2013年10月30日水曜日

恋愛結婚句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

足して二で割れぬ性格月を恋ふ     海太    独
螻蛄鳴くや愛は時間と言ふ人と     海太    幹
水引の蝶結びより草の花        海太  
蓑虫の弦ぽろろんと婚の家       海太  
君が代の二番黙唱九月場所       海太  

薄原来て恋文を隠れ読む        露結    ダあけ四
愛欲の微かに梨を剥きにけり      露結    あ
結び目のかたくなにして雁渡し     露結    ダ苑
婚姻やつばめは疾に帰りけり      露結  
永遠も残り僅かか鶏皮(そぞろさむ)  露結    不

コスモスのいつも恋してゐたりけり   朝比古   苑幹由け四
愛人が茣蓙に座したる運動会      朝比古   露幹あ独由亜け四
秋天へ結束されてゆく足場       朝比古   ダ独四
婚約や秋刀魚ぷすぷす焼き上る     朝比古   ダ露幹あ由亜
やや寒やB型と書く安全帽       朝比古   海ダ苑不独由亜四

火恋し椅子軋ませてウイスキー     あんこ   苑
午後遅き愛妻弁当草の花        あんこ   朝不由
結納の父の横顔新走          あんこ   露独
鰯雲結婚運をみてもらふ        あんこ  
運命を回すごとくに剥く林檎      あんこ   朝幹亜四

失恋のかもめゆつくり飛びて秋     けんじ   露独
木の実落つ愛の讃歌のリズムかな    けんじ   朝由
結界のほつれに群れし秋の蝶      けんじ   ダ苑亜四
通草の実婚活パーティー玉砕す     けんじ   苑独由亜
歌姫の取り残されし大花野       けんじ   朝海独

恋の話曾祖母とする夜長かな      ダイスケ  朝海苑露あ独由け四
銀杏に語らふ愛の重さかな       ダイスケ  け
エプロンの結び目ほどく夜業明け    ダイスケ  朝海苑不幹亜け
交差イトコ婚平行イトコ婚鴨渡る    ダイスケ  由け四
カーブに添つて大通りまでねこじやらし ダイスケ  け

恋人を金柑にしてすこし囓る      苑を    ダ露幹由
菌類の宙のかたちを偏愛す       苑を    独四
結審の日や十月が暑過ぎる       苑を    不露
婚姻の矩形の釘に月射しぬ       苑を    独四
秋雨や動物園のゴリラの眼       苑を    あ

恋文をかしこで結ぶ紅葉かな      亜紀    ダ独
秋の夜の定位置に置く愛読書      亜紀    朝海苑幹
結び目をほどくマニキュア昼の虫    亜紀    不あ
金婚式までの幾年いわし雲       亜紀    幹
一つ家にともる灯りや林檎剥く     亜紀    海
縦糸に絡む横糸秋澄めり        亜紀    海ダ苑

無花果や恋とは水利悪きもの      藤幹子   不
ゐのこづち剥がしつつ愛されてゐる   藤幹子   朝不露由亜
野分晴結ばれてゆく高速道       藤幹子   ダあ由
扇置く婚姻費用計画書         藤幹子  
愛弟子を抵当にして花圃広し      藤幹子  

望郷や妻恋坂の天高し         独楽    露
愛憎の渦巻くドラマ夜の長し      独楽  
秋茜結ばれしまま過ぎにけり      独楽    幹
婚礼の席に秘蔵の猿酒         独楽    あけ
紅葉且つ散る内戦の終わらぬ国     独楽    苑

菱の実や歌仙の恋を歪めたり      由季    不
秋虹の端見届けて愛妻家        由季    露あ
結論を先に言ふ癖竈馬         由季    海露亜け
秋の水婚姻色のちらちらす       由季    ダ不あ亜四
雑然と釣瓶落しの繊維街        由季    朝海ダ不幹あ亜四

紅葉且つ散る国分寺恋ヶ窪       不孤    朝海苑あ由亜け
愛ちやんの膝に愛ちやん秋うらら    不孤    海露亜
しらみつぶしに検査結果の夜長かな   不孤  
吾亦紅婚姻届の色が地味        不孤    朝海苑け
蟷螂の睨み合ひたる句会かな      不孤    朝ダけ

恋ならば薄いほどよし水澄めり     四童    海不露
愛欲のかたちばかりの秋の空      四童    幹
結石を押し出す秋の尿かな       四童    独
いちめんの婚姻色の秋夕焼       四童    朝不
をちこちに求愛の鰡さびしかり     四童    幹

以上。(集計:不孤)

0 件のコメント:

コメントを投稿