2012年2月22日水曜日

山﨑静代句会・作者発表

お待たせしました。

築山のふもとに春のショールかな     朝比古 ぐ
かげろふのかなた川崎重工業       朝比古 苑亜り不恵
紋白蝶紋黄蝶よりやや静か        朝比古 百苑亜由
桜守いつも代弁するやうに        朝比古   
草餅や母に御辞儀をしたる父       朝比古 四苑

春場所やチェコの国負ふ隆の山      ぐみ   
東京の長崎に叔父鯥五郎         ぐみ  不天
図書館で花図鑑繰る一人静        ぐみ   
まういいかい千代紙雛も出を待つて    ぐみ   
目鼻なき姉様人形さくら餅        ぐみ  四苑恵
スコップの直立不動おぼろ月       ぐみ   

山削る音のありけり春間近        空猫  苑
剣崎から洲崎に春の虹          空猫   
雪解に応える音の静かなり        空猫  朝百
君が代の意味も知らずに卒業す      空猫  ぐ
この人も磨けば光る春の雪        空猫  り天

寺山も太宰も春の闇にゐし        苑を  四朝百亜不恵
山崎製パン工場デカし凍返る       苑を  ぽ
静しづと白梅ぱかんと紅梅        苑を   
君が代は千代に八千代に種浸し      苑を  朝百亜り空由ぽ恵
ランナーがつぎつぎと来る二月尽     苑を  四亜空由

春の山なら花柄の魔法瓶         天気  四朝百空由恵
春なれや大きな声の田崎潤        天気  朝り
静かではなくなる湖畔早春賦       天気  ぐ恵
地虫出ず歌ひはじめの八代亜紀      天気  ぐ亜りぽ恵
いつ見てもほれぼれとする耕耘機     天気  四百苑亜由恵

一山をくづしてヘタレ蜜柑剥く      不孤   
山﨑のおばあちやんちの春炬燵      不孤  百由
静岡の五〇六粁春の海          不孤  天
くぼ地めく世田谷代田猫の恋       不孤  天
まんさくや芸人にして拳闘手       不孤  ぐ

春炬燵山と積みたる旅ガイド       亜紀  ぐ
京急に乗つて三崎へ春めきぬ       亜紀  朝苑由
磯巾着ほどに静かにしてをりぬ      亜紀  朝百り天由ぽ恵
代役を決めかねてゐる木の芽時      亜紀  苑空
冷静になれとふらここ漕いで恋      亜紀  不
蜃気楼見知らぬ人の横に立ち       亜紀  朝百苑由ぽ恵
後ろから手渡すバトンあたたかし     亜紀  ぐ空
踏み板を踏んで跳び箱バレンタイン    亜紀  ぐ空

山頂の歯ブラシ春の水ふふむ       百花   
玻璃越しに雛が海見る石廊崎       百花  り空不ぽ
たつぷりと静脈注射して花見       百花  四朝不由恵
代理母の何がなにやら春の虹       百花  り
紀元節すめらみことの御不自由      百花  ぐ

足跡も毛も落ちてゐる芽吹山       由季  百不天
川崎の地下も地上も朧なる        由季  朝
水槽に静かなものを飼ふ日永       由季  ぐ亜不ぽ恵
鶴帰る古代紫色の空           由季  ぐぽ
末黒野に超軽量の傘ひらく        由季  百苑亜り不天ぽ

包帯を巻く時痛い山笑う         恵   
川崎に風の道ある日永かな        恵   亜
春昼の影を静かに切り離す        恵   四朝苑空不由ぽ
第二十五代佐保姫を襲名す        恵   四ぽ
透明な息の留まり針供養         恵   

剣山を置く如月の水の中         ぽぽな 朝百亜り空不恵
島崎の本名春樹春の雨          ぽぽな ぐり天
春の灯に雨の静かなあなたかな      ぽぽな 亜
猫の子を撫でたり千代紙を折ったり    ぽぽな り空

山笑ふ当帰芍薬散の箱          りえ  四天
三崎行き急行に寝て猫柳         りえ  天
麦踏の静かに進む線路脇         りえ  四由
代替わりして倍ほどの野を焼けり     りえ  四朝百亜不由
天然の頭の株を保全する         りえ  四
動物の病院を出て春驟雨         りえ  苑天ぽ
読み仮名に眼をこらす余寒かな      りえ  苑空天

佐保姫にくすぐられ山こらへをり     四童  ぐ
世の終はりのための山崎春のパンまつり  四童  不
春昼の長さよ静臥のち発芽        四童  り
紀元節生まれの紀代子百弐號       四童  天
カーテンを開ければ春の立つてをり    四童  空ぽ

以上。(集計:不孤)

ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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