2012年7月12日木曜日

法令線句会・作者発表

発表です。

開きある六法全書明易し         朝比古     幹空
ががんぼに号令かけてしまひけり     朝比古     不亜恵空
足の指照らす線香花火かな        朝比古     ぐ苑亜恵
踏切の鳴りて薄暑の始まれり       朝比古     不亜恵

魔法瓶と白靴片方砂浜に         ぐみ    
令夫人お姿消ゆる木下闇         ぐみ      朝
夏空に運命線描く鴎かな         ぐみ    
極く細の明宏もいてパリー祭       ぐみ      苑幹
巴里祭初めて履きしハイヒール      ぐみ      朝苑

論法の三段目より蟾の顔         藤幹子     四ぐ
気をやれば琉金を吐くご令嬢       藤幹子     四不
線画から虹を起こしてゐるふたり     藤幹子     四亜空
立葵哨戒兵がそこらぢゆう        藤幹子     不空

綿虫やアマゾンで買ふ法然伝       苑を    
ほうこれが捜査令状蒸暑し        苑を      四ぐ不亜恵幹空
廃線の錆に蟻這ふ油照り         苑を    
たらちねのははやはらかし薔薇絡む    苑を      幹

魔法瓶の氷からんと星涼し        亜紀      朝四不恵幹空
妄想の薔薇の館や令夫人         亜紀      空
どこまでも罫線のなき夏野かな      亜紀      四不苑空
くちなしの花の淋しむ夜の雨       亜紀       朝
約束の断りきれぬ熟トマト        亜紀      不
棒切れを拾ひつつ行く海南風       亜紀      朝苑恵幹

説法の僧の片手に蝿叩き         空猫      朝ぐ恵
令嬢に招かれてゐる夏館         空猫      朝苑亜
乙女てふ一線越える毛虫かな       空猫      朝四ぐ亜幹
人肉を欲する甲冑いなひかり       空猫      四不苑恵

羽抜鶏法に護られ弾かれて        不孤    
令嬢の皓歯は見せず扇子の香       不孤      四幹
迅雷や有刺鉄線より視線         不孤      ぐ苑
法令線わらつてもすぐ梅雨顔に      不孤      ぐ

海の家開き法被にたたみ皺        恵       ぐ
令嬢の手つき線香花火もつ        恵       苑
送電線越え夕立がやって来る       恵       朝ぐ
梅雨の蝶傘を開くに要る両手       恵       四亜幹

紫陽花のあまねく蒲池法子かな      四童      朝苑亜
令状に赤青黄ある西日かな        四童    
曲線は先生が引く梅雨晴間        四童      ぐ不亜恵幹空
角ひとつ曲がり七夕のある街       四童      恵空

以上。(集計:不孤)

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