2013年9月19日木曜日

掘立小屋句会・作者発表

さくさくと発表です。

掘り当ててみれば秋思のごときもの  露結    廣ダ海朝由亜け
秋灯の立喰蕎麦をめざしけり     露結    苑朝
秋風や小便小僧小便す        露結    ダ四
うどん屋のその後は知らずいわし雲  露結    廣海朝あ亜
暗がりに新酒を嗅いでをりにけり   露結    廣朝あ不由亜け

掘られたるさつまいもまだ土に濡れ  ダイスケ  露由亜
立直せむと点棒触るる夜寒かな    ダイスケ  
供へたる色とりどりの小菊かな    ダイスケ  苑あ
屋上に月見団子や数百個       ダイスケ  苑
あさがほや神社は匂ひまで神社    ダイスケ  朝四あ由

敬老の日に落とし穴掘り終へて    廣島屋   海苑露不由
蔦紅葉三点倒立稽古中        廣島屋  
小商ひばかりしながら鳳仙花     廣島屋   あ
屋根裏に手記の置かるる良夜かな   廣島屋   海由亜
古書店をまるごと買ひし残暑かな   廣島屋   海露四由け

あかあかと巨大掘削機へ秋日     苑を  
黄葉ひとひら国立駅のロータリー   苑を    ダ朝あ
秋深む小人とありて遊園地      苑を    朝
しもた屋の短き庇実南天       苑を    ダ
おろおろと生きて愛してゑのこ草   苑を  

掘削の傷の癒えたる秋桜       海太  
立話から寝技まで案山子翁      海太    廣ダ露四不
墓地転じて小学校  転じて花野    海太    あけ
屋根裏の裏雨月かも。郷田      海太  
蓮の実の飛んで姉妹の和解せる    海太    廣露

更生の半ばの藷を掘つてをり     朝比古   四け
秋の蝶立体交差くぐりゆく      朝比古   ダ露あ不亜
小上りに運ばれてゆく秋の鯖     朝比古   廣海苑四不け
屋上の祠に小鳥来てゐたり      朝比古   由
ことごとく水を弾きて黒葡萄     朝比古   廣ダ海苑

掘り浅く刻まれていく居待月     けんじ  
白桃の産毛のすべて立つてゐる    けんじ   廣
大小を取り混ぜておく鰯雲      けんじ   四由亜
屋根裏に窓はなくとも良夜かな    けんじ   廣ダ
白猫を連れし死神来る九月      けんじ  

掘るやうに深呼吸する秋の空     あんこ   四不亜
青天に立たされてゐる曼珠沙華    あんこ   海由亜
小悪魔のまなこに野分ありにけり   あんこ   露四
きりぎりす湯屋への道の色づきぬ   あんこ   ダ
秋灯タロットカード並べをり     あんこ   苑朝

いつしんに穴掘り起す今日の月    亜紀    露け
立ち直る速さ競ふて秋桜       亜紀    廣
バスタブに泡を満たせば小鳥来る   亜紀    廣朝露
大部屋のがらんどうなる九月かな   亜紀    苑四
面立ちの馬に似てゐる案山子かな   亜紀    由
白線の前に棒立ち秋の暮       亜紀  
コスモスの丘に鐘鳴る大志かな    亜紀    ダ

掘際の難所を抜けて秋祭       由季  
鶏頭の赤を視界に倒立す       由季    朝四あ
ハムスターの小さき寝息二日月    由季    ダ苑露四あ不亜
鶏小屋に葛の重みのかかりをり    由季    ダ海苑あ不亜
無花果の怒りは空にぶつけたり    由季    け

掘り下げることなくたひら秋の暮   不孤  
立膝のをんなの煙草白桔梗      不孤    海朝け
秋空の小市民的会話かな       不孤    苑
秋の蚊を連れて酒屋の御用聞き    不孤    廣朝あ由亜け
擂粉木で煮干をつぶす敬老日     不孤    海

掘削の鉛直にして秋澄めり      四童    不
立待のめいめいの手に氷菓かな    四童    不
小さい秋とはどういう状態か述べよ  四童    海苑露不け
屋根裏に白蛇とゐる野分かな     四童    け
視野せまき台風の目と見つめ合ふ   四童    露不

以上。(集計:不孤)

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