2012年9月21日金曜日

当季雑詠句会・作者発表

当人の知らぬ噂や新豆腐       空猫    不亜由
秋高し季語と季題に境なく      空猫  
名月を転がしゆけば雑木山      空猫    朝亜ぐ
西国の詠み人知らず天の川      空猫  
雨やんで風残りたる秋ざくら     空猫  

待宵や当り障りの無き話       朝比古  
季節から季節へ鳥の渡りけり     朝比古  
雑巾のからからにあり休暇明け    朝比古   四由
詠嘆の声の混じりて虫の夜      朝比古   由
ゆるやかに人集まれり秋の雲     朝比古   四亜由空

天高し当てがひ棒の透明に      ぐみ    不亜空
青きバスつらね林檎の季節なり    ぐみ    四
雑草に力残りて秋の雲        ぐみ  
花野果て詠草風に吹かれけり     ぐみ    不由
赤き灯の夜間飛行や虫の秋      ぐみ    空

ししたうの当りやすくて好かれをり  不孤    四空
君からの季のない返句秋の風     不孤    由ぐ
雑居ビルの破れ窓より秋の蠅     不孤  
大瀧詠一うたふは秋の腹三分     不孤    四亜
象を呑みしうはばみの山星月夜    不孤  

かなかなの鳴く樹見当つけてある   由季    朝亜
季節のサラダ季節のスープさはやかに 由季    四亜
長き夜の雑な目鼻のぬひぐるみ    由季    四ぐ
混みあへる雑詠欄へ小鳥来る     由季    不ぐ空
学校と家との間蕎麦の花       由季  

当分の間眠れぬちちろかな      亜紀    ぐ
秋簾心当たりのなき季寄せ      亜紀    朝空
雑貨屋に突き当たりたる秋の暮    亜紀    不ぐ
詠み人を言ひ当ててゐる星月夜    亜紀    空
当たり前すぎて気づかぬ赤のまま   亜紀  
貝釦付け替へてゐる良夜かな     亜紀    朝不
新蕎麦や靴をそろへて小上がりに   亜紀    朝

当然の報ひとしての石榴かな     四童    ぐ
天高し困つたときの岡田由季     四童    朝不由
雑に積む放置自転車鰯雲       四童    朝
詠免は祈りのことば水澄めり     四童  
太陽系水金地火木彼岸花       四童  

以上。(集計:不孤)

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