2012年4月24日火曜日

上林春松本店句会・作者発表

お待たせしました。

北窓を開きてすこし上の空        朝比古 ぽ空由
大林組の工事が春天へ          朝比古 ぐ不り
をんをんと春の卵の回りけり       朝比古 亜り
花過の江戸城松之大廊下         朝比古   
行春の古本ごみのごとく売る       朝比古   
春陰のたつぷり中華料理店        朝比古   
ゆるやかな起伏に放つ春の駒       朝比古 不ぽ六四

ピーポーと桜前線上きげん        ぐみ   
新入生ヒラリン漢字は平林        ぐみ   
鳥交る春信の絵の息づかひ        ぐみ  六
蝶鳴けりこれでいいのだおそ松くん    ぐみ  不恵
本日の花見日和に背を向けり       ぐみ  不
花散りぬ恋失ひて店辞めて        ぐみ   
猫の鼻花びら嗅ぎて花いろに       ぐみ   

たんぽぽや上ばかり見て疲れたる     不孤  空恵
林美雄没後ラヂオは聴かず四月馬鹿    不孤   
春荒肌荒大阪の叔母さん来る       不孤   
松たか子春スカーフの賢夫人       不孤   
いづれ蝌蚪か蛙か厚木本厚木       不孤  り
店長を息子に譲り蝶三昧         不孤  ぐ由
松本店探して迷ふ雪解風         不孤   

花冷の明神さまの上に雲         六番町   
人骨の出て穀雨の竹林          六番町 ぐ不恵
春待ちて待ちくたびれてカラス鳴く    六番町   
松磨く風こそすがし光悦忌        六番町   
坂多き本籍地なり茗荷竹         六番町 り恵
囀や駅の売店手際良し          六番町 朝亜ぽり
鶯の声エンドレス商店街         六番町   

見上げつつ腰をいたわる花見かな     空猫   
林より森の明るき鳥の恋         空猫  朝由四
ボクサーの秘めたる笑みや春の蝶     空猫   
松原にひとりふたりの暮春かな      空猫  六
愛犬に本音を漏らす初桜         空猫  朝六由
店番の眠る老婆や花吹雪         空猫  四恵
フラスコに残る水滴春惜しむ       空猫  朝亜ぽ

たんぽぽのわた吹くけふの上機嫌     亜紀   
竹林のざわめきを行く暮春かな      亜紀  朝由恵
春雨の止んでしまひしチャプチェかな   亜紀  六
看板は松下電器春惜しむ         亜紀  朝ぐぽ四恵
本筋を離れて来たる花大根        亜紀   
支店より支店へ飛びぬ蝶の昼       亜紀   
ひと匙の上白糖や春惜しむ        亜紀  朝ぽ六四恵
出来立てのマカロニサラダ春の雨     亜紀   
板チョコを分け合うてゐる桜かな     亜紀  朝
花疲れ電車の遅延知らされて       亜紀  ぐ

最上階専用エレベーターの春       由季   
砂防林つづく砂丘も春の闇        由季   
春惜しむ東急ハンズうろつきて      由季  空
松の芯遠くのビルの照り返す       由季  亜空
豆本のできあがるまで花の雨       由季   
のどけしや店舗を持たずあきなへる    由季  ぐ亜不ぽ六り四恵
スパイスの名前連なる霾ぐもり      由季  朝亜四

上流のどこかで桜散っている       恵   ぐぽり由四
緑立つ防潮林を風が来る         恵   
春昼の急須いっぱい茶葉開く       恵   亜不ぽ
木の芽雨かすかに日比谷松本楼      恵   
本物の春の星なら手に馴染む       恵   空
店番の少女は本を読み晩春        恵   
風船の膨らむ気配していたり       恵   ぐ由

空よりもくも上にある日永かな      ぽぽな   
シャンパンの泡の森林春の宵       ぽぽな 亜不六由四
幕すこし開けて客見る春の宵       ぽぽな 不六り由
クッキーの市松模様春うれい       ぽぽな 不り空
母方は日本人ですチューリップ      ぽぽな 朝ぐ亜空由四
店先に春の光を待たせおく        ぽぽな ぐ六空由四恵
鞦韆は止まる地球と距離を置き      ぽぽな 空

橋の上のひと立ち止まる春の月      りえ  亜ぽ
ノヴァークが林のなかで鳴つてゐる    りえ   
春宵や牛乳石鹸よい石鹸         りえ   
春燈の松本楼のエビフライ        りえ   
本妻にたてつき花の塵が沸く       りえ   
店番がチエーホフ読んでゐたりけり    りえ   
蝶購つてひたひにしるしされたやう    りえ   

ぬるみたる上善如水かな         四童  り
朧夜を林隆三立ちこめる         四童  ぐ
つぎつぎと人から春となりにけり     四童  亜恵
美味すぎる松屋のカレー弥生尽      四童  朝
春昼の箱にあまたのぞつき本       四童  り
客よりも店員おほき日永かな       四童  不ぽ六空
佐保姫の尻子玉抜く春夕立        四童  空

以上。(集計:不孤+四童)

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