2013年10月20日日曜日

恋愛結婚句会・投句一覧

 たいへんお待たせしました。

【恋】
コスモスのいつも恋してゐたりけり
火恋し椅子軋ませてウイスキー
紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
失恋のかもめゆつくり飛びて秋
足して二で割れぬ性格月を恋ふ
薄原来て恋文を隠れ読む
菱の実や歌仙の恋を歪めたり
望郷や妻恋坂の天高し
無花果や恋とは水利悪きもの
恋ならば薄いほどよし水澄めり
恋の話曾祖母とする夜長かな
恋人を金柑にしてすこし囓る
恋文をかしこで結ぶ紅葉かな

【愛】
ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる
愛ちやんの膝に愛ちやん秋うらら
愛人が茣蓙に座したる運動会
愛憎の渦巻くドラマ夜の長し
愛欲のかたちばかりの秋の空
愛欲の微かに梨を剥きにけり
菌類の宙のかたちを偏愛す
銀杏に語らふ愛の重さかな
午後遅き愛妻弁当草の花
秋の夜の定位置に置く愛読書
秋虹の端見届けて愛妻家
木の実落つ愛の讃歌のリズムかな
螻蛄鳴くや愛は時間と言ふ人と

【結】
エプロンの結び目ほどく夜業明け
しらみつぶしに検査結果の夜長かな
結び目のかたくなにして雁渡し
結び目をほどくマニキュア昼の虫
結界のほつれに群れし秋の蝶
結審の日や十月が暑過ぎる
結石を押し出す秋の尿かな
結納の父の横顔新走
結論を先に言ふ癖竈馬
秋茜結ばれしまま過ぎにけり
秋天へ結束されてゆく足場
水引の蝶結びより草の花
野分晴結ばれてゆく高速道

【婚】
いちめんの婚姻色の秋夕焼
鰯雲結婚運をみてもらふ
金婚式までの幾年いわし雲
吾亦紅婚姻届の色が地味
交差イトコ婚平行イトコ婚鴨渡る
婚姻の矩形の釘に月射しぬ
婚姻やつばめは疾に帰りけり
婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
婚礼の席に秘蔵の猿酒
秋の水婚姻色のちらちらす
扇置く婚姻費用計画書
通草の実婚活パーティー玉砕す
蓑虫の弦ぽろろんと婚の家

【当季雑詠】
カーブに添つて大通りまでねこじやらし
やや寒やB型と書く安全帽
をちこちに求愛の鰡さびしかり
愛弟子を抵当にして花圃広し
一つ家にともる灯りや林檎剥く
運命を回すごとくに剥く林檎
永遠も残り僅かか鶏皮(そぞろさむ)
歌姫の取り残されし大花野
君が代の二番黙唱九月場所
紅葉且つ散る内戦の終わらぬ国
雑然と釣瓶落しの繊維街
秋雨や動物園のゴリラの眼
縦糸に絡む横糸秋澄めり
蟷螂の睨み合ひたる句会かな

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:10月25日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

13 件のコメント:

  1. ★紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
     恋ヶ窪っていい地名だなぁ。

    ★恋の話曾祖母とする夜長かな
     悲恋だったのだろうか。

    ★ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる
     なんとなくエロい。

    ★午後遅き愛妻弁当草の花
     幸せもの。

    ★秋の夜の定位置に置く愛読書
     定位置の愛読書、さもありなん。

    ★木の実落つ愛の讃歌のリズムかな
     越路吹雪。

    ★エプロンの結び目ほどく夜業明け
     なんとなくエロい。季語が夜業でよかった。

    ★いちめんの婚姻色の秋夕焼
     御めでたい。

    ★吾亦紅婚姻届の色が地味
     ほどよきトリビアルさ。

    ★運命を回すごとくに剥く林檎
     ほどよき嘘っぽさ。

    ★歌姫の取り残されし大花野
     この歌姫、世代間で認識が違ってくるね。

    ★雑然と釣瓶落しの繊維街
     繊維街がイイ。日暮里辺りかな。

    ★蟷螂の睨み合ひたる句会かな
     飛蝗も螽斯いるはず。

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  2. ○紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
    朝吉に誠次、恋ヶ窪に紅葉。

    ○恋ならば薄いほどよし水澄めり
    秋の恋は飽き易い。

    ○恋の話曾祖母とする夜長かな
    鹿鳴館で踊ってた頃はね。

    ○愛ちやんの膝に愛ちやん秋うらら
    膝=飯島愛、頭=赤松愛 、秋うらら=はるな愛。

    ○秋の夜の定位置に置く愛読書
    トイレはいいな。

    ○エプロンの結び目ほどく夜業明け
    ああ、まだるっこしい!

    ○結論を先に言ふ癖竈馬
    倒置形人格。

    ○吾亦紅婚姻届の色が地味
    死亡届は派手に。

    ○やや寒やB型と書く安全帽
    土建屋の元社長としては切ない。

    ○一つ家にともる灯りや林檎剥く
    出歯亀してみるか。

    ○歌姫の取り残されし大花野
    かぁちゃ~ん・・・ヒカル。

    ○雑然と釣瓶落しの繊維街
    値札落しの・・でもある。

    ○縦糸に絡む横糸秋澄めり
    これを、よこしま、と。

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  3. トオイダイスケ2013年10月21日 2:57

    ○薄原来て恋文を隠れ読む
    広くて深く生い茂った薄原。物も心も隠れている感あり。

    ○恋人を金柑にしてすこし囓る
    金柑にする、と思ったこと、一度もないです。ほの甘いのかな。

    ○恋文をかしこで結ぶ紅葉かな
    かしこという言葉には、相手を静かな熱を込めて見つめる意思を感じる。

    ○結び目のかたくなにして雁渡し
    中七下五両方の「か」「た」「し」の音がよい。

    ○結界のほつれに群れし秋の蝶
    生々しい。禍々しくもある。

    ○秋天へ結束されてゆく足場
    野外フェスのイントレかな。足場をずっと見ているのがよい。

    ○野分晴結ばれてゆく高速道
    ジャンクション俳句。新しくて広々。

    ○婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
    唐突なプロポーズ。

    ○秋の水婚姻色のちらちらす
    艶めかしい。

    ○やや寒やB型と書く安全帽
    よく見ている。血液型のおもしろさとばかばかしさとシリアスさとが響き合っている。

    ○雑然と釣瓶落しの繊維街
    繊維街。雑然としてそうな気にさせられた。

    ○縦糸に絡む横糸秋澄めり
    字面的にも糸がたくさんで美しい。

    ○蟷螂の睨み合ひたる句会かな
    緊張感が否応なしに。

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  4. ○コスモスのいつも恋してゐたりけり
    コスモスくらいの恋をしながら揺れながら。強靱な人なのかも。

    ○火恋し椅子軋ませてウイスキー
    ウイスキーの似合う男ですね。

    ○紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
    字面のよろしさ。

    ○恋の話曾祖母とする夜長かな
    これはしてみたい。

    ○秋の夜の定位置に置く愛読書
    読書の秋です。

    ○エプロンの結び目ほどく夜業明け
    エプロンでする夜業ってなんだろ。さ、家帰って息子のお弁当を…とか思っていそう。

    ○結び目のかたくなにして雁渡し
    どうしても解けない。あります。

    ○結界のほつれに群れし秋の蝶
    このあと秋の蝶が一斉に飛ぶのですね。

    ○吾亦紅婚姻届の色が地味
    婚姻届・離婚届、印字の色が違うのですが、どんな色でしたっけ。吾亦紅がなかなか。

    ○通草の実婚活パーティー玉砕す
    次回の幸運を祈ります。

    ○やや寒やB型と書く安全帽
    事故が起こりませんように。となるとA型O型ではなく、やはりB型ですか。

    ○紅葉且つ散る内戦の終わらぬ国
    思いを馳せ祈る。

    ○縦糸に絡む横糸秋澄めり
    静かな秋に機織りの音。

    返信削除
  5. ○菱の実や歌仙の恋を歪めたり
    うーん、よくわからないけど、雰囲気がよろしいです。

    ○無花果や恋とは水利悪きもの
    淀んでる方がいいのか。

    ○恋ならば薄いほどよし水澄めり
    こちらはさらりと。

    ○ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる
    剥がすのが楽しいので。

    ○午後遅き愛妻弁当草の花
    現場仕事ではなさそうな。

    ○エプロンの結び目ほどく夜業明け
    どういうお仕事なんでしょ?

    ○結び目をほどくマニキュア昼の虫
    お弁当の紐とか?

    ○結審の日や十月が暑過ぎる
    結審とはなかなかドラマチック。

    ○いちめんの婚姻色の秋夕焼
    ○秋の水婚姻色のちらちらす
    紅鮭のあざやか色。

    ○やや寒やB型と書く安全帽
    書くもんなんですか。

    ○永遠も残り僅かか鶏皮(そぞろさむ)
    こう書くの初めて知りました。

    ○雑然と釣瓶落しの繊維街
    大阪でしょうか。繊維街以外ではダメなんです。

    返信削除
  6. ○失恋のかもめゆつくり飛びて秋
    失恋と秋がややつきすぎ?

    ○望郷や妻恋坂の天高し
    妻恋坂でいただきました。

    ○恋ならば薄いほどよし水澄めり
    濃いのには濃いのの良さがありまする。

    ○恋の話曾祖母とする夜長かな
    いつの時代も女は恋に生きるのです。

    ○恋人を金柑にしてすこし囓る
    金柑がびみょ~なエロさ。

    ○ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる
    母子愛?

    ○愛ちやんの膝に愛ちやん秋うらら
    愛ちゃんの複製。

    ○愛人が茣蓙に座したる運動会
    実景として、あります。

    ○秋虹の端見届けて愛妻家
    見届けなくてはならないのです。

    ○結審の日や十月が暑過ぎる
    十一月まで引き伸ばしましょう。

    ○結納の父の横顔新走
    新走がナイス。

    ○結論を先に言ふ癖竈馬
    私です。

    ○婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
    マリッジブルー?

    返信削除
  7. ○コスモスのいつも恋してゐたりけり ちと甘いですが、コ音の繰り返しが好きで。

    ○恋人を金柑にしてすこし囓る
     皮ごと食べる金柑。丸ごと食べたい気持ち、ですか。

    ○愛人が茣蓙に座したる運動会
     子供目線か。淡々としていて、もう慣れてしまっているんだな、と。これも、『ご「ざ」に「ざ」し』のザの畳みかけが好き。

    ○愛欲のかたちばかりの秋の空
     「かたちばかりの愛欲」なのか、「愛欲のかたち」が無数に浮かんでいるのか悩みましたが、後者と取って○。


    ○秋の夜の定位置に置く愛読書
     長夜ですから。

    ○螻蛄鳴くや愛は時間と言ふ人と
     螻蛄鳴くで、主体がその言葉をいかにも胡散臭がっているのがおかしい。

    ○エプロンの結び目ほどく夜業明け
     私もこれ、なんだかエロスを感じました。結び目がほどけて何かが戻ってくる感じがします。


    ○秋茜結ばれしまま過ぎにけり
     平和かつ永遠にそのまま行け、と思う。


    ○金婚式までの幾年いわし雲
     長い長い未来の事をおもうと侘びしい。

    ○婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
     こちらはおめでたくて良い。音まで嬉しい。良い音です。

    ○をちこちに求愛の鰡さびしかり
     人間視点の特徴だなあと。自分には求愛する相手もいない、というような寂しさではなく、知性をもたない、小さいモノ達が本能に従いがむしゃらに求愛している様子が愛おしいように悲しいように見えてくる。

    ○運命を回すごとくに剥く林檎
     キザかな?でも好きですね。

    ○雑然と釣瓶落しの繊維街
     釣瓶落としと繊維街の雰囲気がすごく合う。過剰すぎない。

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  8. ○紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
    全体の世界観がなんともいい。恋ヶ窪が効いている。

    ○薄原来て恋文を隠れ読む
    綺麗。

    ○恋の話曾祖母とする夜長かな
    曾祖母とは味があるなあ。

    ○愛人が茣蓙に座したる運動会
    茣蓙が妙にいい。

    ○愛欲の微かに梨を剥きにけり
    指を甘く濡らして。

    ○秋虹の端見届けて愛妻家
    なんかほのぼのして、切ないよーな…

    ○結び目をほどくマニキュア昼の虫
    ちょっとドキドキします。

    ○野分晴結ばれてゆく高速道
    風の速度を感じる。

    ○婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
    ぷすぷす焼ける秋刀魚に幸せ感がある。

    ○婚礼の席に秘蔵の猿酒
    猿酒でちょっと不思議な宴席。

    ○秋の水婚姻色のちらちらす
    婚姻色がわからないのですが、秋の水が合っているのです。

    ○雑然と釣瓶落しの繊維街
    繊維街、イイ!

    ○秋雨や動物園のゴリラの眼
    哀しい唄のようです。

    返信削除
  9. ◯失恋のかもめゆつくり飛びて秋
    かもめも失恋するんでしょうか。寂しげです。

    ◯足して二で割れぬ性格月を恋ふ
    「月を恋ふ」がいいですね。性格との取り合わせもうまいです。

    ◯恋の話曾祖母とする夜長かな
    恋バナは年齢を問わず、といったところでしょうか。

    ◯恋文をかしこで結ぶ紅葉かな
    「かしこ」の奥ゆかしさに紅葉が効いてます。

    ◯愛人が茣蓙に座したる運動会
    何でしょう、この緊張感は。

    ◯菌類の宙のかたちを偏愛す
    「宙のかたち」というのがよくわかりませんが、何だか良い響き。偏愛もいい感じです。

    ◯結石を押し出す秋の尿かな
    これは痛そう。秋が切ないです。

    ◯結納の父の横顔新走
    新走が微妙ですけど、お父さんの表情だけで充分。

    ◯秋天へ結束されてゆく足場
    工事現場でしょうか。天の高みまで上っていきそう。

    ◯婚姻の矩形の釘に月射しぬ
    釘と月の取り合わせは類想感ありですが、句として形がよいので。婚姻の釘とは?

    ◯通草の実婚活パーティー玉砕す
    お気の毒さまです。

    ◯やや寒やB型と書く安全帽
    B型というのは、血液型でしょうか。危険な場所に向かう雰囲気が出ています。

    ◯歌姫の取り残されし大花野
    美しくも、寂しい情景。

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  10. ○コスモスのいつも恋してゐたりけり
    揺れている感じが、でしょうか。

    ○紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
    このパターンはあるなぁと思いながら恋ヶ窪がなかなか。

    ○恋の話曾祖母とする夜長かな
    曾祖母まで言ったところがいいですね。

    ○恋人を金柑にしてすこし囓る
    色々な愛情表現があるのです。

    ○ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる
    可愛いようなしたたかなような。

    ○愛人が茣蓙に座したる運動会
    なんだか生々しいですね。

    ○午後遅き愛妻弁当草の花
    仕事が長引いてこんな時間に。

    ○木の実落つ愛の讃歌のリズムかな
    そう思ってみると可笑しい。

    ○野分晴結ばれてゆく高速道
    そういう感じの道ありますね。

    ○交差イトコ婚平行イトコ婚鴨渡る
    いとこ婚に種類があるなんて知りませんでした

    ○婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
    生活感がよいです。

    ○通草の実婚活パーティー玉砕す
    通草の実がローカル色いっぱい。

    ○やや寒やB型と書く安全帽
    万が一のときのために書いてあるのでしょうが、B型が
    味わいあるのかも。

    返信削除
  11. 〇紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
    地名の妙ですね。

    〇ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる
    お幸せに♪

    〇愛ちやんの膝に愛ちやん秋うらら
    愛ちゃん同志で秋うららです♪

    〇愛人が茣蓙に座したる運動会
    なんともシュール。

    〇エプロンの結び目ほどく夜業明け
    お疲れ様でした~。

    〇結界のほつれに群れし秋の蝶
    結界のほつれでいただきました。

    〇結論を先に言ふ癖竈馬
    分かります、どうしても気が急いてしまうんです。

    〇婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る
    オノマトペがぴったり。

    〇秋の水婚姻色のちらちらす
    お目出度いですね。

    〇通草の実婚活パーティー玉砕す
    ざんねん~。

    〇やや寒やB型と書く安全帽
    B型なんですね。

    〇運命を回すごとくに剥く林檎
    運命を回すとはなかなか!上手いです。

    〇雑然と釣瓶落しの繊維街
    雑然とが効いています。

    返信削除
  12. 〇コスモスのいつも恋してゐたりけり
     永遠の少女。

    〇紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪
     いい地名ですね。

    〇薄原来て恋文を隠れ読む
     人には見られたくないのです。

    〇恋の話曾祖母とする夜長かな
     よき理解者。

    〇愛人が茣蓙に座したる運動会
     いい機会なのでいっそ公認に。

    〇銀杏に語らふ愛の重さかな
     ナルシスト。

    〇エプロンの結び目ほどく夜業明け
     お楽しみはこれから?

    〇結論を先に言ふ癖竈馬
     米国的。

    〇吾亦紅婚姻届の色が地味
     あまり派手でもいやです。

    〇交差イトコ婚平行イトコ婚鴨渡る
     男もいろいろ、いとこもいろいろ。

    〇婚礼の席に秘蔵の猿酒
    おじが悪酔いしそうです。

    〇カーブに添つて大通りまでねこじやらし
     ねこの呪いでしょうか。

    〇蟷螂の睨み合ひたる句会かな
     レディー、ファイト。チン。

    返信削除
  13.  たいへん遅くなりすみません。

    ○コスモスのいつも恋してゐたりけり
     koの響き合いが気持ちいい。

    ○薄原来て恋文を隠れ読む
     どこか時代がかっていて可笑しい。

    ○恋の話曾祖母とする夜長かな
     と書かれていたら曾祖母はご健在と読むのが普通なのだろう。

    ○愛人が茣蓙に座したる運動会
     運動会というのは地縁の最たるものなので、そういうことも大いにあるだろう。

    ○菌類の宙のかたちを偏愛す
     「宙のかたち」と詠んでいるのに、イメージされるのは、はなはだ阿部定的である。

    ○結界のほつれに群れし秋の蝶
     そりゃ結んであるものはほつれるのだが、「結界のほつれ」とはなかなか言えない。秋の蝶が官能的である。

    ○秋天へ結束されてゆく足場
     ほういほういと下からパイプを放り投げて受け取っては手渡すさまをもっと微細に詠みたいと私などは思うのだが、作者の捉え方はもっとカメラを引いて捉えているようだ。

    ○交差イトコ婚平行イトコ婚鴨渡る
     レビ・ストロースであったか。季語の一発勝負なわけだが、「鴨渡る」が原初的でよい。

    ○婚姻の矩形の釘に月射しぬ
     そういうならわしがあるのかまったく知らないのだが、なんだか運命的である。婚姻の矩形の釘のk音たたみかけがじつによい。

    ○秋の水婚姻色のちらちらす婚姻色に幻惑されているようにも思える。
     作者が一瞬先祖返りして

    ○やや寒やB型と書く安全帽
     生命の危険がある現場では血液型は重要な情報なのだが、B型であることに屈折した感情を持っているように感じられる。

    ○運命を回すごとくに剥く林檎
     アダムとイヴとかウイリアム・テルとかを持ち出すまでもなく、林檎ってそういう実なのだろう。

    ○雑然と釣瓶落しの繊維街
     「繊維街」の雰囲気が感じられる。

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