2013年8月4日日曜日

三者凡退句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

三振のあと膨大な草いきれ       天気    不八朝独由廣亜
満月に忍者が軽くうなづいた      天気    あ苑け四
世志凡太東京ぼん太夏さみし      天気    あ苑露亜
中退の人とたのしむ冷素麺       天気    海
西瓜はなぜ永世中立国なのか      天気    ダ苑海不朝独亜

三人で来て順番に裸になる       露結    ダ苑海不八朝廣天
お見合いパーティ司会者の汗まみれ   露結    独由天
平凡な夫婦の夜の蚊遣り香       露結    苑不朝由
鬼退治されたる鬼が島の夏       露結    ダ苑八
恋人でなかつた頃の冷し酒       露結    あ海け由天四

羽蟻摘む三つ目なれば逃がしたり    八志    露由
萍や者共じっと控えおり        八志    あ廣
神輿行く凡そ半分担がずに       八志    ダ海け四
船虫は退却したり笑むごとく      八志    不天
干し草のなかに隠れてねむる莫迦    八志    あ露廣

三人の真中に置かれ西瓜かな      朝比古   あ不露由
歌舞伎者のごとくに潰すトマトかな   朝比古   あけ
凡例のごとくに冷し中華かな      朝比古   苑海露独廣四
後退るやうに進みし蟇蛙        朝比古   ダ不八由亜
客船と五色のテープ雲の峰       朝比古   独

裸の子三人くらゐみつくろひ      廣島屋   四
悪者に憧れてゐる夏休み        廣島屋   ダあ苑け八朝由四
早野凡平の帽子や夏料理        廣島屋   独
蚊柱と痴漢撃退グッズかな       廣島屋   海不朝独
閉店の告知貼りつつ生ビール      廣島屋   海け由

掬はれし金魚三匹死はまちまち     海太    露廣天
易者には解らぬ道や南風吹く      海太    独
凡庸に風を漕ぎをりハンモック     海太  
退き際に日も風もあり尺蠖の      海太  
生命線二つ開きし暑さかな       海太    あ八由

午前三時放送休止夜の秋        ダイスケ  露天
兄者と呼ばれ飲む酒辛し船遊      ダイスケ  独廣
凡例に書かれてをらぬ夏の果      ダイスケ  
早退の者ら集へる泉かな        ダイスケ  あ八朝露廣天亜
夏帽子くりかへしくりかへしはめなほし ダイスケ  

熱狂の三軒茶屋を出て涼し       独楽    四
夏風邪の患者がひとり宙に舞ふ     独楽    け露天
非凡なる泳ぎを教へたのは誰      独楽    ダ海け不
白靴に履き替え今朝は退院す      独楽    朝由亜四
彼の人に彼氏がゐるといふ大暑     独楽    ダ廣天

夏夕べ三段登るチャペルあり      けんじ   ダ不独四
影武者の集まつてゐる独活の花     けんじ   不八廣四
凡庸な面子の揃ふ夏祭り        けんじ   露由廣
退屈な短編小説まくはうり       けんじ   苑亜
日替はりのロケット鉛筆月涼し     けんじ  

夜濯の夫よ三番から歌ふ        あんこ   ダ苑海け露独由廣天亜四
編集者登山小屋から催促す       あんこ   海不
凡人へ踏切ひらく立葵         あんこ   け八天亜
退けば広くなる海青岬         あんこ   ダ海由四
籐椅子に謝る時を待つてゐる      あんこ   ダ朝亜四

三界の炎に灼かれ御徒町        苑を    独亜
水槽に静かな患者たちの夏       苑を    あ八独天亜
凡人としてナイターを観戦す      苑を    け朝亜
退学の少年の指かきごほり       苑を    朝
大夕焼死ぬまで踊るボレロかな     苑を    朝亜

弁当ののちの車中の三尺寝       不孤    あ四
行水の水を惜しむも小者かな      不孤    け八
凡例は詠読まれぬものよ雨安居     不孤  
入退室管理システム指の汗       不孤  
蛇の衣わつとつまむは女子ばかり    不孤  

夏の夜の三面鏡に我われ吾       亜紀    海
論者みな広間に集ふ西瓜かな      亜紀    苑八朝露
九回の凡打で終る夏の果        亜紀    苑八
油虫退路断たれて撃沈す        亜紀  
明後日になればわかるよバナナの斑   亜紀    朝
常駐の管理人室メロンの香       亜紀    ダ苑海不
驟雨みな大慌てなる大通り       亜紀    ダ苑け由四


夕焼にほどよきサイズ三ノ宮      由季    朝廣天亜
南風忍者屋敷の破損箇所        由季  
凡例にある色全て使ふ虹        由季    あけ不独
衰退の街昼顔にふちどられ       由季    あ苑不八露独
片蔭にある牢獄のやうな窓       由季    ダ海け廣天

夏雲や三人ゐれば二人つく       四童    天
日焼して忍者見えなくなりにけり    四童  
凡例を読んだことなき木槿かな     四童  
退場の赤あざやかなかき氷       四童    あ露
母親の見てゐる前で雲の峰       四童    八露廣

以上。(集計:不孤)

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