2012年5月17日木曜日

田中理恵句会・作者発表

出陣のごとき田植の日なりけり      朝比古   
薄暑かな中華思想の人とゐて       朝比古 不四
理科室に少年二人さみだるる       朝比古 幹六四
恵まれぬ人とは誰ぞ夕薄暑        朝比古   
寺町の坂ゆるやかや若葉雨        朝比古 空亜幹六四

田植する父は背中で応へけり       空猫  六四
写生子も青葉若葉の絵の中に       空猫  百
屁理屈の僧の集まる安居かな       空猫  ぐ百
蟇恵みの雨を得てきれい         空猫  ぐ百
朧夜にひとり花を見る月を見る      空猫   

禅定の手を丹田にこどもの日       百花   
中身のない俳句もよろし海水着      百花  朝空亜六四
夏の森肌理こまやかな風とゐる      百花  亜不幹四
恵贈句集毎月十冊の暑さかな       百花  ぐ
大の字に寝て夏空を飛ぶごとし      百花  幹

背の高い男と田町朴匂う         六番町 朝ぐ
蚯蚓踏み中断したる口喧嘩        六番町   
理科室を出て薄暑の白衣かな       六番町 空亜
恵子という名前激減新茶汲む       六番町   
階下より口笛聞こえ五月来る       六番町 空亜幹百

小満や田の神さあの厚化粧        不孤   
藤は実に宙ぶらりんの中学生       不孤   
リラ冷の膝に教理問答集         不孤   
聖五月なぜか恵の付く女子ばかり     不孤   
風五月歌つて五輪三きやうだい      不孤  百

蛇の衣半田さん助けてください      藤幹子 ぐ
鯰いま谷中にゐます黒電話        藤幹子 亜不
大括弧に挟まるる理事蕗畑        藤幹子   
夏蛙知恵の輪のごと鳴きあへり      藤幹子 朝亜不百四
唾液腺きゆとほとばしる谷若葉      藤幹子 ぐ

葉桜の山につむじや羽田発        ぐみ  不幹四
社運とは等身大の水中花         ぐみ  不
蝦蟇鳴くや料理酒またも買ひ忘れ     ぐみ   
釣堀の在りかを問へり恵比寿駅      ぐみ  朝空亜
兄と選る紫色のカーネーション      ぐみ  空

スカイツリー目指してゆける青田波    亜紀  朝
青嵐途中途中にある道標         亜紀  朝
老鶯や仕掛けられたる心理戦       亜紀  ぐ
恵比須顔くづさぬ男夕薄暑        亜紀  朝空六百
嫁といふ立ち位置にゐて額の花      亜紀  朝空不
城跡に古き井戸あり遠郭公        亜紀   
丁寧に青梅のへそ取つてをり       亜紀  ぐ六四
詩碑のある浜を歩いて行く夕焼      亜紀  空百

丹田に重さを預け卯波かな        四童  幹六
中心で棒持つ生徒夏来る         四童  ぐ六百
くろぐろと梅雨闇といふ理性かな     四童   
蛇ゆゑに知恵の言葉の長きかな      四童  不幹
赤チンを塗つて些か蜥蜴めく       四童  朝亜不幹六

以上。(集計:不孤)

 しばしご歓談下さい。

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