2013年8月22日木曜日

門外不出句会・作者発表

お待たせしました。

門を出て紙の軽さの秋の蝶      露結    海あ亜ダ廣四
外厠にほふ葡萄の熟れつくし     露結    け
墓が見え不眠の蚯蚓鳴きにけり    露結    ダ
まつすぐに沖へ出る船彼岸花     露結    海あ朝四
ほとばしる秋の花火や川の上     露結    ダ

炎昼や門に巡査が二人立ち      朝比古   露苑四
外国の人が喇叭を吹いて夏      朝比古   あ四
昔みな不良てんたうむしだまし    朝比古   露け廣四
ティッシュやや箱より出でて夜の秋  朝比古   苑あ亜ダ四
向かひ合ふグランドピアノ秋灯下   朝比古   露苑ダけ廣四

裏門の閂かけたまま花火       廣島屋   露海あけ
林火忌の慮外者らが集ひけり     廣島屋  
不入斗から来たといふ生身魂     廣島屋   苑あ亜け
秋出水玄孫の生まれ来た朝の     廣島屋  
ほとぼりもスープも冷めて初嵐    廣島屋   け

秋高しランナー多き桜田門      ダイスケ  朝
秋暑しゆつくり喋る外国語      ダイスケ  露苑海亜け四
灯火親し不意に買ひたる本ばかり   ダイスケ  海
出囃子に合はせて叩く秋扇      ダイスケ  苑朝け廣
名馬に肥ゆることゆるされし余生あり ダイスケ  露

九竅の一門だいじ秋団扇       海太  
さはやかに治外法権鬼ごつこ     海太  
八月や日米不戦俳句会        海太  
出来秋や蒔絵のやうな出席簿     海太    ダ四
男色の間のうすあかり帰雁忌よ    海太    露あ

黄落の門前町の路地に入る      苑を    朝廣
外反母趾の骨ずきずきと黄のカンナ  苑を    亜
不発弾沈ませてゐる秋の潮      苑を    露ダ朝
美術展出口から秋蝶二頭       苑を    海ダ
立秋の駅前でティッシュを配る    苑を  

門番のやうに立ちたるいぼむしり   けんじ   海朝廣
外回り影の消えたる秋の蝉      けんじ  
不可侵を決めこんでゐる秋の蚊帳   けんじ  
蟻地獄出でて上から倍返し      けんじ  
楽隠居ひまはりばかり見てゐたり   けんじ   廣

むらさきの色の空なる門火かな    あんこ   亜ダ
外国の匂ひの石鹸休暇明       あんこ   露海亜ダ
不老不死のうぜんかづら跋扈する   あんこ   苑
月の出へ素振り繰り返してゐたり   あんこ   苑亜朝
蝉の声沈殿したる小学校       あんこ   海亜朝

門口に夕刊の音さるすべり      亜紀    あけ
秋暑し調子外れのトランペット    亜紀    四
夕かなかな年齢いまだ不詳なる    亜紀    露あ
上出来のレース展開秋の空      亜紀    苑朝け
橋渡る人のまばらや涼新た      亜紀  
外野手の桁外れなる爽気かな     亜紀    廣
ビル風の片蔭を行く新都心      亜紀  

門からの生態系や秋澄めり      四童  
秋蝉の外国人にびつしりと      四童    朝廣
Fのかたち覚えて不良秋に入る    四童    廣
出汁をとるためだけの笊虫の夜    四童   
自転車で突つ込む凌霄かづらかな   四童    苑海あ亜

以上。(集計:不孤)

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