2012年8月11日土曜日

感染呪術句会・作者発表

新宿の感度の悪しき西日かな      朝比古   四ぐ
はんざきが影に染つてゆきにけり    朝比古    
呪はれしごとくに溶けてアイスクリン  朝比古   苑亜恵
手術室点つてゐたり緑の夜       朝比古    
競争のやうに帰省の船降りる      朝比古   ぐ

蛍飛ぶ予感につなぐ指と指       ぐみ    
藍染の作務衣サングラスも在庫     ぐみ    
呪はれて胡瓜曲がりぬし・し・し    ぐみ    
飛行船夏潮浴びる術知らず       ぐみ    
夏木立青き焔をこらへかね       ぐみ    

感嘆付どどと押し寄せ熱帯夜      苑を    恵
染料の壺並びをる晩夏の町       苑を    四朝亜
呪詛流すための夕立だと思ふ      苑を    恵
忍術で木耳となり吹かれをり      苑を    朝亜
反省も夏痩せもせず爪を切る      苑を    朝恵

髪洗う第六感は外れがち        恵    
髪をおろす西日に染まらないように   恵     ぐ
祝いつつ呪いつつハンカチを振る    恵     四苑亜ぐ
日盛の奇術師に影ひとり分       恵     四苑亜
法事終われば石榴の実まだ青い     恵     苑朝亜

感嘆符打つてわたしの夏終る      亜紀    苑
ふるさとやかなかなの空染まりゆく   亜紀    朝
水澄めり呪解けたるやうに澄む     亜紀    四恵
一切の術知らぬまま胡瓜揉む      亜紀    四
そこここに蟻の穴ある地方都市     亜紀    ぐ
ずるずると残暑引きずる鉄鎖かな    亜紀    
滝を見て滝を語らぬままにをり     亜紀    苑ぐ

感極まる法令線や雲の峰        四童    
箱庭に染物屋ある水の色        四童    恵
夜の秋の椅子の呪ひの深まれり     四童    
術中にはまつてからの夜涼かな     四童    
ラケットを団扇にしたらそこで負け   四童    朝

(以上)

集計:四童

 今回はぐみさんが完全試合達成ですね。四童も絶不調。しばしご歓談下さい。

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