2012年6月27日水曜日

夜想曲集句会・作者発表

お待たせしました。今回も満票が出ました。おめでとうございます。

新緑の夜に触りて帰りけり        朝比古 空恵由
想定を超えることなき扇風機       朝比古 亜由
関節のどこか曲がりてハンモック     朝比古 空恵由幹
あぢさゐに蒐集癖のありにけり      朝比古 四
蓮見舟うつろの顔の降りてきし      朝比古 ぐ幹

夜の客待ち続けゐる端居かな       空猫   
失恋もハンカチーフも想定内       空猫  四恵亜
青嵐曲がれば捨てる制御棒        空猫   
島中の子供集めて海開き         空猫  朝ぐ由
あぢさゐとあじさい寺に続く道      空猫  四

深夜二時震へてをりぬ花氷        ぐみ   
地下室の瞑想揺する遠花火        ぐみ   
準教授バナナと臍の曲がり方       ぐみ   
ガラス越し目玉集めて母水母       ぐみ   
人形のむずと西日に捕まりぬ       ぐみ  恵亜由
雄揚羽又一頭や展翅針          ぐみ   
入れ墨の蝙蝠ひそむ宇宙服        ぐみ   
噴水の三筋もつれて修羅場かな      ぐみ  空
eメール読みにぶんぶん横つ飛び      ぐみ   

夜の田へ足差し入るや土用東風      藤幹子   
想像を越へぬ優しさ柚子の花       藤幹子 恵
曲り家に厩くろぐろ旱雲         藤幹子   
集合と離散の内にラムネ干す       藤幹子   
夏蝶の両輪のごと求愛す         藤幹子   

夜鷹鳴く下草に足濡れている       恵   
開襟の麻シャツ思想家にはなれず     恵   朝空ぐ
象の曲芸見た日の陶枕の硬さ       恵   朝四ぐ亜由幹
滝壺に集まっている水の色        恵   朝四空ぐ亜由幹
空蝉の足絡まっている真昼        恵   朝ぐ

発電所夜ごと水母の集まれる       由季  四空恵亜幹
夏痩せて大きなものを想ふなり      由季  四亜
短調の曲を流して遊び舟         由季  朝四ぐ亜
氷菓手に集合場所に戻り来る       由季  朝四空ぐ恵亜
てんと虫見てゐてむせる赤ん坊      由季   

夏の夜の解体ショーを目の当たり     亜紀  恵由幹
構想のひとつ崩るる雲の峰        亜紀   
折り曲げしままのストロー夏惜しむ    亜紀  朝恵
集計の数字正しき蛍かな         亜紀   
曲名の分からぬ歌と桜の実        亜紀   
上海のことなど聞きてアマリリス     亜紀  朝四空ぐ由幹
貝風鈴島の石段登り切り         亜紀  幹

夜濯の中を見られてしまひけり      四童  朝空ぐ恵幹
まくなぎのやうな懸想をしてゐたる    四童  空由
まつすぐに曲線を引く夏燕        四童   
カチューシャで待ちをる夏至の収集車   四童  亜幹
きしきしとあまたまとへり洗ひ髪     四童   

以上。(集計:不孤)

しばしご歓談下さい。

1 件のコメント:

  1. とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

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