2013年4月6日土曜日

生駒里奈句会・作者発表

直子さんの選を反映させました。

前生の姿覗いて春の闇        直子    朝海あ亜
春駒の嫋々と駆け闇に入る      直子  
故里の生家に残る春の闇       直子    露
問題は奈辺にありや春の闇      直子  
春闇の奥に座したる天女かな     直子    朝あ

吸へば生前吐けば線後へ花菜風    海太    四
龍馬へと駒うらがへる菜の花忌    海太    露独亜四
げんげ田や里は奈落のありどころ   海太    直
あしたに青畝ゆふべに麗奈の山桜   海太    四
鴨帰るうちの一羽が父であり     海太    露独直

今日からは卒業生と呼ばれをり    あんこ   朝
花の夜チェックメイトのチェスの駒  あんこ  
首里城に朝の広がり桜貝       あんこ   独
奈落よりはじまつてゐる蝌蚪の国   あんこ   由独
元の場所へ戻つてゐたる桜かな    あんこ  

生八ッ橋一口かじる桜かな      独楽  
駒落ちで挑む手合ひや春袷      独楽  
人里を離れ磯巾着揺るる       独楽    朝露由亜四
奈良漬でさらりと済ます社日かな   独楽  
葉桜や最終電車に人あふれ      独楽    朝海由亜
作りものの空春の風邪治らぬまま   独楽  

生ハムがメロンに乗りて春の宴    朝比古   四
若駒のすまして駆けてゆきにけり   朝比古  
里山のニヒルに笑ふ余寒かな     朝比古  
奈落から舞ひ上がりたる花吹雪    朝比古   あ亜直
残像の吹かれてゐたり蝶の昼     朝比古   あ四直

春の宵袋分けする生活費       由季    露海独亜四
花衣つまづく駒形どぜう前      由季  
首里城が門だけの頃囀れリ      由季    露海亜直
奈良県の木は杉であり鳥雲に     由季    海
春風とリズムが合はず踏むペダル   由季    あ

初蝶の生まれ落ちたるの甲斐の国   亜紀  
持ち駒のひとつとなりて飛花落花   亜紀    露あ由
里親をなつかせてゐる子猫かな    亜紀    朝
箸先につまむ奈良漬春惜しむ     亜紀    海あ由
いちにちに二度会ふ人や花大根    亜紀    朝露海あ由独四
銅像の直立不動桜散る        亜紀  

ペダル漕ぐ生脚桜散る街の      露結    四直
春の雨駒場東大前駅の        露結  
千里より万里は遠し蝶の昼      露結    朝独
花の雨奈良へは一度行つたきり    露結    朝海由直
咲き満ちて桜は闇を拒まざる     露結    海独亜直

焼くひとも生態系にゐる野かな    四童    独亜直
花の夜を生駒大祐倍増す       四童  
春なれやたましひにあな里にあな   四童    あ由
月野ぽぽな東京ばな奈花の雨     四童    露
花冷えのやうに自転を終へにけり   四童    由

以上。(集計:不孤)

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