2013年6月7日金曜日

矢口真里句会・作者発表

集計を早まって独楽さんの選を落してしまいました。大変失礼いたしました。ごめんなさい。

草矢飛べ吾が少年の日々にまで    直子    ぽ
くちなはの口開けてゐる午後三時   直子    四
まひまひを神父指さす真昼かな    直子    四
三里ほど遠回りする帰省かな     直子    海独
サルトルが覗く厠の蟻地獄      直子    露

虎が雨矢面に立つさびしさよ     露結    直独
口髭や喋らぬままにソーダ水     露結    直
らつきよ漬真価のごとく輝けり    露結    幹朝亜
巴里祭やバスは小雨をわけてゆき   露結    あ不直亜
気の重き薔薇の束ねてありにけり   露結    海幹あ朝ぽ亜

弦は矢を離したがらず籐寝椅子    海太    亜
減らず口はつきり解る木下闇     海太    幹
大阪や八百九橋目の真夏       海太  
駅が消え蛍が消えて里残る      海太    幹あ亜
箱庭は褒めよドロップ舐めとほせ   海太    不

矢印を辿りてゆけば草いきれ     朝比古   海幹あ四独
夕焼の蛇口に唇の近づきぬ      朝比古   露幹あ亜
真つ青なひとところあり熱帯魚    朝比古   不直四独
故里の土に汚れし水鉄砲       朝比古   海ぽ
麦秋のノギスの小さき目盛かな    朝比古  

催促は矢より速けれ雲の峰      藤幹子  
花紫蘇や青きトタンの勝手口     藤幹子   海露あ不直独
心太鑑真像の襞めぐり        藤幹子   露
ふる里のパノラマ模型夏の月     藤幹子   直朝ぽ
焼き肉といふ儀式あり青簾      藤幹子   あ朝四亜独

矢のごとく降り始めをり未草     あんこ  
香水の重く残りし非常口       あんこ   海露幹不ぽ四亜
ソーダ水からだの真中抜けてゆく   あんこ   直朝四亜
滴りや落人の里近づきぬ       あんこ   直
夕焼を傾けヴァイオリン弾けり    あんこ   幹朝ぽ四亜

三ツ矢サイダー飲み干してまた遊ぶ  独楽    不朝
短夜の口内炎がまだ痛い       独楽  
真相を隠しバナナの叩き売り     独楽    海露朝
里心なんて知らない浮いてこい    独楽    海幹
無精ひげ剃り緑陰に涙せり      独楽  

矢面に立ちてひらくよアマリリス   亜紀    不
糸口は緑雨のなかのロダン像     亜紀    海露独
魔術師の真顔に吸はれゆく夕焼    亜紀    露幹あ不
理科室の椅子の重たし七変化     亜紀    朝ぽ四
蛍火の闇青ざめて来たりけり     亜紀    ぽ
麦秋やアナログ写真持ち古りて    亜紀    直独
青葉して外野席より人埋まる     亜紀    露あ朝ぽ四独

朝の体操矢庭に蜥蜴死んでゐる    不孤  
学校の蛇口盗難走り梅雨       不孤    露
あれよあれよと真菌の育ちゆく    不孤  
ふる里を語らぬ父や麦の秋      不孤    海ぽ独

弓道はあれど矢の道なき蕃茄     四童  
口紅のほくろに迫り夏料理      四童    あ直
菱形が真偽を迫り明易し       四童  
横書きのとてもおほきな魚里のぼり  四童    不
キャタピラも四点支持の杖も夏    四童    不

以上。(集計:不孤)

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