除
  6. ○われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
    老後は晴耕雨読、というのが一つの理想であった、昔。今では、そんなに土地は買えません・・・。ゴージャスですね。

    ○鋤かつぐひと春光へもぐり行く
    桃源郷です~。

    ○鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
    手とか足とか、傷つけなかったでしょうか。どきどき。

    ○立てかける鋤の角度に春眠し
    眠いから立てかけたのでしょうに。うまい。

    ○押すと開く春たけなはの炊飯器
    炊飯器ときて、ホントだ感。春たけなはがおいしそうです。

    ○見習が教官と飛ぶ春の空
    昔も今も、そうなのですね。

    ○歯のやうなものすこし見え官女雛
    ほんと、って、騙されちゃいました。揃って見えている雛もありますね。

    ○大声の警官はしる春の泥
    応援したくなります。

    ○恋猫の集まつてきし官舎かな
    単身赴任のおとこばかりの官舎。(に違いない)

    ○この浜のこの風の音桜貝
    もういくども見た形だけれど、やっぱり気持ちいい。

    ○まだ会へぬ人へメールを雪柳
    おなかのあかちゃんに。

    ○雛の日のえらそうにある鯉の髭
    えらそうで悪かったわね、と、代わりに言っておきます。遺伝ですもの。

    ○桃の花薬缶の重さみな違ふ
    雛祭り用に枝を下して、道行く人に大盤振る舞い。ありったけの薬缶を集めて。

    ○同じこと考へないで青き踏む
    同じことばかり考えているからこそ出来る句。ご同轍。

    返信削除
  7. ○棚田鋤く石垣に日をうごかして
    「日をうごかして」が俳諧でしょうか。

    ○立てかける鋤の角度に春眠し
    鋤を立てかけた横にへたり込んで壁に凭れていっとき眠り込んだ。

    ○春の夜の鼻にかけたる自在鉤
    イタすぎる。

    ○春めくや鼻はしやうじきなる器官
    見て見ぬふりは出来るけど、臭いばかりは思わず顔をしかめてしまいます。くしゃみも止めようとしても止められません。

    ○春草食む馬の鼻先地にふれず
    案外そうかもしれません。

    ○春眠に濡れてゐるのは獏の鼻
    春眠と獏の親和性。

    ○麗かやフランシーヌの鼻濁音
    フランス語、フランス人を代表しての「フランシーヌ」なのでしょう。

    ○押すと開く春たけなはの炊飯器
    「春たけなは」がいいですね。おにぎり沢山作ってお花見へ。

    ○開瞼器触るるちりちり蝌蚪泳ぐ
    未体験ですが、想像できます。

    ○見習が教官と飛ぶ春の空
    堀ちえみが浮かびました。

    ○歯のやうなものすこし見え官女雛
    そう言えば少し口開けてますね。

    ○恋猫の集まつてきし官舎かな
    居心地よさそうです、一等地で。

    ○宦官やひばりの籠にかける布
    凝ってますね。そういう仕事もあったかもしれません。

    ○鳥雲に居留守の罪と留守の刑
    オセロ中島の件が浮かびました。

    返信削除
  8. 今月からまたよろしくお願いします。

    ●鋤かつぐひと春光へもぐり行く
    気持ちよくフェイドアウト。

    ●鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
    なかなか気づかないところ。

    ●定位置に鋤の戻らぬ朧かな
    少し怖いです。怖さが朧で良いです。

    ●春めくや鼻はしやうじきなる器官
    その通り。

    ●鼻筋にきのうのバレンタインデー
    だからどうしたな感じが大好きです(笑)

    ●目貼剥ぐ膨らんでいる鼻の穴
    よく見ている。

    ●きさらぎといふ管楽器高く低く
    きさらぎは金属と合う気がします。

    ●ほどほどの器ほどよく温む水
    ほどほどが心地よいときも。

    ●押すと開く春たけなはの炊飯器
    目出度いご飯が炊けそう。

    ●花粉用マスク官能小説家
    淫靡な割りに間の抜けた感じが良いです。

    ●紙風船ふところにして官邸へ
    なぜそんなものを。

    ●まだ会へぬ人へメールを雪柳
    私も会えてない人だらけ。雪柳が良いです。

    ●桃の花薬缶の重さみな違ふ
    みんな適当にほうじ茶でも飲んでいるのか。長閑。

    ●同じこと考へないで青き踏む
    意外と難しいです。

    返信削除
  9. ○鋤きかへす土に混じつてゐる蛙

    混じっているという突き放した言い方が宜しいです。

    ○棚田鋤く石垣に日をうごかして

    原風景的な。いい感じの佳句。

    ○春草食む馬の鼻先地にふれず

    ていねいな描写。

    ○春爛漫つのかくしから鼻緒まで

    婚礼のハレの景色。めでたくて、良いですねえ。

    ○初蝶を見てゐる間鼻呼吸

    健気な感じに好感。

    ○ほどほどの器ほどよく温む水

    「ほどよく温む」というちょっとしたアレンジ。

    ○開瞼器触るるちりちり蝌蚪泳ぐ

    まぶたと蝌蚪。良い取り合わせ。

    ○菜の花を散らすサラダや木の器

    木の器とていねいに伝えきったところに好感。

    ○春宵のホルモンといふ臓器かな

    「ほうるもん」もまた臓器。なるほどなあ、と。

    ○電器屋の隣は花屋春の宵

    見たことのある景。季語は流した感じ。

    ○花粉用マスク官能小説家

    机仕事をしている上半身が見えてくるような。

    ○麗かや官憲たちの腰の物

    腰の物。たち。細部にコクがあります。

    ○やよ弥生尾っぽ長短競いの件

    「の件」って、どんな? ペット業者のビジネスメールみたいで、おもしろいです。

    ○雛の日のえらそうにある鯉の髭

    雛と鯉。なんともオツな。

    返信削除
  10. ○たつぷりと山菜を摘み饂飩鋤
     「うどんすき」もこの字だったとは。白と緑で美しい鍋になりそうです。

    ○ゆきやなぎ名誉教授の鼻眼鏡
     天才柳沢教授のような人?を思い浮かべました。

    ○春の夜の鼻にかけたる自在鉤
     あ、ソレ、ぶらぶらと。(痛い)

    ○春草食む馬の鼻先地にふれず
     しょりしょり、言う音が聞こえてくるようです。

    ○春眠に濡れてゐるのは獏の鼻
     宅の猫の鼻も濡れております。これで人の眠りを醒ますのだろうか?

    ○鼻声で取りし電話やヒヤシンス
     電話の相手が鼻声だと必要以上に可哀想な気がします。ヒヤシンスがそこに合う。

    ○麗かやフランシーヌの鼻濁音
     女性の鼻濁音ってセクシーなんでしょうか? それが花粉や鼻炎のせいでも。

    ○押すと開く春たけなはの炊飯器
     独特の速度で、ふあーと開く様子が「押すと開く」にあります。筍ご飯か?

    ○財務省次官ブラックチューリップ
     アラン・ドロンのことではないですよね? 音でいただきました。

    ○恋猫の集まつてきし官舎かな
     分譲やタワーマンションには集まりがたかろう。官舎の雑草こそ恋の現場。

    ○宦官やひばりの籠にかける布
     横手でラスト・エンペラー的なことが繰り広げられてそうです。

    ○耳にボン・ジョヴィ手にBOSS缶の受験生
     やるぜやるんだぜ、な姿勢の受験子。ボンジョヴィがなかなか。

    ○桃の花薬缶の重さみな違ふ
     某焼きそばのCFでケトルキープというのをやってました。みんな重さが違いそうでした。

    ○縺れ糸ほどきあぐねる春思かな
     しょっちゅうほどきあぐねて髪を振り乱しているので、ひとごととは思えません。

    返信削除
  11. ○われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
    少し威張っている感じが微笑ましい。

    ○鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
    怪我しなかったでしょうか。

    ○定位置に鋤の戻らぬ朧かな
    事件性のあるようなないような。

    ○春めくや鼻はしやうじきなる器官
    正直で不器用なんです。

    ○雛達のちひさき鼻の尖りをり
    横顔が並んでいるところが見えました。

    ○麗かやフランシーヌの鼻濁音
    音の響きにひかれて。

    ○わが妻の器量自慢や梅の花
    ここまで言われると楽しい。

    ○押すと開く春たけなはの炊飯器
    人工的な春たけなわ感が何ともいえません。

    ○花粉用マスク官能小説家
    非常にぴったりのものをもってきました。

    ○恋猫の集まつてきし官舎かな
    官舎というのがいいっですね。

    ○宦官やひばりの籠にかける布
    映画のシーンにありそうです。

    ○やよ弥生尾っぽ長短競いの件
    よくわからないのですが面白かった。

    ○雛の日のえらそうにある鯉の髭
    絶妙な取り合わせです。

    ○桃の花薬缶の重さみな違ふ
    持ってみないとわからない重さの違い。

    返信削除
  12. ○われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
    よろしい日和です。

    ○春めくや鋤のかけらが遺構より
    発見と春めくが重なって、気持ちふくらむ感じです。

    ○鋤かつぐひと春光へもぐり行く
    もぐり行くがいいです。光に質感。

    ○鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
    無事に出てきてくれたならほのぼの。

    ○棚田鋤く石垣に日をうごかして
    中七下五、いい。時間経過でもあり、鋤に照り返す日でもあり。

    ○春の夜の鼻にかけたる自在鉤
    何が吊られているのか、自分が吊られた気になる。

    ○春めくや鼻はしやうじきなる器官
    寒気も暖気もまっさきに鼻が知りますね。

    ○春草食む馬の鼻先地にふれず
    これは確かに。上手に一心不乱に食べている。

    ○雛達のちひさき鼻の尖りをり
    あの白い細面が並ぶとほれぼれします。

    ○目貼剥ぐ膨らんでいる鼻の穴
    エネルギーを感じていいです。

    ○見習が教官と飛ぶ春の空
    これはすてき。もちろん、何か航空関連の免許なのでしょうが、生身で飛んでいくようで楽しい。

    ○歯のやうなものすこし見え官女雛
    やうな、が感触として良くわかる。少しの違和感。

    ○麗かや官憲たちの腰の物
    あまり使った事がなさそうなのがいいです。

    ○宦官やひばりの籠にかける布
    どちらも籠の中なのですが。

    返信削除
  13. ○われ鋤いて妻が種蒔く日和かな
    いい日和。ほっとします。

    ○鋤きかへす土に混じつてゐる蛙
    移動中に巻き込まれてしまったんでしょうか。千切れてなきゃいいけど。

    ○棚田鋤く石垣に日をうごかして
    日をうごかすのがいい。影も見える。

    ○春の夜の鼻にかけたる自在鉤
    SMですかっ

    ○春めくや鼻はしやうじきなる器官
    匂いを嗅ぐ鼻は命に関わる大事な器官ですから正直なのが身上です。

    ○春草食む馬の鼻先地にふれず
    なるほど!確かにそのとおりです。

    ○鼻血にじみやうやくやめる春愁
    どんだけ愁いたんでしょう。可笑しいです。

    ○押すと開く春たけなはの炊飯器
    炊き込みご飯だったらいいなと。

    ○見習が教官と飛ぶ春の空
    やはり見習はドジでのろまな亀なんでしょうか。

    ○歯のやうなものすこし見え官女雛
    ああー、そう言われるとそうかも。よく見てる。

    ○麗かや官憲たちの腰の物
    官憲、腰の物。物騒だけど麗かで救われた。

    ○恋猫の集まつてきし官舎かな
    恋猫の必死さとは対照的にのんびりした感じがします。

    ○この浜のこの風の音桜貝
    思い出があったんでしょう。

    ○桃の花薬缶の重さみな違ふ
    微妙な違いなんでしょう。

    返信削除
  14. 丸一日遅れで申し訳ないです。。


    鋤かつぐひと春光へもぐり行く
     疲れは取れぬけれど畑仕事

    定位置に鋤の戻らぬ朧かな
     鋤の居所が気になります。

    立てかける鋤の角度に春眠し
     いい表現ですね。

    ゆきやなぎ名誉教授の鼻眼鏡
     鼻眼鏡そのものを見ることがなくなりました。

    春めくや鼻はしやうじきなる器官
     確かに!

    春草食む馬の鼻先地にふれず
     良く馬を見ております。

    春眠に濡れてゐるのは獏の鼻
     昼間になると乾いてしまうのですね。

    雛達のちひさき鼻の尖りをり
     可愛いも面立ちなのにツンとしております。

    きさらぎといふ管楽器高く低く
     きさらぎという響きが良いですね。

    ほどほどの器ほどよく温む水
     そうそうほどほどが一番。

    器より器へ移す春の水
     子供たちのままごと遊びはまだまだ続きます。

    花粉用マスク官能小説家
     意味もわからないのに選にしてしましました。。。

    この浜のこの風の音桜貝
     誰にでも懐かしむ風景があります。

    猫の恋夜目にも光る瓦屋根
     夜になっても猫の恋はおさまらず・・・

    返信削除