お待たせしました。
銀漢にもつとも近き無人駅 露結 朝苑海あ四
病棟の白く大きく秋桜 露結 ダあ亜
わが息のわれを離るる秋の暮 露結 朝ダ四
災難のふりかかりたる唐辛子 露結 苑け
鶏頭になるよ眉間に皺よせて 露結 苑不け
加藤剛竹脇無我と栗拾ふ ダイスケ 朝不露亜
臆病さうな顔をしてゐる案山子かな ダイスケ 朝海あ亜け四
合唱の息継ぎの間の秋の蝉 ダイスケ 不
防災の日の柔らかき新豆腐 ダイスケ 朝苑露海あ亜
秋の日の赤きカバーのiPad ダイスケ 苑四
八月を飲る南無阿弥陀仏と言うて 海太
病巣とふ郷に籠りぬ一遍忌 海太
令息に皺びつしりと生身魂 海太
秋遍路災ひに多寡あるにはある 海太 ダ不
潤滑油ともラブオイルとも小鳥来る 海太
秋の空猫撫でし子の無表情 けんじ 露亜
病室の窓開け放ちかなかなかな けんじ
砂浜の日陰姑息な西瓜割り けんじ 不
災ひの消えて二匹の秋あかね けんじ
花野より声の聞こえてゐる下界 けんじ 海
無月なる劇場へトラック入る あんこ 苑不露
病室へ運動会の届きけり あんこ 露
なめらかな息の歌なり秋灯 あんこ
災ひの石よ色なき風の中 あんこ
コスモスの風に自転車包まるる あんこ 苑亜
有耶無耶に済ませてあとは秋刀魚焼く 亜紀 苑ダ海け四
花カンナまた臆病と言はれけり 亜紀 ダ不
ため息の代はりに見上ぐ鰯雲 亜紀 海あ
震災忌巾着袋の口きゆつと 亜紀 朝ダ
キャプテンにガツンと言はれ夕月夜 亜紀 四
呼び出しのふたつ目で出る良夜かな 亜紀 海あけ四
汀から色無き風となりにけり 朝比古 あけ
病院の窓それぞれの秋灯 朝比古 海
宵闇を息急き切つて行ける人 朝比古
夜学子の火災報知機押す仕草 朝比古 不
天辺のすこしこぼれてかき氷 朝比古 苑ダあ亜四
無蓋車に子ども詰め込み大花野 不孤 ダ亜
病院臭消す空調や涼新た 不孤 ダ
かなかなや息控えめに生きてゆく 不孤 朝露
災害の途切れなき世の鉦叩 不孤
リストバンド着けて外泊生身魂 不孤
無花果を煮詰めるために火を点ける 苑を 朝四
病院にスリッパ並ぶ残暑かな 苑を 露
芋虫と息子にくれてやるレタス 苑を 朝海け
災ひといふ字のごとく鶏頭花 苑を ダ露海あ四
ふるさとの紐引けば消える秋灯 苑を 朝
月ひとつ無賃乗車を追ひかけて 四童 苑不露亜
仮病ぢやない仮病ぢやないと曼珠沙華 四童 不あ亜け
たくさんの穴開いてゐる虫の息 四童 露け
災厄の所為にしてゐる鰯雲 四童 け
凌霄花老婆の乳のごと下がり 四童
以上。(集計:不孤)
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