2013年9月7日土曜日

無病息災句会・作者発表

お待たせしました。

銀漢にもつとも近き無人駅      露結    朝苑海あ四
病棟の白く大きく秋桜        露結    ダあ亜
わが息のわれを離るる秋の暮     露結    朝ダ四
災難のふりかかりたる唐辛子     露結    苑け
鶏頭になるよ眉間に皺よせて     露結    苑不け

加藤剛竹脇無我と栗拾ふ       ダイスケ  朝不露亜
臆病さうな顔をしてゐる案山子かな  ダイスケ  朝海あ亜け四
合唱の息継ぎの間の秋の蝉      ダイスケ  不
防災の日の柔らかき新豆腐      ダイスケ  朝苑露海あ亜
秋の日の赤きカバーのiPad      ダイスケ  苑四

八月を飲る南無阿弥陀仏と言うて   海太  
病巣とふ郷に籠りぬ一遍忌      海太  
令息に皺びつしりと生身魂      海太  
秋遍路災ひに多寡あるにはある    海太    ダ不
潤滑油ともラブオイルとも小鳥来る  海太  

秋の空猫撫でし子の無表情      けんじ   露亜
病室の窓開け放ちかなかなかな    けんじ  
砂浜の日陰姑息な西瓜割り      けんじ   不
災ひの消えて二匹の秋あかね     けんじ  
花野より声の聞こえてゐる下界    けんじ   海

無月なる劇場へトラック入る     あんこ   苑不露
病室へ運動会の届きけり       あんこ   露
なめらかな息の歌なり秋灯      あんこ  
災ひの石よ色なき風の中       あんこ  
コスモスの風に自転車包まるる    あんこ   苑亜

有耶無耶に済ませてあとは秋刀魚焼く 亜紀    苑ダ海け四
花カンナまた臆病と言はれけり    亜紀    ダ不
ため息の代はりに見上ぐ鰯雲     亜紀    海あ
震災忌巾着袋の口きゆつと      亜紀    朝ダ
キャプテンにガツンと言はれ夕月夜  亜紀    四
呼び出しのふたつ目で出る良夜かな  亜紀    海あけ四

汀から色無き風となりにけり     朝比古   あけ
病院の窓それぞれの秋灯       朝比古   海
宵闇を息急き切つて行ける人     朝比古  
夜学子の火災報知機押す仕草     朝比古   不
天辺のすこしこぼれてかき氷     朝比古   苑ダあ亜四

無蓋車に子ども詰め込み大花野    不孤    ダ亜
病院臭消す空調や涼新た       不孤    ダ
かなかなや息控えめに生きてゆく   不孤    朝露
災害の途切れなき世の鉦叩      不孤  
リストバンド着けて外泊生身魂    不孤  

無花果を煮詰めるために火を点ける  苑を    朝四
病院にスリッパ並ぶ残暑かな     苑を    露
芋虫と息子にくれてやるレタス    苑を    朝海け
災ひといふ字のごとく鶏頭花     苑を    ダ露海あ四
ふるさとの紐引けば消える秋灯    苑を    朝

月ひとつ無賃乗車を追ひかけて    四童    苑不露亜
仮病ぢやない仮病ぢやないと曼珠沙華 四童    不あ亜け
たくさんの穴開いてゐる虫の息    四童    露け
災厄の所為にしてゐる鰯雲      四童    け
凌霄花老婆の乳のごと下がり     四童  

以上。(集計:不孤)

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