2013年7月11日木曜日

散房花序句会・作者発表

薄暑なり戸のふはふはと散髪屋     天気    海不四由
ちよつとのま茶房ブラジルにて涼む   天気    朝あ不苑由亜
音まみれ光まみれに大花火       天気    亜
空のいろ縁台将棋まだ序盤       天気    朝
終バスの煌々とあり夏は来ぬ      天気    朝海独

白南風や床に髪散る理髪店       露結    ダけ亜
房総は遠きところや浜万年青      露結    独
窓閉ぢし妻のうしろや花柘榴      露結    四
序文のみ読みて書を伏す雲の峰     露結    海け
心太いま胃袋を通過せり        露結    朝四け

釣堀に人散らばつてゐたりけり     朝比古   あ不四苑由天独
人間の房となりけりハンモック     朝比古   あ海露不由ダ独
サングラス真紅の薔薇を買つてをり   朝比古   あ
いろいろの序で出てくる帰省かな    朝比古   海不
赤んぼへ顔を作りてサングラス     朝比古   ダ亜

龍角散ビルきらめくや露涼し      ダイスケ  
瓜番の官房長官といふ渾名       ダイスケ  四独
あんみつや大助・花子しやべる昼    ダイスケ  露苑天独
夏座蒲団子らの手習ひ仮名序かな    ダイスケ  
スワンボートゆたゆたと競り合つてをり ダイスケ  け

散骨や我も孤島の黒揚羽        海太    不独
涼風や海豚の匂ふ安房の国       海太    朝露ダ亜
花街の蟻花街を出たがらず       海太    朝露不四由ダ天
雲を釣る序でに鮎を釣りにけり     海太  
一山を檻のごとくに目白鳴く      海太    露け

合歓の花散るや混沌の始まり      独楽    天
独房の壁に描かれし花菖蒲       独楽    露け
花アカシアマヨネーズ持ち歩く人    独楽    露不苑ダけ
短夜のエヴァンゲリオン序説かな    独楽    あ
月涼し欽ちゃん走りダイエット     独楽  

夏の雷散り散りになる雀かな      けんじ  
一房の葡萄からから鳴りにけり     けんじ   露
波立てぬやうに開きし水中花      けんじ   海露ダ
蟻の巣の秩序そのまま水没す      けんじ   海露不四由ダ天独
スマートフォン床に転がし夏寝覚    けんじ  

退場のダンサー闇へ汗の散り      あんこ  
白日傘房のかたちの開かるる      あんこ  
空つぽの家凌霄花湧き上がる      あんこ   海由
序盤より飛ばす演奏生ビール      あんこ   不苑由ダ天亜独
夕立後大気傷つけぬやう歩く      あんこ   四苑由亜独

ほろほろと花火の散つてあかい空    苑を    ダけ亜
独房のやうなホテルと海酸漿      苑を    由天
遠花火母の流れる九十九川       苑を  
選挙カー序盤戦から暑苦し       苑を  
波音の遠のいてゆく枇杷の種      苑を    あ海亜

七夕や往古の恋の散らし書き      不孤  
閨房のさらに清しき蚊帳の内      不孤    朝け
花合歓の蕊こそばゆき夕べかな     不孤    あけ
明易の母の雁塔聖教序         不孤  
泰山木近づけば花消えてゆく      不孤    あ

夏蝶の当たり散らしてゆく白昼     亜紀    露不四苑由け
工房の窓を満たせる雲の峰       亜紀    あ天
花柄の水着伸びるよ試着室       亜紀    朝あ露四苑独
ところてん話す序でに聞く話      亜紀    海苑由ダ
サングラス準備体操念入りに      亜紀    朝由天
片蔭に治まる猫の仕草なる       亜紀  

カンナ咲く温泉通り閑散と       由季    朝あ海四苑亜
西日差す知りつくしたる厨房に     由季    朝海四苑亜
金魚玉越し花柄のワンピース      由季    朝不四苑天亜
香水は順序最後と決めてゐる      由季    海独
合歓の花大勢でする雨宿り       由季    朝あ露苑ダけ天亜

散歩即ハイビスカスとなりにけり    四童    天
みどりごで乳房を隠す端居かな     四童    ダ
団地あゝ悪だくみする凌霄花      四童    あ独
耳打ちの序でに噛めり盆踊       四童    不
炎昼の終はるところが夜の国      四童    け天

以上。(集計:不孤)

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