発表します。
サングラス寝台車から降りてきし 朝比古
心臓も肝臓も喰ふ薄暑かな 朝比古 四由天
曖昧になりゆく地べたハンモック 朝比古 由ぐ
夏めくや存外尖る四面体 朝比古 ぐ
感度やや悪しきラジオや海の家 朝比古 天亜
黒き布掛かる写真機夏の山 朝比古 四空
鳴く鳥は今日も変わらぬ朝寝かな 空猫
貧しくも心ゆたかに田植かな 空猫
地球とて破滅に向かふ羽抜鳥 空猫
この体空へと浮かぶ蛍狩 空猫
香水の感じるままに恋をして 空猫
洗濯機回しながらに髪洗ふ 空猫
箱庭の灯篭ひとつ寝てゐたり 由季 四空亜
心音と水母のうごき重なりぬ 由季 四不天亜
ヘリコプター着地夏野をふくらませ 由季 朝四ぐ不天
ぼうふらの止めやうもなき身体かな 由季 天
直感で選ぶ金魚の面構へ 由季 朝
アマリリス咲かせ安心設計の家 由季 朝空不
辻褄を合はせてゐたる昼寝覚 亜紀 ぐ空
一心に滝を見つめて滝落つる 亜紀
意地はつて地球に生きて金環食 亜紀
体裁を構つてをれぬ夕立かな 亜紀 朝
ががんぼのががんぼといふ浮遊感 亜紀 朝不
渋滞の湘南ナンバー南風 亜紀
中庭の緑雨見てゐる美術館 亜紀
夜の噴水すとんと星をきらめかす 亜紀 朝天
無理やりのお願いひとつアマリリス 亜紀 由不
寝てゐればいいのと笑ふ紅薔薇 不孤
水蚤の死因もとより心不全 不孤 四
白地図をミウラ折して夏山へ 不孤 由亜
体験乏しきががんぼの自負自足 不孤
ぼうたんの持ち重りせる多幸感 不孤
金環日蝕過ぎりて今朝の青葉冷 不孤 空
うたた寝に落ちるそのとき手にバナナ 天気 空
心より見た目がだいじ扇風機 天気 四空
雷に驚いてゐる地方都市 天気
繭の香をまとひ体操着のふたり 天気 四由ぐ不亜
置きざりの水羊羹のあの感じ 天気 朝ぐ空亜
蝙蝠を連れブラジャーを売りにゆく 天気 朝由ぐ
百合の香や追ひつめられて寝台車 ぐみ 亜
銀色の筋ででむしの好奇心 ぐみ
黒レース手袋露地に拾はれず ぐみ
長体の活字の揺らすハンモック ぐみ
感想を聞かれ正座すきゅうり揉み ぐみ
大みみず新体操して消えにけり ぐみ 天
優曇華や水星よりの盗聴器 ぐみ
腰重き寝だめ卯の花腐しかな 四童 不天
中心に線あるをとこ走り梅雨 四童 由ぐ不亜
とりどりの雨季訪れる地球かな 四童 由
比例して体積増えるみどりの夜 四童
鈍感に覆はれてゐる五月闇 四童
帆のやうに提灯連ね夕薄暑 四童
以上。(集計:不孤)
今回は空猫さんが完全試合達成でしたね。句柄がぶれない証しだと思います。しばしご歓談下さい。
いやぁ、これほどまでとはお恥ずかしい・・・
返信削除次回も完全試合取らせて頂きます!!