2012年10月9日火曜日

佐川急便句会・作者発表

颱風裡佐々木と代々木見間違ふ    朝比古   苑不天由ぐ
青蜜柑提げて川崎球場へ       朝比古   不
天高しびゆわんびゆわんと超特急   朝比古   ぐ
旅にゐて釣瓶落しに便乗す      朝比古   ぐ
雨音を吸ひ込んでゆく鶏頭花     朝比古   不四天亜

佐山哲郎句集のところどころ雲    天気  
香川県うどん以外もがんばれよ    天気  
蟋蟀のひたひが急にねむくなる    天気    苑朝不四由
白鳥の来たり便座のあたたかし    天気    苑四亜
朝刊に落ちて転がる巨峰かな     天気    苑朝不ぽ四

そぞろ寒死して中佐に昇級す     ぽぽな   ぐ
臨月がはじまる昼の天の川      ぽぽな  
急用の人が過ぎゆく秋の蝿      ぽぽな  
満月の帰りの便の予約をす      ぽぽな   朝不亜
夜なべして隣の曲調が変わる     ぽぽな   四

猿飛佐助像秋の雲に乗り       由季  
前奏はピアノでありし秋の川     由季  
阪急も阪神もなく秋黴雨       由季    四
月の夜は帽子目深に郵便夫      由季    苑
鰯雲犬が開けたる自動ドア      由季    苑朝ぽ四天亜ぐ

蟷螂の斧佐幕派の裔として      不孤  
赤とんぼ川の向うは川崎市      不孤    苑天
野分中急な用事と言はれても     不孤    ぐ
ある朝の便座のぬくみ神無月     不孤    苑天由
腹見せて喉元見せて秋のライオン   不孤    ぽ天亜由ぐ

秋の灯にゆれて伊勢佐木あたりかな  ぐみ    朝不ぽ四亜
汝の指の我がおとがひに天の川    ぐみ    ぽ
一本の月の光の急階段        ぐみ    ぽ天亜
文字化けの電脳便や虫の夜      ぐみ  
缶詰の白桃の身に大き穴       ぐみ  

土佐産の柚子の実ばかり運ばるる   亜紀    朝不ぽ由
月の夜の蛇行してゆく川面かな    亜紀    朝
秋の夜の救急箱の匂ひかな      亜紀    ぽ天由ぐ
妖精と便乗したる霧の夜       亜紀    ぽ
近づいて空気ひんやり曼珠沙華    亜紀    朝
行く先はナルニア国や草のわた    亜紀    苑由

伊賀上野「佐助」の暖簾野分立つ   苑を  
枕から川の音する萩の宿       苑を    四天亜
秋雨止まずやゝ急いてゐるピアノ   苑を    不亜由
ちちろ鳴く郵便局に灯のともる    苑を    朝
秋風やジャズの流れる運河の面    苑を  

百体の龍馬を並べ土佐の秋      四童  
翠川敬基飛び交ふ夜半の秋      四童  
急行に抜かされてゐる竈馬かな    四童    由
赤文字の便から済ます鰯雲      四童  
途中から秋の黴雨となりにけり    四童    ぐ

以上。(集計:不孤)

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