2012年2月9日木曜日

雑魚場架道橋句会・作者発表

お待たせしました。

雑司が谷界隈雪解水すこし        朝比古 天
雪もよひ魚から魚の出てきたる      朝比古 ぐ亜恵由天四ぽ
白魚のいま愁嘆場かと思ふ        朝比古 天
十字架を止り木にして寒鴉        朝比古 空
待春や地図に五色の道伸びて       朝比古 恵由空
鉄橋に数多の隙間ぼたん雪        朝比古 ぐ亜百恵不由
階段に跳ね返りたる年の豆        朝比古 ぐ百

黒々と雑木を染めて冬夕焼        ぐみ   
凍星の視線の先に人魚像         ぐみ   
場違ひの牧師姿や福は内         ぐみ   
吐く息をあつめて架かる冬の虹      ぐみ  百恵不
看板の明りのはしやぐ雪の道       ぐみ   
あやとりの橋にも飽きし炬燵かな     ぐみ  亜
一月の往ぬる速さのいぶかしく      ぐみ   
ストックの雪まで降らしてしまひけり   ぐみ   

雑音めく無名芸人春浅し         空猫  ぐ不
荒川の魚きらりと春近く         空猫   
雪女郎その場限りの恋をして       空猫   
冬了る架空名義の領収書         空猫  ぽ
雪解野や人行くあとに道できる      空猫   
凍橋の鬼来ぬうちに通りやんせ      空猫   

雑巾の針目正しく冬日の母        百花   
魚の目に丸ひとつ貼り鬼は外       百花  不四
梟の両眼磁場の閉曲線          百花  不空
架屋より洩れ来る声や光堂        百花   
林道の始めひろびろ鷹の天        百花  恵空
待ち人や橋のたもとの雪だるま      百花  亜
ラガー等へ声の限りをマネージャー    百花  朝亜

冬の人とふ言ひ方はかなり雑       天気   
翻車魚がゆつくりよぎる冬の恋      天気  由四
とりどりの毛皮なみうつ場末かな     天気  朝百恵不
いづくへか毛布を運びゆく担架      天気  亜百恵不由
立春のこんにやくえんままでの道     天気  ぽ
風花の橋をくぐりて水に落つ       天気   
人形に空気ふきこむ春隣         天気  朝恵

雑念のかたまりとなる蒲団かな      不孤  朝百恵由ぽ
水温む魚類図鑑は初版のまま       不孤   
寒鴉ここは場末の四流校         不孤   
冬の晴少したるませつつ架線       不孤  由
道なりにと顎で答へぬ冬帽子       不孤  ぐ
冴返る浅川マキの赤い橋         不孤   

複雑なことをやさしく梅の花       亜紀  ぐ百不ぽ
公魚のからりからりとみな揚がる     亜紀   
お台場に雪降る朝や女神像        亜紀   
覚へなき架空請求冴返る         亜紀   
歩道橋の下に道あり春立ちぬ       亜紀  ぐ
橋脚に水ひたひたと風光る        亜紀   
蜃気楼欠伸ひとつをかみ殺し       亜紀  朝不
地下通路長々歩く春の昼         亜紀   
淡雪や駅頭に買ふミントガム       亜紀  ぽ

雑念やさらに黄蝶もあらはれて      由季  朝天四空
向き変へる大きな魚群春の星       由季  朝百四ぽ
球場の音を集めて浅き春         由季   
画架のある部屋に眠れる四温かな     由季  朝亜百空
風邪心地道路工事の穴深し        由季  ぐ
きさらぎの橋の途中で雨が降り      由季  天
蓋をして消ゆる炎や寒椿         由季  朝亜百天ぽ空

春浅し名前呼ばれるまで雑誌       ぽぽな 天
霜の夜汝のくちびるが少し雑       ぽぽな   
年の豆池の魚を起こすかも        ぽぽな   
如月の水斎場に運ばるる         ぽぽな 不四
浅春の倉庫にホース担架ほか       ぽぽな ぐ由天四
歩道から春愁の影はみだして       ぽぽな 空
あやとりの橋を伝って春の星       ぽぽな 恵空

立春の九割方を雑念で          恵   ぐ由四空
春寒の簡単に描くさかなかな       恵   朝天四ぽ
道場に神棚ひとつ冴返る         恵   朝百四ぽ
かまくらを塞ぎ架空の姉妹        恵   四
道野辺の根雪は泥にまみれ蹴る      恵   
雪解けの橋を潜ってこそばゆい      恵   
余寒なお血圧計が嘘をつく        恵   ぐ亜由空

雑巾で行こう隅々まで如月        四童  由天ぽ
のたうつてをり寒鰤亜紀の化石      四童  天
ホームランも馬券も場外の早蕨      四童   
火花散る架線めぐらせ鳥曇        四童   
稠密な公道写真日脚伸ぶ         四童  亜
橋の下に春の水なる流れ者        四童  亜不
春が来て変なところに夜を入れる     四童  恵

以上。(集計:不孤)

ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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