玉の井の釣瓶落しにまみれけり 朝比古 ぐ
新涼や手押しポンプで井戸を汲み 朝比古
詩歌よりすこし離れて秋刀魚焼く 朝比古 四不苑亜
しづけさは織込み済みの十三夜 朝比古 ぐ
月光のすこし薬の匂ひかな 朝比古 四不苑亜
玉子割る音くぐもりて霧の朝 ぐみ 亜
築地裏ポンプ井戸あり秋の風 ぐみ
詩画集と三個のレモン残されり ぐみ 朝不
日もすがら膝に手織の秋袷 ぐみ
ためらひの刃先光りぬ栗羊羹 ぐみ 亜
開けてもみよ今日の月なる玉手箱 苑を 四不
井の頭自然文化園は月夜 苑を
詩編二三編づるづる手繰る藪枯らし 苑を
十六夜や誰もをらぬに機織る音 苑を
鶏卵の生温かき秋彼岸 苑を 四朝
勾玉の穴にすつぽり望の月 不孤 四亜
災害時提供の井戸萩の風 不孤
詩がないと言はれつづけて木の葉髪 不孤 朝
その件は織込済みにて茸汁 不孤
冬瓜や楊貴妃の枕ならばや 不孤
替へ玉を追加してゐる良夜かな 亜紀 四朝不苑
秋霖や天井低き旅の宿 亜紀
詩の言葉疲弊してゐる月夜かな 亜紀 朝
不織布の巾着袋居待月 亜紀 不
台風が来るぞ石鹸泡立つる 亜紀 朝苑
昨日今日明日かがやく秋の水 亜紀
パソコンに眼の乾きたる子規忌かな 亜紀 苑
玉電の野菜めきたる秋の午後 四童 ぐ
下井草井荻嗚呼秋上井草 四童 ぐ
朗読の詩の怖ろしき夜半の秋 四童 ぐ亜
組織から逃れ藁塚にて愛す 四童 苑ぐ
秋彼岸すなはち秋の黴雨かな 四童
以上。(集計:不孤)
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