2013年7月3日水曜日

世界遺産句会・作者発表

発表です。

ひまはりや彼の世はことのほか白き   露結    直独四
界隈に居酒屋多し夏の月        露結    朝あ由
遺体しばらくほうつておけば蠅がくる  露結    直不由四
産道を出てしばらくの梅雨湿り     露結    四
スマートフォン時々汗を気にしつつ   露結    直亜

走馬灯あの世この世を往き来せり    直子  
蛍の夜結界超えて夫を訪ふ       直子    海不
遺精なほ老年にあり昼寝覚       直子  
Z旗のごとく産着の南風に乗る     直子  
被災者に夏帽を脱ぐ陛下かな      直子  
白南風の飛行機雲に「生きよかし」   直子  

片蔭の世田谷通り恋始まる       ダイスケ  朝あ不四
さみだれて界隈淡く青帯びぬ      ダイスケ  直け
遺言のはじめにサングラスのこと    ダイスケ  海不由独
夏暁や産業道路未だ静か        ダイスケ  あ直不
シャーベット爽やかに濃し伯爵邸    ダイスケ  朝あ露不由亜

軽鳧の子の出世頭のゐるごとく     朝比古   不
夏の夜の世界の歪む世界地図      朝比古  
三伏の遺書の書き方講座かな      朝比古   海独
万緑に水の産まるる処かな       朝比古   ダあ海
白南風やアラブの国の続き文字     朝比古   あ

蟻地獄理知が勝ちたる世の底に     海太  
界隈とは実梅の落ちてゐるところ    海太    ダ由
遺してはくれぬか蟻の塔図面      海太    独
老鶯の声の生産まだかまだか      海太  
紫陽花の褪せ加減でも見に行くか    海太    不由け亜四

夕焼のよく浸みてゐる世田谷区     独楽    ダ直露不由け亜
限界を超えて泰山木の花        独楽    あ海亜四
遺言のごとく佇む夏館         独楽    朝ダ海露由
産声の響く廊下や明易し        独楽    け亜
夏痩せといふものに憧れてゐる     独楽  

幼子の世界まるごと夕焼くる      亜紀    ダあ直け
あぢさゐの視界に消ゆる野球帽     亜紀    朝あ露由け
靴下あと残る素足の遺憾なり      亜紀    不け独
産土に風の生まるる晩夏かな      亜紀    海け
さざれ石真白きままに夏終る      亜紀    ダけ
サングラス外して越ゆる境界線     亜紀    露
一見の店に鮨食ふカウンター      亜紀  

仏法僧世渡りの下手の遺伝せし     けんじ   露
熱帯夜緩む界面活性剤         けんじ  
遺言の一つとなりし揚羽蝶       けんじ  
サイダーの泡の産まれしファンファーレ けんじ   朝直露
白壁を真つ直ぐつたふ蝸牛       けんじ  

逆光の神輿この世へ戻りたる      あんこ   朝直海露独亜四
炎昼や世界の果てを行く列車      あんこ   独
遺言書諾ふやうな扇風機        あんこ   不
産道の深し緑陰抜けてくる       あんこ   海不四
こあぢさゐトンネルの闇濡れてゐる   あんこ   朝ダ海由独亜

世に鎌を掛け蟷螂の生まれたり     由季    四
界隈の猫に新顔月見草         由季    ダけ
白靴のひとと遺跡を巡りをり      由季    朝ダあ海亜四
日本産アリ類画像データベース     由季  
猫の来るスペース残し籐椅子に     由季    独四

世知辛く押し出されたる心太      不孤    朝直露け独亜
鴉は山に三千世界の大昼寝       不孤    直
水着干されあり遺失物センター     不孤    あ露け亜四
浅草やサンバ繰り出す産婆連      不孤  
蛍狩蕎麦打プラスサプライズ      不孤  

隣から尾崎紀世彦グラジオラス     四童    ダ由独
梅雨闇の鏡世界にをんな立つ      四童    あ海露
遺失物引取に行く梅雨の闇       四童    直
産院の廊下のやうな梅雨晴間      四童    朝ダ露由亜
ざりがにを釣る刻々も双子かな     四童    朝ダ独

以上。(集計:不孤)

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