2012年9月16日日曜日

当季雑詠句会・投句一覧

 お待たせしました。

【当】
かなかなの鳴く樹見当つけてある
ししたうの当りやすくて好かれをり
待宵や当り障りの無き話
天高し当てがひ棒の透明に
当たり前すぎて気づかぬ赤のまま
当人の知らぬ噂や新豆腐
当然の報ひとしての石榴かな
当分の間眠れぬちちろかな

【季】
季節から季節へ鳥の渡りけり
季節のサラダ季節のスープさはやかに
君からの季のない返句秋の風
秋高し季語と季題に境なく
秋簾心当たりのなき季寄せ
青きバスつらね林檎の季節なり
天高し困つたときの岡田由季

【雑】
雑に積む放置自転車鰯雲
雑貨屋に突き当たりたる秋の暮
雑居ビルの破れ窓より秋の蠅
雑巾のからからにあり休暇明け
雑草に力残りて秋の雲
長き夜の雑な目鼻のぬひぐるみ
名月を転がしゆけば雑木山

【詠】
詠み人を言ひ当ててゐる星月夜
詠嘆の声の混じりて虫の夜
詠免は祈りのことば水澄めり
花野果て詠草風に吹かれけり
混みあへる雑詠欄へ小鳥来る
西国の詠み人知らず天の川
大瀧詠一うたふは秋の腹三分

【当季雑詠】
ゆるやかに人集まれり秋の雲
雨やんで風残りたる秋ざくら
貝釦付け替へてゐる良夜かな
学校と家との間蕎麦の花
象を呑みしうはばみの山星月夜
新蕎麦や靴をそろへて小上がりに
赤き灯の夜間飛行や虫の秋
太陽系水金地火木彼岸花

(以上)

7句選(特選、逆選なし)
選句締切:9月19日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から7句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

7 件のコメント:

  1. ★かなかなの鳴く樹見当つけてある
    見当はつけるのだけれど、大概居ない。

    ★秋簾心当たりのなき季寄せ
    買ったのか頂いたのか誰かが忘れたのか。確かに、ミステリアスだったりする。

    ★天高し困つたときの岡田由季
    王さんがジャイアンツの監督だったときの「ピッチャー鹿取」といった感じか。ただ、だれが困っているのだろう。

    ★雑に積む放置自転車鰯雲
    都心のふとした詩情。

    ★名月を転がしゆけば雑木山
    書割の月だろうか。

    ★貝釦付け替へてゐる良夜かな
    何故だか、愛を感じる。夏のほてりの残っている貝釦。

    ★新蕎麦や靴をそろへて小上がりに
    ちゃんとした蕎麦屋さんの風情。とりあえず板わさでぬる燗を。

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  2. ○ししたうの当りやすくて好かれをり
     獅子唐の辛いのを「当たり」というのは一般的ですが、まるで対人関係みたいに「当りやすくて好かれをり」と言った機知がすばらしいですね。

    ○季節のサラダ季節のスープさはやかに
     難しい題でしたが、さらっとかわした感がよいです。

    ○青きバスつらね林檎の季節なり
     林檎と並置したことにより、つるつるのバスの塗装の質感を感じます。

    ○雑巾のからからにあり休暇明け
     大掃除の記憶がよみがえります。

    ○長き夜の雑な目鼻のぬひぐるみ
     「雑な目鼻」、味わいがありますね。

    ○大瀧詠一うたふは秋の腹三分
     難しい題でしたが、すごいものを持ってきましたね。「秋の腹三分」の出典がいまいち分からず悔し。 

    ○ゆるやかに人集まれり秋の雲
     「人集まれり」の修飾語として「ゆるやかに」はなかなか出ないと思います。「秋の雲」もじつに適切です。

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  3. ○天高し当てがひ棒の透明に
    つっかい棒ののことでしょうか。天地を貫く透明な棒、壮大です。それとも、植木か何か?

    ○当人の知らぬ噂や新豆腐
    知らないままの方がいいです。つるんとしたスベリ感が合っている。

    ○天高し困つたときの岡田由季
    私も「季」で「岡田由季」さんを思ったので…。

    ○雑貨屋に突き当たりたる秋の暮
    突きあたりにありそうです、婆ちゃん一人のなんでも屋さん。

    ○花野果て詠草風に吹かれけり
    詠草も草のうちですか。いい感じです。

    ○混みあへる雑詠欄へ小鳥来る
    これも上手い。

    ○貝釦付け替へてゐる良夜かな
    しっとり、うっとり。

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  4. ○かなかなの鳴く樹見当つけてある
    かなかなの鳴き声、郷愁を誘われますね。

    ○天高し当てがひ棒の透明に
    透明によって季語が響きます。

    ○当人の知らぬ噂や新豆腐
    そんなに悪いうわさではないのでしょう。

    ○季節のサラダ季節のスープさはやかに
    旬のものが一番美味しいです。

    ○名月を転がしゆけば雑木山
    雑木山へ持っていったところが面白い。

    ○大瀧詠一うたふは秋の腹三分
    あっさり系ですね。

    ○ゆるやかに人集まれり秋の雲
    秋の雲がほっとしますね。

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  5. ○当人の知らぬ噂や新豆腐
    そんなに深刻な噂ではなさそうです。

    ○天高し困つたときの岡田由季
    お呼びですか。お役に立てるかどうか・・。

    ○君からの季のない返句秋の風
    気はあると思いたいですね。

    ○雑巾のからからにあり休暇明け
    なるほどと思いました。

    ○詠嘆の声の混じりて虫の夜
    人間の声とも虫の声ともとれます。

    ○花野果て詠草風に吹かれけり
    草の字が効いています。

    ○ゆるやかに人集まれり秋の雲
    シンプルに詠まれていて好印象です。

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  6. ★当然の報ひとしての石榴かな
    いろいろ人騒がせな石榴です。

    ★当分の間眠れぬちちろかな
    言い得て妙。

    ★ 君からの季のない返句秋の風
    「気のない」ではなかったのですね。

    ★雑貨屋に突き当たりたる秋の暮
    秋の暮なればこその事柄。

    ★長き夜の雑な目鼻のぬひぐるみ
    きっとメイド イン チャイナでしょう。

    ★名月を転がしゆけば雑木山
    気宇壮大です。

    ★混みあへる雑詠欄へ小鳥来る
    何故か大正時代の感じ。

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  7. すみません。寝込んでおりました。。。

    ししたうの当りやすくて好かれをり
     あの辛さが当たりやすいとは面白いです。

    天高し当てがひ棒の透明に
     「透明に」の表現が良いです。

    秋簾心当たりのなき季寄せ
     「季寄せ」にしても、知らない語があります

    詠み人を言ひ当ててゐる星月夜
     当たっていたら、もう一句。

    混みあへる雑詠欄へ小鳥来る
     混み合っていても小鳥が来る安堵感。

    ゆるやかに人集まれり秋の雲
     「ゆるやかに」とても親しみを感じます。

    赤き灯の夜間飛行や虫の秋
     軍事練習でないことを祈る。。。 

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