2014年2月17日月曜日

万能細胞句会・作者発表

万屋の軒にかかりし巣箱かな     朝比古   独ぽ
春炬燵母に万能薬ひとつ       朝比古   ダあた亜四
浅春の細き管より細き水       朝比古  
細胞の一部透きゐる春障子      朝比古   ダぽ四
千代紙に和の色多し春の月      朝比古  

万田ちがふ萬田ですから春日傘    海太  
能く進め舞台へ続く蜷の道      海太  
細君淀君どつちもどつち家朧     海太  
家康の胞衣塚蜥蜴穴を出づ      海太    あ
天功の種も仕掛も黄沙来る      海太    あ

如月の棚に伊万里の青ならぶ     ぽぽな   ダ朝た亜
効能の文字の小さき余寒かな     ぽぽな   ダ朝け亜独四
春光を入れ飴細工できあがる     ぽぽな   朝た四
細胞の種類いろいろ春兆す      ぽぽな   朝苑
春光の紅白帽を裏返す        ぽぽな   ダ朝苑

万年筆と手と睦み合ふ春隣      ダイスケ  けぽ
能楽堂舞はれ謡はれ春満ちゆく    ダイスケ  
スイートピー細き花瓶に細き指    ダイスケ  け独
春立つや胞子のぴつと飛びゆける   ダイスケ  苑
雪の校庭真ん真ん中の雪だるま    ダイスケ  あけ

万能と云えど無自覚クロッカス    けんじ   あ
無能なることの美し春の月      けんじ  
細分化されし似顔絵春時雨      けんじ   海あ独ぽ
同胞の散り散りとなり迎春花     けんじ   亜独
如月や相性のよき裁鋏        けんじ   苑独ぽ四

万葉の空ひろがりし二月かな     あんこ   苑た亜
きさらぎの空気の満ちし能舞台    あんこ   ダ苑た
源泉の細く滲み出す春の山      あんこ   朝け
ぼたん雪細胞夢を見てゐたる     あんこ  
さつきより星増えてゐる受験生    あんこ   朝苑たけ亜ぽ四

寒の明け万歳をして眠る猫      独楽    ダ朝苑海亜
嫌なこと忘れる機能春の雪      独楽    あたけぽ四
猫の子のか細き声を見守りぬ     独楽    あぽ
同胞と呼ぶを寂しき余寒かな     独楽    け
早春の杖つく人の杖の影       独楽    朝四
薄氷を天の戒めとぞ思う       独楽  

早春のソチに揺るるよ万国旗     亜紀    朝
紅梅の咲いて能弁なるをとこ     亜紀    苑海独
朧夜の伝達事項細々と        亜紀  
つぎつぎと細胞分裂水温む      亜紀    苑海け
窓拭きの腕を大きく二月来る     亜紀    独ぽ
東京タワー五色に灯し春立ちぬ    亜紀    朝海
春隣椅子上げて待つルンバかな    亜紀    海独四

万葉の里は畦道つくしんぼ      たろう  
よりもどす細君ぽっちゃり細魚喰う  たろう  
能天気ひねって昇るや龍天に     たろう  
百歳の同胞ほがらにちゃんちゃんこ  たろう   海亜
ふっくらは卑弥呼のひみつ日脚伸ぶ  たろう   海四

春浅し父の愛した万年筆       苑を    独
能面の壁に並びて春の雪       苑を    ダ海た四
裏木戸の閂を引く細雪        苑を    亜ぽ
ふつふつと胞子増殖して立春     苑を    た
牡丹雪ビニール傘を明るうす     苑を    あ亜

万力のやうな人生日脚伸ぶ      四童    ダけ
十能を撫でまはしては炭をつぐ    四童    海け
細胞のひとつひとつが春を待つ    四童    ダ苑あた亜独ぽ
同胞に叱られてゐる春隣       四童  
涙ほど春を含みて寒の雨       四童    ダ海あた

以上。(集計:不孤)

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