お待たせしました。
上からも下からもくる春愁 露結 朝海由独四亜
朧夜の市営球場灯りゐる 露結
囀りや売物件のビラ剥がれ 露結 朝た
猫語にも日本語のあり猫の恋 露結 た
レシートの貯まる財布や鳥雲に 露結 海亜た
春風がスキップを踏む波の上 直子
春風や地球の長き影揺れて 直子 独四た
物の怪の駆けづりまはる春の風 直子
春風とともにアイヌ語圏に入る 直子 露
陳さんのいちもつ揺るる春の風 直子 露
春禽や上流の光つてゐたり あんこ
球状の化石に触れてあたたかし あんこ 由
花大根裏で出し物準備する あんこ 海由
メーデーに語られてゐる伝説よ あんこ
緋の躑躅S字カーブへ差しかかる あんこ 直亜
上巻にエピローグなし月日貝 海太 露由四
小手毬の花を揺らすも球技かな 海太 露直
山笑ふ洗濯物の堆く 海太 あ
雁風呂や炊くよりまづは語るべし 海太 露
来賓の祝辞に代へて田螺鳴く 海太 直亜
メーデーの列のしんがり上の空 朝比古
まくなぎがところどころに野球場 朝比古 露由た
物欲を捨つるごとくに鳥雲に 朝比古 海
ビール飲む父より和製英語かな 朝比古 四あた
鳶職のさつと足場を夏はじめ 朝比古 海由あ
空つぽの箱かぎろへる上野駅 独楽 露海亜た
苗札に地球と書いてありにけり 独楽 由四あ直亜た
物証が無くて桜餅の匂ひ 独楽 露朝海由四亜
カタコトの英語で話す遅日かな 独楽 朝由亜
ビターチョコレート寄居虫が見る夢 独楽
牛乳で飲むみどりの日の胃薬 独楽
猫の恋金のしゃちほこ屋根の上 たろう
虹の中琉球グラスの泡うかぶ たろう あ
蚯蚓鳴くいいじゃないかな無一物 たろう
大喜利の扇おおぶり江戸落語 たろう
青大将ウェットスーツに見をかため たろう
泡盛の月もおぼろの竜宮城 たろう
上履きに履き替へてより余花の雨 亜紀
行く春や球審の声高々と 亜紀 朝
静物画に黒点ひとつ蝿うまる 亜紀 直
語尾上げて話す駅長山笑ふ 亜紀 海独直た
這ひ這ひを競ふ赤子や花は葉に 亜紀 独
五徳てふ呼び名ふくふくあたたかし 亜紀 直
頂きに雲の溶け行く暮春かな 亜紀 朝
上ばかり飾られてをり花御堂 由季 朝あ
球場にだらけてゐたる鯉のぼり 由季 朝独四あ亜た
混沌と物理の板書春深む 由季 朝独四あ直
ラテン語を掲げる校舎鳥曇 由季 独四あ亜
海女の顔思はぬ方に出てきたり 由季 朝海独四あ直
就中上海の水温みをり 四童
円よりも球こそ夏の初めかな 四童 独
つばくらめ醸造技術にも物議 四童 露
決めうちの語彙決めうちの卯波かな 四童
羊から躑躅に至る奇譚かな 四童 海由独直
以上。(集計:不孤)
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