2012年9月24日月曜日

玉井詩織句会・作者発表

玉の井の釣瓶落しにまみれけり    朝比古   ぐ
新涼や手押しポンプで井戸を汲み   朝比古  
詩歌よりすこし離れて秋刀魚焼く   朝比古   四不苑亜
しづけさは織込み済みの十三夜    朝比古   ぐ
月光のすこし薬の匂ひかな      朝比古   四不苑亜

玉子割る音くぐもりて霧の朝     ぐみ    亜
築地裏ポンプ井戸あり秋の風     ぐみ  
詩画集と三個のレモン残されり    ぐみ    朝不
日もすがら膝に手織の秋袷      ぐみ  
ためらひの刃先光りぬ栗羊羹     ぐみ    亜

開けてもみよ今日の月なる玉手箱   苑を    四不
井の頭自然文化園は月夜       苑を  
詩編二三編づるづる手繰る藪枯らし  苑を  
十六夜や誰もをらぬに機織る音    苑を  
鶏卵の生温かき秋彼岸        苑を    四朝

勾玉の穴にすつぽり望の月      不孤    四亜
災害時提供の井戸萩の風       不孤  
詩がないと言はれつづけて木の葉髪  不孤    朝
その件は織込済みにて茸汁      不孤  
冬瓜や楊貴妃の枕ならばや      不孤  

替へ玉を追加してゐる良夜かな    亜紀    四朝不苑
秋霖や天井低き旅の宿        亜紀  
詩の言葉疲弊してゐる月夜かな    亜紀    朝
不織布の巾着袋居待月        亜紀    不
台風が来るぞ石鹸泡立つる      亜紀    朝苑
昨日今日明日かがやく秋の水     亜紀  
パソコンに眼の乾きたる子規忌かな  亜紀    苑

玉電の野菜めきたる秋の午後     四童    ぐ
下井草井荻嗚呼秋上井草       四童    ぐ
朗読の詩の怖ろしき夜半の秋     四童    ぐ亜
組織から逃れ藁塚にて愛す      四童    苑ぐ
秋彼岸すなはち秋の黴雨かな     四童  

以上。(集計:不孤)

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