2012年6月7日木曜日

寝心地体感句会・作者発表

発表します。

サングラス寝台車から降りてきし     朝比古   
心臓も肝臓も喰ふ薄暑かな        朝比古 四由天
曖昧になりゆく地べたハンモック     朝比古 由ぐ
夏めくや存外尖る四面体         朝比古 ぐ
感度やや悪しきラジオや海の家      朝比古 天亜
黒き布掛かる写真機夏の山        朝比古 四空

鳴く鳥は今日も変わらぬ朝寝かな     空猫   
貧しくも心ゆたかに田植かな       空猫   
地球とて破滅に向かふ羽抜鳥       空猫   
この体空へと浮かぶ蛍狩         空猫   
香水の感じるままに恋をして       空猫   
洗濯機回しながらに髪洗ふ        空猫   

箱庭の灯篭ひとつ寝てゐたり       由季  四空亜
心音と水母のうごき重なりぬ       由季  四不天亜
ヘリコプター着地夏野をふくらませ    由季  朝四ぐ不天
ぼうふらの止めやうもなき身体かな    由季  天
直感で選ぶ金魚の面構へ         由季  朝
アマリリス咲かせ安心設計の家      由季  朝空不

辻褄を合はせてゐたる昼寝覚       亜紀  ぐ空
一心に滝を見つめて滝落つる       亜紀   
意地はつて地球に生きて金環食      亜紀   
体裁を構つてをれぬ夕立かな       亜紀  朝
ががんぼのががんぼといふ浮遊感     亜紀  朝不
渋滞の湘南ナンバー南風         亜紀   
中庭の緑雨見てゐる美術館        亜紀   
夜の噴水すとんと星をきらめかす     亜紀  朝天
無理やりのお願いひとつアマリリス    亜紀  由不

寝てゐればいいのと笑ふ紅薔薇      不孤   
水蚤の死因もとより心不全        不孤  四
白地図をミウラ折して夏山へ       不孤  由亜
体験乏しきががんぼの自負自足      不孤   
ぼうたんの持ち重りせる多幸感      不孤   
金環日蝕過ぎりて今朝の青葉冷      不孤  空

うたた寝に落ちるそのとき手にバナナ   天気  空
心より見た目がだいじ扇風機       天気  四空
雷に驚いてゐる地方都市         天気   
繭の香をまとひ体操着のふたり      天気  四由ぐ不亜
置きざりの水羊羹のあの感じ       天気  朝ぐ空亜
蝙蝠を連れブラジャーを売りにゆく    天気  朝由ぐ

百合の香や追ひつめられて寝台車     ぐみ  亜
銀色の筋ででむしの好奇心        ぐみ   
黒レース手袋露地に拾はれず       ぐみ   
長体の活字の揺らすハンモック      ぐみ   
感想を聞かれ正座すきゅうり揉み     ぐみ   
大みみず新体操して消えにけり      ぐみ  天
優曇華や水星よりの盗聴器        ぐみ   

腰重き寝だめ卯の花腐しかな       四童  不天
中心に線あるをとこ走り梅雨       四童  由ぐ不亜
とりどりの雨季訪れる地球かな      四童  由
比例して体積増えるみどりの夜      四童   
鈍感に覆はれてゐる五月闇        四童   
帆のやうに提灯連ね夕薄暑        四童   

以上。(集計:不孤)

 今回は空猫さんが完全試合達成でしたね。句柄がぶれない証しだと思います。しばしご歓談下さい。

1 件のコメント:

  1. いやぁ、これほどまでとはお恥ずかしい・・・
    次回も完全試合取らせて頂きます!!

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